************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************

「アイスエイジ3」がロボットと引き分け!!

僅差の判定勝ちで初登場首位を奪取!!


アイスエイジ3-ティラノのおとしもの

*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。

 第1位(初) 第2位     第3位(初)   第4位    第5位
全米映画興行ランキング-第1位~第5位

第1位アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」(今月25日公開)
   $42,500,000-(4,099館)-$67,506,000
第2位トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」(公開中)
   $42,500,000-(4,234館)-$293,459,000
第3位パブリック・エネミーズ」(12月公開)
   $26,172,000-(3,334館)-$41,044,000
第4位あなたは私の婿になる」(10月公開)
   $12,779,000-(3,099館)-$94,233,000
第5位ザ・ハングオーバー」(今秋公開)
   $10,415,000-(3,070館)-$204,197,000


 第6位    第7位    第8位     第9位    第10位
全米映画興行ランキング-第6位~第10位

第6位カールじいさんの空飛ぶ家」(12月公開)
   $6,579,000-(2,656館)-$264,873,000
第7位わたしのなかのあなた
   $5,255,000-(2,606館)-$25,964,000
第8位サブウェイ123」(9月4日公開)
   $2,500,000-(1,908館)-$58,471,000
第9位ナイトミュージアム2/バトル・オブ・ザ・スミソニアン」(8月13日公開)
   $2,100,000-(1,419館)-$167,763,000
第10位イヤー・ワン
   $2,100,000-(2,240館)-$38,088,000


各映画の解説はこちらです!! →




この週末、アメリカは「7月4日に生まれて」の独立記念日が、そもそも世間はお休みの土曜日にあたったことから、前日の3日が振り替え休日となり、金土日が3連休のうれしいロングウイークエンドとなりました。なので、新作映画は連休前に話題を広めようと、1日の水曜日に前倒しで封切られたので、初登場の作品は週末の興行成績と、累積のトータル売り上げの金額が異なっています。
映画館にとっては、そんな稼ぎ時の週末でしたが、先週の前回(6月26日~28日)との比較では、全体でおよそ19%の売り上げダウンとなっています…。
と言っても、これは先週の24日(水)に封切られた「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」が週末までの公開5日間で2億ドル以上を売り上げたモンスター・ヒットとの比較ですから、落ち込んで当たり前ですね。そこで前年同時期と比べてみれば、約2%の成長だったことがわかり、まぁ、ほぼ横ばいの実績で、けして、今年2009年の独立記念日興行が不調だった訳でないことがわかります。
そんな平年並みに順調の独立記念日の映画興行を制して独立した作品は…、
なんと、単独の勝者は生まれず、2作品が同じ金額で引き分け、同時に首位に立つ、珍事が起きてしまいました…ッ!!

独立記念日興行でトップに立ったのは、共に週末に約4,250万ドルを売り上げた、2週めの「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」と、初登場のアニメ「アイスエイジ3/ティラノのおとしもの」です。
この2作品は、「アイスエイジ3」が封切り日の1日(水曜日)に1,379万ドルを売り上げ、興行ランキングの首位に踊り出ましたが、木曜日・金曜日は僅差で「トランスフォーマー2」が競り勝ち、再び土日に「アイスエイジ3」が巻き返すというツバ競り合いを闘っていました。

          アイスエイジ3   トランスフォーマー2
    1日(水) 1,379.1万ドル > 1,093.9万ドル
    2日(木) 1,121.5万ドル < 1,152.5万ドル
    3日(金) 1,720.0万ドル < 1,794.6万ドル
    4日(土) 1,122.5万ドル > 1,068.2万ドル
    5日(日) 1,407.5万ドル > 1,387.2万ドル

アイスエイジ3-ティラノのおとしもの-2

その結果が、週末3日間の興行成績では、共にひとまず約4,250万ドルでピタリと並んでしまった訳ですが、公開館数を比較すると、「アイスエイジ3」が4,099館なのに対し、「トランスフォーマー2」は4,234館と優位に立ち、上回っています。
にも関わらず、成績の数字が同じということは、単館のアベレージ売り上げで「アイスエイジ3」が、「トランスフォーマー2」を凌いだのは一目瞭然で、具体的には「アイスエイジ3」が1万368ドルを稼いで、「トランスフォーマー2」の平均値1万38ドルをわずかながらに上回りました。
よって、判定で「アイスエイジ3」の勝ちとし、同アニメに初登場首位の栄冠を授けたのですが、「アイスエイジ3」は1,606館が3D上映を行い、割り増し料金を徴収していますから、その分、「トランスフォーマー2」より有利だったので、実は共に一日の長があった訳です。
今後、日曜日の実際の売り上げの現金が数えられた結果として、どちらの映画がどちらの映画に勝ったのか?!の白黒はつくだろうとは思いますが、この2作品がまさに互角のデッドヒートをくり広げたことには変わりありません。

