The Lone Ranger: ジョニー・デップ主演のディズニーのアクション・アドベンチャー超大作「ローン・レンジャー」が製作中止された背景の続報と、ディズニーの重役の問題発言!!、ゴア・ヴァービンスキー監督は、シナリオから獣のクリーチャーや、人食いの悪霊を削除するも、西部劇らしい列車の大スペクタクル・シーンにこだわった!!
by
Billy
2011年8月18日木曜日
「ローン・レンジャー」と同じく、1930年代に誕生して、まずはラジオドラマで好評を博し、後にテレビドラマ化されて、ヒットした往年のヒーロー「グリーン・ホーネット」を、ソニー・ピクチャーズが映画で復活させ、今年2011年初めに封切った結果が、製作費の約1億2,000万ドルに対して、全世界での売り上げが約2億2,781万ドルという、アラ、やだ、赤字だわ…!!と、主婦みたいには言っていられない事態に陥ったことを思うと、ヒーローものとは言え、現代の若い観客がろくに知らないようなキャラクターに大金を投じるのはいかがなものか…?!と、ディズニーが考えるのも致し方ないでしょうし、それに輪をかけて、ユニバーサル映画が007/ダニエル・クレイグとインディ・ジョーンズ/ハリソン・フォードの二枚看板を立てかけた「カウボーイズ&エイリアンズ」も、製作費の約1億6.300万ドルに対して、先月7月末の全米公開以来の売り上げが約8.366万ドルで、とうてい元手を回収できそうにない見込みに沈没していることを踏まえると、同じようにスーパーナチュラルな要素を取り込んだウエスタンで、しかも、昔のヒーローが主人公の「ローン・レンジャー」の製作を見送ろうと判断したディズニーは賢明のように思えなくもありません。しかしながら、その一方で、ディズニーは…、
傘下のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの最高技術責任者であるアンディ・ヘンドリックソン氏が、カナダのバンクーバーで先週、開催されたデジタルメディアの国際会議&展示会のSIGGRAPH(シーグラフ)に出席し…、
“一般に映画はストーリーの内容が大事だと言われますが、大作のイベント・ムービーに関しては、…と、ちょっと聞き捨てならない発言をしたばかりか、昨2010年にビリオンダラー超えのメガヒットを達成した自社の代表作「アリス・イン・ワンダーランド」をヤリ玉にあげて…、
そんなものどうだっていいんです!!”
“内容はとても、よいとホメられるものではありませんでした。しかし、派手なビジュアルの見た目の…などと述べたことが問題発言と見なされ、映画業界に波紋を呼び、映画ファンから、ディズニーはそんな低い志で映画を作っていたのか…と批判される事態を招いています。(via: Vulture)
スペクタクルに観客は惹かれて、映画館に詰めかけたんです。おかげで、ジョニー・デップも面目を
保つことができました。”
そうした大作映画は派手な見た目のスペクタクルが大事で、内容はまぁ、それなりにくっついていればいい…という、ディズニーの映画製作における低俗な方針?!にもとづけば、先にアゲたような「グリーン・ホーネット」や、「カウボーイズ&エイリアンズ」の実績なんか無視をして、メガヒット・シリーズの「パイレーツ・オブ・ザ・カリビアン」を立ち上げたチームであるスーパープロデューサーのジェリー・ブラッカイマーとゴア・ヴァービンスキー監督、そして、ジョニー・デップ主演という超大作「ローン・レンジャー」を作ってもいいんじゃないの…?!とも思えそうですが、先週末の土曜日(8月13日)に速報でお伝えしたように、ディズニーはリスクを冒すことなく、来年2012年12月21日の全米公開の封切り日まで発表していた「ローン・レンジャー」をキャンセルし、ジョニデの主演作が製作中止!!というショッキングな事態に陥ったことに、CIAリーダーのみなさんも驚かれ、まだそのビックリの記憶が鮮明のことかと思います。
果たして、ジョニー・デップの「ローン・レンジャー」は、なぜ?!、製作中止になったのか?!の理由については、第1報のスクープを放った業界メディア Deadline のマイク・フレミングは、今夏の「カーズ2」の失敗や、すでにリスクの高いSF超大作「ジョン・カーター」(2012年3月9日全米公開)を抱えていることなどを例にあげ(どっちもピクサー…)、無理な投資を避けるため、製作費の高い「ローン・レンジャー」が見送られることになった…といった風に伝えていたのですが、2大業界メディアのもう一方である THR のボリス・キットが、さらに詳細な続報をレポートしてくれました。
