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イギリスに拠点をおいて活動しているアメリカ人のドキュメンタリー映画作家、ジュシュア・オッペンハイマー監督が、昨2012年夏のテリュライド・フィルム・フェスティバルで行ったプレミア上映で、こんな映画は観たことがない…と観客にショックを与え、その後、カナダのトロント国際映画祭の上映で世界に衝撃を与えた異色の実験的ドキュメンタリー映画「ジ・アクト・オブ・キリング」の予告編を、配給のドラフトハウス・フィルムズがリリースしたので、人間と歴史の残酷な一面を目撃しても大丈夫という方のみ、ご覧ください…!!










虚実の境い目で恐ろしい白日夢を観るような奇妙な作品…といった風に評されているジュシュア・オッペンハイマー監督の問題作「ジ・アクト・オブ・キリング」は…、親共路線のスカルノ大統領が政権を握っていた1965年のインドネシアで、9月30日に勃発した軍事クーデターのいわゆる“9月30日事件”を鎮圧するため、大統領から権限を与えられた軍人のスハルトが、そもそもはクーデターの関係者を処分する名目で始めた大量虐殺の“共産主義者狩り”に進んで協力し、無数の人たちを惨殺した、元ならず者のアンウォー・コンゴらが…、


その後、スハルトが政権を奪って、大統領になったことから、本当はただの人殺しなのに“国民的英雄”に祭り上げられ、現在もなお人気者…という、人道的な見地からすれば理不尽に尽きる経緯に着目したジュシュア・オッペンハイマー監督が、その今や名士のアンウォー・コンゴ氏と、彼と共に虐殺を行った“死の部隊”の一員のハーマン・コト氏らに対して、あなた方が国家のために行ったことを映画化してくださいと持ちかけて、メガホンを託し、少なく見積もっても8万人以上は殺されたとされる大量虐殺の実態を、当の殺戮者たちに再現させていく…というユニークでブラックな手法のドキュメンタリー映画です。


アメリカ映画のギャングものに心酔して憧れる、言わば、ならず者だったアンウォー・コンゴらが、当時の不穏な社会情勢に乗じて行った大量虐殺が肯定されているのは、とりもなおさず、予告編でも語られているように、戦さに負ければ、戦犯として刑に処されるものの、勝てば官軍として、英雄に祭り上げられることに…といった、“ 歴史は勝者が書き変える ” という事の次第なわけですが、勝者は本当に事実を洗いざらい書き変えることができるのか…?!
アンウォー・コンゴらの手は今も鮮血で汚れているのではないのか…?!、かつての虐殺を明るみにする映画化の進むにつれ、元 “死の部隊”の殺戮者らの実は複雑な現在の心境が浮き彫りになっていくことになります…!!


オスカーの最優秀長編ドキュメタリー映画賞に選ばれた「フォッグ・オブ・ウォー: マクナマラ元米国防長官の告白」(2003年)や、「死神博士の栄光と没落」(1999年)といった作品で知られる高名なドキュメタリー映画監督のエロール・モリスと、トム・クルーズ主演のアクション映画「ジャック・リーチャー」(2012年)で悪役をつとめるなど、カリスマ的な存在感の異彩を放っているヴェルナー・ヘルツォーク監督(「バッド・ルーテナント」2009年)が、このブラックすぎる実験のドキュメンタリー映画を世に広く送りだすための仕掛け人として、製作総指揮の肩書きを引き受けてくれた問題作「ジ・アクト・オブ・キリング」は、北米では今夏7月19日封切りです…!!


In this chilling and inventive documentary, executive produced by Errol Morris (The Fog of War) and Werner Herzog (Grizzly Man), the filmmakers examine a country where death squad leaders are celebrated as heroes, challenging them to reenact their real-life mass killings in the style of the American movies they love. The hallucinatory result is a cinematic fever dream, an unsettling journey deep into the imaginations of mass murderers and the shockingly banal regime of corruption and impunity they inhabit. Shaking audiences at the 2012 Toronto and Telluride Film Festivals, The Act of Killing is an unprecedented film and, according to the Los Angeles Times, “could well change how you view the documentary form.”






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