アメリカの映画館で新作映画の初日と言えば、フツーは金曜日と相場が決まっているものですが、アメリカでは明日となる26日は11月の第4木曜日ということで、サンクスギビング(感謝祭)のお休みッ!!、なので、今週の新作映画は軒並み、その前日の現地今日(25日)の水曜日に封切られています。
ふむふむ…、となれば、そんなホリデイと重なるロング・ウィークエンドの週末だけに、さぞかし映画スタジオ各社は選りに選った新作を出してくるのでは…と思われそうですが、ラインナップは今ひとつ華やかさに欠けるものとなっています…。日本人にとってのお正月に相当しそうな感謝祭のお休みに、家族と映画に出かける習慣の人も少なくないはずですが、折りからの不況で、今年は年末商戦のバーゲンがスタートする翌金曜日の“ブラックフライデー”にばかり、お金が使われ、映画はパスされそうだ…とでも、映画スタジオは予測してるのでしょうか…?!
まずは…、いきなり、かなり暗い作品ですが、家族や、父と息子の絆については考えさせられる近未来アポカリプス・ムービーの「ザ・ロード」が、ついに登場!!
本来ならば、ほぼ1年前の昨2008年11月26日に全米公開されるはずだった、この「ザ・ロード」は、製作・配給のワインスタイン・カンパニーが、同じく同社のケイト・ウィンスレットが主演した「朗読者」(結果はご存知のように、アカデミー賞最優秀主演女優賞!!)と賞レースでバッティングするのを嫌ったほか、財政危機で宣伝とプリントのP&A費の余裕もなかったことから、ひとまず、大事にお蔵にしまいこんでしまった作品です。
「イースタン・プロミス」(2007年)や、「アパルーサの決闘」(2008年)といった渋い傑作に出続けている「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのアラゴルンこと、名優ヴィゴ・モーテンセンが主演する本作は、コーエン兄弟監督がアカデミー賞最優秀作品賞を獲得した「ノーカントリー」(2007年)の原作者として映画ファンには知られるコーマック・マッカーシーがピューリッツァー賞を受賞した同名文学の映画化。
「2012」(公開中)のローランド・エメリッヒによって?!現代社会が滅び、文明が死に絶え、人が人を食らう餓鬼が跳梁跋扈する恐ろしい終末世界で、幼いわが子に人類の明日の希望を見すえる父のヴィゴ・モーテンセンが、その息子を身を挺して守りながら、南の安息の地を目指して旅をする物語となっています。
ヴィゴ・モーテンセンが“神の救世主”のように思う息子を演じてるのは、撮影当時12歳のオーストラリア出身のコディ・スミット=マクフィー。「かいじゅうたちのいるところ」(2010年1月15日公開)のマックス・レコーズ君と並んで、天才子役と称される彼は、この「ザ・ロード」での演技力と存在感が評価され、次回作として、「スラムドッグ・ミリオネア」などと昨2008年のベストムービーを争ったヴァンパイア映画史上の最高傑作のスウェーデン映画「レット・ザ・ライト・ワン・イン」のまったく不必要と言われるハリウッド版リメイク「レット・ミー・イン」(2010年公開)の主演に抜擢されています。
そのコディ・スミット=マクフィー君の母ちゃんは、この後、荒廃した終末世界に居残って?!マッドマックスと大暴れすることが決まっている「マッドマックス4/ザ・フューリーロード」の“戦うヒロイン”シャーリーズ・セロン。その他の共演は、代表作をあげればキリがない「パパ」(1979年)の名優ロバート・デュヴァルに、次回作はギレルモ・デル・トロ製作のリメイク・ホラー「地下室の魔物」のガイ・ピアース。
で、監督は、そのガイ・ピアースが主演した「プロポジション/血の誓約」(2005年)のジョン・ヒルコートです。本作は111館での限定公開なので、オープニング成績として大きな数字はハナから期待できませんが、1館あたりの売り上げ金額が着目されることになりそうですね。(R指定/1時間59分)
↓ ローリングストーンズ誌がイチオシの「ザ・ロード」のポスター!!
