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マーベルのヒーロー映画「ソー」が初登場第1位!!
先行するヒーロー映画には及ばぬまでも、大成功の
オープニング成績で、雷神がデビューを飾った!!


*各数字は、週末成績-(公開館数/平均売上げ)-トータル成績。題名の後の()は概算の製作費です。


第1位(初) 「ソー」(1億5,000万ドル)
       $66,000,000-(3,955館/$16,688)-$66,000,000

第2位(1) 「ファスト・ファイブ」(1億2,500万ドル)
       $32,519,000-(3,662館/$8,880)-$139,853,000


今週は第2位以下から続きを読むの後です…!!





第3位(初) 「ジャンピン・ザ・ブルーム」(660万ドル)
       $13,700,000-(2,035館/$6,732)-$13,700,000


写真を一瞥しただけでも、女性向きの映画だと即座にわかる第3位の「ジャンピン・ザ・ブルーム」と、第4位「サムシング・バロウド」は、もちろん、コミックヒーロー映画の「ソー」とは正反対の観客層を狙った対抗作のカウンタームービーなわけですが、同時にこの週末は母の日ということで、それに因んだ集客を狙い、お母さん孝行のプレゼントとして、お母さんを連れて行ってあげるのふさわしい映画としても封切られています。

ソニー・ピクチャーズが新人のサリーム・アキル監督を起用した「ジャンピン・ザ・ブルーム」は、そのタイトルが結婚式の際、新郎新婦から悪霊を取り除き、お掃除するのに、ほうきが使われる儀式を指すことからも、そのまんま結婚式を題材にした映画で、上流家庭と庶民の一家とが結婚により、ひとつの家族になるにあたってのギャップの騒動が描かれています。「アバター」(2009年)では、ゾーイ・サルダナをサム・ワーシントンに奪われていたラズ・アロンソが、「プレシャス/ ベースド・オン・ザ・ノベル“プッシュ”バイ・サファイア」(2009年)のポーラ・パットンと結ばれることになる本作の出演者の顔ぶれは、そのふたりの家族ですから当然、「ため息つかせて」(1995年)や、「ステラが恋に落ちて」(1998年)などのティナ・ターナーAKAアンジェラ・バセット、「バイオハザード」シリーズのマイク・エップス、「SAW Ⅴ」(2008年)のミーガン・グッドといったアフリカ系アメリカ人の黒人俳優でかためられており、「ソー」にはまず興味がないであろう黒人のオバチャンをターゲットに絞ったベタなドラメティとして、ソニピはその狙いにそった、約64%以上が35歳以上の中高年であり、全体の約7割が女性という観客層を集めることができたようです。

このソニー・ピクチャーズの戦略は、今週第7位のタイラー・ペリーの「タイラー・ペリーのワースト・アグリー・ファミリー」と同じ、大変に狭いながらも、着実に動員できる観客層を狙ったもので、この「ジャンピン・ザ・ブルーム」の製作費は低コストの約660万ドルですから、オープニング成績だけで、本作はその元手を回収できたことになります。
ソニピとしては、この映画が、ひとつ下のケイト・ハドソン&ジニファー・グッドウィンというキャストで、もっと大きな市場を狙った「サムシング・バロウド」に勝利するとは思っていなかったでしょうから、とるに足らない映画とは言え、ビジネスとしは大成功なので、これはうれしい誤算ですね…!!


ジャンピン・ザ・ブルーム予告編








第4位(初) 「サムシング・バロウド」(3,500万ドル)
       $13,155,000-(2,904館/$4,530)-$13,155,000


第4位に初登場した「サムシング・バロウド」は、女流作家エミリー・グリフィンの同名ベストセラー小説を、「そんな彼なら捨てちゃえば?」のチャーミングなジニファー・グッドウィンと、「あの頃ペニー・レインと」(2000年)以来、もう10年間も出演作がロクに評価されていないケイト・ハドソンのふたりを主演に起用し、ワーナー・ブラザースが映画化した、女性向けロマコメ映画のいわゆる“チック・フリック”です。
「サムシング・バロウド」という題名は、結婚式の際、花嫁が身につけるとよいと言い伝えられる“青いもの”と並ぶ、“借りもの”のことですから、そのタイトルから一見して、本作もひとつ上の「ジャンピン・ザ・ブルーム」と同じく結婚にまつわる映画だということがわかります。
お話としては、ジニファー・グッドウィン演じる、ちょっと地味なタイプの大人しい主人公のレイチェルが、法律家を目指すロースクールで出会った片思いの男性を、自分とは正反対に外向的で派手…と言うか、ハッキリ言えば、自己中心的なキャラとしてケイト・ハドソンが演じる幼なじみの親友ダーシーに奪われてしまい、そのふたりが結婚するのを指をくわえて見ていたレイチェルだったが、未練の残る彼女はふとしたハズミで、あろうことか、親友の婚約者を寝取って、お借りしてしまう…!!というもので、レイチェルは親友か、愛する男性かの二者択一を迫られることに…となるのですが、女友だちの対立という構図からして、おいおい、ケイト・ハドソン、「ブライダル・ウォーズ2」かよ?!といった感じですね…!!


