「G-フォース」が「ハリポタ」の魔法封印!!
しゃべる小動物戦隊が初登場で第1位!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。
第1位(初) 第2位 第3位(初) 第4位(初) 第5位
第1位「G-フォース」
$32,152,000-(3,697館)-$32,185,000
第2位「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(公開中)
$30,000,000-(4,325館)-$221,834,000
第3位「男と女の不都合な真実」(9月18日公開)
$27,000,000-(2,882館)-$27,000,000
第4位「オーファン」(今秋公開)
$12,770,000-(2,750館)-$12,770,000
第5位「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」(公開中)
$8,200,000-(3,300館)-$171,291,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」(公開中)
$8,000,000-(3,237館)-$379,090,000
第7位「ザ・ハングオーバー」(今秋公開)
$6,465,000-(2,285館)-$247,077,000
第8位「あなたは私の婿になる」(10月16日公開)
$6,423,000-(2,779館)-$140,086,000
第9位「パブリック・エネミーズ」(12月12日公開)
$4,170,000-(2,291館)-$88,096,000
第10位「ブルーノ」(2010年公開)
$2,719,000-(1,895館)-$56,516,000
★各映画の解説はこちらです!! →
★サマームービー・ウォーズもほぼ3分の2が経過する7月第4週の全米映画興行は、キレイにジャンルの分かれた新作3本が各自、期待に沿う好成績で幕を開けましたが、先週の前回(17日~19日)、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が封切りから5日間で売り上げた超ビッグ・ヒットの約1億5,802万ドルのスタート・ダッシュに比べると、それぞれ小粒な新作のため、全体で約7%の収入マイナスとなってしまっています。また、先週と同じく、やはり、仕方ない…といった感じですが、「バットマン/ダークナイト」が驚異的に大ヒットした昨2008年同時期と比べると、この週末は約18%マイナスの実績です。
そんなこじんまりとした興行レースの展開が予想されてただけに、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の2週連続首位の可能性が高そうだったのですが、数字の小さい競争だけに、小動物たちが器用にすき間を縫って?!、第1位を奪ってしまいました…ッ!!
★3,697館が、およそ5,200スクリーンで封切ったうち、1,603館が3D上映で割り増し料金を徴収した、ディズニーのファミリー・ピクチャー「G-フォース」が、僅差でハリー・ポッターの魔法を封じ込め、見事に初登場首位を獲得しました…ッ!!
CGのしゃべる小動物たちと、実写をハイブリッドした本作は、「アルビン/歌うシマリス3兄弟」(2007年12月14公開/3,499館/製作費6,000万ドル)の大ヒットで、“しゃべる動物映画”のジャンルで王者となっている20世紀FOXに対し、お子さま向け動物映画は本来、専売特許であるはずのディズニーが、その覇権を獲り返すべく、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのスーパー・プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーに製作を託したアクション・ファンタジーです。
