************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


すみません…、昨日、多忙でアゲられなかった興行レポートの続きです…!!
(文中の“昨日”は、すでに“おとつい”ですが、実際に書いたのは、昨日なので、そのままにしています)



「ボーン」シリーズのポール・グリーングラス監督と、そのジェイソン・ボーンことマット・デイモンがコンビを組んで、イラクに乗り込んだ「グリーン・ゾーン」のオープニング成績は、昨日の予想=1,500万ドルを若干、下回った約1,453万ドルでした…!!
スターのマット・デイモンが主演だし、せめて2,000万ドルは超えてくれるのでは…?!といった、当初の期待の思惑は虚しく崩れ、ひどい出足を切っています…。
昨日の初日レポートで比較にあげた「キングダム/見えざる敵」(2007年)のオープニング成績=約1,713万ドルに及ばなかったばかりか、2,793館で封切られた同映画のアベレージの売上げは約6,135ドルでしたから、1館あたりの稼ぎが約4,840ドルだった「グリーン・ゾーン」は、オープニング成績で完全に「キングダム/見えざる敵」に劣ってしまったことになり、やはり、最近の似たようなタイプの映画として、オープニング成績がたったの約1,288万ドル(2,710館)だったリドリー・スコット監督のレオナルド・ディカプリオ主演作「ボディ・オブ・ライズ」(2008年10月公開)の封切り時の平均値=約4,754ドルと、まさにどっこいどっこいの低レベルの勝負となっています。
が、それでもユニバーサル映画の配給部門代表ニッキ・ロッコ氏は、“この手の題材を取り扱った映画としては、我々はかなり上出来の成果をあげた…”とコメントを発表していますが、「キングダム/見えざる敵」はユニバーサル映画の作品ですから、同社が先のような興行データの比較を社内で検討しなかった…とは、ちょっと思えないので、ニッキ・ロッコ氏のコメントには少し苦しい感じがなくもありません…。

そのニッキ・ロッコ氏が述べた“この手の題材の映画”とは、つまり、不人気なイラク戦争ものと言うことですが、確かにイラクが舞台である以上、“イラク戦争映画”の1本と受け止められてしまうのは、やむを得えないかもしれません。
しかしながら、これまでのイラク戦争ものよりは格段にエンタテインメントしている本作を、同社はそれらしく初公開の予告編では、あたかも「ボーン」シリーズの最新作のように見せかけようとしていました。
そのように“イラク戦争もの”ではなく、あくまでも“ミリタリー・スリラーですよ”とプロモーションすることは大正解だったと思いますが、その線で押し切らずに、途中であきらめてしまったのは、当のユニバーサル映画の判断ですから、製作費1億ドル超の大作映画のオープニング成績とは思えない不甲斐ない結果の責任は、ポール・グリーングラス監督とマット・デイモンだけに押しつけることはできないかもしれません…。

イラク戦争に関する社会問題や、政治的信条などに頓着せず、“ミリタリー・スリラー”として観た観客や、映画ジャーナリストの、楽しめた…!!といった声はある一方で、正義感が強く、愛国心に満ちたマット・デイモンのキャラクターは単純すぎて、自分のアイデンティティに悩みながら戦ったジェイソン・ボーンに比べれば、退屈なのだけれど、そもそも主人公がお人よしでなければ成立しない物語だけに仕方がない…と評されている「グリーン・ゾーン」は、言わば、トム・クルーズの「ヴァルキュリー」(2008年)が素直に戦争スリラーを目指し、歴史の事実として、すでに何もかもネタバレである…というジレンマに陥っていたのと同じ問題を抱えてしまっていると言えるかもしれません。それが本作をスリラー映画としても平凡の域を出ない…といった中途半端な作品にしてしまった原因のひとつとなっているようです。
そういったことを踏まえると、“戦争ファンタジー”という発想で「イングロリアス・バスターズ」(2009年)を作ったクエンティン・タランティーノ監督は、上手く、やったなぁ…!!とあらためて感心してしまいますね…!!

