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アメリカでは明日となる5月の最終月曜日は、戦争で亡くなった軍人を悼むメモリアルデーのお休み。なので、この週末はロングウイークエンドとなり、映画館は稼ぎ時のはずなのですが、期待された2本の新作映画が振るわず、先週の前回(21日~23日)から全体で約1.5%の売上げ増と、ほとんど伸びを見せなかったばかりか、前年同時期と比べると、約20%のマイナス実績となり、どうやら過去10年間で最も最低のメモリアルを記録してしまうことになりそうです…!!

タイム・ワーナー傘下のケーブルテレビ局HBOが、自局の人気ドラマシリーズを映画化し、2008年に封切った大ヒット作の続編「セックス・アンド・ザ・シティ2」を、グループ企業のワーナー・ブラザースが3,445館の約6,100スクリーンで封切ったオープニング成績は約3,212万ドルで、初日の木曜日(27日)の売上げを足した4日間のトータルでも約4,633万ドルにしかならず、前作の3日間でのオープニング成績=約5,703万ドル(3,285館)におよびませんでした…。

しかしながら、レネー・ゼルウィガーが主演した「ブリジット・ジョーンズの日記」(2001年)の国内成績が約7,154万ドルだったのに対し、その続編「ブリジット・ジョーンズの日記/きれそうなわたしの12か月」(2004年)が、最終的に約4,022万ドルしか売り上げられなかったように、女性向けの恋愛をネタにした映画の続編は概ね、同じ話を蒸し返すだけに近い蛇足と受け止められ、当たらない前例からすると、「セックス・アンド・ザ・シティ2」は健闘している方で、初日木曜日の売上げ=約1,420万ドルは、沈没映画「ターミネーター4/サルベーション」(2009年)の記録=約1,337万ドルを抜いて、木曜日公開映画として史上第6位に着けています。
続編が前作の国内成績=約1億5,264万ドルを更新することは難しいと思われますが、実のところ、比較にあげた「ブリジット・ジョーンズの日記」は、海外市場においては、タイトルが認知された続編の方がヒットしているので、「セックス・アンド・ザ・シティ2」にも同様の成果を望みたいところです。
が、それにしても、この手の映画の製作費に9,500万ドル超のほぼ1億ドルはお金をかけすぎで、前作の製作費が約6,500万ドルだったことからすると、いずれにしろ、あまりよいビジネスとは言えず、シリーズは2本で終了…ということになりそうですね。


続編の監督は、前作に引き続き、テレビシリーズから「セックス・アンド・ザ・シティ」を手がけているマイケル・パトリック・キング(↑)。主演は当然、サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン。ペネロピ・クルス、マライア・キャリーに加え、偉大な歌手で女優のライザ・ミネリ(↓)がゲスト出演しているのが見どころとなっています。



セックス・アンド・ザ・シティ2テレビスポット



ワーナー・ブラザースの調べによれば、この週末の「セックス・アンド・ザ・シティ2」の観客の9割は女性という、当たり前の動員状況。また、映画の格付けサイト RottenTomatoes での、本作の評価の支持率は、わずかに15%で、熟すのを通り越し、かなり腐敗してしまっています…。

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ゲームの映画化は当たらない…の呪われたジンクスが、また証明されてしまいました…。
先行して公開されたヨーロッパでの評価が芳しくなく、目立った数字も伝えられてこなかったことから、あぁ、こりゃダメだね…と諦められていた、スーパープロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが同名の人気ゲームを映画化した「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」を、ディズニーが全米3,646館の約5,600スクリーンで封切ったオープニング成績は約3,017万ドルで、辛うじて初登場第3位という、青ざめるような結果となってしまいました…。
どうして、オープニング成績=約3,017万ドルで青ざめてしまうかと言うと、その数字は、ほぼ同額の巨額製作費=約2億ドルがつぎ込まれた昨2009年同時期公開の大沈没映画「ターミネーター4/サルベーション」のオープニング成績=約4,255万ドル(3,530館)を、余裕で下回っているからです…。

