Suicide Squad:悪のヒーロー映画「スーサイド・スクワッド」の予告編が大ウケして、みなさんが気に入ってくれたので、その予告編にそって、映画を作り変えることにした本末転倒の醜い混乱の舞台裏が明らかになった!! - Part ②
by
Billy
1999年8月4日水曜日
昨2015年7月に、サンディエゴ・コミック・コンで披露した予告編が盗撮されて、無断でオンラインで公開されたことから、ワーナー・ブラザースは嫌々ながら、「スーサイド・スクワッド」の予告編を公式にリリースしたところ、同社にとっては勝負映画の「バットマン V スーパーマン」の予告編の視聴回数を大きく超えた数字を悪役特攻部隊が叩きだして、思いがけず一気に人気が過熱し、それ以来、最も話題の映画にのぼりつめてしまった不幸中の幸いだったわけですが、そのように予告編が大いに気に入られて、DCコミックスを代表する悪役たちのハチャメチャで、クレイジーな大暴れの映画にファンが期待を寄せる一方、実際のところ、デヴィッド・エアー監督が作ろうとしていた映画は、予告編のイメージとは違って、くすんだ印象のダークで、よりシリアスなコミックヒーロー映画だったそうです。
となれば、ザック・スナイダー監督のくすんだ印象のダークで、シリアスなコミックヒーロー映画路線が、あまり好意的には受け入れられず、「マン・オブ・スティール」と「バットマン V スーパーマン」とが興業で苦戦したことを踏まえると、その2本とは大きく印象が違って、派手派手しいイメージだったせいで、大ウケをした「スーサイド・スクワッド」の “ 予告編 ” を参考にするべきと思ったらしいワーナー・ブラザースは、あろうことか、その予告編の方に映画本編の内容を近づけるべく、予告編を製作したプロダクションのトレイラー・パークを起用して、デヴィッド・エアー監督が自分の「スーサイド・スクワッド」を仕上げていくのとは別に、自分たちは自分たちで、同じ素材を使いながら、もう1本の別の「スーサイド・スクワッド」を作ってしまったそうです…!!
つまり、メガホンを託されたデヴィッド・エアー監督が意図した「スーサイド・スクワッド」と、本来は予告編を作る人たちとが仕上げた「スーサイド・スクワッド」の異なる2本のバージョンが、実は存在していたわけですが、キム・マスタースが取材をした関係者の証言によれば、あくまでも、デヴィッド・エアー監督の了承も得たうえで作られたと主張された2本の「スーサイド・スクワッド」は、5月に北カリフォルニアの某所でテスト試写が行われ、異なる「スーサイド・スクワッド」に対する観客のそれぞれの反応の結果を分析して吟味した結果、どうやら、予告編プロダクションのトレイラー・パークが仕上げた「スーサイド・スクワッド」の方が好評を博したらしく、“ 「スーサイド・スクワッド」の予告編 ” みたいなハチャメチャ感を軸にして、個々の悪役たちの紹介シーンをより追加するという妥協点を見い出していった結果が、今週末に全米で封切られる「スーサイド・スクワッド」の劇場版だそうです…!!
そのような経緯を知らされると、昨日お伝えしたレビューの記事の中で、ジェフ・バイエルが “ 予告編の寄せ集め ”と評していたのも納得ができる一方で、カリスマ映画ブロガーのピーター・シレッタが “ 宣伝で期待させている面白さに対して、実際の映画はほど遠い… ” と評したのは、それぞれ皮肉な感じですが、テスト試写の結果を踏まえて、ワーナー・ブラザースとデヴィッド・エアー監督とが妥協点を見い出した中間の落としどころの「スーサイド・スクワッド」に作り変えるために、追加の撮影を行ったことで、映画の製作費は、およそ1億7,500万ドルにまで跳ね上がり、仮りに全世界のトータルの興業成績として、「バットマン V スーパーマン」と同等の8億ドル台を稼いだとして、ようやく収支はトントンで、釣りあいがとれるそうですから、悪役特攻部隊は10億ドル超えを狙わなければならないのかもしれませんが、しかし、ワーナー・ブラザースとしては、7億5,000万ドルから8億ドル台を売上げ、赤字にならなければ、それで充分に成功と見なす考えだそうです。
以上のような、ワーナー・ブラザースはワーナー・ブラザースで、予告編の製作プロダクションを使って、自分たちの「スーサイド・スクワッド」を作り、デヴィッド・エアー監督は自分が本来望んでいた映画を仕上げ、それぞれを天秤にかけて、ミックスするという映画の作り方について、同社の製作部門の代表の重役グレッグ・シルバーマン氏は、デヴィッド・エアー監督とワーナーとの共同声明として…、
“ とても素晴らしい実験でした。私たちは一連の過程において、共に協調し、多くの実験を試しました。でも、私たちはお互いに、その結果を誇りに思っています。「スーサイド・スクワッド」は、デヴィッド・エアー監督の作品です。そして、ワーナーは自信を持って、それをみなさんにお届けします。 ”…と発表し、わかり切っているいることなのに、あえて、ことさら、「スーサイド・スクワッド」は、デヴィッド・エアー監督の作品です。と言うところに何だか苦しいものを感じてしまう、このグレッグ・シルバーマン氏の共同声明にあわせて、当のデヴィッド・エアー監督も、以下 ↓ の Tweet のように、「スーサイド・スクワッド」の製作は、自分のキャリアにおいて、最高の実験であったことのほか…、
Zapata quote is my way of saying I love the movie and believe in it. Made it for the fans. Best experience of my life. ??