ディズニーとしては、「アルビン/歌うシマリス3兄弟」の柳の下のしゃべる動物を狙った、昨2008年のスマッシュ・ヒット「ビバリーヒルズ・チワワ」(2008年10月3日公開/3,239館)のオープニング成績=約2,930万ドルは辛うじて上回ったものの、やはり、シマリス3兄弟の勢い=オープニング成績4,430万ドルにはおよばず、シマリスたちの大記録=国内成績2億1,732万ドルに迫るのは、シマリスに少し似たモルモットを主演に起用?!してみた「G-フォース」でも、ちょっと敵いそうにはありません…。また、「ビバリーヒルズ・チワワ」と同等のスタートを切った本作は、チワワの記録=国内成績9,451万ドルあたりまでは狙えそうな感じもしそうですが、この週末、小動物ではなく小エイリアンが登場するCGと実写のハイブリッド映画「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」を、ライバルの20世紀FOXが封切ってしまうので、「G-フォース」は2週めの売り上げ急降下を懸念せざるを得ません…。
製作・配給のディズニーの調べによれば、本作のオープニング興行に訪れた観客の構成は、およそ75%が親子の家族連れで、観客の55%以上が18歳以下、52%が女性だったそうです。
特殊部隊の秘密工作員…ではなくて、工作ペット?!としてトレーニングされたモルモットのねずみや、モグラ、ハエといった小動物や昆虫が、大富豪の誤った発明から世界を守るために大活躍する本作で声の出演をしているのは、今や、くだらない映画には欠かせない大根役者のニコラス・ケイジを筆頭に、ペネロペ・クルスや、スティーヴ・ブシェミといった個性的な俳優たちのほか、「アイアンマン2」の悪役に抜擢されたサム・ロックウェルと、アイアンマンの運転手を演じているパッとしないコメディアンのジョン・ファヴローが、本作でも共演を果たしています。
加えて、今夏の奇跡の大ヒット作「ハングオーバー」の主演トリオのひとりをつとめ、コメディ・スターとして大ブレイクしたザック・ガリフィアナキス(↑)が、G-フォースの育ての親として、実写の生身で本作にも主演しています。
なお、そのザック・ガリフィアナキスが、「ハングオーバー」のトッド・フィリップス監督と再びコンビを組む新作のコメディ映画「デュー・デート」には、アイアンマンことロバート・ダウニー・Jrが主演する予定で、ザック・ガリフィアナキスはトニー・スタークと珍道中をやらかすことになるそうです。
このガキ映画「G-フォース」の監督は、ジェリー・ブラッカイマーのもとで、「アルマゲドン」(1998年)や、「コン・エアー」(1997年)といったブロックバスター映画のSFXのスーパーバイザーをつとめてきたホイト・イエットマン。本作が監督デビュー作となります。
★新作が封切りの初日金曜日こそ、CGのしゃべる小動物や、男は下半身の小動物に支配されているだとか力説するジェラルド・バトラーにリードを許したものの、週末の土日で巻き返しにかかり、公開から2週連続の首位を目前にしながら、今一歩のところで栄冠を逃してしまった「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が、残念な1ランクダウンで第2位となってしまいました…。
先週末のオープニング成績7,783万ドルから約62%売り上げダウンの「謎のプリンス」ですが、オープニング成績が約7,710万ドルと、かなり近い数字を示していた前作「不死鳥の騎士団」(2007年)の2週めのマイナスは約58%で、約3,251万ドルの売り上げでしたから、もし、「謎のプリンス」が前作並の2週めの動員を得られていれば、「G-フォース」に負けることなく、2週連続の首位を奪えるはずでした…。あるいは、「G-フォース」が3D映画ではなく、割り増し料金を徴収していなければ、「ハリポタ」は勝利できていたかもしれない訳で…、そう考えると、やはり、3Dの割り増し料金はあなどれない…ということが実感されます…。
しかし、2週めで早くも約2億2,183万ドルも稼いでいる「謎のプリンス」は、興行に秀でたシリーズの中でも最速の快記録なので、現時点においては「謎のプリンス」が「ハリポタ」史上、最も成功した作品になる可能性が高いと言えそうです。
ただし、今年2009年の年間興行ランキングで現在第5位の本作は、第3位の「スター・トレック」=約2億5,400万ドルは射程圏内で、第2位の「カールじいさんの空飛ぶ家」=約2億8,361万ドルにまで迫れるかもしれませんが、トップの「トランスフォーマー2」の約3億7,909万ドルには歯が立ちそうにありません…。
