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この週末の全米映画興行は、前年比で約1割強の売り上げアップを達成していますが、その昨2009年の同時期に興行ランキングで第1位だったのは、「パラノーマル・アクティビティ」(2007年)でしたから、そのオリジナル映画を上まわるような続編のヒットが、そのまま反映された格好のアクティビティとなっています…!!




先週の木曜日(10月21日)に、先行無料試写会の長蛇の行列の写真を紹介した時点から、何か、おかしなことになりつつあるな…といった雰囲気を匂わせていた「パラノーマル・アクティビティ2」について、前夜祭のミッドナイト興行で、ダークヒーロー映画の最終兵器「ウォッチメン」(2009年)の R 指定映画の深夜興行記録=約460万ドルを更新する約630万ドルを売り上げたばかりか、それを含めた初日だけで約2,010万ドルの大ヒットになったことを、週末の土曜日(23日)に、2度にわたってお伝えしました。

そのパラマウント・アクティビティ製作・配給の「パラノーマル・アクティビティ2」が初日に達成した約2,010万ドルというのは…、
「ザ・リング 2」(2005年3月公開)が、スーパーナチュラル系のホラー映画カテゴリーにおいて保持してきた初日興行成績の記録=約1,480万ドル(3,332館)を破ると同時に、スラッシャー系ホラー映画カテゴリーで第1位のリメイク版「13日の金曜日」(2009年2月公開)の初日売り上げ記録=約1,929万ドル(3,105館)をも抜いた、実はホラー映画ジャンル全体で新記録となる驚きの数字だったわけですが、その勢いを保った本作が、全米3,216館の約4,500スクリーンでかき集めたオープニング成績は、先のランキング表でご覧のように約4,150万ドルにまで達し、案の定、ホラー映画の歴史を塗り替える特大ヒットになってしまいました…!!

そもそもゲーム・デザイナーで、映画は素人のオレン・ペリが、自宅で無名の副業俳優とビデオカメラを使い、約1万5,000ドルの、言わば、ノーバジェットで製作した「パラノーマル・アクティビティ」は、スピルバーグ監督のドリームワークスが目をつけて、一部を手直しし、パラマウント映画の口コミを誘う巧みな宣伝によって大ヒットを遂げた驚異の自主製作映画でしたが、似たような作品のタッチと口コミの経緯で、過去に同様の大ヒットを記録した「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の続編が、まったく見向きもされなかったことから、「パラノーマル・アクティビティ2」も同じ悲惨な運命の“ブレア・ウィッチの呪い”に見舞われるのではないか…?!と、興味と関心を集めていました。

ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999年7月16日公開/製作費6万ドル)
オープニング成績/2,920万ドル(1,101館) 国内/1億4,053万ドル+海外/1億810万ドル2億4,863万ドル

ブレアウィッチ2」(2000年10月27日公開/製作費1,500万ドル)
オープニング成績/1,322万ドル(3,317館) 国内/2,643万ドル+海外/2,130万ドル4,773万ドル

       ※まさに一発屋だったことが、よくわかりますね。


パラノーマル・アクティビティ2テレビスポット




しかしながら、「パラノーマル・アクティビティ2」が実際に売り上げたオープニング成績は、前述のように約4,150万ドルで、この数字は、ハリウッド版リメイク・ホラーの「ザ・グラッジ/呪怨」(2004年10月22日公開/製作費1,000万ドル)のオープニング成績=約3,912万ドル(3,245館)に呪い勝ったばかりか、すでに初日成績を打破したリメイク版「13日の金曜日」(2009年2月13日公開/製作費1,900万ドル)のオープニング成績=約4,057万ドルをも血の海に沈めることに成功した、ホラー・ジャンルで完璧に王者に君臨の、まさに記録破りのオープニング・ヒットとなっています…!!

