ディズニーの「プリンセスと魔法のキス」が、
3週めの拡大公開で第1位にカエル飛び!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。
第1位 第2位 第3位(初) 第4位 第5位
第1位「プリンセスと魔法のキス」(2010年3月6日公開)
$25,000,000-(3,434館)-$27,880,000
第2位「ザ・ブラインド・サイド」
$15,450,000-(3,388館)-$150,212,000
第3位「インヴィクタス」(2010年2月5日公開)
$9,085,000-(2,125館)-$9,085,000
第4位「トワイライト・サーガ/ニュームーン」(公開中)
$8,000,000-(3,635館)-$267,360,000
第5位「クリスマス・キャロル」(公開中)
$6,871,000-(2,402館)-$124,464,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「ブラザーズ」
$5,000,000-(2,088館)-$17,402,000
第7位「2012」(公開中)
$4,400,000-(1,838館)-$155,337,000
第8位「オールド・ドッグス」
$4,396,000-(3,090館)-$39,983,000
第9位「アーマード」
$3,500,000-(1,919館)-$11,747,000
第10位「ニンジャ・アサシン」
$2,710,000-(2,100館)-$34,307,000
★解説はこちらです…ッ!! →
★東のニューヨークと、西のロサンゼルスのそれぞれ1館ずつの計2館だけで、先々週の感謝祭の前日11月25日(水)から先行公開されていたディズニーのお姫さまアニメの最新作「プリンセスと魔法のキス」が、3週めの全米拡大公開で3,432館を追加し、売り上げをなんと約3,243%!!もアップして、先週の第16位から、一気に首位までカエル飛びの大ジャンプを果たしました…ッ!!
この全米拡大公開を実質的なデビューの封切りとした場合、「プリンセスと魔法のキス」が、この週末に稼ぎ出した約2,500万ドルは、年末の12月に公開されたアニメ映画としては史上最高額のヒットとなるもので、同社のプリンセス・アニメの前作?!となる約11年前の「ムーラン」(1998年6月19日公開)のオープニング成績=約2,274万ドルをしのいでいます。
しかし、本作は、その内容の評価の高さや、事前の積極的なプロモーション展開からして、拡大公開では優に3,000万ドルは超えるだろう…と見積もられていたので、その予想の数字に微妙に達しなかったオープニング成績は、ディズニーとしては少し残念で腑に落ちないかもしれません。
この「プリンセスと魔法のキス」が大々好評ながら、今ひとつ数字が伸びなかった理由としては、ディズニーがあえて伝統的な手描きの2Dアニメに立ち返った一長一短が指摘されており、ドリームワークスの「モンスターVSエイリアン」、ソニー・ピクチャーズの「くもりときどきミートボール」、そして、今週第5位の同じディズニー作品「クリスマス・キャロル」など、今年2009年のアニメの大ヒット作は軒並み、3D作品として、割増し料金の徴収で数字を底上げしていることから、その恩恵に預かれない手描きの2Dアニメは不利だ…ということです。
と、上 ↑ のような段階を経ることで、当然、手間のかかる手描きアニメはなんだか、芸術性は評価されても、ビジネスには結びつきにくい、まるで古典芸能?!のような感じですが、ディズニーとしては、いかにCGの3Dアニメが主流になろうとも、同社が培ってきたアニメの伝統を絶やすつもりはなく、今後も2年おきに手描きの2Dアニメをリリースするプランを練っており、次回作は2011年春公開予定の「くまのプーさん」ですが、どうやら、過去に一度、企画開発に挫折した経緯のあるアンデルセンの「雪の女王」を、ディズニーは手描きアニメとして復活させたいようです。で、下 ↓ は、前述の「ムーラン」のほか、「ターザン」(1999年)でもキャラクター・デザインを手がけたハロルド・ジッパーマンの手によるディズニー・アニメ「雪の女王」のコンセプト・アートですが、こちらも完成が楽しみですね…ッ!!
ディズニー長編アニメ第49作めにして、黒人のプリンセスが初登場した「プリンセスと魔法のキス」は、E.D.ベイカーの有名な児童文学「カエルになったお姫様」を下敷きに、ヴードゥーの呪術でカエルに変えられた王子ナヴィーンとキスしたことで呪いが伝染し、カエルになってしまったヒロインのティアナが、カエル王子と共に再び人間に戻るべく、1920年代のニューオーリンズで冒険をくり広げる物語。
監督は、「リトル・マーメイド」(1989年)のジョン・マスカーとロン・クレメンツ。
音楽は、「バグズ・ライフ」(1998年)や、「トイ・ストーリー」シリーズのランディ・ニューマンです。声の出演者は、以下 ↓ の写真の通りですが、俳優とキャラクターの顔が何気に似てるのがおかしいですね…ッ!!