★美人で有能なのに、理想が高すぎるおかげで、恋愛につまずいてばかりいるキャサリン・ハイグルのテレビ・プロデューサーを、彼女が担当する朝のワイドショーのお荷物のハレンチ・パーソナリティー、ジェラルド・バトラーが、“醜い男女の本音”に目覚めさせ、現実的な手段で恋を叶えてやろう…ッ!!という、ソニー・ピクチャーズのラブコメ「男と女の不都合な真実」が、初登場第3位の好順位に着けました!!、主演のキャサリン・ハイグルとしては、前作のラブコメ「幸せになるための27のドレス」(2008年1月18日公開/3,074館/製作費3,000万ドル)のオープニング成績=約2,300万ドルを、不都合なく上回ることができましたが、同じように少しハレンチな内容がウケて、国内だけで約1億4,876万ドルも売り上げた大ヒット作「ノックトアップ」(2007年6月1日公開/2,975館/製作費3,000万ドル)のオープニング成績=約3,069万ドルには、若干ながら、及んでいません…。
しかし、2,882館が、約3,500スクリーンで上映した、この「男と女の不都合な真実」の監督ロバート・ルケティックにすれば、「キューティ・ブロンド」(2001年)や、「ウエディング宣言」(2005年)といったラブコメ路線に舞い戻った本作で、前作の「ラスベガスをぶっつぶせ!」(2008年3月28日公開/2,952館/製作費3,500万ドル)で築いた自己ベストのオープニング成績=約2,410万ドルを上回る結果を出すことができています。
「幸せになるための27のドレス」の最終的な国内での興行成績は約7,680万ドルで、「ラスベガスをぶっつぶせ!」の同成績は約8,115万ドルでしたから、この「男と女の不都合な真実」も恐らく不都合なく、8,000万ドル前後あたりは売り上げる商いが見込まれます。なので、ひとまず、本作の製作費=約3,800万ドルに対して、国内興行だけでおつりの黒字が出る順当な成功作にはなりそうです。
が、ただし、前述のリース・ウィザースプーンの「キューティ・ブロンド」では大台の1億ドルを目の前にした惜しい成績の約9,652万ドルを、ロバート・ルケティック監督は記録しているので、キャサリン・ハイグルとジェラルド・バトラーという2大スターの共演を得た本作では、本音のところ、1億ドル突破を目標にしていたのではないでしょうか…?!、今後の口コミの広がり次第では、その大台突破も無理ではないでしょうが…、来週の2週めの売り上げのマイナス率に注目ですね。
ソニー・ピクチャースのマーケット・リサーチでは、本作のオープニング興行で、観客の62%は女性で、64%が25歳以上だったそうです。
で、一方、ジェラルド・バトラーにすれば、ヒラリー・スワンクと組んだ純愛映画の「P.S.アイラヴユー」(2007年12月21日公開/2,471館/製作費3,000万ドル/オープニング成績648万ドル/国内成績5,369万ドル/世界トータル1億5,683万ドル)、ジョディ・フォスターと組んだコミカルなファミリー向けのアドベンチャー「幸せの1ページ」(2008年4月4日/3,518館/製作費3,700万ドル/オープニング成績1,321万ドル/国内成績4,800万ドル/全世界トータル1億ドル)に比べて、本作は国内でもそれなりに納得のいく成績を収めることができそうで、過去のふたりよりもセクシーなキャサリン・ハイグルとのコンビを選んだのは正解だった…と言えそうですが、男が売りのジェラルド・バトラーにしては、共演者の女優に頼った甘っちょろい作品ばかりに出過ぎてるので、今後はもっと自分の個性とスター・バリューで売り込むホントの主演作を作らないことには、キャリアが前進するはずもなく、このままでは“ラッセル・クロウの代替スター”として安上がりに使える人材…といったイメージが固定し、使い捨てされてしまうことにつながりかねません…。
ココにキャサリン・ハイグルがレストランで会食中にリモコンバイブでイキそうになってしまうAVみたいな場面の動画があるので、お楽しみください…と言いたいところですが、観客の大多数を占める大人の女性はこういうシーンをおもしろいと思うのでしょうか…?!
