タイラー・ペリーのマンネリ大衆人情喜劇が
初登場第1位で、今年最低の週末興行!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。
第1位(初) 第2位(初) 第3位 第4位 第5位
第1位「T・ペリーのアイ・キャン・ドゥ・バッド・オール・バイ・マイセルフ」
$24,030,000-(2,255館)-$24,030,000
第2位「9」
$10,856,000-(1,661館)-$15,264,000
第3位「イングロリアス・バスターズ」(11月20日公開)
$6,546,000-(3,215館)-$104,309,000
第4位「オール・アバウト・スティーヴ」
$5,800,000-(2,265館)-$21,812,000
第5位「ザ・ファイナル・デスティネーション4 3D」(10月17日公開)
$5,500,000-(2,732館)-$58,258,000
第6位(初) 第7位(初) 第8位 第9位 第10位
第6位「ソロリティ・ロウ」
$5,268,000-(2,665館)-$5,268,000
第7位「ホワイトアウト」(10月31日公開)
$5,100,000-(2,745館)-$5,100,000
第8位「ディストリクト9」
$3,600,000-(2,560館)-$108,517,000
第9位「ジュリーとジュリア」
$3,300,000-(2,342館)-$85,360,000
第10位「ゲーマー」
$3,150,000-(2,502館)-$16,120,000
★概況と、タイラー・ペリーを除く新作映画の解説はこちら →
★先々週末から先週月曜日(7日)の労働者の日=レイバーデーにかけてのロング・ウィークエンドの休み明けをもって、全米映画興行の稼ぎ時のサマーシーズンが終了し、本格的に新生活がスタートする9月の第2週は、映画館にとっては鬼門の閑古鳥が鳴く、観客の不入りに悩まされる時期ですが、今年も例年の御たぶんにもれず、映画興行は上位の12本をトータルした売り上げが約7,800万ドルしかなく、6月末に公開された「トランスフォーマー2」のオープニング成績=約1億896万ドルにもおよばないという、たった1本のサマームービーのブロックバスター映画にさえ負けてしまう今年最低の実績を記録してしまいました…。
その最悪の観客動員の結果を、先々週末(4日~6日)となる前回の成績から比べると約4%のマイナスで、前年同時期との比較ではおよそ1割近くも下落してしまっています…。そうした背景事情から、主に黒人のおばちゃんという狭い市場をターゲットにしたタイラー・ペリーの新作が、あえて、この引き潮の時期を狙って封切り、初登場第1位を奪取する作戦勝ちを収めた以外は、ご覧のように残り3本の新作はみな残念な、呆気ない結果となってしまっています…。
その他の旧作において目立ったところとしては、公開4週めにして、今だ第3位に君臨している、クエンティン・タランティーノ監督が開き直って“架空の第2次大戦”を描いた戦争映画のブラックなファンタジー「イングロリアス・バスターズ」がトータルの興行成績を、約1億430万ドルにまで積み上げ、あとザッと400万ドル稼げば、国内で約1億792万ドル稼いだ「パルプ・フィクション」(1994年10月公開/1,494館/製作費800万ドル/世界トータル2億1,392万ドル)超えを果たし、タランティーノ史上最大の成功作になる見込みです。
また、第5位の「ザ・ファイナル・デスティネーション4」も、これまでのシリーズ№1売り上げだった前作の「ファイナル・デスティネーション3」(2006年2月公開/2,880館/製作費2,500万ドル)の国内興行の成績=約5,409万ドルを抜いて、記録更新の達成を果たしたことから、これで終りの意味で“ザ”がつけられたはず?!の第4弾ですが、このぶんでは死神さんも自らの死を回避して、第5弾の悪夢を続けられることになるのかもしれません。ただし、3D映画の第4弾の製作費は約4,000万ドルなので、まだ元手の回収にまではいたっていません…。
先週の初登場で第4位だったジェラルド・バトラー演じる死刑囚がオンライン・ゲームのプレイヤーとなって、ゲーマーにコントロールされて闘うディストピア映画「ゲーマー」は、いきなり第10位に転落…。売り上げのダウンは約66%です。一方、やはり先週初登場で第3位だったサンドラ・ブロック主演の、観た人のほとんどが後悔する最低のラブコメ「オール・アバウト・スティーヴ」は、約49%のマイナスながら、ワンランクだけの降格にとどまり、しぶとく第4位に着け、映画の格付けサイト RottenTomatoes での目を疑いたくなる低い支持率も、わずか5%だったのが、なんと6%に上昇しました…!!(レベルの低すぎる、トホホ…な話ですね…)