ボーンシリーズのポール・グリーングラス監督らしい演出の格闘場面!!






「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年)の有名な無名俳優ジェイ・バルチェルが主演した、男のための恋愛コメディ映画「シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ」のオープニング成績は約960万ドルで、予想されていた1,000万ドルには、ちょっと手が届きませんでした…!!
それにしても、パラマウント映画の調べによれば、おかしなことに、なんと、このモテない男のための恋愛レッスン映画?!の観客は、女性が52%で、男性よりも少し多かったそうです!!
この「シーズ・アウト・オブ・リーグ」の製作費は低予算の約2,000万ドルですから、1,000万ドルに満たないオープニング成績でも、まずまずのスタートを切った…!!と評価することができそうです。


ジェイ・バルチェルが立ってるのに、立てないシーン?!






ニコラス・スパークスのお涙ちょうだい恋愛メロドラマを彷彿とさせながらも、観客にウケを媚びた予定調和で映画を終わらせなかったことだけは、とりあえず、高評価してあげてもいいのかもしれない、ロブ・パティンソンが明らかにジェームズ・ディーンを意識した怒れる若者をモノマネしてる?!「リメンバー・ミー」のオープニング成績は、低いめの予想の950万ドルにすら及ばなかった約830万ドルでした…!!
冒頭から、いきなり人が死に、主人公らが近親者の死の痛みを抱える本作の少し陰気なトーンが好みにあった人からは、そこそこ良かった…とポジティヴな評価もないわけではない、この「リメンバー・ミー」の製作費は、たったの約1,600万ドルなので、まぁ、ヴァンパイアのエドワードが主演していることを考慮すれば、確実に赤字映画になることだけはなさそうです…。

お花畑だけでなく、シャワールームでもたわむれるヴァンパイアのエドワードが、かわいいエミリー・デ・レイヴィンをビショ濡れにし、濡れた服から浮き上がったエミリーの乳首に男性の観客の目が釘付けになる、この映画で最も素晴らしいシーン?!






現在ではパンドラのナヴィになってしまったゾーイ・サルダナと、現在ではG.I.ジェーンのダンナになってしまったアシュトン・カッチャーがカップルを演じたリメイク映画「ゲス・フー/招かれざる恋人」(2005年)の元ネタ映画である、キャサリン・ヘップバーンが第40回アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた名作「招かれざる客」(1967年)に、スティーヴ・マーティン主演で1991年にリメイクされた、スペンサー・トレイシーとエリザベス・テイラーが主演した、ヴィンセント・ミネリ監督の大傑作「花嫁の父」(1950年)を足して、一緒くたにして、こねくりまわした末、出来上がったような「アワー・ファミリー・ウエディング」のオープニング成績は約760万ドルなので、この映画は予想の750万ドルを超えることができました…!!、それどころか、1館あたりの売上げは約4,735ドルなので、第2位の「グリーン・ゾーン」=約4,840ドルに迫るほど、映画館の座席を埋めています!!、アグリー・ベティ、恐るべし…ッ!!です!!






第82回アカデミー賞授賞式の受賞速報の都合で、先週はこのレポートをお休みしたせいで、何の紹介もできなかった「ブルックリンズ・ファイネスト」ですが、その初公開で第2位だった前回から、約68%の急激な数字の落ち込みで、第8位にまで転落しています…。
本作は映画の映画の格付けサイト RottenTomatoes で、支持率39%の腐敗映画に指定されており、映画メディアからも、ほとんど注目されていませんが、デンゼル・ワシントンがアカデミー賞最優秀主演男優賞に選ばれたコップ・ドラマの傑作「トレーニング・デイ」(2001年)のアントワーン・フークア監督らしい警察の闇の部分をリアルに描いた作品として、大人の観客からは満足の声があがっています。ちょっと内容が渋すぎて、一般ウケしなかったようですね…。
主演のリチャード・ギアは何とか無事に引退を迎えることができそうなベテラン警官で、イーサン・ホークは「トレーニング・デイ」で、デンゼル・ワシントンから学んだおかげで、優秀なのにヤクにおぼれ、金に困っている悪い警官。ドン・チードルは囮捜査官の刑事で、ウェズリー・スナイプが、その囮をふところに抱えてしまった大物のドラッグ・ディーラー。そんな4人の人生が交錯する時…ッ!!といったようなプロットです。