★養女に引き取った子どもが、実は頭のおかしな恐ろしい血筋で…といった内容が、孤児に対する福祉の精神に反している…といった批判に晒されている一方、アンジェリーナ・ジョリーや、マドンナの影響か?!、セレブや、それに憧れるミーハーな人たちが養子をとりたがる風潮をチクリと突いた感もあるところが、良くも悪くも時代を反映しているチャイルド・ホラー「オーファン」を、ワーナー・ブラザースが2,750館の約3,100スクリーンで封切った結果、オープニング成績で約1,277万ドルを売り上げ、第4位に初登場しました…!!
オープニング成績が約1,277万ドルというのは、少し心もとない気もする数字ですが、低予算ホラーとして、もしかすると製作費が2,000万ドルもかかってないんじゃないか?!というような本作にとっては、この出だしは、そんなに悪いものではないでしょう。ただし、タダでさえ2週めにはガクンと客足が落ちるホラー・ジャンルなのに加え、この週末は人気の「ソウ」シリーズのクリエイターによる新作「ザ・コレクター」が封切られますから、この「オーファン」の順位は、来週は一気に下がってしまうかもしれません…。
しかし、製作・配給のワーナー・ブラザースの出口調査の結果では、本作の観客の58%は女性で、63%は25歳以下だったそうで、この恐ろしい孤児を養女に引き取ってしまう物語は、意外に?!若い女性にウケているようなので、残酷な「ザ・コレクター」とは観客層を少し異にする可能性もありそうです。
本作の監督は、「GOAL!2」(2007年)のジャウム・コレット=セラ。プロデューサーは、本人の嗜好的にはオタクな映画が大好きのレオナルド・ディカプリオ。
そのレオナルド・ディカプリオの心の内を、「ディパーテッド」(2006年)では診察する精神科医だったヴェラ・ファミーガが、本作では恐ろしい子どもの正体を見抜けず、恐怖の事態に直面するお母さんを演じています。夫は、私生活ではマギー・ギレンホールのダンナ、てことは、ジェイク・ギレンホールの義理のお兄さんとなるピーター・サースガードです。余談ですが、義兄弟はサム・メンデス監督の湾岸戦争映画「ジャーヘッド」(2005年)で共演していましたね。
怖いみなしごのエスターを演じ、主演してるのは、「ハウンド・ドッグ」(2007年)でダコタ・ファニングと共演していた、11歳のイザベル・フールマン(↑)です。
お年頃になったら、子どもの自分が主演のホラー映画を観て、どう思うんでしょう…?!
★公開から3週連続して第2位をキープしてきた絶好調の「アイスエイジ3/ティラノのおとしもの」が、観客のターゲットが思いっきりかぶる「G-フォース」の登場で集客を約53%も失い、第5位にまで滑り落ちてしまいました…。
公開4週めで517館が撤退してしまった本作ですが、現時点で約1億7,129万ドルを売り上げているのはシリーズ中、最も好調な成績で、第1作め(2002年)が約半年間の25週間かけて稼いだ国内興行成績=約1億7,638万ドルに早くも迫っています…!!、となれば、前作(2006年)の記録=約1億9,533万ドルは容易に追い抜けそうな気もするのですが、本シリーズを製作・配給する20世紀FOXはこの週末、やはり、観客層がかぶってしまうSFファンタジー「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」を封切るので、「アイスエイジ3」はもう充分にお役目を果たした…ということなのかもしれません?!
