************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


ひとまず、2週連続第1位の「アリス・イン・ワンダーランド」の解説だけ、アゲときます!!、続きのその他の作品の解説はコチラです…!!




ダークファンタジーの鬼才ティム・バートン監督が、ルイス・キャロルの名作ファンタジー文学と、それをアニメ化したディズニーの古典アニメを下敷きに、新たに同監督らしい“不思議の国”を創造した、3Dのハイブリッド・ムービー「アリス・イン・ワンダーランド」が、先週の初公開で記録した、これこそ、まさにディズニー史上最もアリエナイ魔法と呼ぶにふさわしい超特大のオープニング成績=1億1,610万ドルから、およそ47%の売上げを落としたものの、依然として並のオープニング成績の2倍に匹敵する約6,200万ドルを稼ぎ出して、2週連続の第1位を達成しました…!!

この「アリス・イン・ワンダーランド」が叩き出した約6,200万ドルは、公開2週めの興行成績としては、メガヒット映画「スパイダーマン3」(2007年)の記録=5,816万ドルを抜き、歴代第6位となる驚異的な数字で、ディズニーはあと少しで、もうひとつ上の第5位に着けている同社の大ヒット・シリーズ「バイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006年)の記録=6,234万ドルを飛び越え、この「アリス・イン・ワンダーランド」がディズニー史上最も2週めに売り上げたヒット持続力№1の映画になるところでした。

しかしながら、以前にココで、「アバター」の上映形態別興行成績のデータをあげて示したように、3D映画は、その立体上映に対する割増し料金や、観客が好んでIMAXシアターで観たがることから、チケット代の平均値が上昇し、容易に売上げの数字が伸びることで、過去の2D映画、つまり、フツーの映画の興行成績とは、顧客単価が違いすぎるため、カンタンに比較できないものがあります(「バットマン/ダークナイト」が“真の大ヒット作品”、または“最後の大ヒット作”と言われるのは、そういう理由からです)。
よって、この「アリス・イン・ワンダーランド」も、2週で2億ドルの超大台を突破のウルトラ・ハイスピードで数字を積み上げていますが、厳密には上映形態別の売上げをはじき出し、観客動員数を把握しないかぎり、本当に驚異の大ヒット作なのか?!は何とも言えないのかもしれません。が、いずれにしろ、それだけの莫大な現金を、ひとまず映画界にもたらしたことだけは事実なので、産業全体に対する貢献度は大きく、賞賛に価するのは間違いありません。


また、ココでお伝えしたように、「アリス・イン・ワンダーランド」は、映画の封切り前に、DVD/BDの発売予定日を告知し、そのリリースまでの期間が、従来の公開17週後から12週後に短縮され、諸外国では早々と6月には、もう自宅で観られる予定であることから、米英の大手シネコン・チェーンなど映画館主らの反発を食らい、上映ボイコットのトラブルが業界で波紋となったわけですが、実際にフタをあけた結果は、このような大ヒットであり、3ヶ月後にはDVD/BDが店頭に並ぶ…といったことを、観客は一切、気にしなかったようです。
となれば、この「アリス・イン・ワンダーランド」の成功を受けて、今後は各映画スタジオも、映画のヒットの余韻が冷めやらぬうちに、サッサとDVD/BDを発売する傾向に拍車がかかる可能性は高く、映画ファンは映画館まで足を運ぶのか、それともDVDのレンタルを待つのか?!の判断をより求められることになりそうです。
それにしても、ディズニーは、「アリス・イン・ワンダーランド」のDVD/BDの早期発売の理由として、サッカーのFIFAワールドカップの開催をあげていましたが、アメリカ人があまりサッカー好きでないのは有名で、誰でも知っていますから、少なくとも北米の映画館主らには、このディズニーの説明は詭弁にしか聞こえず、アタマにきたことが、上映ボイコットにつながったのかな…?!などとも憶測したくなりますね。