いつものおなじみのお笑いサイト funny OR DIEのバカバカしいジョークのビデオですよね…?!と言われてしまいそうな予告編 ↑ は、忙しい人からは、こんなもの観せやがって…ッ!!と怒られてしまいそうなので、もう観なくて結構です…!!
ディズニーが低脳な家族向けのホリデイ・ムービーとして封切った、この「オールド・ドッグス」は、ジョン・トラボルタ演じる独身貴族のチャーリーと、ロビン・ウィリアムズのバツイチのダンという、家庭に縁の無いオッサンふたりが、大事なビジネスの商談があるにもかかわらず、ダンの元妻ヴィッキーから、ふたりの間にできた7歳のやんちゃ盛りの双子と、ペットの犬を押しつけられ、てんやわんやに…ッ!!、と、こんなオッサンが主人公のアホな映画を作ったのは、オッサン映画「団塊ボーイズ」(2007年)の監督ウォルト・ベッカー。やはり、ディズニーが製作した同映画が、国内で約1億6,827万ドルを叩き出す大ヒットになったため、柳の下のオッサン?!を狙ってみました…ッ!!ということですね。ロビン・ウィリアムズの元妻ヴィッキーは、ジョン・トラボルタの嫁さんのケリー・プレストン(↓ 写真)という、なんだか、ややこしいキャスティング。こんな映画が、「オーシャンズ」シリーズのバーニー・マックの遺作だなんて…ッ!!
しかし、3,425館で拡大公開の本作は、う~ん…、2,500万ドルから3,000万ドルそこそこのオープニング成績は稼いでしまうのでは…?!(PG/1時間28分)
なお、映画の格付けサイト RottenTomatoes での本作の支持率は、たったの…、たったの8%です…!!、すごい…ッ!!
上 ↑ の低脳映画とはちがい、こちらはまともなディズニー作品!!、夢と魔法の王国ディズニーのお姫さまアニメの最新作「プリンセス・アンド・フロッグ」(邦題「プリンセスと魔法のキス」2010年3月6日公開)が、ニューヨークとロサンゼルスの計2館だけで先行プレミア公開され、来月12月11日からの全米封切りまで、さらに2週間以上も待たされる、その他の地域のディズニー・ファンをやきもきさせています…!!
ディズニー長編アニメ第49作めにして、黒人のプリンセスが初めて登場する本作は、E.D.ベイカーの有名な児童文学「カエルになったお姫様」をアニメ化した…のではなくて、昔話の「カエルとお姫さま」をベースに、1920年代ジャズ・エイジのフレンチ・クォーターを背景とするディズニーのオリジナル・ストーリー…。ヴードゥーの呪術でカエルに変えられてしまった…ッ!!という王子ナヴィーンを、キスで人間に戻そうとしたはずの主人公ティアナは、どうしたことか、自分までカエルになってしまい、カエルの王子と共に、再び人間に戻るための冒険をすることに…ッ!!
今はただのウエイトレスだけど、将来はシェフになって自分のお店を持ちたいのよ…という、フツーな夢を持ったヒロイン、ティアナの声を演じてるのは、「ドリームガールズ」(2006年)のアニカ・ノニ・ローズ。カエルの王子ナヴィーンは、テレビ・シリーズ「NIP/TUCK マイアミ整形外科医」のブルーノ・カンポスで、ティアナのパパは「アイアンマン」シリーズからクラッシュされてしまったテレンス・ハワード。
監督は、「リトル・マーメイド」(1989年)のジョン・マスカーとロン・クレメンツで、音楽を、このアニメの舞台であるニューオーリンズ出身のランディ・ニューマンが担当しました。ちなみに、“アメリカ人”がディズニーのお姫さまとして登場するのも、この「プリンセス・アンド・フロッグ」が初めてだそうです…!!(G/1時間37分)
カルト的なアニメ映画「スキャナー・ダークリー」(2006年)の…と言うよりは、「スクール・オブ・ロック」(2003年)の…と言ったほうが、親しみのわくリチャード・リンクレイター監督が、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのスーパースター、ザック・エフロンを主演に、ロバート・カプローのベストセラー小説を映画化した青春ドラマ「ミー・アンド・オーソン・ウェルズ」が、たった4館の限定公開からスタートしています…!!