★2週続けて第3位をキープしていた「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」が、封切りから5週めで息切れし、下位ランキングの第6位に後退してしまいした…。620館が巨大ロボットに別れを告げ、最大で4,293館も上映していた映画館が、ザッと1,000館も減ってしまった訳ですが、本作は今だ3,237館という並の新作の拡大公開の規模を維持しています…。本作の先週からの売り上げのマイナスは約42%で、これは3週続けて同じようなペースを保っています。
様々な興行新記録を樹立してきたモンスター・ヒットの「トランスフォーマー2」ですが、気づくと国内の売り上げのトータルが約3億7,909万ドル超と、4億ドルが目前に達し、全米映画興行史上の歴代ヒット・ランキングで、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(2003年)=約3億7,702万ドルを抜いて、第10位に顔を出してしまいました…ッ!!、ひとつ上の第9位の「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」(2005年)の記録=約3億8,027万ドルを追撃するのは時間の問題で、第8位の「スパイダーマン」(2002年)=約4億370万ドルのクモの巣だって破れそうです…ッ!!、なので、次の「トランスフォーマー3」について、鉄は熱いうちに打てとばかりに即座に製作に着手し、再来年の2011年7月に公開したいパラマウント映画と、1年間の休養期間を経てからメガホンをとり、2012年7月4日全米公開を目指したいマイケル・ベイ監督との間で意見が食い違っていますが、開催中のサイディエゴ・コミック・コンでシリーズのプロデューサー、ロレンツォ・ディボナヴェンチュラは、“ひとまずマイケル・ベイ監督抜きで製作準備を進めるものの、マイケル・ベイ以外の監督は考えられない…”と発言しているので、今後、パラマウント映画はマイケル・ベイ監督にロングバケーションは先送りするよう、説得することになりそうです…ッ!!、ちなみにインフレ率による貨幣価値の変動を考慮すると、「トランスフォーマー2」は歴代80位程度にまで順位が下がってしまいますから、やっぱり、マイケル・ベイ監督は遊んでいる場合ではないかもしれません…ッ?!
★第7位の二日酔いコメディ「ハングオーバー」は、先週の第6位からまたひとつ順位を下げましたが、BEST10の中では最も息の長いロングランとなる公開8週めです。382館がしらふに返ってしまった本作ですが、売り上げのマイナスはBEST10中で最も小さい約20%だけで、単館あたりのアベレージ成績では第5位の「アイスエイジ3」=約2,485ドルを凌ぐ、約2,829ドルを本作は売り上げています。
そんな衰えぬ人気の「ハングオーバー」は国内の興行成績のトータルがついに約2億4,707万ドル超となり、、先々週、お伝えした製作・配給のワーナー・ブラザースの予想通りに、R指定映画(17歳未満要保護者同伴)のカテゴリーで、歴代第3位だった「ビバリーヒルズ・コップ」(1984年)=約2億3,476万ドルを抜いて、代わりにBEST3に食い込み、全米映画興行史上最もヒットした大人向けコメディ映画の栄冠を勝ち取りました…ッ!!、R指定映画史上最大ヒットの第1位「パッション」(2004年)=約3億7,078万ドルに迫るのは無理としても、第2位の「マトリックス・リローデッド」(2003年)=約2億8,157万ドルを笑い飛ばせるのか…ッ?!が次のステップとなりますが、どちらもワーナー・ブラザースの映画なので、同社としては余裕で眺めていられますね…ッ!!、この映画をヒットしない…と判断して、出演を断ったリンジー・ローハンは女優業にカムバックする絶好のチャンスを失ってしまいました…。
★第8位のラブコメ「あなたは私の婿になる」は、公開6週めで264館が打ち切り、約23%の売り上げ減で、先週の第5位からの転落です。しかし、気がつけば、1億4,008万ドル超もボロ稼ぎしてしまった本作は、インフレ率を除いて、単に数字を比較すると、主演のサンドラ・ブロック史上最大のヒット作となっていますッ!!、また、怖い女上司のサンドラ・ブロックに無理矢理、結婚させられる共演者のライアン・レイノルズにしても、デッドプールを演じた「X-メン/ウルヴァリン」(=約1億7,932万ドル)に次ぐ、キャリア中2番めのビッグヒットで、まさに今年はアタリ年を迎えた勢いです。ワーナー・ブラザースのコミック・ヒーロー映画の大作「グリーン・ランタン」の主演に起用されたのも当然…ッ!!といった感じですね。
