↑　闘病記「ジャーナル：ある母と娘の乳ガンからの回復」のために、娘のアナベル・クラークさんが撮影した写真のひとコマ。

2003年から7年の間、患ってきた乳ガンのため、アメリカでは昨日となる5月2日(日曜日)の夜に、コネチカットの自宅で家族に看取られながら、安からにお眠りになりました…。


1943年にロンドンに生まれ、大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴの妹として知られるリン・レッドグレイヴさんは1962年に舞台女優としてデビューを飾り、20歳の時にアカデミー賞最優秀作品賞受賞作「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963年)に出演して注目され、1966年に主演した「ジョージー・ガール」で演技力を発揮して、アカデミー賞や、ゴールデングローブ賞といった数々の映画賞で最優秀主演女優賞にノミネートされ、女優としての地位を確立しました。
その後、映画・舞台・テレビと幅広くと活躍したリンさんは、70年代末から80年代にかけては、テレビシリーズのシットコム「ハウスコールズ」で人気を博しましたが、当時、出産した赤ん坊に撮影現場で母乳を与えたいという主張が、製作のユニバーサルテレビからはねつけられ、それが原因で同番組から解雇されたのを不当として裁判を起こすなどのオッパイ・スキャンダルで話題になりました。
リンさんが再び、大きな注目を集めたのは、先ごろ、「トワイライト・サーガ」最終章「ブレイキング・ドーン」2部作のメガホンを担当することが決まったビル・コンドン監督のカルト映画「ゴッド・アンド・モンスター」(1998年)で、イアン・マッケランの老いた同性愛者の映画監督に仕えるメイドを演じたことで、ゴールデングローブ賞の最優秀助演女優賞に輝きましたが、アカデミー賞ではノミネートだけに終わり、名作「ジュリア」(1977年)でアカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞したヴァネッサと並んで、姉妹そろってオスカー女優になる夢は、ついに果たせませんでした。
その他に、デヴィッド・クローネンバーグ監督の「スパイダー」(2002年)や、やはり、ビル・コンドン監督の「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004年)でも印象深い演技を披露したリンさんは、真田広之と共演したジェームズ・アイヴォリー監督作品「上海の伯爵夫人」(2005年)では、姉ヴァネッサと共演を果たすなどしています。「アグリーベティ」にもゲスト出演しましたね。
それでは、長らくアメリカに暮らしながらも、イギリス人らしく、一日の始まりは“正しい紅茶”を飲まなければならないのよ！！と言うリン・レッドグレイヴさんの人柄が偲ばれるビデオをご覧ください。享年は67歳でした…。







【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと！！