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アルティメット・スパイダーマン

新「スパイダーマン」は、以前のような大作のアクション映画ではなくなります…。  → 





解任されたサム・ライミ監督に代わって、「(500)日のサマー」が大好評日本公開中のマーク・ウェブ監督が新たにメガホンをとることになった「スパイダーマン」の新シリーズの続報です。
業界ブログ Risky Biz のボリス・キットが伝えたところによれば、新しい「スパイダーマン」3部作の第1本めの製作予算は約8,000万ドルとのことで、その数字だけを言われても、ピンとこないと思うので、サム・ライミ監督の過去の「スパイダーマン」トリロジーの製作費を列記すると…、

2002年 「スパイダーマン」  約1億3,900万ドル
2004年 「スパイダーマン2」 約2億ドル
2007年 「スパイダーマン3」 約2億5,800万ドル超から3億ドル弱

…となり、父と息子の闘いを描くはずだった、スクラップにされたまぼろしの「スパイダーマン4」の予算は、約2億3,000万ドルでしたから、大ザッパに言って、マーク・ウェブ監督の新「スパイダーマン」は、見出しのように、サム・ライミ監督版の約3分の1程度の規模に縮小され、もう大作とは呼べない映画にスケールダウンされることになりました。
製作費=8,000万ドルというのは、先週末から全米で公開された、座頭市も思わず目を開きそうな殺陣をデンゼル・ワシントンが披露している宗教アクション映画「ブック・オブ・イーライ」と、ちょうど同じ金額ですが、現実にはいないような浮世離れした金持ちのオッサンとオバハンの恋愛を観て、何がおもしろいのか…?!と、不況で生活苦の庶民はグチをこぼす不評の「イッツ・コンプリケイテッド」の製作費=約8,500万ドルよりは安いことになります。
ただし、以上の2本は共にスター主演作として、製作費に占める出演料の割り合いが大きく、特に後者は、アレック・ボールドウィンとメリル・ストリープという2大スター共演のため、アクション映画の「ブック・オブ・イーライ」よりもお金がかかってしまっているだけで、 Risky Biz によれば、ソニー・ピクチャーズはトビー・マグワイアに代わる新スパイダーマンのピーター・パーカー役に、まったくか、あるいはほとんど無名の人物を起用するそうなので、製作費の多くは映画の内容そのものに充てられることになります。それでも、1億ドルに満たない製作費では、これまでサム・ライミ監督が楽しませてくれたようなド派手なアクションは、たぶん観られないと思いますが、ギレルモ・デル・トロ監督が「恋するパン屋」と同じ約8,500万ドルを使って、スター不在で作った「ヘルボーイⅡ/ゴールデン・アーミー」(2008年)並の見栄えとアクションは期待できそうです。
しかし、サム・ライミ監督が1960年代に発行されたシリーズの原点のコミック「アメイジング・スパイダーマン」を下敷きにした旧「スパイダーマン」に対し、2000年から出版された現代版のリ・イマジニングの「アルティメット・スパイダーマン」をより所にするらしい、マーク・ウェブ監督の新「スパイダーマン」は、やはり、スパイダーマンが悪のクリーチャーと戦うヒーローとしての活躍よりは、悩めるティーン・エイジャーのピーター・パーカー(たぶん15歳)の学園生活を物語の中心に置くようで…、つまり、スーパーマンのクラーク・ケントがコスチュームを身に着けずに、フツーの高校生として事件を解決していったテレビ・シリーズ「ヤング・スーパーマン」に近いようなものを、ひとまず想い描いておくのが正しいのかもしれません。
「スパイダーマン」の映画に対する認識は、もう完全にあらためなければならないようですが、少年ヒーローの映画を目指すなら、せめて、「キック・アス」の路線であれば…。もうブロックバスター映画ではなくなったフツーの映画の「(500)日のスパイダーマン」?!は、2012年の夏に全米公開の予定です。

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