アダム・サンドラーとセス・ローゲン主演の
ジャド・アパトー映画が笑えない第1位!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。
第1位(初) 第2位 第3位 第4位 第5位(初)
第1位「ファニー・ピープル」
$23,440,000-(3,008館)-$23,440,000
第2位「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(公開中)
$17,700,000-(4,393館)-$255,463,000
第3位「G-フォース」
$17,058,000-(3,697館)-$66,461,000
第4位「男と女の不都合な真実」(9月18日公開)
$13,000,000-(2,882館)-$54,481,000
第5位「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」
$7,800,000-(3,106館)-$7,800,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「オーファン」(今秋公開)
$7,250,000-(2,750館)-$26,791,000
第7位「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」(公開中)
$5,300,000-(2,757館)-$181,843,000
第8位「ザ・ハングオーバー」(今秋公開)
$5,080,000-(2,071館)-$255,776,000
第9位「あなたは私の婿になる」(10月16日公開)
$4,848,000-(2,435館)-$148,882,000
第10位「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」(公開中)
$4,600,000-(2,626館)-$388,101,000
★昨日、寝込んで書けなかった第1位の「ファニー・ピープル」の解説も更新しました!!
★7月の終わりから真夏の8月へと月を跨ぐカレンダーとなった7月第5週の全米映画興行は、封切りの新作3本が振るわず、先週の前回から全体で約2割もの売り上げを落としてしまい、5月のサマーシーズン開幕以来、最低の売上げ高となってしまいました…。前年同時期との比較として、2008年7月最終週の実績を振り返ってみると、昨年は上位12作品で約1億7,403万ドルも稼いでいたのが、この週末は約1億1,245万ドル止まりでした…。去年の夏は歴史的大ヒット作の「バットマン/ダークナイト」があったから…といった声も聞かれそうですが、約6,150万ドルのギャップは、3本の新作がどれもそこそこ成功していれば、そこまで広がることはなかったでしょう…。という訳で、深刻な経済状況が好調を維持してきた映画興行にも影響を及ぼしてきたのか…?!、あまり笑えない結果を招いたBEST10の第1位は、まさに笑えないコメディ映画でした…。
★下積み時代にルームメイトとして一緒に暮らしていたジャド・アパトー監督が、当時を振り返った作品を作りたい…という想いに、現在も親友のアダム・サンドラーが賛同し、そこにセス・ローゲンほか、ジャド・アパトー映画でおなじみの“おかしな人たち”が集ったジャド・アパトー監督の3本めの最新作「ファニー・ピープル」を、製作・配給のユニバーサル映画が3,008館の4,100スクリーンで封切った結果、オープニング成績で約2,344万ドルを記録し、初登場第1位をもぎ獲りました…ッ!!、…が、アダム・サンドラーとセス・ローゲンという人気スターがダブル主演し、トップ・コメディアンたちが脇を固めた本作のオープニング成績を、他社のライバル映画スタジオは3,000万~4,000万ドル超は稼ぐだろう…と踏んでいたので、並の映画よりも下手したら劣る約2,344万ドルというのは、ちょっと残念な結果の失敗として見られています。
しかしながら、本作のオープニング成績をあらかじめ約2,500万ドルと想定していたユニバーサル映画は、2,344万ドルは許容範囲のうちとして、ひとまず、満足の行く結果…と発表しています。
