背中の羽を自ら切り落とした堕天使が、人間界で神父になるのは、話の流れとしてはまっとうなようですが、やっぱり、神の言うことなんか無視するあたり、まるで改心はしていないようです…？！



先々月5月に、Wilder さんが“80年代B級映画ロマンの感動再び！！”と、大絶賛のレビューをアップしてくれた、救世主誕生をめぐる天使と人類の戦いを描いたホラー・アクション「レギオン」(2010年)で、デビューを飾ったスコット・チャールス・スチュアート監督が、ポール・ベタニーを再び、主役に起用した第2弾のヴァンパイア・バトル・フリック「プリースト」の予告編を、開催中のサンディエゴ・コミック・コンでリリースしてくれたので、お楽しみください…！！





ソニー・ピクチャーズ傘下のジャンル系映画レーベル、スクリーン・ジェムズが、前作「レギオン」に引き続き、製作し、配給する「プリースト」は、 TokyoPop から出版されている韓国の漫画家、ヒュン・ミンウの同名コミック(↓)を映画化したもので、冒頭のように、堕天使のポール・ベタニーが神父になって登場するからと言って、けして、「レギオン」の続編ではありません。

物語としては…、ヴァンパイアとの百年にもわたる戦いで崩壊した終末世界が舞台となり、人類は壁をめぐらして、吸血鬼の脅威から隔絶された、教会が絶大な権力で支配するディストピアで暮らしていた…！！
ポール・ベタニーが演じる主人公は、吸血鬼との大戦で活躍を果たした、伝説的な戦う神父であり、教会に仕える身だったが、姪がヴァンパイアたちにさらわれたことで、教会の教えを振り切って背き、かつて共に闘った仲間であるマギーＱ(写真右下)が扮する戦う巫女と、姪の恋人で、自分も「トワイライト」(2008年)ではヴァンパイアだったキャム・ギガンデット(写真左上)の保安官と、救出チームを結成し、姪がヴァンパイアに貶められてしまう前に、その身柄を取り返すべく、危険な外の世界へと飛び出していく…！！
…といったもので、確かに「レギオン」の続きではありませんが、「プリースト」の原作コミックの世界観も、根幹に堕天使バトルを置いているので、宗教が関わることになり、荒野で戦いが展開する様子など、それとなく似た印象になっています。




この「プリースト」の共演者として、ヴァンパイア軍団の狂信的な指導者である悪役は、新生「スター・トレック」(2009年)のドクター・マッコイこと、カール・アーバン、そのカール・アーバンに拉致された18歳の姪、ルーシーは、現実にはミュージシャンのフィル・コリンズの娘で、「ブラインド・サイド」(2009年)の中では、サンドラ・ブロックの娘だったリリー・コリンズ。それに加えて、ヴァンパイア・ドラマ「トゥルーブラッド」で人気のスティーヴン・モイヤーに、古くは「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年)、新しくは「Dr.パルナサスの鏡」(2009年)など、多数の傑作映画で知られる名優クリストファー・プラマーが出演しています…！！


なお、本作の当初の全米公開日は、今年2010年8月20日で、サマームービーでしたが、3D映画に加工するコンバートが決まったため、先送りされ、一旦は来年2011年1月14日の閑散期に公開の映画の墓場送りとなったものが、そこからさらに3月4日に延期され、最終的には5月13日全米公開に落ち着いて、結局また、サマーシーズンに帰ってきました…。

そうした転々とした公開日の経緯を振り返ると、スクリーン・ジェムズはいったい、この映画をどうプロモーションしたいのか？！、よくわからない感じですが、サンディエゴ・コミック・コンで上映された3Dバージョンの予告編の評価は悪くなく、どうやら先送りをくり返して、稼いだ時間を、ソニーは2D映像をコンバートする加工の結果が、不評のフェイク3Dにならないよう、細心の注意を作業に払っているのかもしれません。
それだけ、「プリースト」に期待が込められているのなら、「レギオン」よりもさらに、B級映画ロマンの感動再び！！を楽しみにしておいてもいいのでは…？！


さて、CIAリーダーのみなさんなら、一見して、人気ジャンル映画の様々な要素をゴチャ混ぜにしたとわかる「プリースト」の予告編をご覧になり、どのような感想をお持ちになられたでしょう…？！



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