サムシング・バロウド予告編




しかし、以上のようなプロットから、主人公と同世代の30歳前後のまともな女性が、主人公のレイチェルの立場に自分の身を置いて考えた場合、自己中心的な女ともだちと、結婚を間近に控えながら、自分の婚約者の親友の女性が酔ったスキにつけこみ、ベッドを共にするような男性のどちらかを選ぶといった選択に迷うのは愚かであり、けして、どちらも選ぶべきではないと見切り、誤まった人間関係を持ってしまった自分を哀れんで反省し、そのくだらない両者が夫婦になるのを境に距離を置いて、自分はよそで新たに友人や恋人を見つけた方がいい…!!といった風に、自分の生き方を変えていくことをこそ選ぶのではないでしょうか…?!
ましてや、法律家のように筋道を立てて、物事を考える仕事を選ぶ人物が、そのように論理だって考えられない…というのは致命的な矛盾であり、とりもなおさず、この主人公のレイチェルに弁護を依頼してはなりませぬ…!!という、悪いジョークのようになってしまうほか、ジニファー・グッドウィンはどうして、そんな彼なら捨てないのか?!というダジャレも言うことができそうです。
よって、この映画のストーリーはあらかじめ、まともに成立しておらず、それは誰にでも容易に察せられることなので、まともな女性は恋愛映画を観るにしても、こうした腐れ縁に自分を浪費させるヒロインの話ではなく、もう少し共感できそうな別の映画を選ぼう…と考えるように思います。

ケイト・ハドソンにとっては、先ほどチラとふれた20世紀FOXの「ブライダル・ウォーズ」(2009年1月公開/製作費3,000万ドル)のオープニング成績は約2,105万ドル(3,226館)だったので、本作のオープニング成績=約1,315万ドルはダウンとなり、ジニファー・グッドウィンにしても、同じワーナー・ブラザース作品の「そんな彼なら捨てちゃえば?」(2009年2月公開/製作費4,000万ドル)のオープニング成績は約2,778万ドル(3,175館)でしたから、同様にマイナスとなるわけですが、前者はケイト・ハドソンの相手役が、ジニファー・グッドウィンよりもメジャーなアン・ハサウェイでしたし、後者は恋愛群像劇としてオールスター・キャストでしたから、それぞれ、ちょっと比較にならない感じがあります。
なので、ワーナー・ブラザースが、2年前の2009年5月初めの同時期に、やはり、コミックヒーロー映画「X-MEN/ウルヴァリン」の対抗作として封切ったロマコメ系映画「ゴースト・オブ・ガールフレンズ・パスト」と比較すると、同映画のオープニング成績は約1,541万ドル(3,175館)だったので…、結局は、やっぱり、マイナス実績となっていますね。

そのワーナー・ブラザースの調べによれば、この「サムシング・バロウド」のオープニング興行の観客の約4分の3が女性で、全体の約65%が25歳以上のアダルト層だったとのことですから、主人公のレイチェルと同世代の女性たちが多数、押し寄せていた格好となります。その観客の女性たちがどのように思ったのか?!はわかりませんが、遠まわしに、どうせ女はアタマが悪いとでも言っているようだ…といった評価を食らっている映画の仕掛け人のプロデューサーは、オスカー女優のヒラリー・スワンク。監督は、ジャック・バウアーの娘のエリシャ・カスバートが主演した「ガール・ネクスト・ドア」(2004年)のルーク・グリーンフィールドです。
ワーナー・ブラザースが新たにオーナーになった映画の格付けサイト RottenTomatoes での本作の支持率は、たったの17%で、ワーナー・ブラザースの映画サイトが、ワーナー・ブラザースの新作映画はくだらないので観ないほうがいいですよ…と低い評価で警告を与えてくれています!!




第5位(2) 「リオ 3D」(9,000万ドル)
       $8,200,000-(3,258館/$2,517)-$114,902,000




第6位(4) 「ウォーター・フォー・エレファンツ」(3,800万ドル)
       $5,600,000-(2,614館/$2,142)-$41,614,000

第7位(3) 「マディアのビッグ・ハッピー・ファミリー」(2,500万ドル)
       $3,900,000-(1,881館/$2,073)-$46,806,000

第8位(5) 「プロム」(800万ドル)
       $2,425,000-(2,730館/$888)-$7,800,000

第9位(7) 「ソウル・サーファー」(1,800万ドル)
       $2,100,000-(1,781館/$1,179)-$36,679,000

第10位(6) 「フードウインクド・トゥー! フード VS. イーブル」(3,000万ドル)
       $1,880,000-(2,505館/$750)-$6,714,000

第11位(8) 「インシディアス」(100~150万ドルの超低予算)
       $1,324,000-(1,001館/$1,323)-$50,304,000

第12位(10) 「ソース・コード」(3,200万ドル)
       $1,238,000-(930館/$1,331)-$50,938,000


《 POINT 》 一般にオープニング成績の約3倍前後が、その映画の最終的な興行成績になる可能性が高い。興行成績の概ね半分が
映画館の取り分となる。よって、オープニング成績から試算したトータルの売り上げを2分の1にして、製作費と比較すれば、その映画の興行的成功の度合いをおおまかに測ることができる。



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