この「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」は、本来はその前年に公開予定のサマームービーでしたが、同年は「T4」のほか、「スター・トレック」や、「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」など、強力な作品が目白押しだったため、ディズニーとジェリー・ブラッカイマーは、あえて本作をオクラ入りにし、“第2の「パイレーツ・オブ・カリビアン」”を目指す必勝を期して、1年間寝かせたのですが、それが功を奏さなかったようで、長引いたプロモーションは焦点を逸らしてしまい、予告編のデキも平凡だったため、このような惨敗となってしまった感があります。


本作が同じエキゾチック・アドベンチャー映画としてシリーズ化を目指し、いずれ後がまに座る目論見だった「パイレーツ・オブ・カリビアン」の第1作め(2003年7月公開/製作費1億4,000万ドル/国内成績3億541万ドル/世界計6億5,426万ドル)のオープニング成績は約4,663万ドル(3,269館)で初登場第1位を飾り、1館あたりでは約1万4,264ドルのアベレージを稼いでいましたから、「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」の単館平均で約8,275ドルの集金がお話にならないのは言うまでもなく、また、似たタイプの映画として、ブレンダン・フレイザーの人気シリーズ「ハムナプトラ」の第1作め(1999年5月公開/製作費8,000万ドル/国内成績1億5,538万ドル/世界計4億1,593万ドル)のオープニング成績は約4,336万ドル(3,210館=単館売上げ1万3,510ドル)で、やはり、4,000万ドル以上を当初に売り上げています。


さらに同じメモリアルデー公開映画としては、映画史上最低№1作品「インディ・ジョーンズ/クリスタルスカルの王国」(2008年)のオープニング成績は約1億13万ドル(4,260館)で、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007年)のオープニング成績は約1億1,473万ドル(4,362館)でしたから、いかに「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」が期待ハズレか、よくおわかりいただけると思います。
メモリアルデー公開映画のオープニング興行ランキングで第10位の「マダガスカル」の記録ですら、約6,101万ドルですから、あと1日で、「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」がその数字にたどり着けるはずもなく、超大作でありながら、歴代のBEST10入りを果たせないことで、シリーズ化はまず無理と考えてよさそうです…。
しかし、公開2週めとなる海外では市場を拡大し、世界47地域での興行成績のトータルが約8,750万ドルにいたるなど、好調の兆しを見せ始めていますから、諸外国で人気が高まれば、続編の可能性もあるのかもしれません。


なお、監督のマイク・ニューウェルは、自己ベストである「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005年11月公開/製作費1億5,000万ドル/国内成績2億9,001万ドル/世界計8億9,592万ドル)のオープニング成績=約1億268万ドルに迫れるチャンスか?!と思われたのですが、それを果たせず、本作でスーパースターになるはずのステップを踏み外してしまったジェイク・ジレンホールは、メモリアルデー公開映画のオープニング興行ランキングで第5位のトンデモ映画「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年/製作費1億2,500万ドル/国内成績1億8,674万ドル/世界計5億4,427万ドル)の自己ベスト記録=約6,874万ドル(3,425館)を更新できませんでした。
ヒロインのタミナを演じたジェマ・アータートンは前作のフェイク3D映画「タイタンの戦い」(公開中)の封切りで約6,123万ドル(3,777館)を売上げ、脚光を浴びた007シリーズのパロディ「慰めの報酬」(2008年11月公開/製作費2億ドル/国内成績1億6,836万ドル/世界計5億8,609万ドル)でも約6,752万ドル(3,451館)のオープニング成績を記録していますから、この「プリンス・オブ・ペルシャ」が初の失敗作…ということになってしまいました。



古代のペルシャでパルクール!!



ディズニーによれば、「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」の観客の約6割は男性で、同じく約6割が25歳以下の若年層とのこと。映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は39%で、今週第9位の素晴らしい爆笑バカ映画「冒険野郎マクグルバー」の45%に負けてしまっています…。

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