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全人類のうち14人に1人がアカウントを所持しており、今や、自分のページを持っていないことの方がおかしい?!と言われる規模にまで発展した世界最大の SNS の Facebook を立ち上げた、ハーバード大の学生マーク・ザッカーバーグと、相棒のエドアルド・サヴェリンの成功と、その裏側の挫折を描いた、ベン・メズリック著のノンフィクション「Facebook/世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」(青志社)を、デヴィッド・フィンチャー監督が映画化した最新作「ソーシャル・ネットワーク」を、製作・配給のソニー・ピクチャーズが全米2,771館の約3,800スクリーンで封切ったオープニング成績は約2,300万ドルで、たくさんの友達が集まってくれたおかげで、初登場第1位のデビューを飾ることができました…!!




人気テレビシリーズ「ザ・ホワイトハウス」の脚本家アーロン・ソーキンがシナリオを執筆し、ハリウッドのメジャー映画としては、恐らく初めて、インターネットにまつわる世界を正面きって描いた作品として、後に語られることになる「ソーシャル・ネットワーク」に投じられた製作費は4,000万~5,000万ドルの間と伝えられており、デヴィッド・フィンチャー監督にファイナル・カットの全権を託したソニー・ピクチャーズとしては、オープニング成績で2,000万ドル程度も稼いでくれれば御の字だったので、実際に売り上げた約2,300万ドルというのは、ソニーの希望を超えるヒットだったことになります。
しかしながら、大ヒット作「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」(2008年)などで人気のデヴィッド・フィンチャー監督の最新作ということで、大方の業界筋ではオープニング成績の数字が優に2,500万ドルは超えるだろう…と予想していたので、映画にとって新境地の題材を取り上げた意欲作の青春ドラマは、そうした世間の期待には届かなかったことになります。


その「ソーシャル・ネットワーク」が、ソニピの期待は満たしたものの、今ひとつ数字が伸び悩んだ原因としては、この週末の悪天候も若干の関係があるでしょうが、前述のように本作が“インターネット起業”という時代の先端のビジネスをテーマに取り込み、主人公がコンピューターおたくと言っても、自宅警備員ではなく、ハーバード大学のエリートの世界に属していることから、そうした主人公に近いバックグラウンドのビジネスマンらが働く都市部でしか、本作が注目されず、それ以外の地域では、あまり関心が持たれなかった…という集客の地域格差が指摘されています。
つまり、インターネットや、コンピューターにあまり馴染みがない人にとっては、ネットで成功した億万長者の若僧の話など、単に他人事で自分との接点を見いだせず、SFや、ファンタジーよりも、もっと別世界…というわけですね。


ソーシャル・ネットワークテレビスポット




そうした興行の先行きに不透明感が窺える「ソーシャル・ネットワーク」のオープニング成績=約2,300万ドルというのは、「ファイトクラブ」(1999年)の役柄=タイラー・ダーデンとして、本作に名前だけカメオ出演?!しているブラッド・ピットが主演をつとめた、デヴィッド・フィンチャー監督の前作にして、アカデミー賞に13部門もノミネートされながら、主要部門では無冠に終わった「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」(2008年12月25日公開)のオープニング成績=約2,685万ドル(2,988館)を下まわってしまった数字で、アベレージの売り上げを比較しても、逆回転映画が約8,987ドルを売り上げていたのに対し、Facebook の友達は、1館あたりで約8,300ドル分の人数しか集まってくれていません。

「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」は、その目覚しいとは言えないオープニング成績から、口コミで動員を伸ばし、最終的に国内で約1億2,750万ドルを売り上げる大ヒット作となって、全世界では約3億3,393万ドルを稼ぎ、巨額の製作費=約1億5,000万ドルを映画館の興行だけで、ほぼ回収してしまっているのですが、前述のように「ソーシャル・ネットワーク」は、観客を選り好みする性質があるため、そのような大ヒットへの発展は現時点で望むのは少し無理がありそうです。


よって、「ベンジャミン・バトン」の約3分の1の製作費で、「ソーシャル・ネットワーク」を完成したソニー・ピクチャーズは賢明だったことになりますが、映画の格付けサイト RottenTomatoes で、97%という驚異的な高支持で、その内容が絶賛されている本作は、次回のアカデミー賞最優秀作品賞を狙える有力作と目されているため、ソニピとしては今後、オスカー獲りに向けたキャンペーンの予算を組んでいく必要があります。

果たして、実際に「ソーシャル・ネットワーク」が同賞を受賞できる可能性は何%ぐらいあるのか?!、その点を見極めず、無駄に追加の宣伝費を投入してしまうと、作品の出来栄えに比例した興行の伸びが今のところ、大きく期待できないだけに、ソニーはせっかくのそこそこのヒットをチャラにしてしまうかもしれません…。
なので、映画のクォリティの高さがアダになりかねない…という、デヴィッド・フィンチャー監督はまた、同監督らしい取り扱いの難しい問題作?!を作ってくれたことになりますね…!!


ジェシー・アイゼンバーグの映画として、「ソーシャル・ネットワーク」のオープニング興行の結果を見てみると、彼が主演した全米公開映画の前作となる、やはり、ソニー・ピクチャーズ作品で、前年同時期に封切られた「ゾンビランド」(2009年10月2日公開)のオープニング成績は約2,473万ドル(3,036館)だったので、ゾンビの方がコンピューターおたくよりもたくさん友達がいたことになりますが、単館のアベレージでは、億万長者のマーク・ザッカーバーグの方が、ゾンビの約8,147ドルを稼いで、上まわっています。

「ゾンビランド」の最終的な国内での興行成績は約7,559万ドルで、全世界でのトータル売り上げは約1億235万ドルでしたから、ソニーとしては、ルーベン・フライシャー監督の映画の方が製作費が約2,360万ドルと、デヴィッド・フィンチャー監督作の約半分に近い金額だったので、ビジネスとしては、「ゾンビランド2」をサッサと作って、今年も封切った方が儲かったかもしれないことになります。


とは言え、「ゾンビランド」と「ソーシャル・ネットワーク」では、ジャンル違いですし、ドラマ映画のオープニング成績が約約2,300万ドルというのは、ひとまず成功作と評価してあげて、差し支えはありません。
今後は、Facebookや、インターネット起業といったキーワードではなく、もっと普遍的な人間ドラマとして、万人に訴えかけられる感情の要素を、どのようにソニーがプロモーションして、世間に伝えていけるか?!が、興行のみならず、映画賞レースにおいても、「ソーシャル・ネットワーク」の成否を分けることになりそうですね。


なお、ソニー・ピクチャーズの調べによれば…、新スパイダーマン=アンドリュー・ガーフィールドや、新ドラゴン・タトゥーの女=ルーニー・マーラといった、同社の新しい看板スターが誕生したことでも注目をアピールしたい「ソーシャル・ネットワーク」のオープニング興行の観客の約53%が女性で、男女比はまぁ半々といったところだったそうです。
また、年齢層としては、25歳以上のアダルト層が約55%を占めていた…とのことですから、そのように観客の平均年齢が意外に高かったことは、ロングランの兆しの芽がある…と前向きに解釈して考えることも可能です。



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