ジャド・アパトー監督がユニバーサル映画で作った監督デビュー作「40歳の童貞男」(2005年8月19日公開/3,006館)は、約2,142万ドルのオープニング成績からスタートし、最終的に国内で約1億944万ドルを稼ぐ大ヒットとなり、それを含めた全世界では約1億7,773万ドルを売り上げています。
また、セス・ローゲンと、今週第4位の「男と女の不都合な真実」に主演しているキャサリン・ハイグルが共演した前作で、やはり、ユニバーサル映画が製作した「ノックト・アップ」(2007年6月1日公開/2,975館)は、「40歳の童貞男」の成功を受け、約3,069万ドルにオープニング成績を向上し、国内だけで約1億4,876万ドル、全世界のトータルでは約2億1,907万ドル超の目覚しい飛躍を遂げました。
それらの大成功の延長線上として、さらにスターを集めて製作された「ファニー・ピープル」なので、他社がオープニング成績を3,000万ドル以上、4,000万ドル越えもありと予想したのは無理もなく、まさか、「ノックト・アップ」の成績に追いつけない…とは、フツーは考えないはずです。
それではなぜ?!、ユニバーサル映画は本作のオープニング成績を約2,500万ドル前後と、「ノックト・アップ」よりも低い数字を見積もったかと言うと、それはこの「ファニー・ピープル」が“おかしな人たち”という題名とは裏腹に、純粋なコメディ映画ではなく、コメディアンを登場人物にしたドラマ映画といった方が正しいような作品で、しかも、主演のアダム・サンドラーは不知の病いに侵されている…という、少しシリアスな設定がネックになっているからだ…と考えられています。
アダム・サンドラーが主演のコメディ映画は、全米での興行収入が1億ドルを下ることはまずない、作れば必ずアタる安定した人気を誇っていますが、そうしたコメディ映画の一方で、アダム・サンドラーが911同時多発テロで心を病んだ主人公を演じた感動作「再会の街で」(2007年3月23日公開/1,747館)はオープニング成績が約746万ドルで、最終的な国内での成績は約1,966万ドル…。
また、アダム・サンドラーが問題を抱えた家族の父親を演じた人間ドラマの名作「スパングリッシュ」(2004年12月17日公開/2,587館)のオープニング成績は約881万ドルで、最終の国内成績は約4,272万ドルでした…。
以上のように、アダム・サンドラーの主演作として、コメディ以外の映画を観客が望んでいないのは明らかで、そのためコメディとドラマの中途半端な位置にある「ファニー・ピープル」は苦戦するかもしれない…と、ユニバーサル映画は判断し、オープニング成績を低い目に見積もっていたのでしょう。
しかし、問題なのは、「40歳の童貞男」の製作費は約2,600万ドルで、「ノックト・アップ」は約3,000万ドルと、小さなリスクで大儲けしていたのに対し、この「ファニー・ピープル」には、それらの倍以上で、コメディ映画としては破格とも言える約7,500万ドル以上が費やされています…。それだけの製作費を回収していくとなれば、国内だけで最低でも1億ドル近い興行収入を上げねばならず、その数値目標は、過去のジャド・アパトー映画2作品や、アダム・サンドラー主演作にとっては、そんなに難しくはないものの、前述の「再会の街で」のように影を帯びたトーンのアダム・サンドラー映画にとっては不可能…とも言える金額です。
ユニバーサル映画は、この「ファニー・ピープル」完成後に、ジャド・アパトー監督との間で、さらに3本の映画を作る契約を結んでいますから、本作の内容や、ちょっとこれまでのような大ヒットは望めないかも…?!といったことを、ユニバーサル映画の首脳陣は覚悟し、了承していると思うので、本作は「40歳の童貞男」と「ノックト・アップ」の高い利益率へのご褒美のボーナスとして、冒頭に記したように、ジャド・アパトー監督とアダム・サンドラーが共に過ごした無名時代の過去の下積みを振り返った個人的な映画として作らせてあげて、不治の病の死のイメージなどネガティヴな要素には目をつむってあげたのかもしれませんね…。
本作でアダム・サンドラーが演じているのは、現在の自分を投影したような映画スターのコメディアン、ジョージ・シモンズ。健康診断で白血病のような血液の不治の病いを患っていることがわかったジョージは、万に一つの可能性に賭け、新薬治療を試みます。自らの命が長くないことを覚ったジョージは、あらためて自分を振り返り、コメディアンとして成功したものの、親族とも疎遠で、親友もいない人生は失敗だった…と考え、イチから生き方をやり直したい…と願った彼は、駆け出しの自分がスタンダップ・コメディを演じていたクラブを訪れることに…。
