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最近めっきり見かけなくなった鑑賞後感最高のB級大作がやって来ました!!



人類が神に仕える天使の軍団と滅亡をかけてバトルをくり広げるという、とてつもないスケールの物語を、閉鎖的な環境である田舎町のガソリンスタンドで展開させたのが「レギオン」の特色であり、成功の要因となっています。
大きく広げた風呂敷を畳むには丁度良い舞台設定での攻防は、「トレマーズ」シリーズよろしく一人一人のキャラクターを機能させた上でのストーリー展開になるので、安心してアクションを楽しめます。
彼らの造形がお約束のツボをすべて押さえていて、王道のB級大作として潔よく作られています。
近年はそういったパターンをワザとずらした「ザ・フィースト」(2006年)のような、ひねくれた意外性を狙う映画が流行っていましたが、今作は恥ずかしげもなく80年代のテイストを踏襲しているので、逆に新鮮で、安定したカタルシスを存分に楽しめます。

冒頭、ヒロインの空虚なモノローグと共に映し出される荒涼とした砂漠の実景カットが味わい深く、「ノーカントリー」(2007年)のオープニングをパクッたんだろうなぁ…とタカをくくっていたら、本家に匹敵する気合いの入りまくったカットの数々に一気に引き込まれました。どう考えてもB級テイストのストーリーを作り手たちは「ノーカントリー」レベルのスタッフワークで作ろうとガチになっているのが半端なく伝わる名オープニングです。

その後すぐにポール・ベタニー演じる大天使ミカエルが地上に降り立ち、自らの羽を切り落とすのも束の間、間髪入れずに大量の重火器を調達していくテンポとノリの良さには、心から胸を踊らせてくれます。本筋のストーリー自体は良くも悪くもB級なので、特に面白味がないぶん、そういったディテールやテンポで観客を飽きさせないよう配慮が十分行き届いています。

ガソリンスタンドの面々が抱えている問題や関係性を都合良くセリフの中で説明してくれるので、異形の敵とのファーストコンタクトまでのわずかな時間で、完全に人物関係を掌握できます。
よい娯楽作品の条件として、この最初の人物紹介で、いかにして無駄のない短い描写で観客を感情移入させ、映画の世界に引き込むかが重要なポイントですが、今作は見事にクリアしています。
さて映画の“緩急”の“緩”がしっかり整ったところで、待ちに待った“急”への移行が始まります。ヤバ過ぎる雰囲気のサイコ婆さんがハエの群がるステーキを喰いながら襲ってくるのです!!
今時ここまでツボを押さえた婆さんキャラなんているんでしょうか!?
天井を飛び跳ね、鉄拳や噛みつきで襲いかかるサイコ婆さんを観ていると、恐怖と笑いが同時にこみ上げて来て、通常の4倍はアドレナリンが放出されます!!




そこからの展開は、天使に憑かれた異常者集団や、ガチムチマッチョな大男が天使のコスプレをしているようにしか見えないガブリエル(しかも登場時は律儀にドアから入ってくる)が立ちはだかり、生き残りアドベンチャーとしても秀逸な出来です。
デニス・クエイド演じるオヤジの屁たれっぷりに終盤まで失望させられますが、最後は熱く決めてくれるので、半端ないカタルシスを得られます。
ポール・ベタニーがジョン・ウーばりの二丁拳銃(機関銃やロケット砲も使いこなす!!)や、格闘アクションで敵を殺しまくる姿はどう見ても大天使のそれではありませんが、おもしろすぎるので良しとしましょう。
スカッと爽やかに劇場を後に出来るおもしろすぎる娯楽映画ですので、天使や神といったテーマは是非とも無視してノリで楽しんで頂ければと思います。 by ワイルダー


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