1937年のニューヨークを舞台とする本作は…、「第三の男」(1949年)や、「市民ケーン」(1941年)といった古典名作映画の監督兼俳優として、今日に名を残しながらも、その作風と同様に型破りだった性格ゆえ、けして順風満帆とは言えない生涯を送り、晩年は「トランスフォーマー」のアニメの声優なんかをしてた、近代アメリカン・カルチャーの伝説的なアイコン、オーソン・ウェルズが、当時まだ22歳の新進気鋭の演出家として立ち上げたマーキュリー劇団が上演するシェークスピアの「ジュリアス・シーザー」の舞台に、俳優として参加する夢が叶ったザック・エフロン扮する17歳の少年リチャードがほろ苦い大人の世界の裏側を知ることになる…という切ない成長の物語です。
妊娠中の妻がいながら、女優たちとも平気で浮気し、リチャードの気持ちをもてあそぶ、傲慢なギョーカイ人の怪物オーソン・ウェルズを演じているのは、イギリスの舞台俳優で、何本かのテレビドラマに出ていたクリスチャン・マッケイ(↓)。
クリスチャン・マッケイは本作での堂々たる演技が高く評価され、注目を集めているので、今後はハリウッド映画で活躍していくかもしれませんね…!!
芝居が下手なチャーリーのリハーサルの相手をつとめ、少年のうぶな心を奪ってしまう、映画女優志望の製作助手ソニアは、「スターダスト」(2007年)でキラキラしてた、「ロミオ+ジュリエット」(1996年)のクレア・デインズ(↓)です。
今後の新作映画の予定が捗らず、困っているリチャード・リンクレイター監督ですが、12月から全米拡大公開される本作が、ザック・エフロンの人気で大ヒットし、思うように映画が作れるようになるといいですね…。(PG-13/1時間54分)
最後は…、大クラッシュした「スピードレーサー」(2008年)で起用した韓国のスター、 RAIN ( ピ)を気に入ったウォシャウスキー兄弟監督がプロデューサーがつとめ、「V フォー・ヴェンデッタ」(2005年)のジェームズ・マクティーグ監督がメガホンをとったハリウッド流ニンジャ・アクション・ムービー「ニンジャ・アサシン」です…!!
ケイン・コスギのパパで、元祖ニンジャ・アクション・スターのショー・コスギが率いるニンジャの暗殺集団オズヌで育てられた孤児の最強ニンジャ RAIN ( ピ)が、組織の悪の実態を知り、抜け忍となって、インターポールの女性捜査官ミカと共に、オズヌ壊滅を目指して、かつては父親代わりとして慕ったショー・コスギを倒す…ッ!!といったプロットです。と、まぁ、内容はさておき、上 ↑ のテレビスポットや、下 ↓ の動画などを観てもらえばわかるように、とにもかくにも、ニンジャ・アクションを楽しむに尽きる痛快作ですね…!!
ミカ・コレッティを演じてるのは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでジョニー・デップの元カノの呪術師ティアを演じてたナオミ・ハリス。
2,503館で封切られた本作は、それなりにおもしろそうですが、主演の RAIN ( ピ)の知名度が、残念ながらアメリカでは低いのに加え、R指定でもあることから、オープニング成績としては、1,000万ドル台にとどまり、2,000万ドルにまでは届かないと予想されています…。(R指定/1時間39分)
★それでは、これらの作品の興行成績の結果は、月曜アサ恒例の全米映画ボックスオフィスBEST10をお楽しみに…ッ!!
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