そして、今週第9位で公開6週めとなる、プリンセス・エイミー・アダムスとメリル・ストリープがダブル主演のおいしいドラメディの人気作「ジュリーとジュリア」は、トータルの興行成績が約8,536万ドルとなり、製作費の約4,000万ドルの倍以上を稼いだので、全米興行だけで原価の回収に成功できた模様です。
★“このアニメはおまいらの弟たちが観てるアニメとは違う…ッ!!”というコピーで売っている、ビザールなカルト志向のSFアニメ「9」が、映画のタイトルにひっかけた09年9月9日公開の水曜日に封切られ、あわよくば先行逃げ切りで初登場第1位を狙えるかも…?!と期待されましたが、タイラー・ペリーを支持する信心深い黒人おばちゃん層の厚さと、1,661館という、スクリーンの少なさから初登場第2位に甘んじてしまいました…。
今週第8位の大ヒットSF映画「ディストリクト9」で、ピーター・ジャクソン監督がプロデューサーをつとめ、若い才能のニール・ブロムカンプ監督を世に送り出したように、「ウォンテッド」(2008年)のティムール・ベクマンベトフ監督と、ダークファンタジーの巨匠ティム・バートン監督が、ピーター・ジャクソン監督の「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(2003年)のアニメーターをつとめていたシェーン・アッカーにチャンスを与えた本作は、シェーン・アッカーが個人製作し、2005年のアカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた同名作品を長編化したものです。
人類が滅び去ってしまった終末世界に誕生した魔除け人形のような不思議なキャラクターたちと、彼らを襲う機械のクリーチャーとの戦いを描いた本作は、そのカリスマ的なビジュアルの見た目が持たせた期待感から、当初は今年2009年の№1アニメかも…?!と祭り上げられていましたが、実際の映画の出来栄えとしては、背中に数字の番号を背負った人形たちが、なぜ、生まれることになったのか?!という、その運命のオチなどが呆気なく、えッ、これでおしまい…??と、肩すかしを食わせてしまったような結末に、思ったほどのアニメではなかった…と、ガッカリしている観客も少なくないようです。
よって、この口コミの弱い「9」が、そう長くBEST10のランキングに居座われるとは思えないので、本作の推定製作費=約3,300万ドルを取り返すのには少し時間がかかるかもしれません…。がまぁ、前述のように本作のキャラクター・デザインなどのビジュアルや、世界観の持つ雰囲気は独特のものなので、一見の価値のある作品と位置づけ、ひとまず楽しみにしておいてもいいのではないでしょうか。この「9」について、さらに詳しく知りたい方は、以下の過去記事を参照ください。
★1983年に公開されたホラーのカルト映画「スプラッター・ナイト/血塗られた女子寮」を、現代的にリメイクしたエッチ系ホラー「ソロリティ・ロウ」が、オープニング成績で約526万ドルしか売り上げられず、宣伝にも力を入れた製作・配給のサミット・エンタテインメントの期待を大きく裏切り、初登場第6位という残念なスタートとなりました…。
オリジナルの「スプラッター・ナイト/血塗られた女子寮」の国内での最終的な興行成績は約1,060万ドルで、それを現在の貨幣価値に換算すると、およそ約2,500万ドルになることから、リメイクの「ソロリティ・ロウ」は、その製作費42万5,000ドルで作られたオリジナルのB級ホラーにさえおよばない成績しか見込めない可能性がチラついてしまったことになり、本作の推定製作費=約1,600万ドルを、映画館の興行だけで取り返していくのは、かなり困難だと言えるでしょう…。
しかしながら、自宅のインターネットで、無料のポルノをいつでもコッソリと楽しめる時代に、あえて映画館でお金を払い、エッチなシーンが売りのホラー映画を観たい野郎がいる訳ない…ッ!!という、わかりきったことに、製作のサミット・エンタテインメントの重役たちが気づかなかったのは驚きですが、そうしたインターネットのポルノと同様に、ひとり、もしくは、お仲間とハァハァ楽しめるDVDの二次市場においては、本作にもまだ救いの道が残されているかもしれません…。
今週第5位で、同じホラー映画の「ザ・ファイナル・デスティネーション4 3D」の成功がうらやましい「ソロリティ・ロウ」の製作者らは、映画館に野郎の下半身を運ばせる手段として、本作も流行の3Dで、スクリーンからおっぱいが飛び出す超立体ホラー!!として作らなかったことを、きっと後悔しているはず…と思うのは、僕の煩悩でしょうか…?!
