UPDATE : 当初のレポートから、数字を以下のように下方修正しました。
　　　　　　「インセプション」　1,440万ドル → 1,320万ドル
　　　　　　「ソルト」　　　　　　 1,380万ドル → 1,270万ドル
よって、「ソルト」のヒットの見込みはスケールダウンして、オープニング成績は4,000万ドルに迫れず、3,000万ドル台の半ば、3,300万ドル～3,500万ドルあたりになってしまいそうです。
それにしても、「ナイト＆デイ」よりは、だいぶマシですが…。

ダンナさんまで宣伝に出てきはったら、もうセルでは太刀打ちできませんが、それでも、クリス・ノーラン監督の傑作「インセプション」には敵いませんでした…！！



★アメリカでは昨日となる7月23日(金)に、ソニー・ピクチャーズが全米3,612館で公開した、アンジェリーナ・ジョリー最新主演作のスパイ・スリラー「ソルト」(今月末31日公開)の初日興行成績の概算が約1,270万ドルで、先週(16日)に封切られたクリス・ノーラン監督のSF超大作のワーナー・ブラザース作品「インセプション」の同日の売り上げ＝1,320万ドルにはおよばず、惜しくも興行ランキングで第2位の出発となりましたが、予想される週明けのトータルのオープニング成績は、3,300万ドル～3,500万ドルで、全般的に不調を極め、バテぎみの今夏の全米映画興行に不足する塩分を少し補ってくれることになりそうです…！！

アンジェリーナ・ジョリーが主演してることぐらいしか、これといって取り得のないスリラー映画「ソルト」ですが、アンジェリーナ・ジョリーが主演してることぐらいには、大きな価値があったようで、当初、この映画に主演する予定だったトム・クルーズの「ナイト＆デイ」は、先月6月23日に封切られたオープニング成績が約2,013万ドル(3,098館)のまったくの不入りでしたから、落ち目のトム・クルーズを見捨て、アンジーを起用したソニピの読みは大正解だったことになり、「ナイト＆デイ」の製作費が約1億2,000万ドルで、「ソルト」の製作費がそれに近い約1億3,000万ドルであることを踏まえると、ソニピと20世紀FOXは主演俳優の起用で大きく明暗をわけたことになります。
また、油が乗っているスーパースターというのは、運を味方にツキを呼ぶこむもので、先ごろ、世間を騒がせた米ロのスパイ交換のニュースで、ロシア出身の美人スパイ、アンナ・チャップマンがゴシップの話題になったことが、その現実に似た映画として、タイムリーに登場した「ソルト」に関心を誘い、動員に拍車をかけているようです。


なお、3,000万ドル台の半ばでは、サマームービーとして大ヒットと言えないのでは？！といった解釈の方もおられるかもしれませんが、今夏のサマームービー・ウォーズでは、先週、「インセプション」に惨敗したことをお伝えした、ニック・ケイジの「ソーサラーズ・アプレンティス/魔法使いの弟子」のオープニング成績が、わずか約1,761万ドル(3,504館)で、ディズニーは巨額の製作費＝約1億5,000万ドル超を回収する見込みが立たないのをはじめ、アシュトン・カッチャーとキャサリン・ハイグルが共演した「キラーズ」(製作費＝約7,500万ドル)のオープニング成績は、たったの約1,583万ドル(2,859館)でした。
また、「ソルト」と同等規模の3,535館で公開された「特攻野郎Aチーム」は、やはり、同等の製作費＝約1億1,000万ドル超ながら、オープニング成績は約2,566万ドルで、製作費に2億ドル以上が費やされた、ラッセル・クロウとリドリー・スコット監督のコンビによる超大作「ロビン・フッド」(3,503館)にいたって、ようやく、「ソルト」の予想金額に相当する約3,606万ドルのオープニング成績を稼げている…といった、概ね実写映画は不甲斐ない有様です。
よって、アンジェリーナ・ジョリーは“映画スター”の値打ちが全般的に下がり続ける中、今だ、集客力を維持する貴重な存在として、充分な働きを果たしてくれることになり、「カラテ・キッド」(オープニング成績＝約5,566万ドル)のスマッシュ・ヒットや、チーム・アダム・サンドラー全員集合コメディ「グロウナップス」の成功(オープニング成績＝約4,050万ドル)といった、ソニー・ピクチャーズの今夏のラインナップを省みると、同社の大変、優れたと言うしかない企画開発力が、不振の全米映画興行を現在、下支えしてくれているような格好と評価してもいいのかもしれません。
果たして、アンジェリーナ・ジョリーが巻き返して、クリス・ノーラン監督に塩を舐めさせ、トップを奪取することができるのか？！、その結果はいつものように、月曜アサ恒例の全米映画ボックスオフィスBEST10をお楽しみに…！！


「ソルト」の見せ場が満載の動画…！！






★冗談半分にややこしいことを一気に述べてみると…、
児童文学者ベバリイ クリアリーによる映画の原作は、厳密には「ラモーナとあたらしい家族」(学研)で、その英語の原題は「Ramona Forever」。
でも、いきなり、「ラモーナ、フォーエバー」は何なので、ザックリとその人気シリーズを総称するタイトルとして使おうとした原作の題名は「ビーザスとラモーナ」(Beezus and Ramona)で、セルの演じるお姉さんのベアトリスの名前が先。
でもでも、厳密に考えるなら、物語の主人公はいたずらな妹のラモーナで、映画もラモーナにより重点を置いて描いているのだからと、20世紀FOXと共同製作のウォルデン・メディアが律儀にもわざわざ、題名をひっくり返す親切さで？！、映画のタイトルを「ラモーナとビーザス」(Ramona and Beezus)にしてはみたものの…、いざ、映画を宣伝するとなれば、セールスポイントとして頼りになるのは、明らかにいたずらラモーナの妹ジョーイ・キングちゃんではなく、スーパーアイドルのセルであることから、“セリーナ・ゴメス第1回主演作”として売るしかないわけで…、だったら、素直に原作どおりに「ビーザスとラモーナ」のままにしておけばよかったじゃん！！という微妙なねじれを、原作の児童文学シリーズとセルのファンは手をとり、一緒に指摘せずにはいられないファミリー映画の「ビーザスといたずらラモーナ」が、全米2,719館で封切られた初日に、セリーナがガンバって集めた売り上げは約300万ドルで、興行ランキングでは第4位となり、オープニング成績の予想としては、当初の期待よりもちょっと少ない1,000万ドル前後になってしまいそうです…。
ただし、本作の製作費は約1,500万ドルのローバジェットですから、まぁ、赤字になることは、まずありえない安全圏の金額なので、セルはひとまず、主演女優として収入を支える役目は、どうにか、こなすことができそうですね…！！
それでは、隣りの家のなかよしのハーウィ君と一緒に、ジョシュ・デュアメルが演じるハーウィ君のおじさん、ホバートさんのクルマを洗うラモーナが、やっぱり、おかしな大失敗をやらかしてしまう、愉快な場面をご覧下さい…！！






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