ディズニー傘下のタッチストーン・ピクチャーズが、バカ女優のサラ・マーシャル(↑)を主演に迎えて製作した、どうでもいいチック・ムービー(オンナ映画)のコメディ作品「ユー・アゲイン」を、全米2,548館の約2,800スクリーンで封切ってみたオープニング成績は、たったの約830万ドルで…、ワーナー・ブラザースが権利放棄してくれるなら、私が自腹で製作費を捻出し、映画版「ヴェロニカ・マーズ」を作る…！！と、本作の記者会見でタンカを切ったクリステン・ベルは(↑)、膨大な数の「ヴェロニカ・マーズ」のファンと同様、こんな映画に出てる場合じゃないのに…ッ！！と、歯がゆい思いを噛みしめたかもしれません…。





まずは、いきなり、funny or DIE が作った、下 ↓ の動画をご覧いただきたいのですが…、




この「ユー・アゲイン」のプロモーションとして、メイン・キャストが勢ぞろいしてインタビューに応じる最中、主演のサラ・マーシャルが、本作がさも人間ドラマの芸術映画でもあるかのように、長々と講釈を始め、シビレを切らした監督のアンディ・フィックマン(「ウィッチ・マウンテン」2009年)が、監督として言わせてもらうけど、これはコメディ映画なんだから、もっと、おもしろい話をして盛り上げてくれなきゃ困るよ…！！と注意を与えます。
すると、そのアンディ・フィックマン監督の“監督として…”の言葉が気にいらなかったバカ女優のサラ・マーシャルは、あんたはどうしてイチイチ、自分の立場をひけらかすのよ…！！、だったら、私も女優の立場を主張しましょうか…ッ？！と反論したところ、近年にわかに人気のベテラン女優ベティ・ホワイトが、誰もこの小娘を女優だなんて思わないわよね…といった感じのツッコミを即座に入れて、怒りの火に油を注がれたばかりか、四面楚歌に置かれたサラ・マーシャルはむくれてしまい、私が口を閉じればいいのよね…！！、スターが宣伝に協力しなかったら、映画がどうなってしまうか？！、よくご覧なさい…！！などと言い放ちます。
で、ここからがおもしろいところなのですが、それまで黙っていたシガニー・ウィーバーがいきなり、アラ、スターはどこにもいかず、ここにいるわよ…！！と口をはさんで、“アバター！！、アバター！！、アバター！！、エイリアン！！、ゴーストバスターズ！！”と自分が出演した大ヒット作のタイトルを連呼し、声のカメオ出演をしただけの「WALL・E/ウォーリー」(2008年)まで忘れずに、その題名を言い放ってくれます…！！


そのように、数々の大ヒット作を持つシガニー・ウィーバーや、ベテランのベティ・ホワイト、そして、謎のモンスター映画「クローバーフィールド」(2008年)に出演したオデット・ユーストマンらと比較すれば、確かにクリステン・ベルには映画の代表作が見当たらないことを自虐的に皮肉ってみせた、映画マニアの人はニヤリとせずにいられないパロディのコントだったわけですが…、

ところが、実際のところ、この「ユー・アゲイン」のオープニング成績＝約830万ドルというのは、同じくタッチストーン・ピクチャーズが製作したディズニー作品として、今年2010年1月に全米公開された、クリステン・ベルがジョシュ・デュアメルとカップルのコンビを組んで、単独主演した前作「ホゥエン・イン・ローマ(みんな私に恋をする)」(製作費非公開)のオープニング成績＝約1,235万ドル(2,456館)を下まわってしまい、初登場の興行ランキングも第3位から、第5位に下降してしまいました…。
よって、先のパロディ・ビデオとは裏腹に、大ヒットの実績を持つ共演者らを抜きにして、ヴェロニカ・マーズだけがメインで出ている方がよかったことになってしまいます…。
しかしながら、「ホゥエン・イン・ローマ」の最終的な売り上げ＝約4,303万ドルのうち、全体の売り上げの4分の3にあたる約3,268万ドルが国内からの収入だったことを思えば、クリステン・ベルよりも国際的に知名度の高いシガーニー・ウィーバーらを配したことは無駄でなく、この「ユー・アゲイン」では、海外での興行成績をもう少し補える可能性はあるのかもしれません。