この「ソロリティ・ロウ」の内容や出演者、予告編はココの過去記事をご覧下さい。
↑↓ 「ドラゴンボール」風映画でチチを演じ、日本でも有名になった“サムライガール”のジェイミー・チャンが出ています…ッ!!
↓ 彼女は「ステップ・アップ2」(2008年)のブリアナ・エヴィガンですね!!
★ブラッド・ピットがシリアル・キラーを演じた「カリフォルニア」(1993年)で名をあげたドミニク・セナ監督が、「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセイルを主演に迎え、鬼プレス発行の同名グラフィック・ノベルを映画化した、ワーナー・ブラザース製作・配給のサスペンス「ホワイトアウト」も初登場第7位で、オープニング成績がたったの約510万ドルという、映画の舞台の南極並に寒すぎる結果となっています…。
このオープニング成績=約510万ドルというのは、ケイト・ベッキンセイルとドミニク・セナ監督にとって、同等規模で公開された過去の作品と比較して、言うまでもなく、最悪の成績であり、ケイト・ベッキンセイルは、「モーテル」(2007年4月公開/2,551館/製作費1,900万ドル/国内成績1,936万ドル/全世界計3,530万ドル)のオープニング成績=760万ドルのワースト記録を更新してしまいました…。
ドミニク・セナ監督(↑)にとっては、内容はそこそこおもしろかったものの、製作費の約1億200万ドルに対し、国内で約6,977万ドルしか稼げず、全世界トータルでも約1億4,700万ドルしか売り上げられずに大赤字を出した前作「ソードフィッシュ」(2001年)に引き続き、大失敗をやらかしたことになり、ハリウッドでの映画監督生命は薄氷の危機にさらされてしまったと言えそうです。
どこの国の領土にも属さない南極で起きた最初の殺人事件に、ケイト・ベッキンセイル演じるUSマーシャル(アメリカ連邦保安局)のキャリーが挑む…という本作は、2007年に撮影が終了し、それ以来、公開の時期を見定め、寝かされていた…ということですが、それはつまり、鬼門の9月第2週に登場し、凍りつくようなオープニング成績だったことからしても、早い話がオクラ入りだったんですよ…ということが、如実に明らかになってしまいましたね…。
まったく平凡なサスペンス映画…とコキおろされている本作の、映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は、第4位の「オール・アバウト・スティーヴ」のサンドラ・ブロックもビックリの8%です。
↑ ケイト・ベッキンセイルのシャワー場面がファンには見どころかも…?!
★今週末の全米公開映画ですが、まずは…、ソニー・ピクチャーズが製作・配給する、ガキ向けのCGアニメの3D作品「くもりときどきミートボール」が日米同時公開で登場!!、全米3,000館規模の拡大公開に加え、3D割増し料金を徴収することから、本作が容易に№1スポットを占めることになりそうです…。
そして、「ボーン」シリーズでは凄腕スパイのマット・デイモンが実在のドジな素人スパイに扮し、企業の不正を告発する、スティーヴン・ソダーバーグ監督の社会派ブラック・コメディ「ジ・インフォーマント」をワーナー・ブラザースが封切り、20世紀FOXは、スケベ天使のミーガン・フォックスが鋭い牙で文字通りに男を漁る学園モノのホラー・コメディ「ジェニファーズ・ボディ」を公開!!
そこへさらに、アーロン・エックハートが演じる、自己啓発本のベストセラー作家でセラピストなのに、妻に先立たれた悲しみから立ち直れない主人公が、ジェニファー・アニストンのお花屋さんと出会い、再び人生に愛と希望を見い出すベタなロマンチック・コメディ「ラブ・ハプンズ」(Love Happens)で、ユニバーサル映画がランキングに割り込もうとする狙いです…。何だか、とりとめのないラインナップなところが、サマーシーズン明けの9月らしい感じですね…ッ!!、それでは、「くもりときどきミートボール」から、スパゲティ・トルネード風をご賞味ください!!、この映画を観た子どもはきっと、スパゲティをフォークでクルクルしながら、竜巻だ~ッ!!と言わずにはいられなくなるのだと思います…ッ!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
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