昨2010年5月に、配給権販売の営業ツールとして、先走って作られたポスターを紹介したデヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作「コズモポリス」に、あろうことか、「トワイライト」のお笑い吸血鬼エドワードとして知られるアイドルのロブ・パティンソンの主演が決定した…！！と、Deadline NY のマイク・フレミングが伝えました…！！

デヴィッド・クローネンバーグ監督が今春から撮影に取り組む予定の「コズモポリス」は、アメリカ文学界の重鎮ドン・デリーロの同名原作を映画化するもので、若くして富を築いた主人公の億万長者エリック・パッカーが自慢のハイテク・リムジンでニューヨークの街を徘徊し、人生を破滅させていく、ある日の24時間の出来事が描かれるサスペンス・タッチのドラマ映画になる予定です。
この「コズモポリス」の主人公エリック役は、昨年の記事でもお伝えしたように、そもそも企画の当初から、コリン・ファレル(「カサンドラズ・ドリーム」2008年)が演じることが決まっていましたが、そのコリン・ファレルが大金の出演料に釣られて、ソニー・ピクチャーズ製作のリメイク版「トータル・リコール」(レン・ワイズマン監督/2012年全米公開予定)に主演することを決め、両方の映画の撮影スケジュールの予定がかぶってしまったことから、デヴィッド・クローネンバーグ監督の方を降板し、美白の吸血鬼ロブ・パティンソンに役がまわるという、デヴィッド・クローネンバーグ監督のファンにとっては、ため息をつくしかないハメに陥ってしまいました…。

マイク・フレミングによれば、ロブ・パティンソンはドン・デリーロの著書を愛読し、デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品のファンであることから、主役が空白になった「コズモポリス」に自分が出たいと願ったそうですが、アイドルのロブ・パティンソンが、すでに主人公の妻役に内定しているマリオン・コティヤールに匹敵する演技力を発揮して、「インセプション」(2010年)のレオナルド・ディカプリオのようなマリオン・コティヤールの夫にふさわしい存在感をかもし出せるかは甚だ疑問…と言うしかなく、このキャスティング・ニュースを伝える真っ当な映画サイトやブログの多くが、デヴィッド・クローネンバーグ監督の映画にロブ・パティンソン…？？と、事態にクビをかしげています…。

しかしながら、デヴィッド・クローネンバーグ監督のファンの方は当然、ご承知のように、同監督の映画は、その内容が独創性に富んでいるため、製作資金を集めることが難しく、興行的にも常に苦戦を強いられることになります。
よって、そうした経済的な問題を、「トワイライト」の人気アイドル、ロブ・パティンソンが主演することで補える可能性が窺えるわけですが…、ただし、「トワイライト」以外のロブ・パティンソン主演作として、昨2010年3月に全米公開された恋愛映画のトンデモ作品「リメンバー・ミー」は見向きもされず、沈没してしまっています…。
なので、世間で爆発的な人気を集めているのは、あくまでも吸血鬼のエドワードであって、元俳優で現コメディアン？！のようなロブ・パティンソンではない…とも考えられますから、そうするとロブ・パティンソンの参加が、果たして、デヴィッド・クローネンバーグ監督にとってメリットがあるとも思い切れません…。
ロブ・パティンソンとしては、シリーズの最終章に入った「トワイライト」後のキャリアの行く末を見すえて、デヴィッド・クローネンバーグ監督の作品に主演することにしたのだと思いますが、その決意に見合う働きをしてくれる奇跡を、ひとまず願うしか仕方がありませんね…。

　　　　　　　　　↓　デヴィッド・クローネンバーグ監督のファンの方は、こういう気持ちですよね…！！


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