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1961年に公開された「ハスラー」の続編を、その25年後に、マーティン・スコセッシ監督が主演にトム・クルーズを起用して製作した「ザ・カラー・オブ・マネー(ハスラー2)」(1986年)で、再びハスラーのファースト・エディに扮した故ポール・ニューマンは、見事なキューさばきでアカデミー賞最優秀主演男優賞をポケットに落としてみせましたが、23年ぶりに投資家のゴードン・ゲッコーを演じたマイケル・ダグラスには、そうしたミラクルは起こりそうにありません…。




「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994年)を作った時点で、どうやら、この人の作家性はインチキのようだ…と、まっとうな映画ファンには薄々、感じとられてしまったオリバー・ストーン監督が、絶頂期の1987年に発表した代表作の金融サスペンス映画「ウォール街」の続編に、約23年ぶりに取り組んだ「ウォール・ストリート2/マネーは眠らない」を、配給の20世紀FOXが全米3,565館の約5,100スクリーンで封切ったオープニング成績は約1,900万ドルで、期待されていた予想値の約2,200万ドルには届きませんでしたが、見事に初登場第1位に躍り出ることに成功しました…!!

その「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を転機に、落ち目の下り坂を転がりはじめたオリバー・ストーン監督が、興行ランキングで初登場第1位を獲得するのは、アル・パチーノとキャメロン・ディアスを主演に迎えて、プロ・アメリカン・フットボールの世界を描いた「エニイ・ギブン・サンデー」(1999年12月公開/製作費5,500万ドル/オープニング成績1,358万ドル/2,505館)以来のことで、「ワールド・トレード・センター」(2006年8月公開/製作費6,500万ドル)で記録したオープニング成績=約1,873万ドル(2,957館/初登場第3位)を、かろうじて超える自己ベストの更新をも、この23年めの続編で果たすことができました。


金の亡者だったマイケル・ダグラスがインサイダー取り引きの罪に問われ、14年間も刑務所で過ごしたおかげで、お金よりも大切なものがあることに気づき、かつての自分のようなシャイア・ラブーフに向かって、金は女性のように移り気だ…などと、地下鉄の車内で諭す場面。




そうした実績にもとづくと、「ワールド・トレード・センター」の最終的な国内での興行成績が約7,027万ドル(全世界では約1億6,297万ドル)で、「エニイ・ギブン・サンデー」の国内成績も、それを少し上まわった約7,553万ドル(世界トータルは約1億ドル)でしたから、「ウォール街2」も、それらに近い数字を達成できるのかもしれません。

しかしながら、オリジナルの「ウォール街」が売り上げた国内での興行成績は約4,380万ドルで、その金額を現在の価値に換算すると、約8,700万ドルになってしまうため、オリバー・ストーン監督としては、「ワールド・トレード・センター」や、「エニイ・ギブン・サンデー」と同等のヒットでは、前作をしのげなかった…ということになってしまいます。


がまぁ、それでも「ウォール・ストリート2」の製作費は、「ワールド・トレード・センター」とほぼ同額の6,500万ドルから7,000万ドルの間と伝えられているので、同映画と同じ程度に海外でヒットすれば、充分にペイする計算にはなるわけで、帝国主義のアメリカの経済的な没落を描いた本作が、反米感情を抱いた海外でよろこばれる可能性は高いことから、最終的には、オリバー・ストーン監督のひさしぶりのヒット作として、続編を作ったのは正解だった…!!と、ビジネス的には結論づけられることになりそうです。


シャイア・ラブーフのお母さんで、不動産の仕事をしているスーザン・サランドンがお金に困って、息子に助けを求めた末、別の仕事に就け…!!と、息子になじられてしまう場面。




ジョシュ・ブローリンがブレトン・ジェームスという役名で演じているJ.P.モルガンのCEO ジェイミー・ダイモン氏らしい人物の悪役が経営する、ゴールドマン・サックスのように思える会社の策にはまって、フランク・ランジェラがルイス・ザベルという役名で演じる J.P.モルガンに買収されたベアー・スターンズの元CEO、ジミー カイエン氏が、映画の中では死んでしまったことから、そのジミー・カイエン氏を師と慕うシャイア・ラブーフの青年トレーダー、ジェイクがリベンジのため、婚約者のキャリー・マリガンの父であるマイケル・ダグラスのゴードン・ゲッコーとタッグを組んだことで、様々な波紋を引き起こすことになる「ウォール・ストリート2」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は、今のところ、55%で腐敗映画にレッテルづけられています。


オリバー・ストーン監督は相変わらず、小手先だけの社会派…として、実際の現実がそれほど反映されていない…と評価されている本作のレビューでの評価は、良くて “B” で、まぁ、総合的には “C” ランク…というのが妥当なあたりのようですから、今後、支持率をあげて、腐敗映画の汚名を返上するのは難しそうです。
前述のように、キャスティングが素晴らしい本作で、俳優たちはそれぞれ、アタッチした動画でご覧のように演技力を発揮していますが、オリバー・ストーン監督のやる気が感じられない演出による、全体的には覇気に欠ける映画のトーンがすべてを台なしにしている…といった指摘がなされてしまっています…。
オリバー・ストーン監督が、この映画を作った意図は何だったんでしょう…?!


私生活ではラブラブのシャイア・ラブーフとキャリー・マリガンが破局を迎えてしまう場面…!!




配給の20世紀FOXの調べによれば、「ウォール・ストリート2」のオープニング興行の観客の男女の割合いはほぼ均等で、全体の65%が30歳以上の層が占めていたということですから、オリバー・ストーン監督は、この映画をガキでも観られる PG-13 でまとめるのではなく、もっと大人向きに難しく作って、R指定でもよかったことになります…。



↑ いずれにしろ、映画マニアの人には、伝説的な名優のマイケル・ダグラスと、超新星のキャリー・マリガンが父娘を演じている…!!というだけで、この「ウォール・ストリート2」は充分に必見の作品なのかもしれませんね…!!

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