************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


とうてい映画を観に行く気分ではありません…という、日本の大地震の状況から、現地国内の観客動員が落ち込み、それが大きな要因となって、この週末の全世界での映画興行成績が、前年同時期との比較で約6割も大幅に下落してしまったことを、業界メディアの THR が伝えていますが、全米映画興行では、ソニー・ピクチャーズが封切った超実戦型SF市街戦ムービー「バトル・ロサンゼルス」が実写映画としては、今年2011年で№1となる大ヒットのオープニング成績=約3,600万ドルを記録しています!!、ただし、実写映画としては…と限定づけたように、今年最大のオープニング・ヒットは、先週の前回(3月4日~6日)に、パラマウント映画が封切った、ジョニー・デップがカメレオンを演じているアニメ「ランゴ」が記録した約3,807万ドルで、「バトル・ロサンゼルス」は第2位に下ってしまうため、週末興行成績の全体も、わずかではありますが、約2%ほど、先週から実績をダウンさせてしまっています。また、前年同時期との比較では、昨2010年春は、カメレオンではなく、イカレ帽子屋のマッドハッターだったジョニー・デップのディズニー映画「アリス・イン・ワンダーランド」が、3Dブームに乗り、猛烈な大ヒットとなっていたので、当然それにはおよばず、約12%ほど売り下げてしまっています。見事に初登場の第1位「バトル・ロサンゼルス」については、追って、別にページをもうけるとして、続きを読むのあとでは、まず第3位のアマンダ・セーフリードの新作「レッド・ライディング・フード」の興行成績をチェックしていきましょう…!!




ミュージカル映画「マンマ・ミーア!」(2008年)で大ブレイクを果たした、人気のエロカワ女優アマンダ・セーフリードを主演に起用し、「トワイライト」(2008年)のキャサリン・ハードウィック監督のメガホンで、グリム童話の「赤ずきんちゃん」をゴシック・ホラー風の三角関係恋愛映画に仕立て上げ、「トワイライト」の観客層を狙い撃ちした「レッド・ライディング・フード」が、3,030館の約3,500スクリーンで売り上げたオープニング成績は約1,413万ドルで、公開2週めの「ランゴ」に敗れて、初登場第3位となってしまいました…。
国内で最終的に約1億9,276万ドルを稼いだ「トワイライト」のオープニング成績は約6,963万ドル(3,419館)だったので、「レッド・ライディング・フード」の数字は、それともはや比較の対照にはならず、同じ監督を起用したところで、エドワードとベラが出ていなければ意味がないでしょ…という、初めから万人がわかっていた、ワーナー・ブラザースの狙いの浅はかさが、キッチリと示されてしまった結果となっています。


レッド・ライディング・フードテレビスポット




それどころか、古典的な物語を再映画化した…というプロフィールにおいて、映画のタイプとして同系列に属する、先週の前回に初公開され、やはり第3位だった、ヴァネッサ・アン・ハジェンズとアレックス・ペティファーの現代版「美女と野獣」の「ビーストリー」(今週第7位)と比較した場合、テレビ局のCBSが封切った同映画のオープニング成績は約985万ドル(1,952館)で、1,000万ドルにすら届かない有り様でしたが、1館での売り上げを見ると、約5,047ドルを売り上げていたので、約4,665ドルしか集客できていないアマンダ“マンマ・ミーア”セーフリードは、ヴァネッサ“ハイスクール・ミュージカル”ハジェンズに敗北を喫し、ミュージカル映画対決の借りを返されてしまった格好となっています。(同じ2008年に公開された「ハイスクール・ミュージカル3」は、ミュージカル映画史上興行成績第7位で、「マンマ・ミーア!」は第3位!!)
また、前述の「アリス・イン・ワンダーランド」(オープニング成績=約1億1,610万ドル)も、童話の映画化という括りでは、同じカテゴリーに属することになりますから、仮りにワーナー・ブラザースが、前年春に童話映画が大ヒットした…という実績に則り、この「レッド・ライディング・フード」を、今のタイミングで封切ることにしたのなら、それは大きな見当ハズレだったことになります。


ちなみに冗談半分に、「赤ずきんちゃん」の原作者であるグリム兄弟をヒーローのような主人公に、テリー・ギリアム監督が仕立て上げたファンタジー映画「ザ・ブラザーズ・グリム」(2005年)とも比較してみると、同映画のオープニング成績は約1,509万ドル(3,087館)で、単館の売り上げは約4,888ドルでしたから、原作者の方が上手だったことになりますね。


主人公の赤ずきんちゃんバレリーを演じているアマンダ・セーフリードとしては、昨年のサマームービーの恋愛映画として、サミットワイライトが封切り、そこそこのヒットで成功した「レターズ・トゥ・ジュリエット」のオープニング成績が約1,354万ドルだったので、新作がそれを上回り、キャリアを発展させていることになりますが、ジェームズ・キャメロン監督の大ヒットSF映画「アバター」(2009年)の連続第1位記録を止めた映画として、後世の映画ファンからも苦笑されることになるメロドラマ映画「ディア・ジョン」(2010年)のオープニング成績は約3,046万ドル(2969館)でした。
同映画は、アマンダ・セーフリードの相手役が、同格の人気スターのチャニング・テイタムだったので、それを踏まえると、共演者の男優が実績不足のシャイロー・フェルナンデスである「レッド・ライディング・フード」は、実質的にアマンダひとりのネームバリューで集客を募らなければならないことになってしまいますから、ま、「ディア・ジョン」の半分の売り上げ…というのも致し方ないと言ってあげてよいのかもしれません。


しかし、「ディア・ジョン」の製作費が約3,000万ドルだったのに対し、脇役にゲイリー・オールドマンのような名優を配した「レッド・ライディング・フード」は、中世が舞台ということで、セットや衣装にもお金がかかるため、約4,200万ドルの製作費が使われています。なので、アマンダ・セーフリードの主演作を作るのなら、「ディア・ジョン」以上に用意したお金の一部を、相手役の男優にもっと費やすことを、製作者のレオナルド・ディカプリオは予算の配分で検討すべきだった…ということになってしまいます。


バレリーが自分の愛するピーター(シャイロー・フェルナンデス)狼男ではないか?!と覚るシーン!!



この「レッド・ライディング・フード」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は11%で、レビューのとりまとめサイト Metacritic では、33件のレビューのうち、19件がクソ映画とけなし、ホメているレビューは、この世界に1件も存在しないので、29ポイントを与え、共にこんな映画にお金を払ってはいけない…というレベルに置いています。
実際のレビューでは、概ね Dクラスの評価で、ほとんど作りものめいた雰囲気のソープオペラでありながら、一部に残酷なホラー要素も含むなど、総じて作品のバランスがとれていないことが指摘されていますが、「トワイライト」の二番煎じであれば、そうなるのは当然で、予想されていた通りの内容と言ってよいのかもしれません。
ワーナー・ブラザースの調べによれば、本作の観客の約64%は女性で、全体の半分強の約56%が25歳以下の若年層だそうですから、つまり、ティーンエイジャーの女の子が観客の主流…というのは、先の「ビーストリー」と同じはずなので、同じ市場に向けた作品が2週連続で封切られるタイミングを選んでしまったのも失敗のように理解されます。



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