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ジェームズ・キャメロン監督には、マリアナ海溝の深海に潜ってもらわなければならないのだから、ソニーさん、そんなわけには行かないんですよ…!!と、同監督の招聘を、「アバター」シリーズの20世紀FOXに阻まれたソニー・ピクチャーズでしたが、お次はディズニーから、いやいや、うちだって、デヴィッド・フィンチャー監督に「海底2万マイル」まで潜ってもらわなければならないのだから、それは困る…!!と、クレームをつけられてしまうかもしれませんね…!!




プロジェクトの船頭をつとめているプロデューサーのスコット・ルーディンによれば、“初めて女性の視点から描かれた「クレオパトラ」の物語”という要約になる、ピューリッツァー賞作家の女流ノンフィクション・ライター、ステイシー・シフが、昨2010年11月に出版した「クレオパトラ : ア・ライフ」を、ソニー・ピクチャーズが映画化するプロジェクトは、本が出版される以前の昨年夏ごろから企画開発が進められ、3D映画の超大作として完成する目標にそって、SF映画「アバター」(2009年)で、3D映画ブームを沸点にまで盛り上げたジェームズ・キャメロン監督に、そのメガホンが打診されたことが、昨秋10月ごろ、明らかになり、映画メディアを賑わせました。

そのソニー・ピクチャーズとスコット・ルーディンが企画している3D映画の超大作「クレオパトラ」は、これまで主に男性の視点から、俗に世界三大美女と言われる美貌や、妖艶な逸話などに焦点があてられ、言わば、映像作品では興味本位にしか描かれてこなかった…とも言える紀元前の古代エジプトの女王クレオパトラを、実際には国を治めていた君主なのだから、そんな単に女を武器にしたセクシークイーンではなく、抜け目なく戦略に長けた、賢い辣腕の政治家であると同時に、世が世なだけに勇敢な戦士でもあったのに違いない…といった、言われてみれば、ご尤もな視点から描く内容で、アンジェリーナ・ジョリーの「ソルト」(2010年)や、リドリー・スコット監督の「ロビン・フッド」(2010年)などを手がけた脚本家のブライアン・ヘルゲランドがシナリオを担当しています。

そして、そうしたクレオパトラのリアルな人物像には、まさに打ってつけと思われる、単に人気女優の枠にとどまらず、精力的な社会活動家として、様々な問題を世に訴え、インパクトを与えている現代のカリスマ、アンジェリーナ・ジョリーが主演することで、この新しい「クレオパトラ」は、エリザベス・テイラーが主演した、悪名高いとも言える有名映画(1963年)にとって代わり、歴史に残る傑作映画に仕上がる可能性が見込まれるため、企画を選び抜く寡作なジェームズ・キャメロン監督も多大な関心を示していたのですが、冒頭のように、メガヒット・ムービーの続編を作ってもらわなければならない20世紀FOXが、ジェームズ・キャメロン監督を説得し、それを阻んでしまったようで、ジェームズ・キャメロン監督とアンジェリーナ・ジョリーの顔合わせはお流れとなってしまいました…。


その後、マット・デイモンの「ボーン」シリーズで知られるポール・グリーングラス監督の名前が、ジェームズ・キャメロン監督に代わる後任として、今年初めから浮上していましたが、どうやら、プロデューサーのスコット・ルーディンは、アカデミー賞8部門にノミネートされ、そのうち3部門で受賞を果たした「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)でコンビを組み、現在はスティーグ・ラーソンのベストセラー・ミステリーを再映画化するハリウッド版「ミレニアム」シリーズの第1弾「ドラゴン・タトゥーの女」(12月公開)を一緒に作っている最中のデヴィッド・フィンチャー監督に、「クレオパトラ」の話を持っていったそうで、業界メディアのDeadlineによれば、各関係者がデヴィッド・フィンチャー監督版の「クレオパトラ」の実現の可能性を探る話し合いを行っているそうです。

しかし、デヴィッド・フィンチャー監督が3D超大作の「クレオパトラ」を作るにあたって、まず問題となるのは、何と言っても、当のソニーで、前述のハリウッド版「ミレニアム」シリーズを同監督は作らなければならないことで…、それについては、まぁ、主演のダニエル・クレイグが007シリーズ第23弾に出なければならない空白期間ができることもあり、一連のハリウッド版「ミレニアム」、「クレオパトラ」、「ボンド23」が全部、ソニーの映画なので、ソニーが社内で交通整理をすればよいのかもしれませんが、デヴィッド・フィンチャー監督は、ディズニーで「ふしぎの海のナディア」を実写映画化…ではなくて、ジュール・ヴェルヌの古典を再映画化するSF海洋冒険アクションの3D映画「海底2万マイル」のプロジェクトも抱えています。よって、すでにハリウッド版「ミレニアム」シリーズだけで手一杯の人気監督デヴィッド・フィンチャーに、ソニーがまた新たに「クレオパトラ」をオーダーして、ソニーの専属監督のようにしてしまうのを、果たして、ディズニーが黙って見過ごしてくれるのか?!、20世紀FOXがジェームズ・キャメロン監督を抱えこんでしまったように、何かの手を打ってくる可能性は否定できません。

いずれにしろ、現時点では、デヴィッド・フィンチャー監督に一体、どういったタイミングで「クレオパトラ」を作らせることができるのか?!、多忙なアンジェリーナ・ジョリーとのスケジュールも調整しなければならないため、プロデューサーのスコット・ルーディンと、ソニーが取り組まなければならない問題は多く、デヴィッド・フィンチャー監督に打診はしたものの、あきらめて、ほかの監督を新たに指名する方針転換も充分にあり得そうです…。
デヴィッド・フィンチャー監督が、アンジェリーナ・ジョリーを主演に、これまでとは違うリアルな視点から、3D超大作の「クレオパトラ」を作る…!!というのは、大変に魅力的なお話ですが、この話題はひとまず、遠目から様子を窺ったほうがよさそうですね。




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