Oblivion : トム・クルーズが「トロン・レガシー」のジョセフ・コシンスキー監督のSFアクション大作「オブリビオン」に主演することが正式決定!!、ギレルモ・デル・トロ監督の怪獣映画「パシフィック・リム」にも出演の可能性!!
by
Billy
2011年5月21日土曜日
ジョセフ・コシンスキー監督が自ら原案を構想したSFアクション大作「オブリビオン」については、昨2010年夏にディズニーが数十万ドルの高額で映画化権を競り落として以来、注目のプロジェクトとなっていたのですが、実現のメドが今ひとつ、ハッキリしない状態が続いていたため、無駄骨を折らされる可能性の話題は後回しの方針に則り、CIAではこれまで記事にしてきませんでした。しかし、それが、どうやら今秋10月にクランクインが現実に果たせそうなので、今後は随時フォローしていくことにします…!!
昨2010年末にディズニーが封切った映画監督デビュー作の「トロン・レガシー」が全世界で約4億4,026万ドルの興行成績を売り上げ、映画史上最も処女作を成功させた映画監督という称号を手にしたジョセフ・コシンスキー監督の注目の第2弾となる、やはりSF映画の「オブリビオン」は、同監督のオリジナル・ストーリーを元にしたグラフィック・ノベルを原作とするもので、それらの出版物は、2007年に設立された新興のコミック出版社のラジカル・パブリッシングから追って、リリースされる予定となっています。
物語の内容は、昨年の夏から時期を追うに従い、微妙に変化してきているので、現時点でも、あやふやなのですが、地球の表面が放射能のようなもので汚染され、人間が暮らせる環境ではなくなったため、人々は雲の上で暮らしている…という、何だか天国が舞台?!のような設定の未来のお話となっています。
その「オブリビオン」の映画化のシナリオをそもそも執筆したのは、「ディパーテッド」(2006年)や、「ボディ・オブ・ライズ」(2008年)といった、レオナルド・ディカプリオの主演作で知られる、オスカー受賞ライターのウィリアム・モナハンで、そのウィリアム・モナハンの完成したシナリオをカール・ガイジュセックという無名の脚本家がリライトして仕上げました。カール・ガイジュセックは、宇宙ステーションのミールから墜落した便器のフタに直撃されて死亡し、死神として働くことになってしまった若い女性のドタバタ…という、ちょっとバカバカしい発端のスーパーナチュラル・コメディのテレビ・シリーズ「デッド・ライク・ミー」のシナリオを執筆していた人です。
そのようにディズニーで昨年夏から企画開発が進められ、一時は「ホライズンズ」と題名が改められた「オブリビオン」は、製作費が概算で約1億5,000万ドルと巨額の見積もりがはじき出されたのに加え、完成する映画の視聴制限のレイティングを、「トロン・レガシー」と同じ “PG” を想定し、家族全員で鑑賞可能な作品としたいディズニーの意向に反し、ジョセフ・コシンスキー監督が過激な描写を若干だけ含むことになる “PG-13” を希望したため、両者の間で意見が食い違い、今春3月にディズニーがプロジェクトから撤退を決めてしまったのですが、その背景には、先ほど大ヒットのように書いた「トロン・レガシー」の製作費が約1億7,000万ドルで、それに宣伝費を上乗せすると、優に2億ドルを超える資金を投入したのに、全世界で約4億4,026万ドルの売り上げでは大失敗…と判断するしかないディズニー側のジョセフ・コシンスキー監督の力量に対する不信と不満があったことは否めません…。
なので、ディズニーとしては、「オブリビオン」の企画書を自社のファイル・キャビネットの中に封印して、ジョセフ・コシンスキー監督をパニッシュすることもできたはずですが、「トロン・レガシー」の成功を見込んで、早々と大金を投じることにした「オブリビオン」を無駄に腐らせても仕方がありませんから、ジョセフ・コシンスキー監督に対して、企画を他社に持ち込むことを許可し、その結果、昨年夏の競りでディズニーに負けたユニバーサル映画が、先々月の4月からプロジェクトを引き継ぐ運びとなりました。
ユニバーサル映画が「オブリビオン」の取得に乗り出した背景には、ディズニーが「オブリビオン」をスクラップにしたのと同時期に、同社はジェームズ・キャメロン監督が製作総指揮をつとめ、ギレルモ・デル・トロ監督が悲願のH・P・ラヴクラフトの暗黒神話を映画化する「狂気の山脈にて」をスクラップにしており、その「狂気の山脈にて」に主演するはずだったトム・クルーズを活用する代替プロジェクトとして、「オブリビオン」に目をとめた…という経緯があります。
そのため、あらかじめトム・クルーズ主演企画として買い求められた「オブリビオン」なので、トムが主演する可能性は高かったのですが、業界メディア Deadline のマイク・フレミングが、現地本日の5月20日付けで、トム・クルーズの主演が決定したことを報じ、冒頭のように今秋10月のクランクインも実現可能となったようです。
マイク・フレミングによれば、ユニバーサル映画で作られる「オブリビオン」の製作費は約1億ドルとのことですから、スクラップにしたギレルモ・デル・トロ監督の「狂気の山脈にて」の概算の製作費=約1億5,000万ドルよりも大幅に安いことになり、ディズニーでは「狂気の山脈にて」と同じ金額の見積もりをあげていたジョセフ・コシンスキー監督は、映画の規模を縮小して、ディスカウントすることで、ギレルモ・デル・トロ監督の代わりに、トム・クルーズの主演と現実のクランクインを手にすることができた…と言えなくもないような格好となります。
と、そのように顛末を記せば、踏んだり蹴ったりのようなギレルモ・デル・トロ監督ですが、トム・クルーズが「狂気の山脈にて」に主演しようと考えた動機は、同監督の才能に惚れこんでのことですから、「狂気の山脈にて」がダメになったギレルモ・デル・トロ監督を招聘したワーナー・ブラザース製作のSF怪獣映画のプロジェクト「パシフィック・リム」に参加し、引き続きギレルモ・デル・トロ監督とのコラボを目指すことを、トム・クルーズは「オブリビオン」にあわせて検討しているそうです。
映画スタジオ同士の思惑がからんだ二転三転の結果、ユニバーサル映画で作られる「オブリビオン」で、トム・クルーズが演じる主人公のキャラクターは、汚染された地表で過去の遺産のスクラップを漁るスカベンジャーだったり、パトロールする戦士だったり、複数のプロットにより微妙に異なりますが、いずれにしろ、エイリアン?!らしき女性と知り合い、未来の地球で人類が置かれている状況について、別の視点の考え方を持つことになるようです。
トム・クルーズはSF映画では、過去に「マイノリティ・リポート」(2002年)を成功させていますから、ジョセフ・コシンスキー監督との「オブリビオン」が、それに続く作品となればよいのですが…!!
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