ハリウッド史上最大の新記録ということは、つまり、映画史上最大の新記録となる4,380館の約10,000スクリーンで封切られた「アイアンマン2」でしたが、出足のダッシュに期待されたほどの勢いがありませんでした…。パラマウント映画の人は、ス、ス、ス、…3Dにしておけばぁ…ッ！！と後悔しているに違いありません…！！

今年2010年のサマームービー・ウォーズの火ぶたを切るシーズン開幕映画として、ワーナー・ブラザースの「バットマン/ダークナイト」が2008年7月18日に記録した初日公開館数/4,366館を更新する映画史上最大の超拡大オープニング＝4,380館の約10,000スクリーンで、アメリカでは昨日となる5月7日(金)の初日を終えたパラマウント映画の大ヒット・コミックヒーロー映画の続編「アイアンマン2」の興行成績は約5,240万ドルで、ちょうど2年前の2008年5月8日に封切られた前作の初日売上げ＝約3,873万ドル(4,105館)を大きく上回りましたが、期待されたような驚異の快記録達成による華々しいスタートを飾ることはできませんでした…！！

この初日に先がけ、前日の木曜日(5月6日)のヨルから、全米の約2,500館超の映画館で行われた前夜祭のミッドナイト興行で約750万ドルを売り上げた「アイアンマン2」は、スクリーンの数としては、ほぼ同じ規模だった前作の記録＝約350万ドルの倍以上の金額を集めたことで、膨大な数のファンが続編を待ちわびていたことが証明はされましたが、その先行上映で約750万ドルというのは…、「トワイライト・サーガ/ニュームーン」が記録したミッドナイト興行史上の最大売上げ＝約2,630万ドル(2009年11月20日公開/3,514館)には遥か遠くおよばず、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の約2,220万ドル(2009年7月15日公開)や、同じコミックヒーロー映画の「バットマン/ダークナイト」の約1,850万ドル(2008年7月18日公開)にも太刀打ちできず、「アイアンマン」がシリーズ映画として、そうした強力タイトルに匹敵するほどの作品だとは、一般から見なされていなかったことが露呈してしまいました…。

その深夜売上げ＝750万ドルと、181館のIMAXシアターから得られた約410万ドルを含んだ、「アイアンマン2」の初日興行成績＝約5,240万ドルは…、やはり、同カテゴリーで第1位の記録を保持する「トワイライト・サーガ/ニュームーン」の約7,270万ドルに噛みつくことはおろか、まるで歯が立たず、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006年7月7日公開/4,133館)が売り上げた約5,583万ドルに次ぐ、史上第7位ということになり、同じコミックヒーローの「バットマン/ダークナイト」＝約6,716万ドル(第2位)、「スパイダーマン3」＝約5,984万ドル(2007年5月4日/4,252館/第4位)に迫ることができませんでした…。


以上のような初日の結果から導き出される「アイアンマン2」の週末のトータル・オープニング成績は、1億2,500万ドルから1億3,500万ドル超の範囲におさまるものと予想され、前作の成績＝1億211万ドルからは飛躍するものの、期待されていた「バットマン/ダークナイト」超え＝約1億5,841万ドル超の特大ヒットなどは夢の話で、現実としては、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」＝オープニング成績/約1億3,563万ドルの後塵を拝する第5位あたりでの初登場となってしまいそうです…。


と、要するに、アイアンマンは、魔法使い、吸血鬼、コウモリ男、クモ男、海賊の全員に負けてしまい、封切り公開館数の新記録を伸ばしただけで、肝心の売上げに関しては、何の新記録も作れそうにないという、ブロックバスター映画の超話題作にしては、言わば、平凡なスタートを切ってしまった…と、ひとまず結論づけることができそうです…。
なお、「アイアンマン2」は、すでに先月4月末から上映されている各国の実績と合わせると、早くもトータルの興行成績が2億ドルを突破していますが、海外で先行公開したおかげで、海賊版がネットにアゲられ、違法ダウンロードにより自由自在に視聴されています…。そのことが、この期待ハズレだった出足に影響していなければいいのですが…。

日本では6月11日(金)から戦闘を開始する「アイアンマン2」の最終的なオープニング興行の結果は、明日の月曜アサ恒例の全米映画ボックスオフィスBEST10で、ご確認ください…！！



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