さらに、この「アリス・イン・ワンダーランド」の成功が、「アバター」の大ヒットの上に乗っかっているのは明らかで、「アバター」には興味を持てず、実際に観てはいないが、3D映画を自分も体験してみたい…という観客や、「アバター」の驚異の3D映像に感激し、その興奮を再び味わいたい…といった観客が、本作には大勢、押し寄せているようです。
しかし、3Dカメラではなく、従来の2Dカメラで撮影していると聞いただけで、「アバター」のジェームズ・キャメロン監督が、“そんな3Dは、3Dじゃないね…!!”と斬り捨ててしまったように、「アリス・イン・ワンダーランド」の立体映像は、「アバター」ほどに美しくはなく、画面は暗くて、ボヤけている…と、概ね不評のボヤキが多く伝えられています。
ウワサを聞いて、初めて3D映画を観た観客はガッカリし、「アバター」と同じクオリティを求めた観客は、映像にはこだわりを持っているはずのティム・バートン監督作品なのに…と、怒り出したくもなるようで、「アリス・イン・ワンダーランド」は、自らは3D映画ブームの恩恵に預かりながら、後続の作品には影を落としてしまったかも…と危惧した見方で語られるなどもしています。けれど、上映環境は映画館によって違ったりもするので、これは一概には何とも言い切れません…。




それでもまぁ、2週めでも大ヒットをしているということは、その映画の内容自体はよかった…!!、おもしろかった…!!と、大多数の観客に好意的に迎えられた口コミが広まっていることも窺いしれるわけですが、ルイス・キャロルの原作のファンにはそうではなかったようで、チラホラと見かけられる、途中で席を立ち、映画を最後まで観届けずに帰ってしまう観客は、自分が抱いていた「不思議の国のアリス」の世界観のイメージと、ティム・バートン監督が現代的にリ・イマジニングしたワンダーランドとの間の大きなギャップに納得がいかなかったようです。


そうした言わば、少し毒のあるティム・バートン監督の作風ですが、この「アリス・イン・ワンダーランド」に関しては、前述のようにエンタテインメント映画としての完成度は優れているものの、新鮮な驚きと発見に満ちたティム・バートン監督の不思議映像世界を期待していた観客からは、もうティム・バートン監督のかつてのオリジナリティは、単にマンネリ化し、新しいものは望めない…といった落胆の声が思いがけず、ひっきりなしにあがっています…。

で、下 ↓ の動画は、たまにネタを紹介するジョークのサイト College Humor がこしらえた、ティム・バートン監督の新作映画の企画会議?!とでもいったシチュエーションのパロディです。
まず脚本は誰でも知ってる、ちょっと不気味な物語を、より怪しくすることが肝心で、オリジナル・ストーリーはもってのほか…ッ!!、で、とりあえず、出演者はティム・バートンと、うちのカミさん!!、映画のオープニングには移動撮影を使って…、ダニー・エルフマンはまたワンパターンの曲を作る…といった具合に、ティム・バートン監督のファンが聞いたら怒りそうですが、同監督の映画がいかにいつも同じような要素のくり返しだけで作られているかを、“ティム・バートン映画の秘密の調合法”といった題名をつけて、おちょくっています。


ジョニー・デップのイカレ帽子屋マッド・ハッターの演技にしても、ジョニデだけに、その表現力は相変わらずの巧みさだが、でも、似たような帽子をかぶっていた「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)のウィリー・ウォンカと見分けがつかない…などと厳しく針を刺されたり、ミュージカル場面はバカバカしい…といった指摘が少なくはなく、観客はどうやら、ティム・バートン監督とジョニー・デップのコラボには飽きてしまったのかもしれません。
また、アン・ハサウェイの白の女王の演技もあまりホメられていませんが、その一方で、主役のアリスを演じたミア・ヴァシコウスカの存在感や、うちのカミさんのヘレナ・ボナム=カーターのパフォーマンスは格別に絶賛されており、総評のまとめとしては、ティム・バートン監督最新作のディズニー映画「アリス・イン・ワンダーランド」は観るに価する作品で、スクリーンから飛び出すチェシャ猫など、3Dの効果を存分に発揮した場面も多いが、2Dで観るほうが無難なのかもしれない…といったことになりそうです。 なお、この「アリス・イン・ワンダーランド」の製作費は2億ドル強ですが、すでに全世界での興行成績のトータルを、その倍の約4億2,962万ドルとしているので、ディズニーとしては、おおむね原価回収のメドがつき、あとは早期発売のDVD/BDなどで、充分に利益を得ていくことができそうです。 ミア・ヴァシコウスカの「アリス・イン・ワンダーランド」が2週連続第1位を達成した3 月第2週の全米映画ボックスオフィスBEST10の興行レポート!!-PART2 はコチラです…!! 【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!


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