ボリス・キットによれば、先週末の現地金曜日(8月12日)に、ディズニーが製作中止の判断を下した「ローン・レンジャー」は、高額な約2億5,000万ドルの製作費の削減を迫られたゴア・ヴァービンスキー監督がシナリオを手直し、それまでストーリーに含まれていたインディアンの迷信?!にもとづく、人食いの悪霊が登場する件や、クリーチャー化した狼やコヨーテに襲撃されるといったスーパーナチュラルな要素の見せ場を削除したそうですが、いかにも西部劇らしい列車を使った一連のアクション・シーンを残したため、約2億4,300万ドル前後にしか節約することができず、ディズニー側の求めていた約2億1,500万ドルから2億2,000万ドルの範囲には到底おさまらず、ゴア・ヴァービンスキー監督と、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが自分たちのサラリーから、あわせて約1,000万ドルを返上したところで、目標の金額には達しないため、見送りと相成ってしまったそうです…。
先のアンディ・ヘンドリックソン氏の発言に関して、それを冷静に評価すれば、自社への忠誠心に欠けるばかりか、ティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」を気に入って、大ヒットに導き、ディズニーに多大な利益を与えてくれたファンの観客を、言わば低脳扱いしたことで、大いに叩かれて然るべきとは思いますが、しかし、大作映画は見た目の派手さこそが勝負で、それにより観客動員を煽っている…という見解については、少なからず同意できる人も多いのでは…?!
その考え方に一理も二理もあるとするなら、ゴア・ヴァービンスキー監督が映画の展開上のアクセントでしかなかったらしいスーパーナチュラルな要素は取り止めにして、映画史上最大といった宣伝文句を掲げられるほどスケールの大きな列車のアクション・シーンにこだわったのは間違いではなく、その点において、ディズニーは大作映画への取り組み方の低俗な方針に、評価のぶれがあるような感じがしないでもありません。
しかしながら、THRの記事によれば、同社は、希望の2億1,500万ドル前後の製作費で、「ローン・レンジャー」を作ったとしても、全世界のトータル興行成績で、少なくとも8億ドル台の売り上げを叩き出さない限りにおいては、宣伝プロモーションの経費や、ジョニデにヴァービンスキー監督、ジェリー・ブラッカイマーが興行成績から自分たちの取り分を差し引くのを見込むと、とても利益が出ないと見積もったそうです。
その試算から、恐らくは過去に「ローン・レンジャー」のチームが手がけた「パイレーツ・オブ・ザ・カリビアン: アット・ワールズ・エンド」(2007年)が全世界で約9億6,342万ドルのメガヒットを達成したものの、製作費に3億ドル以上が費やされていたため、ビジネスとしては何の旨味もなく、リスクだけを抱えて、企業経営にダメージを与えた前例を教訓とし、それと同じことが「ローン・レンジャー」でもくり返されてしまう…と話し合われたように思われます。
ゴア・ヴァービンスキー監督は未だに「ローン・レンジャー」の製作をあきらめておらず、プロジェクトの救済につとめているそうですから、ディズニー側が妥協できる数字にまで、さらに製作費を絞りこむのかもしれませんし、あるいは他社に企画を持ち込んで売り込む…といった事態に発展するのかもしれませんが、今週末の金曜日(8月19日)から始まるディズニー・エキスポのD23で、「ローン・レンジャー」の今後について言及され、続報が伝えられるかもしれないので、ひとまずは、その様子を窺うことにしましょう…!!、それにしても、映画スタジオは中身がないと承知して、割り切ったうえで、あえてリスクを負い、大作映画を製作している…という、ディズニーのアンディ・ヘンドリックソン氏のそれを言っちゃ、おしまいよ発言について、CIAリーダーのみなさんは、どのようにお感じになられたでしょう…?!
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