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“R”は候補と目されながら、次点で予選落ち。“N”はノミネートを果たしたが、本選で涙を飲んだ。そして、赤い星は見事に栄冠を勝ち取った“ウイナー”の受賞者です…!!、最下段でズラリと赤い星を並べているのは、クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(2009年)に抜擢され、瞬く間に国際スターにのし上がったオーストリア出身のクリストフ・ヴァルツ!!、この表を眺める限り、現在は空白の右端の“オスカー”のボックスにも、クリストフ・ヴァルツが星を埋めるのは間違いありません…ッ!!、ただし、テレビで全世界に大々的に放送するアカデミー賞授賞式で、憎むべきナチスの将校を演じた俳優を讃えるのはいかがなものか…?!などと、くだらない世間体をおもんばかるアホなオッサンとか出てこなければ…の話ですが…ッ!! → 







エンタテインメント・ウィークリーのオスカー・ウォッチャー、デイヴ・カルガーが、アカデミー賞の行方を予想することが大好きな映画ファンのみなさんのために、サックリとコンパクトにまとめてくれた、これまでに発表された主な映画賞の結果の星取り表です…!!、上 ↑ は、助演女優賞のカウントダウン・チャートですが、助演男優賞のクリストフ・ヴァルツと同じく、デブでブスでバカでビンボーの黒人少女の不幸すぎる青春を描いた感動作「プレシャス:ベースド・オン・ザ・ノヴェル“プッシュ”バイ・サファイア」(2009年)で、サイテーの母ちゃんを演じたコメディエンヌのモニークが圧勝の様相を見せています。
自らの代表作をヴァンパイアの青春メロドラマ「トワイライト・サーガ」から、「アップ・イン・ジ・エアー」に変える演技力を発揮し、世間の自分を見る目を変えてみせたアナ・ケンドリックは、アメリカ映画批評会議のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で一矢を報いていますが、どうも、モニークの勢いにはかなわない感じで…、せっかく、ガンバッたのに、ちょっとかわいそうですが、仕方ないですね…。

で、下 ↓ は主演男優賞ですが、生歌の渋い歌唱力も披露した「クレージーハート」のジェフ・ブリッジスが星4つ。イラクで爆弾の処理にハマッた「ハート・ロッカー」(3月6日公開)のジェレミー・レナーが星3つ。超ベテランのジェフ・ブリッジスと、やっと芽が出た感じのジェレミー・レナーの、言わば新旧対決の一騎打ちですが、多くのアカデミー会員は、これまで過去に計4回もオスカーにノミネートされながら、一度も受賞できずに終わっているジェフ・ブリッジスのため、長年の映画界に対する功績も含め、ご苦労さんの意味で、生涯最高の役に巡りあえた名優から、ようやく、“無冠”の冠をおろしてあげるのではないでしょうか…?!





↑ 主演女優賞の星取り表です。このカテゴリーでの注目は、アカデミー賞の常連として、オスカー女優と呼ばれる演技派のメリル・ストリープが、1983年に行われた第55回アカデミー賞授賞式で、アラン・J・パクラ監督の大傑作「ソフィーの選択」(1982年)で最優秀主演女優賞を与えられたのを最後に、翌1984年の第56回に「シルクウッド」で最優秀主演女優賞を逃して以来、昨2009年の第81回の「ダウト」まで、計11回もノミネートされながら、その都度、授賞式を楽しんだだけで、手ぶらで家に帰ってしまってきたことを、どう判断するか?!です。
つまり、メリル・ストリープはオスカー女優ともてはやされながら、実のところ、もう27年間も賞を手にしていないわけです…!!、それが奇しくも…と言うか、ちょっと出来レースのような胡散臭さが匂ってくるのですが、次回の第82回アカデミー賞の司会をつとめるのは、賞レースの対象になっているメリル・ストリープの主演作「イッツ・コンプリケイテッド」の共演者であるアレック・ボールドウィンとスティーヴ・マーティン!!、映画の中で共にメリル・ストリープに惚れこみ、彼女を獲り合った男性ふたりが、27年ぶりのオスカーを捧げるというのは、視聴率獲得の最高の見せ場になり得るのではないでしょうか…?!
が、一方で、ハリウッドとしては将来を見すえ、星2つでも超新星の若手演技派キャリー・マリガン(「エデュケーション/17歳の肖像」)を売り出したいでしょうし、スポーツ感動実話の映画化「ザ・ブラインド・サイド」で、女優が主演した映画としては全米映画興行史上初めての2億ドルを超えるメガヒットを達成したほか、ラブコメの「あなたは私の婿になる」(2009年)も大ヒットに導いた、「スピード」全開のサンドラ・ブラックの働きぶりも評価しなければならないでしょう…!!
よって、本命はメリル・ストリープとサンドラ・ブロックのどちらかに軍配で、キャリー・マリガンは大穴といった予想が固いところでしょうか…?!