ただし、ここであえて、ひとつふたつ釘を刺しておくと、現代のエド・ウッドの巨匠M・ナイト・シャマラン監督の「サイン」(2002年8月公開/製作費7,200万ドル)=オープニング成績/6,011万ドルや、「ヴィレッジ」(2004年7月公開/製作費6,000万ドル)=オープニング成績/5,074万ドルといったコメディ映画を、広い意味でホラー作品と見なした場合、「パラノーマル・アクティビティ2」のオープニング成績は史上第3位ということになります。さすが、自らをスタンリー・キューブリック監督に並ぶ天才と自認するM・ナイト・シャマラン監督ですね…!!(笑)

また、そのように「パラノーマル・アクティビティ2」のオープニング成績が目を見張るものであったことから、前作を上まわるヒットを達成したかのように思うのは当然で、それを検証するために、前作の自主製作映画「パラノーマル・アクティビティ」(2009年9月25日公開)の拡大公開時と比較してみると、確かに第1作めの同オープニング成績は約1,961万ドルだったので、続編の方が2倍以上も数字を上まわっているわけですが、オレン・ペリ監督が自宅で作ったビデオ映画は拡大公開と言っても、たったの760館での上映にしかすぎませんでした…。
なので、スクリーンの数が違いすぎるため、1館あたりのアベレージで比較すると、オリジナル映画が約2万5,813ドルを稼いでいたのに対して、第2作めのこの週末の平均売り上げは、その半分の約1万2,904ドルです…。
どうでしょう?!、やはり、第1作めの方が熱気を帯びて、よりヒットしていたことになるのかもしれません…。


とは言え、「パラノーマル・アクティビティ2」の製作費は、土曜日にもお伝えしたように、たったの300万ドルで、パラマウント・アクティビティは初日だけで、すでにその投資金を取り返し、たった1日で黒字をアゲていますから、オレン・ペリ監督に代わって、メガホンをとるはずだった「SAW」シリーズのケヴィン・グルタート監督が掟破りの引き抜き合戦(↓関連記事参照)で降板せざるを得なくなった穴埋めとして、アートハウス系映画の監督キップ・ウィリアムズ(「ドア・イン・ザ・フロア」2004年)を起用した意表の人材登用で、“ブレア・ウィッチの呪い”を見事に回避する続編を作り上げたことは大いに評価しなければなりません。

そんな「パラノーマル・アクティビティ2」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での評価の支持率は67%で、映画レビューのまとめサイト Metacritic では、23件のレビューのうち、8件が絶賛で、2件が否定。そして、残りの13件が、まぁまぁ…といった平凡な評価をあわせ、トータルの指標として、53ポイントがつけられています。
しかし、そうした評価をひっくるめて数値化した価よりも、CIAリーダーのジャンル映画マニアのみなさんにとっては、“監視カメラで作った「ポルターガイスト」!!、真夜中に観るのに完璧な作品!!”という、エドガー・ライト監督の好評価のコメントの方が説得力があるのでは…?!


いみじくも、エドガー・ライト監督が、1982年公開のホラー映画の傑作「ポルターガイスト」を例にあげ、引用してくれたように、そういう内容の物語で、オリジナル映画の前日譚として、恐怖の背景を説明するのと同時に、その後の出来事も含めて描いた続編の要素もあわせ持つ「パラノーマル・アクティビティ2」が、果たして、元手の1万5,000ドル=約122万円が、約1億9,335万ドル=約157億3,486万円(国内/約1億791万ドル+海外/約8,543万ドル)にまで膨らんだオリジナル映画のような荒稼ぎ大ヒットにまで、今後、成長するのか?!、ホラー映画には、おなじみの2週めの垂直落下式集客ダウンの売り上げ減少が待ち受けているため、まだ保証はできませんが、本作が記録を破った先の2作品=「13日の金曜日」&「ザ・グラッジ/呪怨」の成績は最終的に以下のようなもので…

リメイク版「13日の金曜日」国内/6,500万ドル+海外/2,637万ドル9,137万ドル
ザ・グラッジ/呪怨」国内/1億1,035万ドル+海外/7,692万ドル1億8,728万ドル

やはり、、観た目のショックを売りにしたスラッシャー系のホラーよりも、怖さがじわじわと浸透する心霊系のホラー映画の方が、口コミを誘って、大きなヒットにつながりやすいことがわかります。
よって、ジャンルを細分化した枠組みでは後者に属する「パラノーマル・アクティビティ2」にも、充分にロングランになる可能性はありますね。

なお、配給のパラマウント映画の出口調査アクティビティによれば、「パラノーマル・アクティビティ2」のオープニング興行の観客の約6割が25歳以下で、若年層が若干、目立ち、男女比はほぼ均等の半々だったそうです。

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