— David Ayer (@DavidAyerMovies) 2016年8月2日
昨日お伝えしたメキシコ革命の指導者エミリアーノ・サパタの歴史的名言 “ ひざまずいて生きるぐらいなら、むしろ、立って死ぬほうがいい ” を引用した映画革命?!のコメントの真意として、自分が出来上がった映画を気に入っているだけでなく、間違いなく、コミックヒーロー映画のファンのために作られた作品であると確信していると、つじつまのよくわからないことを語ってくれています…!!
しかし、そうした両社の協調を訴えた言葉とは裏腹に、キム・マスタースによれば、グレッグ・シルバーマン氏が述べた “ 共に協調し… ” の声明は大いに怪しく、2本の「スーサイド・スクワッド」を作って、天秤にかける経緯は、とても穏やかとは言えず、どうやら、ワーナー・ブラザースの強引な圧力に耐え切れなくなったらしいデヴィッド・エアー監督は、どうにかして事態の打開をはかろうと思ったのか?!、自分のマネジメントを長年にわたって託していたエージェンシーの CAA を離脱し、別の大手エージェンシーの WME に移ろうとする騒動が先月6月に勃発したそうですが、最終的には同監督との間で、その日のうちに事を丸く収めることができた CAA 側が、引き留め工作に成功したそうです。また、それどころか、さらに加えて、ワーナー・ブラザースは、デヴィッド・エアー監督のみならず、「スーサイド・スクワッド」の主役のウィル・スミスとも引き続き組んで、製作する予定だった次回作の「ブライト」を棚上げして、見送ってしまい、同企画が Netflix に移ることになってしまったそうですから、「スーサイド・スクワッド」の内容をめぐって、ワーナー・ブラザース VS.デヴィッド・エアー監督との間で、熾烈な闘いの軋轢があったであろうことは憶測されても仕方がありませんし、それに、そもそも、監督は監督で自分の映画を作り、映画スタジオの側は、それとは別に予告編のスタッフを使って、別の映画を作るって、共同作業ですか…?!
デヴィッド・エアー監督が仕上げた自分なりの「スーサイド・スクワッド」と、予告編の製作プロダクションのトレイラー・パークが仕上げた「スーサイド・スクワッド」の両バージョンは、どう異なるのか…?!、実際に両方を観比べる機会に恵まれたテスト試写の観客でなければ、どちらがどうとも言えないので、今回の “ 実験 ” の良し悪しを決めつけることはできませんが、ひとまず、今ある「スーサイド・スクワッド」のレビューの結果は完全に失敗作と出ています…。それでも、この週末に全米で封切られて、大ヒットを達成し、観客がよろこべば、映画は充分に目的を達して、大成功だと言えるのですが、しかし、映画製作の過程において、直接の因果関係は明言できないものの、前述のような監督が自分の所属事務所を変えようとしたり、次の映画のプロジェクトを反故にするといった意地悪?!の確執まであったらしい…、その結果、映画は失敗でした…などと伝えられて、「スーサイド・スクワッド」に期待していたファンのみなさんは気分がよいでしょうか…?!、本当にDC・シネマティック・ユニバースを盛り上げるのであれば、映画の出来栄えは当然、最も重要ですが、それに加えて、何か根本的なところから変えなければならないような気がしないでもありません…。
CIAリーダーのみなさんは、「スーサイド・スクワッド」が思いがけず、第2の「ファンタスティック・フォー」のように言われ始めたことについて、どのような感想をお持ちになられたでしょう…?!、そして、業界から葬り去られたかのようなジョシュ・トランク監督の前例を考慮して、デヴィッド・エアー監督は、立って死のうとしたけれど、結局は、ひざまずいて生きたのではないでしょうか…?!、「スーサイド・スクワッド」について、こんな記事を作るとは思ってもいませんでした…!!<<<<<<< Part ① に戻る…
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