第82回アカデミー賞-監督賞-予想

上 ↑ は監督賞、下 ↓ は作品賞のこれまでの結果をまとめた星取り表です。
ご覧の通り、男映画の女流監督というジェンダーを超えた作風のキャスリン・ビグロー監督が、「ハート・ロッカー」は爆弾処理の映画だというのに、ハリウッドの男社会の壁を次々と爆破して、男どもを駆逐する猛攻撃を続けています…!!
ところが、昨2009年末に公開された、皮肉にも元ダンナのジェームズ・キャメロン監督のSF超大作トリロジーの第1作め「アバター」が全世界で異常な大ヒットになり、そのとどまることを知らない観客動員力に、本当に映画そのものを観た人は少ないインディーズ映画の「ハート・ロッカー」(最大で535館での上映/国内興行成績はわずかに約1,260万ドル)は押され気味となってしまいました…。
そうして、ついに年が明けた先週の日曜日(17日)に発表されたゴールデングローブ賞では、作品賞・監督賞ともに、別れたダンナに獲られ、「ハート・ロッカー」は無冠で無視されています…。ただし、その第67回ゴールデングローブ賞は、史上稀に見るクソッタレ授賞式と言われていて、ドラマ部門の最優秀作品賞の「アバター」は昨年の全米№1ヒット作、そして、コメディ・ミュージカル部門で最優秀作品賞の「ハングオーバー」は、R指定コメディ映画史上の最大ヒット作と、共にそれぞれのジャンルで興行記録の第1位に輝いた商業的成功作品です。
すなわち、ゴールデングローブ賞=ハリウッド外国人映画記者協会は、授賞式を放送するNBCの視聴率に貢献するため、映画の質ではなく、一般に広い支持を得ている作品を無難に選んだだけ…と批判されているわけです(「ハングオーバー」ではなく、「(500)日のサマー」であるべき…!!というのが一般の正論)。
よって、視聴率低迷と人気の下降に悩むアカデミー賞が、2008年の第80回では少し趣向を変え、映画マニアの支持するコーエン兄弟監督の「ノーカントリー」(2007年)に作品賞と監督賞を与えてみたものの、オスカー受賞がその後の興行にプラスに影響することもなく、結局、賞をもらったコーエン兄弟監督以外は、業界の誰もよろこばなかった結果の反省を含め、ゴールデングローブ賞を見習い、視聴率稼ぎの人気取りに出てくるかもしれません。
そうなった場合、けして、その栄光に値しないとは言いませんが、アカデミー賞でも「アバター」のひとり勝ちとなることが容易に予想され、キャスリン・ビグロー監督の女性として初めてのアカデミー賞最優秀監督賞受賞は期待できなくなり、良心的な映画ファンが最も推す「アップ・イン・ジ・エアー」のジェイソン・ライトマン監督32歳が、ノーマン・タウログ監督の史上最年少受賞(1931年の第4回で「スキピイ」により獲得)に並ぶ監督賞奪取の快挙も見られないことになります。
また、クエンティン・タランティーノ監督も、「イングロリアス・バスターズ」の大成功で、オスカー獲りの絶好のチャンスを迎えていることは言うまでもありません。



昨年の第81回アカデミー賞で主要8部門を独占し、老若男女の万人がその内容を傑作と認めて感動し、興行的にも大ヒットした、ダニー・ボイル監督の「スラムドッグ・ミリオネア」のような完璧な映画が、どうやら、去年から今年にかけての賞レースには現われなかったことで、少し混戦模様…というのが全体の総評かもしれませんが、みなさんはデイヴ・カルガーがまとめてくれたオスカー賞レースのカウントダウン・チャートをご覧になり、いったい、誰が、また、どの作品がオスカーおじさんと結ばれることになると予想されたでしょう…?!
注目の第82回アカデミー賞のノミネート作品と候補者は、いよいよ来週の2月2日(日本は3日の水曜日)に、「アリス・イン・ワンダーランド」(全米3月5日/日本4月17日公開)の白の女王さま、アン・ハサウェイから発表されることになります!!、さらに翌月の3月7日(日本は8日の月曜日)にコダック・シアターで行われる授賞式の各賞の発表は、当然、ライヴ速報する予定なので、お楽しみに…ッ!!

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