ブルックリンズ・ファイネスト予告編






最後はいつものように、今週末の全米公開新作映画の予告ですが、まずは…、
昨2009年12月半ばにココで初公開の予告編をご覧いただいた、保釈中に逃亡した被告人の身柄を取り押さえる現代の賞金稼ぎのジェラルド・バトラーが、自分の元妻のジェニファー・アニストンを捕まえることになり、ハニー VS ダーリンのドタバタの駆け引きのアクションをくり広げるロマンチック・コメディ「ザ・バウンティ・ハンター」を、ソニー・ピクチャーズがリリース!!、監督は、ソニピ史上、テスト試写で最も好評を博し、最高得点を記録した…!!などと眉唾なことが、リメイク版「カラテ・キッド」(6月11日全米公開)の宣伝のダシとして語られていた、カラテ・キッドの親父ウィル・スミスが主演した、どうでもいいラブコメ「最後の恋のはじめ方」(2005年)を作ったアンディ・テナントです。
ジェニファー・アニストンはなんだか、離婚して、自分はブラピと主演できなかった「Mr.&Mrs. スミス」(2005年)を、代わりにジェラルド・バトラーを相手にやってるような感じですね…!!

そして、ユニバーサル映画が、ジュード・ロウとフォレスト・ウィテカーが共演した、ブラックな近未来SFアクション・スリラー「レポ・メン」を公開!!
体に埋め込んだ人工臓器のローンを滞納した顧客のもとに、ふたりが訪れ、ジュード・ロウがドクター・ワトソンとしてメスをふるい?!、顧客の体から無理矢理にメカを取り出して回収する恐ろしい取り立て屋=レポ・メンを演じています!!、しかし、取り立ての最中に死にかけたジュード・ロウは、人工臓器のおかげで命を蘇生するも、その代金が支払えずに、かつての同僚フォレスト・ウィテカーから取り立てを食らうことに…!!
もう1本の全米公開映画は、ポプラ社から邦訳が出版されている児童書のベストセラー、「グレッグのダメ日記」を…、
エマ・ロバーツがおばさん、もしくは事実上のお母さん?!のジュリア・ロバーツを超えた?!と、ジュリア・ロバーツ主演の「デュプリシティ」(2009年)よりもヒットしたことで話題になった「ホテル・バディーズ/ワンちゃん救出大作戦」(2009年)で映画監督デビューを飾ったトール・フロイデンタールが映画化した同名のガキ映画を20世紀FOXが封切ります!!
この「グレッグのダメ日記」には、ウルトラ・バイオレンス・シリーズ第2弾「キック・アス」(全米4月16日公開)の殺し屋ロリータ、ヒットガールこと、クロエ・モレッツちゃんが、ふつうに歳相応の女の子の役で出演しています!!
それでは、どこかしら垢抜けない映画の雰囲気が、とても20世紀FOXらしくて、映画ファンはホッとしてしまう?!「グレッグのダメ日記」から、ダメな男の子のグレッグが、女の子とレスリングして負けちゃう場面をご覧ください…!!
でも、レスリングで女の子につかみかかるなんて、小学生同士でも、男のプライド?!が邪魔して、恥ずかしくて、できるわけないので、グレッグが負けちゃうのは仕方ないかも…?!、では、次週のランキングもお楽しみに…、あッ!!、ダコタ・ファニング・フィーチャリング・クリステン・スチュワートの「ランナウェイズ」も、この週末から限定公開で登場でした…ッ!!





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