そこでセス・ローゲンが演じる、かつての自分のような売れないコメディアンのアイラと知り合ったジョージは、特に必要でもないのにアイラをパーソナル・アシスタント兼コメディ作家として雇うことにします。ひとりでさびしく死んでいくかもしれないジョージは、自分のことを知らない誰かにそばにいてほしいのでした…。
…という訳で、本作はセス・ローゲンとの出会いで、アダム・サンドラーが生まれ変わっていく姿を描くのがメインであり、ジャド・アパトー映画らしく、とどのつまり、男同士の友情がテーマとなっています。で、これはもしかするとネタバレかもしれませんが、アダム・サンドラーは新薬が効いて病気が治り、死にません。
ユニバーサル映画は本作を難病モノの悲しい暗い映画とカン違いされ、敬遠されないように、アダム・サンドラーの病気が回復することを予告編の中で明かしています。なので、不治の病の設定はあくまでも、アダム・サンドラーの主人公が自分を反省するキッカケの口実として使われているだけですね。
本作のその他の出演者は、「スーパー・バッド」(2007年)や、「サラ・マーシャルを忘れたくて」(2008年)など、近年のコメディ映画には欠かせないジョナ・ヒルと、「ダージリン急行」(2007年)など、ウェス・アンダーソン映画の常連、ジェイソン・シュワルツマンが、新進のコメディアンとして、セス・ローゲンのルームメイトを演じている他、ジャド・アパトー監督の嫁さん、レスリー・マンが、アダム・サンドラーの元恋人で、関係が再燃する人妻ローラに扮し、彼女の夫をエリック・バナが演じています。加えて、本作には、サラ・シルバーマンや、ジェームス・テイラー、エミネムなど、大勢のコメディアンや、セレブがカメオ出演していて、これはとても書ききれません…!!、また、映画の中で使われている無名時代のアダム・サンドラーが電話しているビデオ映像は、ジャド・アパトー監督がアダム・サンドラーと暮らしていた下積み時代に撮影した、当時の実際のビデオ映像が流用されています。
コメディ映画として、ただ爆笑することだけを目的に観ると、物足りない…と言われる本作ですが、フツーにドラマ映画として観れば、最後は胸を打たれる作品…と言うのが、実はこの笑えないコメディ映画「ファニー・ピープル」の真価のようです。ちなみに、ユニバーサル映画の調べでは、本作のオープニング興行の観客のうち、約53%が男性で、全体の約52%が25歳か、それ以上の年齢層だったそうです。
本作の予告編に加え、映画中映画として登場する人気コメディアン、ジョージ・シモンズの変テコな主演作の動画クリップをご覧ください。
★封切りから2週連続の第1位達成を目前にして、小動物戦隊に追撃され、惜しくも先週、第2位に甘んじてしまった「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が、その小動物戦隊を抜き返し、今週も引き続き、第2位をキープ!!
公開3週めでトータルの興行成績が、巨額製作費の約2億5,000万ドルをわずかに超えた約2億5,546万ドルに達した本作の、この週末の売り上げ=約1,770万ドルは、奇遇にも前作「不死鳥の騎士団」(2007年)の3週めの売り上げ=約1,773万ドルとほぼ同じ。先週の2週めの売り上げでは「不死鳥の騎士団」=約3,251万ドルに対して、約2,946万ドルと劣っていた「謎のプリンス」ですが、それがこの週末は持ち直して、前作に並ぶことができたのは、これまで「トランスフォーマー2」に独占されていたIMAXシアターが、やっと本作にプログラムを切り替えてくれたから。そんな訳で68館が追加上映を始めた「謎のプリンス」は、「不死鳥の騎士団」の3週めの売り上げマイナス率=約46%に対して、それより少ない約40%にとどめることができたので、前述のように、ここに来て2作品の数字が並ぶ…という現象になりました。IMAXシアターの出遅れが少し響いていた本作ですが、今後は、IMAXシアターで観直そう…!!というリピーター層の観客動員も見込めることから、まだまだ「ハリポタ」の魔法は続きそうですね…!!
