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名匠クリント・イーストウッド監督が、前作の「インヴィクタス」(2009年)に続けて、マット・デイモンをキャストに起用したスピリチュアル・ドラマ映画「ヒアアフター」を、先の週末(10月15日)に、ニューヨークとロサンゼルス、カナダ・トロントの計6館で限定公開した配給のワーナー・ブラザースが、この週末に全米2,181館の約2,500スクリーンで拡大公開に踏み切ったオープニング成績は約1,200万ドルと低調で、BEST3にも入れず第4位だったマット・デイモンが落ち込んでいるのに?!(↑)、どうして、そんなに悪くない成績なのか?!、それをザッと手短に説明すると…、





まず、そのマット・デイモンも出演した前作「インヴィクタス」(2009年12月11日公開/製作費6,000万ドル)は、興行ランキングで初登場第3位と順位は上だったものの、オープニング成績は約861万ドル(2,125館)でしたから、クリント・イーストウッド監督+マット・デイモンのコンビとしては、「ヒアアフター」で実績をアップさせたことになります…!!

また、アンジェリーナ・ジョリーが主演した「チェンジリング」(2008年10月24日公開/製作費5,500万ドル)は拡大公開で、順位は同じく初登場第4位でしたが、オープニング成績は約935万ドルだったので、「ヒアアフター」はそれにも勝ったことになります…!!

で、それぞれの過去の監督作品の最終的な興行成績は…、

     「インヴィクタス」 国内/3,749万ドル+海外8,474万ドル1億2,223万ドル

     「チェンジリング」 国内/3,573万ドル、海外/7,728万ドル1億1,302万ドル

…だったので、まぁ、興行で大きな黒字はアゲられなかったもの、製作費は何とか回収できたかな…?!といった結果を示しています。

よって、それら2作品よりも製作費が安い「ヒアアフター」=5,000万ドルが、より高いオープニング成績を収められた…!!というのは当然、ひとまず成功と位置づけていいことになりますし、上 ↑ に並べた結果の数字からも察せられるように、“世界の大スター”クリント・イーストウッドの海外で集客できる強みを考慮すれば、「ヒアアフター」は黒字に転じる可能性も窺えるわけです。


ヒアアフターテレビスポット




ただし、前述の2作品の間で、クリント・イーストウッド自身が本来の映画スターとして主演し、監督もつとめた「グラン・トリノ」(2008年12月12日/製作費3,300万ドル)の拡大公開時のオープニング成績は約2,948万ドル(2,808館)で、国内で約1億4,809万ドルの大ヒット!!、海外でも約1億2,186万ドルのヒット!!と、合計で約2億6,995万ドルを稼いで、思いっきり黒字になっていますから、ま、クリント・イーストウッド監督本人がスクリーンに登場した方がよいわけで…、今後は監督作品にも必ず、カメオで姿を現すことにした方がいいのかも…?!(笑)



ちなみに、映画のテーマのキーワードが同じ“死後の世界”という見方において、ピーター・ジャクソン監督の失敗作「ラブリーボーン」(2009年12月11日公開/製作費6,500万ドル)と比べてみると、同映画の拡大公開時のオープニング成績は約1,700万ドル(2,563館/初登場第3位)だったので、「ヒアアフター」は負けてしまっています…。
さらに、「ラブリーボーン」は、国内で約4,402万ドルを売り上げているので、「インヴィクタス」や、「チェンジリング」よりもヒットしていたわけですが、海外においては興行成績が約4,950万ドルにとどまり、トータルで約9,353万ドルと1億ドルに満たず、実際に費やされた金額よりメチャメチャ安いめの公称の製作費すら、まるで回収されていません。
なので、やはり、クリント・イーストウッドが“世界の大スター”であることには、大きな価値があるわけですね…!!



映画評論家や、映画ジャーナリストからは概ね、クリント・イーストウッド監督の失敗作として、物語がどこにもたどり着かない…、イーストウッドに初めて老いが窺えた…といった、さびしい評価もささやかれる「ヒアアフター」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は、どっちつかずの51%。
映画レビューのまとめサイト Metacritic でも、中間の56ポイントがつけられ、40件のレビューのうち肯定が17件と、まずまず…の中間評価が19件で大多数を占め、残りの4件が愚作と断じています。


つまり、総じてパッとしない評価なわけですが、ただし、ローランド・エメリッヒ監督も顔負け?!のVFXを駆使してみせた津波のスペクタクル・シーンは、クリント・イーストウッド監督が新境地の力量を魅せた…!!と高く評価されているので、イーストウッド監督は80歳にして、今後さらに新たな映画のスタイルを、観せてくれるのかもしれません。




配給のワーナー・ブラザースの調査によれば、この週末の「ヒアアフター」の観客の約8割が30歳以上の中高年で、女性の割り合いが約58%と、男性を少し上まわっていたそうです。
主人公のマット・デイモンに死後の世界との交信を依頼するキャラクターが、女性と子どもに設定されていますから、女性の関心を引き寄せやすかったのかもしれませんね。


映画の詳細の出演者や、プロットについては、下 ↓ の関連記事を参照してください。

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