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SAW-ソウ-トビン・ベル

「パラノーマル・アクティビティ2」がジグソウの死の罠にかかり、ゲームの時計が断末魔に向け動き始めました…ッ!! → 





ちょうど1週間前の20日(水)に、素人が自宅で製作した超低予算ホラー映画「パラノーマル・アクティビティ」(2007年/今週末30日公開)を巧みな宣伝で、1億ドル以上を売り上げるブロックバスター映画に変えてしまったパラマウント映画が、今秋、全米公開する続編「パラノーマル・アクティビティ2」の監督として、ライバルの「SAW」シリーズの「1」から「5」までを編集し、「ソウ6」(2009年)を監督した生え抜きのスタッフであるケヴィン・グルタートを引き抜いてしまった…ッ!!という、驚きのニュースをお伝えしました。
そのパラマウント映画が叩きつけたホラー映画の覇権奪取を告げる仁義なき宣戦布告に対し、「SAW」シリーズの第1作めを公開した2004年以来、アメリカのホラー映画シーズンとなるハロウィン興行の縄張りを牛耳ってきたライオンズゲートが、あろうことか、引き抜かれたケヴィン・グルタート監督を「パラノーマル・アクティビティ2」から逆に引き抜き返す…!!という、とんでもない掟破りに出たことを、Variety に見切りをつけたマイケル・フレミングがスクープとして伝えました…!!
そんな逆に引き抜き返す…?!なんてことが可能なのか?!と、ちょっと疑問に首をかしげる映画ファンの方もいるかもしれませんが、「アイアンマン2」が若手演技派の名女優エミリー・ブラントを女刺客の悪女ブラック・ウィドウに起用し、映画の質の向上を目指そうとした矢先、20世紀FOXが過去に結んだ契約を盾にエミリー・ブラントを、ジャック・ブラック主演の最新作「ガリバー旅行記」(12月全米公開)に強制出演させ、エミリー・ブラントの「アイアンマン2」登場を阻止して、トニー・スタークはやむを得ず、オーディションで失格にしたスカージョを復活させなければならなかった…というスキャンダルがあったことを覚えておられる方もいると思います。今回もそれと同じで、ライオンズゲートは、すでに決まっていた「SAW7 3D」のデヴィッド・ハックル監督をあえて解任し、「ソウ6」の時に結んだオプション契約を盾にして、ケヴィン・グルタート監督に代理にシリーズ最新作のメガホンをとるように強制したものです…。
共に今秋10月22日の全米同日公開で正面から激突する「SAW7 3D」と「パラノーマル・アクティビティ2」は、その封切り日から逆算してもわかるように、撮影開始まで間がなく、ケヴィン・グルタート監督はクランクインが2週間先に迫った「SAW7 3D」を、ロクに準備が出来ないまま、演出するハメになってしまいました。
よって、ライオンズゲートの逆襲が、自社にとって有益だったのか?!は甚だ疑問ですが、最初に抗争を仕掛けたパラマウント映画は、オリジナルの「パラノーマル・アクティビティ」を作ったオレン・ペリ監督が新作「エリア51」の仕上げ段階にあるため、ピンチヒッターを急遽、依頼するわけにもいかず、またイチから早急にプロジェクトを立て直さなければならないという、さらに痛い状況に陥っています。
今後、両社の抗争がさらに過熱するのか?!、その成り行きは要注目ですが、このホラー映画の覇権争いの最大の被害者とも言えるデヴィッド・ハックル監督は、初メガホンをとった「SAW Ⅴ」(2008年)以後から進めてきた「SAW7 3D」のプロジェクトを無理に剥奪した謝罪として、ライオンズゲートから別の企画をあてがわれることになったそうです…。
こうしたドタバタの末、出来上がった「SAW7 3D」と「パラノーマル・アクティビティ2」がつまらなかったら、ホラー映画ファンはたまったもんじゃありませんね…!!

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