★先週の初登場で「ハリー・ポッター」の魔法を抑えて、首位に躍り出たディズニーの“しゃべる小動物戦隊”のハイブリッド映画「G-フォース」は、平凡なオープニング成績…、つまり、サマームービーの出足としては物足りない約3,170万ドルに対する2週めのマイナス率としては少し大きすぎる約46%の売り上げダウンで第3位となり、「ハリポタ」に抜き返されてしまいました…。しかしながら、1館あたりの平均した売り上げでは約4,614ドルを稼いでいる本作が、平均7,793ドルの「ファニー・ピープル」に次いで、第2位となり、1館あたりで約4,029ドルの「謎のプリンス」は、またまた第3位で小動物戦隊に敗れてしまっています…。そんなに目覚しいヒットでもない本作ですが、ライバルと目された同じガキ向けのハイブリッド映画の新作「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」を第5位として寄せ付けず、意外にやはり、ジェリー・ブラッカイマーに飼いならされた小動物たちは手強いようです。
★美人にふさわしく?!、男選びの理想が高すぎるせいで恋人ができない不器用なキャサリン・ハイグルに、どんな男もイチコロで落とせる股間直撃?!の恋の手練手管をジェラルド・バトラーがコーチする、ちょっとエッチなラブコメ「男と女の不都合な真実」が、先週の初登場第3位から、いきなり約53%もの売り上げを失ったにもかかわらず、1ランクダウンの第4位に踏みとどまりました。
「男と女の不都合な真実」の客足の落ち込みには、第1位の「ファニー・ピープル」の封切りが多少、影響していることは間違いないでしょうが、キャサリン・ハイグルは、その「ファニー・ピープル」に主演のセス・ローゲンと共演した、前述のジャド・アパトー監督のハレンチなコメディ「ノックト・アップ」(2007年)をあまり気に入っていないと言っていたので、初登場の順位こそ、第1位と第3位で負けてしまったものの、数字的にはオープニング成績が約2,760万ドルだった本作で、2倍の製作費が費やされた「ファニー・ピープル」に、ひとまず勝利できたことを鼻高々に思っているかもしれません?!、が、それにしては、「ノックト・アップ」でコリゴリのハレンチなコメディの本作にまた主演してしまったのは、どうして…?!
★ディズニー・チャンネルや、ニコロデオンといったガキ向けケーブルテレビの番組に出演しているジャリタレや、B級アイドルを集めて、20世紀FOXが製作したSFファンタジー・コメディのファミリー映画「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」が全米3,106館で封切られ、初登場で一応、第5位という上位ランキングに着けたものの、実際の数字のオープニング成績はたったの780万ドルという悲惨な結果で…、自分ら一体、どないして製作費の4,500万ドルを回収するつもりなん…?!とストレートに聞いてみたい感じです。
20世紀FOXは、先月7月10日に全米公開した、「HEROES/ヒーローズ」の不死身のチアリーダー、ヘイデン・パネッティーアが主演し、映画「ハリー・ポッター」シリーズの生みの親のヒットメイカー、クリス・コロンバス監督がメガホンをとった青春コメディ「アイ・ラブ・ユー、ベス・クーパー」のヴァイラル・マーケティングの口コミ宣伝の仕込みに失敗し、オープニング成績が約491万ドルという、あり得ないコケ方で同映画を殺してしまいましたが、宣伝下手で有名な20世紀FOXは、この「エイリアンズ・イン・ジ・アティック」でも、やってしまった…みたいですね…。
「ビッグ・トラブル in NY」(2005年)のジョン・シュルツ監督がCGのエイリアンを登場させた実写とのハイブリッド映画の本作は、ミシガン州の湖畔の屋敷に休暇に訪れたピアソン家と、親戚の子どもたちが屋敷の先客のエイリアンに遭遇し、人間を意のままに操れるエイリアンたちの地球侵略計画を防ごうとするドタバタを描いたもので、エイリアンのひとり?!、一匹?!と仲良くなった末娘のハンナが人類の運命を左右することなります…!!
