日の丸のTシャツで変なポーズをキメているローランド・エメリッヒ監督のディザスター映画の最新作「2012」(来週21日公開/20日先行前夜祭上映)が、初日から全米大ヒットですが、なにせ地球壊滅の大風呂敷だけに、ちょっとやそっとの観客動員では、黒字の利益はとうてい出そうにありません…ッ?!
ソニー・ピクチャーズがアメリカでは、ほぼ昨日となる不吉な13日の金曜日に全米の3,404館で封切った、ローランド・エメリッヒ監督のトンデモ映画「2012」が、前夜祭の12日(木曜日)深夜からのミッドナイト興行で、およそ100万ドルを稼ぎ、それを含めた初日だけで、並の新作映画のオープニング成績に相当する約2,370万ドルを売り上げてしまいました…ッ!!
パソコンのない古代に手書きでカレンダーを作っていたマヤ人が手首の痛みに耐えかね?、2012年12月21日でカレンダー作りを断念したのをいいことに?!、それを人類滅亡の終末予言だとするカン違いのサブカル・パニックを映画化した「2012」の初日成績=約2,370万ドルというのは、製作・配給のソニー・ピクチャーズにとって、書き入れ時のサマーシーズンを除く通年の公開作としては、007/ジェームズ・ボンド風アクション映画「慰めの報酬」が昨2008年11月14日に記録した初日売り上げ=約2,700万ドルに次ぐ、同社史上第2位の初日大ヒットであり、その「慰めの報酬」の実績に期待し、予定していた「2012」の今夏7月10日の全米公開をキャンセルして繰り下げ、サマームービー・ウォーズの激戦を避けて、感謝祭(11月第4木曜日)前後の秋物商戦?!に勝機を見い出そうとしたソニピの配給戦略は、まんまと功を奏したと評価できるでしょう。
また、「2012」の初日成績=約2,370万ドルは、ローランド・エメリッヒ監督のトンデモ・ディザスター映画の代表作「デイ・アフター・トゥモロー」が、2004年5月28日の初日に売り上げた約2,350万ドルにも匹敵するもので、5月最終月曜日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)のロングウィークエンドの集客を当て込んで封切られた同映画のオープニング成績が約6,874万ドルだったことからすれば、「2012」のオープニング成績はそれを少し下回る5,500万ドルから6,500万ドルにはのぼるだろう…と見込まれています。
よって、週明けには本作が、ソニー・ピクチャーズにとって、今年2009年の興行ランキングで8本めの№1ヒット作となるのは確実ですが、、ローランド・エメリッヒ監督の前作「紀元前1万年」(2008年3月公開/3,454館/製作費1億500万ドル/オープニング成績3,586万ドル/国内成績9,478万ドル/全世界計2億6,978万ドル)が、もはや、多くの映画ファンからは支持されず、絶不評でコケたことに照らして、この「2012」もまた、大災害場面の驚くべきSFX映像を除けば、映画自体にそれほど感心すべき中身のないことや、2時間38分という長すぎる上映時間のハンディなどを踏まえると、初日の快進撃の勢いが続くとは予想されず、最終的な国内での興行成績は1億5,000万ドル前後にとどまり、インターナショナル・セールスは5億ドル程度が限界ではないか?!と考えられています…。
となれば、俳優の出演料や、脚本家のギャラといった、映画のクオリティを高めるための支出は切り詰める一方で、上 ↑ の動画のように、大掛かりな地震体験装置のセットを誂えるなど、唯一の取り得として売り物の特撮映像大博覧会のSFX開発費には湯水のごとく資金を投ずる、製作費配分のバランスがおかしいローランド・エメリッヒ監督により、約2億ドルもの巨額製作費が費やされた「2012」は、容易には利益を生み出さない可能性が高いうえ、さらに宣伝費とフィルムのプリント代のいわゆるP&Aの配給コストとして、ソニピは約1億5,000万ドルを上乗せ投資しています…。それどころか、この「2012」の企画を2008年2月に競売で競り落とすにあたって、カン違い巨匠との間で、売り上げの約25%を同監督の取り分とするケタ違いに不利で、バカバカしい契約まで、ソニピは交わしていますから、まさに、DVDや、テレビ放送などの2次・3次使用のセールスまで含め、2012年ごろまでガンバらないと?!、本作の元手をとても回収できそうにない不憫なソニー・ピクチャーズなわけですが、まぁ、ローランド・エメリッヒ監督の映画に大金を投じるなんて自業自得だ…ッ!!と言われてしまっても、仕方がなさそうです…。
↑ 映画サイト ReelzChannelの「2012」初日レポート!!
ふだんは絶賛する観客の声ばっか取り上げて、映画スタジオの肩を持った提灯持ちのレポートばかりアップする同サイトですが、さすがにローランド・エメリッヒ監督のトンデモ映画では、“アホらしい…ッ!!、くだらない…ッ!!”とか、“長すぎて、途中で寝ちゃったわ…ッ!!”といった不評が飛び出しています…ッ!!
ちなみに、20世紀フォックスが封切った、前述の「デイ・アフター・トゥモロー」の製作費は約1億2,500万ドルで、国内成績は約1億8,674万ドル、全世界でのトータルは約5億4,427万ドルでした。そして、007マニアに不人気な「慰めの報酬」の製作費は、「2012」とほぼ同じ約2億ドルで、国内売り上げは約1億6,836万ドル、全世界合計は約5億8,600万ドルでしたから、とりあえず、「2012」はそれらと同等に売り上げられるか?!が成功と失敗の判断の分かれ目とされそうです…。
なお、ローランド・エメリッヒ監督は、自らを伝説的な存在に祭り上げてしまったメガヒット・SFムービー「インデペンデンス・デイ」(1996年7月3日公開/2,977館/製作費7,500万ドル/オープニング成績5,022万ドル/国内成績3億617万ドル/全世界計8億1,740万ドル)の続編を2部作として構想し、トリロジーの完成を目指したいそうです。題名が「インデペンデンス・デイズ」だったら、ズッコケますね…ッ!!
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