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昨日(6月1日)、お伝えしたように、予告編を予定の解禁日時よりも早く前倒しでリリースした経緯に疑問が持たれている、デヴィッド・フィンチャー監督のリメイク版「ミレニアム」の第1章「ドラゴン・タトゥーの女」を製作・配給するソニー・ピクチャーズが、イギリスとカナダでポスターをリリースしました!!、上 ↑ の UK ならではの横長のポスターは、スコットランドのアバディーンのシネコン、ザ・ベルモント・ピクチャーハウスの支配人、ダラス・キングさんが館内に掲示したものを撮影して、自分の映画ブログにアップされたもので、The Playlist が紹介してくれました!!、続きを読むの後で、ルーニー・マーラが上半身裸であることが、よりよくわかる、通常のタテに長いタイプのカナダ版のポスターをご覧ください!!







このタテ長のカナダ版ポスターは、CinemaBlend の映画ジャーナリスト、ケイティ・リッチが紹介してくれたものです。ケイティは、ポスターに書かれてあるコピーがフランス語であることから、これをフレンチ・ポスターと言っていますが、下部に示された映画の公式サイトのURLの末尾が、CAであるため、このポスターは明らかにカナダでリリースされたものであることがわかります。

ニールス・アルデン・オプレウ監督による、とうていリメイクが必要とは思えないクォリティの高いオリジナル映画(2009年)では、ノオミ・ラパスが完璧に演じた、コンピューターの天才で、どのような情報でも侵入して奪いとることができる凄腕ハッカーの調査員リスベット・サランデルに扮したルーニー・マーラが上半身裸…という、メディアのモラルが厳しく問われる今日では、眉をひそめる人もいるかもしれないスキャンダラスなポスターの写真は、今年2011年2月に業界メディア THR のスティーヴン・ギャロウェイの取材に応じたデヴィッド・フィンチャー監督が、自分の iPad を取り出して、この写真をポスターに使いたいと思っているんだが…と言って、見せたものと同じものです。

そのインタビューの席で、デヴィッド・フィンチャー監督が、この写真をポスターに使いたいと思っているんだが…と歯切れが悪かったのは、アメリカのモラルの基準に則れば、ダニエル・クレイグの腕で、肝心な部分は隠れているとは言え、女性が上半身裸というのは、いわゆる“NSFW”(職場で大っぴらにはできないもの)と見なされるため、それを映画のポスターにすることなど不可能だ…と考えていたからですが…、デヴィッド・フィンチャー監督には映画の最終的な仕上げの “ファイナル・カット” の権限を与えて、全幅の信頼を置き、デヴィッド・フィンチャー監督のすることに口出しはしません!!という、大変に物わかりのよい態度で取り組んでいるソニー・ピクチャーズは、同監督本人でさえ、さすがにこれは無理だろう…と、半ば諦めていたものを、大胆にも本当に映画のポスターにしてしまいました!!


しかしながら、12月21日に映画が公開される本国アメリカよりも、わずかではありますが12月26日封切りで、リリースが遅いイギリスで、ソニー・ピクチャーズが各映画館に、すでにポスターも配布済み…と宣伝のマーケティングを先行させ、同じ北米のカナダでもポスターをリリースしたのに、アメリカでは出さない…という、ともすれば灯台下暗しのような違和感は、ご覧のデヴィッド・フィンチャー監督のアイディアによるポスターが、映画のスキャンダラスな内容をイメージさせて、秀逸とは言え、やはり、アメリカでは“NSFW”で、社会的に容認されないであろうことを見越し、合衆国では追って異なるデザインのポスターを出すハメになるのを前提に、同じ英語圏のイギリスと地続きのカナダで、先行してポスターを出し、それが第三者経由で、ネットを通じ、合衆国はもとより世界に拡散することを狙った、口コミ宣伝のヴァイラル・マーケティングのように思えなくもありません。

と、つまりは、予告編が盗撮されて、海賊版として流出したのを装った狂言?!と似た格好の込み入ったマーケティングで、ソニー・ピクチャーズはアメリカで流通させることが困難なデザインのポスターを体よくリリースした風になりますが、カナディアン・ポスターを紹介してくれたケイティ・リッチは、海賊版の予告編は、本当に海賊版で、やらせの自作自演ではなかった…と考えているようです。信頼の置ける映画ジャーナリストのケイティ・リッチがそう言うのであれば、ソニー・ピクチャーズから何らかの情報を得た裏づけにもとづき、そう述べている可能性が感じられなくもないので、ソニー・ピクチャーズのマーケティング手法への疑惑は薄らぐ感じがしますが、冒頭のUK版のポスターを紹介してくれた The Playlist は、ポスターの登場の仕方もまたギクシャクしていることから、やはり、ソニー・ピクチャーズは、この「ドラゴン・タトゥーの女」に関しては、インターネットを利用した、ややこしい仕掛けの遠まわしな宣伝で、モラルの障害を巧みにすり抜けようとしてるかもしれない…と疑っているようです。

果たして、ソニー・ピクチャーズが、正攻法のマーケティングから逸脱した、裏をかくような宣伝手段を採用しているのか、どうか?!、ことの真相はソニピのパブリシストでなければわかりませんが、真偽がいずれにしろ、問題は「ドラゴン・タトゥーの女」に関して、メディアでプロモーションが言及され、以上のように論じられてしまうことで、肝心の映画の内容の見どころや、作り手らの意気込みといった、観客に向けて、最も伝えなければならないことが、やや抜け落ち気味であることです。
「ドラゴン・タトゥーの女」は、未だ撮影続行中で、映画の製作状況はゴタついているため、デヴィッド・フィンチャー監督のコメントや、主演のダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラらの談話をピックアップすることも難しいのかもしれませんが、そうした情報をこそ、本来はもっと広められるべきであるように思いますが…、さて、US版も同様に、ルーニー・マーラのリスベット・サランデルは裸でポスターに登場するのか?!、それとも全然、まったく違うデザインのポスターがリリースされるのか?!、ひとまずは、乞うご期待ですね…!!


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