ピアソン家の長男として、頭のいい数学オタクのトムを演じているのは、ビリー・ボブ・ソーントンが主演した「がんばれ!ベアーズ/ニュー・シーズン」(2005年)に出ていたカーター・ジェンキンス。そのトムの姉で、家族旅行にボーイフレンドを連れてきてしまうベサニーは、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのシャーベイこと、人気のアシュリー・ティスデール。エイリアンとお友だちになる、かわいいハンナを演じている子役は、テレビ・シリーズ「プリズン・ブレイク」でデビューしたアシュリー・ベッチャー(↓)で、映画は本作が初めてとなります。
予告編は先週、ご覧いただいたので、今週は首の後ろに撃ち込んだチップで、人間をマインド・コントロールするエイリアンのテクノロジーで、カンフーの達人に変身したおばあちゃんの活躍をご覧ください…!!、演じているのは、シットコム「HEY!レイモンド」で、レイ・ロマーノのお母ちゃんを演じていたドリス・ロバーツです。
★引き取った孤児の少女が実は恐ろしい…というチャイルド・ホラー「オーファン」が、先週の初登場第4位から2ランクダウンの第6位。2週めに数字が急降下しがちなホラー・ジャンルの映画としては、本作の2週めのマイナス率=約44%はかなり控えめとも言える好成績で、孤児の少女の度を過ぎた悪戯に、観客はまだ興味津々なようです。それを裏付けるように、本作の客足を大きく引っ張るかと思われた「ソウ」シリーズの脚本家コンビ、マーカス・ダンスタンとパトリック・メルトンによる家宅侵入スリラーの残酷ポルノ「ザ・コレクター」がオープニング成績わずか362万ドルでBEST10に入れず、第11位という残念なスタートとなってしまったことからも、「オーファン」の人気の高さが窺えます。
「ザ・コレクター」は1館あたりで約2,736ドルを売り上げ、第4位の「男と女の不都合な真実」のアベレージ売り上げ=約4,511ドルの後ろに着けているので、封切りの上映館数が1,325館と少なかったことがハンディとなり、BEST10に食い込めなかった格好ですが、「オーファン」も負けじと1館あたりで約2,636ドルという、たった100ドル差でライバル作品に詰め寄っているので、2本のホラー映画は、この週末に怖い映画を観たい観客をキッチリと分けあったようですね。
★第7位の「アイスエイジ3/ティラノのおとしもの」も、先週の第5位だったのが、新作2本に上乗りされて、素直に2ランクダウン。公開5週めで543館が氷河期を終えてしまった本作のマイナス率は約37%で、坂を転げ落ちることなく、ゆっくりと堅実に下っているようです。
シリーズの第1作め(2002年)の記録=約1億7,638万ドルを抜いて、トータルの興行収入を約1億8,184万ドルとしている本作は、前作の第2弾(2006年)の記録=約1億9,533万ドルに追いつくまで、残り後1,349万ドルなので、シリーズの売り上げ記録を何とか更新することができるのではないでしょうか。
なお、海外市場で早くも約5億1,041万ドルを稼ぎ、第2弾の海外売り上げ=4億5,656万ドルをすでに大きく上回っている本作は、全世界の総売上げを約6億9,225万ドルとする7億ドル目前の超ビッグヒットで、とっくにシリーズで1番の稼ぎ頭となっています。現時点では「トランスフォーマー2」=約8億5,96万ドルに次いで、2009年公開映画で2番めの大ヒットの本作ですが、「ハリー・ポッター」が約6億5,946万ドルでピタリと後ろに着けてきているので、残念ながら、いずれ順位が第3位に降格するのは時間の問題です…。
★インドでリメイクのボリウッド映画も作られることになった二日酔いミステリーのハレンチ・コメディ「ハングオーバー」は公開9週めで、また214館が酔いをさましたというのに、売り上げのマイナスは約21%だけで、順位も先週の第7位から、ひとつ下げただけ。この「ハングオーバー」のミラクル大ヒットや、第10位の「トランスフォーマー2」、第2位の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」といったメガ・ブロックバスター映画の猛烈な動員の話題にかすんで目立っていませんが、第9位のラブコメ「あなたは私の婿になる」もコッソリと驚異的なヒットを続けています。
公開7週めで344館に離婚されてしまったのにも関わらず、「あなたは私の婿になる」のマイナス率も約24%とふくらまず、大きく客足が落ち込むことはありません。「ハングオーバー」のアベレージ売り上げは約2,453ドルで、「あなたは私の婿になる」は約1,991ドルですから、3D割増料金を徴収している第7位の「アイスエイジ3」=平均1,922ドルよりも、大人向けのコメディ映画2作品の方が実際はヒットしていて、客席を回転させていることになります。