★第9位のジョニー・デップ主演のギャング映画「パブリック・エネミーズ」は先週の第7位から2ランク・ダウン。公開4週めで827館が終了し、約46%の売り上げダウンです。そんなにヒットしてる印象のない本作ですが、男映画の巨匠マイケル・マン監督のフィルモグラフィーの中では2番めの大ヒット作となっていて、最終的には自己ベストの売り上げを記録したトム・クルーズ主演の「コラテラル」(2004年8月6日公開/3,205館/国内成績1億100万ドル/全世界トータル2億1,776万ドル)に迫れそうなのですが…、同映画の製作費が約6,500万ドルだったのに対し、この「パブリック・エネミーズ」は約1億ドル超を費やしていますから、利益率においては、どうもヒット作とは言い難い感じです…。て言うか、赤字になりそう…。
★第10位のサシャ・バロン・コーエンの非常識なモッキュメンタリー・コメディ「ブルーノ」は、864館がバカバカしくなって?!上映をやめてしまい、約67%の大きなセールスダウンで、先週の第4位から転げ落ちてきました…。
他人を小バカにして、神経を逆なで、おちょくる様子を楽しむのはタダの悪趣味…といった見方が広がったせいか、この週末にたった約271万ドルしか稼げていない本作の興行はもう断末魔で終わりが見えてしまったことから、6,000万ドル台を最終的な興行成績として考えた場合、前作「ボラット」(2006年)の記録=約1億2,850万ドルからは半減…という悲惨な結果を迎えてしまうことになり、製作費におよそ約4,000万ドル超が費やされたと言われる「ブルーノ」は国内興行だけでは赤字…という最悪の結果となりそうです…。サシャ・バロン・コーエンはちょっと調子に乗りすぎてしまったのかもしれません…?!
とりあえず、子どもをダシにしたブラック・ジョークは、そのオチの狙いよりも、まず不快さだけが先に立ってしまいます…。
★さて、この週末の全米公開映画ですが…、首位の「G-フォース」と、第5位の「アイスエイジ3」のところでチラリとふれたSFファンタジーのファミリー映画「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」を20世紀FOXが拡大公開!!、ピアソン・ファミリーが家族旅行で訪れた屋敷には先客がいた…ッ!!という内容で、先客は言うまでもなく、エイリアンですね。主演は、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのスター気取りのシャーペイ・エヴァンス役で人気のアイドル、アシュリー・ティスデール。監督は、孤児の少年が不思議なバスケットボール・シューズでスター・プレイヤーに変身する「ロスト・キッズ」(2002年)や、「ビッグ・トラブル in NY」(2005年)などのジョン・シュルツです。
また、コメディ映画のヒットメイカー、ジャド・アパトーの監督最新作「ファニー・ピープル」も登場!!、不治の病を患い、死期を覚ったアダム・サンドラーのお笑い芸人が、ショービズ界での成功とは裏腹に見つけることができなかった心の支えとなる親友を作ろうとして、自分と同じように孤独な境遇の売れない芸人のセス・ローゲンと知り合うことに…ということで、ジャド・アパトーらしい男同士のぎこちない友情がおもしろ、おかしく、時に切なく描かれる物語のようです。本作はソニー(コロムビア)とユニバーサル映画の共同製作で、配給はユニバーサル映画です。
そして、第4位のチャイルド・ホラー「オーファン」のライバルとして、人気の残酷ポルノ「ソウ」シリーズを第4弾(2007年)から手がけている脚本家コンビ、マーカス・ダンスタンとパトリック・メルトンが書き下ろしたオリジナル・シナリオを、マーカス・ダンスタンが自らメガホンをとり、監督デビューを果たした、凶悪な家宅侵入スリラー「ザ・コレクター」も封切られます!!
今週末は屋根裏のエイリアンが巻き起こす騒動と、お笑い芸人の人情話のコメディ・バトルの一騎打ちといった様相ですが、「ソウ」シリーズのエッセンスの感じられる「ザ・コレクター」も健闘しそうですねッ!!、次回もお楽しみに…ッ!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
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