アメリカ人の意味を問う2本の殺し屋映画が夏興行の終わりを血で染め、大人の恋愛映画に挑戦したドリュー・バリモアは大赤字の9月第1週レイバー・デーの興行レポート!!-①
by
Billy
2010年9月6日月曜日
まずは先週(8月27日~29日)の第1位を訂正しておかなければなりません!!、その前回の興行レポートの中でも示唆しておきましたが、僅差で初登場第1位とお伝えした、ドンデン返しとも言えるオチの良し悪しが問われている悪魔祓いのモッキュメンタリー・ホラー「ラスト・エクソシズム」が結局、週明けの集計で、アンサンブル・キャストの強盗映画「テイカーズ」に破れて、首位と第2位が入れ替わり、ソニー・ピクチャーズがライオンズゲートから王座を奪い返しました!!
と、そのように、ソニーがライオンズゲートから首位奪取!!と声高に訴えるのは、ライオンズゲートのシルベスター・スタローン監督・主演のアクション・オールスター映画「エクスペンダブルズ」(10月16日公開)の対抗作として、ソニピが封切ったジュリア・ロバーツの「食べて、祈って、恋をして」(9月17日公開)が、言わば男映画VS女映画の闘いに敗北し、ソニー・ピクチャーズはマイナー・スタジオのライオンズゲートに2週連続で全米№1を持っていかれてしまっていたからですね。なので、ソニーとしては、男優のアンサンブル・キャストによるアクション映画という、「エクスペンダブルズ」と似て非なる性質の映画でリベンジを果たしたことになります!!
★それでさて、アメリカでは明日となる月曜日(6日)は、9月の第1月曜日ということで、労働者の日のレイバー・デーの祝日にあたり、お休みです。よって、この週末は休みが1日多いロング・ウイークエンドということになり、本来は明日も含めた週末からの4日間で興行の推移を判断しなければならないのですが、いずれにしろ、明日になって、ランキングが大きく変わるわけでもないので、いつものようにお伝えします。
なお、このレイバー・デーの週末を持って、全米映画興行のサマーシーズンは公式に終了し、次週からは秋興行に突入ということになります…!!
★「コントロール」(2007年)のアントン・コービン監督が、ジョージ・クルーニーを主役の殺し屋に起用して、マーティン・ブースのミステリ小説「影なき紳士」を映画化した「アメリカン」を、フォーカス・フィーチャーズが全米2,823館のおよそ3,200スクリーンで封切ったオープニング成績は約1,296万ドルで、同じ殺し屋のマチェーテを降し、見事に初登場第1位の標的をヒットしました…!!
先のランキングで、本作のトータル興行成績の数字が、週末のオープニング成績よりも多いのは、封切り日が週の半ばの水曜日(9月1日)だったからで、新作映画が公開される金曜日(3日)こそ、ライバル映画の「マチェーテ」に破れはしたものの、先行公開で口コミを拡げられたのか?!、本格的に連休に突入する土曜日には約100万ドルの差をつけて大きく盛り返し、そのまま週末興行の第1位を獲得することになりました。
この「アメリカン」のオープニング成績=約1,296万ドルを、ジョージ・クルーニーの過去の主演作と比較してみると…、
「アップ・イン・ジ・エアー」(2009年12月公開/製作費2,500万)=1,127万ドル(1,895館)
「ヤギを見つめる男たち」(2009年11月公開/製作費2,500万ドル)=1,270万ドル(2,443館)
「レザーヘッズ」(2008年4月公開/製作費5,800万ドル)=1,268万ドル(2,769館)
「マイケル・クレイトン」(2007年10月公開/製作費2,500万ドル)=1,037万ドル(2,511館)
「シリアナ」(2005年11月公開/製作費5,000万ドル)=1,173万ドル(1,752館)
ジョージ・クルーニーの渋い殺し屋ジャックを演出するアントン・コービン監督。 |
そうした過去の実績と比較すると、あと一息で1,300万ドルだった「アメリカン」は、製作費が約2,000万ドル強と、例にあげた各映画より安いこともあり、ジョージ・クルーニー主演作としては、ビジネス的にひとまず成功をおさめた…!!と評価することができそうです。
「アメリカン」 TVスポット
ただし、本作の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は微妙な61%で、レネー・ゼルウィガーと共演した「レザーヘッズ」(2008年)の52%や、「実録・アメリカ超能力部隊/ヤギを見つめる男たち」(2009年)の53%よりはマシですが、「マイケル・クレイトン」(2007年)や、アカデミー賞最優秀主演男優賞にノミネートされた前作「アップ・イン・ジ・エアー」(2009年)が90%の高支持だったのに比べると、今ひとつ振るいません。
それでもレビューでは、Aや、Bといった高評価を与えられてもいるので、「アメリカン」という題名とは裏腹にイタリアを舞台とし、ヨーロッパ映画風のノワールなタッチで描かれた本作は、人により好みがわかれるのかもしれませんね。
殺し屋の自分の命を狙う暗殺者の車を、スクーターで追い、狙い撃ちするジョージ・クルーニー!!
潜伏先のイタリアの田舎で出会った娼婦のクララに、ふたりきりで永遠に過ごそう…と愛を語りかける色男のジョージ・クルーニーですが…。
↑ クララを演じているのは、イタリアの女優ヴィオランテ・プラシドです。
ジョージ・クルーニーがカッコよすぎる「アメリカン」の写真は、ココに集めてあります…!!
≪関連記事≫
ジョージ・クルーニー主演の渋い大人の殺し屋映画「アメリカン」がリリースした13枚の写真と、雪上の狙撃者を一撃でしとめる必殺の銃撃シーン!!(10.8.24)
ジョージ・クルーニーが哀愁のヒットマンを演じている渋い大人の殺し屋映画「アメリカン」の70年代テイストのヴィンテージで、クールなポスター!!(10.6.18)
ジョージ・クルーニーが哀愁をにじませながら、ゴルゴ13顔負けの老いた殺し屋を演じている最新主演作のサスペンス映画「アメリカン」の予告編…!!(10.5.6)
★さて、今週末の全米公開映画は、コレ ↓ 1本だけです!!、先行上映で観て来たCIAリーダーの Noriyuki Kitamura さんによれば、シリーズ中で1番のオモシロさだったそうです!!
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