ところで、第4位の「男と女の不都合な真実」と、第9位「あなたは私の婿になる」は、社会的にキャリアを得た1人前の女性が、その少し支配的な性格を反省し、女性らしさに目覚める?!というコンセプトにおいては同じ映画…と言えそうな共通点の多い作品同士ですが、そうした女性上位の風潮をテーマにした作品が同時期に公開され、共にヒットしてる…というのは何だか、おもしろいですね。
それぞれの映画の主人公たちのように、社会で成功し、豊かな人生を歩んでいるように見えて、実は内面はそうではない…といった女性たちが、実際に世の中に大勢いるのか?!、それとも、男性の側の女性たちに対する、もう少しお手柔らかにお願いしますよ…といった願望が映画化されて、支持されているのか?!、ちょっと考えてみてください。
★この夏1番の大ヒット作「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」が、超々大台の4億ドルを目前の公開6週めで急ブレーキの失速…。
その理由は第2位の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」のところでふれたように、通常よりも入場料金が高いIMAXシアターが本作の上映を終了してしまったから。で、その影響がモロに出て、先週の第6位から、いきなり崖っぷちの第10位にまで転がり落ちてきました…。その他の一般の映画館も含めて、合計611館が上映を打ち切った本作の売り上げダウンは約43%で、観客はそろそろ、巨大ロボット対決に関心を失ってきたようですね…。
しかし、本作を配給するパラマウント映画としては、この週末、やはり、おもちゃを映画化した新作の戦隊アクション・ムービー「G.I.ジョー/ライズ・オブ・コブラ」を封切りますから、それで「トランスフォーマー2」がBEST10から消え、ちょうどよい入れ替わりのバトンタッチといった感じかもしれません。
大ヒットはするものの、映画の内容自体はまったく評価されていないマイケル・ベイ監督の作品は、あまり長持ちせず、ロングランとはいかないようです…。
★最後はいつものように今週末の全米公開映画の新作ですが、まずは今さっきも第10位の「トランスフォーマー2」のところでふれたように、「ハムナプトラ」シリーズや、モンスター映画の傑作「ザ・グリード」(1998年)などのヒットメイカー、スティーヴン・ソマーズ監督が、昔から人気のミリタリー・フィギュアの現代版をテーマに映画化した戦隊アクション・ムービー「G.I.ジョー/ライズ・オブ・コブラ」がついに出動!!、パラマウント映画が製作・配給の本作は、7日(金)に日本でも同時に封切られます!!、そして、シリアスな心理ドラマの「ダウト」(2008年)で共演した新旧の実力派人気女優メリル・ストリープとプリンセス・エイミー・アダムスが再びコンビを組んだ、ソニー・ピクチャーズの“おいしい映画”「ジュリーとジュリア」も登場!!、メリル・ストリープが演じる実在した伝説の女性シェフ、ジュリア・チャイルドの遺した524品のレシピを、自分ひとりで1年間かけて再現してみることに没頭した平凡なOL兼人妻のジュリー・パウエルにプリンセス・エイミー・アダムスが扮し、狭いキッチンで悪戦苦闘をくり広げます!!、生きる時代を異にするジュリーとジュリアのふたりの女性が料理を通して自己実現を達成していく素敵な女性映画を料理したのは、「心みだれて」(1986年)でメリル・ストリープが演じた料理評論家のモデルであるノーラ・エフロン監督です。
さらに、常夏の楽園ハワイにハネムーンに訪れた新婚カップルのミラ・ジョヴォヴィッチとスティーヴ・ザーンが連続殺人鬼に遭遇するサスペンス「パーフェクト・ゲートウェイ」を、ユニバーサル映画傘下のジャンル映画レーベル、ローグ・ピクチャーズがリリース!!、ミラ・ジョヴォヴィッチは、ダンナのポール・W・S・アンダーソン監督がシリーズの第1作め以来、初めて自らメガホンをとることにした「バイオハザード」最新第4弾に、ジェームズ・キャメロン監督が革命的な3D映像を実現した最新作「アバター」(日米12月公開)のスタッフが結集することになり、「バイオハザード4」はトンでもない映画になりそうだ…ッ!!と、ウワサになっています!!
「バットマン/ダークナイト」と張り合ったメリル・ストリープと、ベン・スティラーと一緒に「ターミネーター4」をお釈迦にしたプリンセス・エイミー・アダムスの「ジュリーとジュリア」が初登場第1位でもよさそうな感じですが、それよりも公開館数の多い「G.I.ジョー/ライズ・オブ・コブラ」が、やはり、順当に首位を独占しそうな気配です。サマームービー・ウォーズもいよいよ次回がファイナル・マッチと言っていい、来週のランキングもお楽しみに…ッ!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
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