ヴェロニカ・マーズ VS.クローバーフィールド！！




この「ユー・アゲイン」(「また、おまえか…」)のプロットは、サラ・マーシャルが演じる主人公マーニが、兄の結婚式のため、帰省してみたところ、兄のフィアンセはあろうことか、高校時代に自分をイジメていたサイテー女のジョアンナ＝オデット・ユーストマンだった…！！、どころか、そのジョアンナのおばは、マーニの母ゲイル＝ジェイミー・リー・カーティスを、やはり、高校時代にイジメていた、威圧的なシガニー・アバターのモナだった…！！というもので、言わば、過去の学生時代の悪夢が再び…というテーマなのですが、その同じテーマを描いて、ビリー・ボブ・ソーントンが史上最悪の体育教師を演じた「Mr. ウッドコック」(2007年9月公開)のオープニング成績が、実は約876万ドル(2,231館/初登場第3位)という、本作の同成績と近似値だったので、「ユー・アゲイン」の製作者らは思いがけず、Mr. ウッドコックの悪夢を再現し、題名どおりに、また、おまえもか…ッ！！という、お粗末になってしまっています(笑)。



ジェイミー・リー・カーティス VS.シガニー・ウィーバー




その「Mr. ウッドコック」の最終的な国内での興行成績は約2,579万ドルで、全世界でのトータルでも約3,362万ドルでしたから、製作費の約2,200万ドルを考慮すると、映画館での興行では赤字だった…という結果になっています。
で、本作の製作費は、その興行的には失敗作の「Mr. ウッドコック」より、若干だけ安い約2,000万ドルですから、同じような数字の展開の末路をたどれば、やっぱり、映画館の売り上げだけではペイしないことになってしまいますね…。


ディズニーの調べによれば、「ユー・アゲイン」のオープニング興行の観客の75％が女性で、全体の同じく4分の3が25歳以上のアダルト層だったそうです。
チック・ムービーなので、女性の観客が大多数を占めるのは当たり前ですが、それにしても、本作がヒットしなかったことからも、今どきのまともな女性が、自分と同じ女性の醜い面をネタにあげつらったコメディ映画を、わざわざ、お金を払って観たいか…？！というのは、少し疑問で、DVDのレンタル市場においても、「ユー・アゲイン」に、あまり期待はできないのではないでしょうか…？！


こうした現在の出演作の状況を眺めていくと、クリステン・ベルは、当たり役の女子高生探偵ヴェロニカ・マーズがFBI捜査官になって、最初に取り組む難事件を描く「ヴェロニカ・マーズ The Movie」？！を作ったほうが、たぶんマシで、シリーズ化の可能性も窺えるように思います。
ワーナー・ブラザースと、同ドラマのプロデューサー、ジョエル・シルバーは、「ヴェロニカ・マーズ」がどれだけキチンと作られた良質なドラマだったかを、もう一度、観直して、DVDスルーでもいいので、続きを作ってあげてもいいのではないでしょうか？！
また、ワーナー・ブラザースがどうしても、「ヴェロニカ・マーズ The Movie」を作らないのなら、ディズニーが権利を買い取って、こんな映画の代わりに作ってあげたほうがいいのでは…？！


CIAリーダーのみなさんは、「ヴェロニカ・マーズ」のその後を映画化することについて、どのように思われるでしょう…？！、なお、チック・ムービーなので、評価はまぁ、テキトーでいいのでしょうが、「ユー・アゲイン」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での評価の支持率は12％です…。




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