ウィレム・デフォーは「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」などと呑気なことを言ってはいられないようです…!!
「奇跡の海」(1996年)や、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000年)といった名作映画のほか、ホラー・ドラマのテレビ・シリーズ「キングダム」でも知られるデンマークの鬼才ラース・フォン・トリアー監督のホラー・タッチの最新作「アンチ・キリスト」の予告編です。アンチ・キリスト=反キリストとは、文字通り、キリストの教えに背き、イエスの神性を批判する者のことですが、映画では概ね、「オーメン」シリーズなどのように、黙示録の記述にもとづいて、終末世界に登場する悪魔の化身の独裁者の獣として描かれることが多いようです。
本作の内容は、カウンセラーの夫ウィレム・デフォーとシャルロット・ゲンズブールの妻が不慮で息子を亡くしたことで危機に瀕した結婚を救おうと、森の自然に傷ついた心の癒しを求め、“エデン”という名のキャビンで静養を始めますが、妻のシャルロット・ゲンズブールは超自然的な邪悪な力による異変を感じとり…。
ラース・フォン・トリアー監督は純粋映画の運動であるドグマ95を提唱するなど、独自の際立った世界観を持つ人だけに、この「アンチ・キリスト」もあらすじ通りのホラー映画ではないと思いますが、悪魔の復活を思わせる不気味な題名の映画の予告編を、この週末がキリスト復活を祝うイースターだったことに合わせリリースしたのは挑発的で、意味深です。また、マーティン・スコセッシ監督の「最後の誘惑」(1988年)ではキリストの役だったウィレム・デフォーが主演というのも、何だか皮肉が効いている感じですね。果たして、ラース・フォン・トリアー監督は「アンチ・キリスト」という題名に、どのような意味を込め、本作を作ったのか?!、物語の展開とテーマを、ぜひ、観届けてみたい気になる作品です。
この問題作となりそうなラース・フォン・トリアー監督のホラー・タッチの最新作「アンチ・キリスト」は、来月5月13日から開催のカンヌ映画祭でプレミア上映の後、ヨーロッパでは順次公開が決まっているようです。
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