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原作の順番どおりに映画化を進めれば、次は第4巻の「銀のいす」になりますが、同書の主人公は、「アスラン王と魔法の島」(2010年)で初登場したユースチスで、おなじみのペベンシー兄弟姉妹は出てこないため、映画化しても、過去の3作品のヒットの実績をあまり利用できないことになります…!!




シリーズ第2弾「カスピアン王子の角笛」(2008年)が全世界で約4億1,966万ドルを売り上げながらも、製作費の元手が約2億2,500万ドルと高額すぎたことから、製作スタジオのディズニーに赤字評価を下され、一度はシリーズが終了の憂き目に直面した「ナルニア国」を、20世紀FOXによりどころのスタジオを変えて、推し進め、第3弾「アスラン王と魔法の島」を無事に昨2010年末に全米公開してみせた、ジュヴナイル映画の製作プロダクション ウォルデン・メディアの代表にして共同創業者のマイケル・フラハティ氏によれば、シリーズの次回作となる第4章として、第4巻の「銀のいす」ではなく、第6巻の「魔術師のおい」を映画化することを検討し始めたそうです…!!

マイケル・フラハティ氏が、そのような「ナルニア国物語」の展望を語った The Christian Post のインタビューのコメントによれば…、
“映画の次回作を「魔術師のおい」にすることについて、製作の20世紀FOXと、原作を管理するC・S・ルイス財団とを交え、話し合いを開始しました。もし一同が合意に達すれば、その線で企画が進められ、次に私たちがすべきことは脚本の執筆者探しということになります。”
…とのことで、マイケル・フラハティ氏は、「ナルニア国物語/第4章:魔術師のおい」を実現に持っていくまでには、優に2、3年はかかりそうだ…と断りを述べながらも…、
“私は「魔術師のおい」が大好きなんです。第1弾「ライオンと魔女」で登場した、ナルニア国に通じている不思議なクローゼットは、どこからやって来たものなのか?!など、ナルニア国の成立について、多くを知ることができる、とても素晴らしい原点の物語です。”
…と語り、どうやら、口ぶりからすれば、全部で7冊あるC・S・ルイスの原作小説のうち、第1巻「ライオンと魔女」に次ぐ人気の第6巻「魔術師のおい」を、映画の次回作とすることに、ご本人はもう半ば、決めてしまっている気配です。


このマイケル・フラハティ氏の次回作は「魔術師のおい」にする…という考え方は、冒頭に記したように、本来ならば映画の第4弾となるべき第4巻「銀のいす」には、映画シリーズの主人公として定着しているペベンシー兄弟姉妹が登場しないため、ただ漫然と映画化を続けても、これまでの「ナルニア国物語」シリーズのファンを動員しにくいことから、同原作をパスして、映画の核たる要素を登場人物から“ナルニア国”そのものに切り替え、最もヒットした第1弾の前日譚にする…という方針と理解すれば、大変に筋が通っていることになります。
そして、また、原作を時系列にそって並べた場合、「ライオンと魔女」と「カスピアン王子の角笛」の間のお話となる第5巻「馬と少年」は事実上、すでにパスしたものと見なすことができますから、映画の「ナルニア国物語」シリーズは、前日譚として注目を集められる「魔術師のおい」と、演じている俳優たちと同様に成長したペベンシー兄弟姉妹が無理なく登場し、シリーズの結末のクライマックスとして、セールスがしやすい最終第7巻「さいごの戦い」を映画化する計5本で、どうにか、きれいにまとめられることになります。

昨年末の「ナルニア国物語:第3章/アスラン王と魔法の島」全米公開時の興行レポートでも記したように、同映画はシリーズ中で最も低い興行成績しか、国内では収められていませんが、海外セールスに目を転じれば、約2億7,804万ドルの売り上げだった「カスピアン王子の角笛」から、3億ドル目前の約2億9,962万ドルにまで盛り返しており、製作費を大幅に節約(約1億5,500万ドル)したことが効を奏して、いずれ収益の見込める、そこそこの作品に落ち着いているので、20世紀FOXとウォルデン・メディアとしては、無理に原作全部を映画化して、7本作るよりも、話題性の期待できる2本を作って、おしまい…!!としておくほうが現実的で賢明なのかもしれませんね…!!






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