↑ ヒロインのプリンセス・ティアナと、↓ カエル王子のナヴィーン。
↓ ティアナの親友のお嬢さまシャーロット。
↓ ホタルのレイ。
↓ ワニのジャズマン、ルイス。
↑ ティアナのママのユードラと、↓ パパのジェームズ。
↓ シャーロットを甘やかしてる父ちゃん。
↓ 悪者の呪術師、ザ・シャドーマン!!
↓ 197歳の呪術師のばあちゃん、ママ・オディ。
↓ ナヴィーン王子の召使いのローレンス。
★名匠クリント・イーストウッド監督が、共にアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した「許されざる者」(1992年)、「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)という、過去の名作で共演し、名脇役として自分を引き立ててくれたモーガン・フリーマンに主役の華を持たせ、ネルソン・マンデラ大統領が1995年のラグビー・ワールドカップ大会を通じて、それまでの人種隔離政策=アパルトハイトにより分断されていた国民の心をひとつに結びつけた感動的な実話を映画化した「インヴィクタス」は、マット・デイモンというスターを配したものの、2,125館で上映されたオープニング成績は1,000万ドルにも届かない約908万ドルでした…。がッ!!、とりあえず、心配はご無用ッ!!、と言うのも、クリント・イーストウッド監督の過去の大ヒット作として、国内だけで約9,013万ドルを稼いだ「ミスティック・リバー」(2003年)の拡大公開でのオープニング成績は約1,044万ドル(1,467館で上映)。また、前述の「ミリオンダラー・ベイビー」も1億ドル超えの大成功でしたが、オープニング成績は約1,226万ドル(2,010館で上映)と、出足の数字は小さなものでした。つまり、クリント・イーストウッド監督の映画を好む大人の観客は、「トワイライト・サーガ」のファンのように、封切り後すぐに急いで映画館に駆けつけないし、味わい深いイーストウッドの映画は、口コミのロングランで徐々にヒットしていく…ということですね。なので、この「インヴィクタス」も、このオープニング成績では興行の成否を判断せず、今後の行方を見守りましょう…ッ!!
ただし、「ミスティック・リバー」の製作費は約2,500万ドル、「ミリオンダラー・ベイビー」は約3,000万ドル、そして、イーストウッド映画史上最大ヒット作の「グラン・トリノ」(2008年12月公開/国内成績=約1億4,809万ドル/世界トータル=約2億6,965万ドル)でさえ、約3,300万ドルの低予算で無難に作っていたクリント・イーストウッド監督が、この「インヴィクタス」においては、アンジーが主演した「チェンジリング」(製作費=約5,500万ドル)をもしのぐ、約6,000万ドルを使っているのが気になるところです。よって、製作・配給のワーナー・ブラザースとしては、このラグビー映画「インヴィクタス」も興収1億ドル超えを果たしてくれなければ困るでしょうが、まぁ、仮りにそうならなかったとしても、今週第2位のアメフト映画「ザ・ブラインド・サイド」(製作費=約2,900万ドル)が想定外の大ヒットで稼いでくれてるので、その穴は埋めてくれるでしょう…ッ!!、という訳で、第2位と第3位が共に、スポーツ感動実話を映画化したワーナー・ブラザース作品…というのが、今週のランキングの目立ったポイントですね…ッ!!
★コリン・ファース(↓)がボーイフレンドに先立たれ、苦悩するゲイの大学教授を演じた、ファッション・デザイナーのトム・フォードの映画監督デビュー作「ア・シングル・マン」を、9館の限定公開でワインスタイン・カンパニーが配給したオープニング成績は約21万6,000ドル。単館のアベレージは、約2万4,000ドルでした。
★「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、アリス・シーボルトの同名ベストセラーを映画化した、天才少女シアーシャ・ローナンちゃんの最新主演作「ラブリーボーン」を、パラマウント/ドリームワークスが3館の限定公開で封切ったオープニング成績は約11万6,000ドル。ブレイクダウンすると、1館あたりの売り上げは約3万8,667ドルとなり、第11位で惜しくもBEST10入りを逃したジョージ・クルーニーの「アップ・イン・ジ・エアー」の平均売り上げ=約3万4,028ドルをおさえて、この週末の実質的な№1ヒット作となっています…!!、ピーター・ジャクソン監督がSFXの映像にこだわった本作は、実のところ、製作費が1億ドル超の大作なので、正念場となるクリスマスからの拡大公開、そして年明け1月15日からの全米リリースに向け、口コミで観客の支持を広げられればいいのですが…ッ!!
では、次週の「アバター」が間違いなく第1位のランキングもお楽しみに…ッ!!
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