アイスエイジ3-ティラノのおとしもの-1さて、ひとまず判定で強敵のオートボットたちを下した大ヒット・アニメ・シリーズの最新作「アイスエイジ3/ティラノのおとしもの」を配給する20世紀FOXの配給担当上席副社長のバート・リビングストン氏は、“「トランスフォーマー2」との勝ち目の薄い対決を互角に戦えたのは目覚しい驚きだ…”とコメントを発表し、ヒットをよろんこでいますが、実は同社はそれほどよろこんではいられません…。
と言うのも、シリーズの第1作め「アイスエイジ」(2002年3月15日公開/3,345館/国内興行1億7,638万ドル/全世界計3億8,325万ドル)のオープニング成績は約4,631万ドルで、続編の「アイスエイジ2」(2006年3月31日公開/3,969館/国内興行1億9,533万ドル/全世界計6億5,189万ドル)のオープニング成績は約6,803万ドルでしたから、「アイスエイジ3」の週末3日間のオープニング成績約4,250万ドルというのは、シリーズ中最低の出足となり、公開5日間の成績でも「アイスエイジ2」は約7,564万ドルを売り上げていましたから、「アイスエイジ3」の5日間売り上げ約6,750万ドルは前作から814万ドルも下回ってしまいました…。
それに対して、製作費の方は、第1作めの約5,900万ドルから、第2作めが約8,000万ドル、そして、最新作は約9,000万ドルと徐々につり上がっています…。
と、何はともあれ、この第3弾の「アイスエイジ3」も大ヒットの成功を収めることは間違いなさそうなのですが、春公開だった前2作が大成功だったのに加え、今春3月27日に封切られたドリームワークス・アニメの「モンスターVSエイリアン」(オープニング成績は約5,932万ドル)との衝突を避けて、勇敢にサマームービー・ウォーズに乗り込んだ結果としては、強敵揃いの影響で少し数字を下げてしまい、利益率を落とすことになりそうです…。春から夏への移動で、若干、取りこぼした感の「アイスエイジ3」の展開からは、アニメ映画の市場競争がいかにも厳しくなってきた…というのが窺いしれますね。
この「アイスエイジ3/ティラノのおとしもの」の監督は、前2作でも共同監督をつとめ、シリーズを一貫して手がけているブラジル出身のカルロス・サルダーニャ。
声の出演は、ジョン・レグイザモ、レイ・ロマノ、クイーン・ラティファといった、おなじみのレギュラーに加え、「スター・トレック」のサイモン・ペグが参加しています。内容は…、ま、どうでもいいと思いますが、下 ↓ の予告編を観ておいて下さい。

アイスエイジ3 ティラノのおとしもの予告編





トランスフォーマー2-ラモン・ロドリゲス「スーパーバッド」(2007年)や、「サラ・マーシャルを忘れたくて」(2008年)など、コメディ映画のヒット作には欠かせない存在のコメディアン、ジョナ・ヒルが脚本を一読するなり、その内容のあまりのくだらなさに、自分の下ネタのお笑いどころじゃないバカバカしさだ…とショックを受け、マイケル・ベイの相手なんてしてられない…!!とばかりに、同監督のオフィスから、勝手に黙って、ひとりで帰ってしまった結果、「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」に出演のチャンスを得たラモン・ロドリゲス(写真左上、今週第8位の「サブウェイ123」にも出演)を、“次の第3弾では準主役のようにして、もっと活躍させたい…”といった考えをマイケル・ベイ監督がマスコミに語ったことに、自分の役回りを獲られる…と思い、気を悪くしたのか?!、ミーガン・フォックスが“アメリカの恥”と非難されている頭カラッポの国辱映画「トランスフォーマー2」について、世論にコビるように「脚本を読んで、出演してる私が観ても、訳わかんない映画なのに、脚本を読んでなくて、この映画の内容が理解できた人がいたら天才よ!!、だから、この映画は天才のための映画よね?!」とか、「マイケル・ベイの映画では演技力を発揮する機会がないのよね…」などと、お前が言うなよッ!!といったツッコミはさておき、もっともなマイケル・ベイ批判を突如、口にしたことで、それに対してまた、マイケル・ベイ監督が、“ニコラス・ケイジも、ベン・アフレックも、ウィル・スミスも、みんなスターにしたのは俺だッ!!”とメディアを通じて言い返すという、仲いいはずのふたりの舌戦が、オートボットとディセプティコンとの戦いよりも注目され始めた「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」は、2週連続で首位を維持できる勢いだったものの、新作の「アイスエイジ3」に判定負け?!を屈し、ランキングで天下を獲れたのは1週だけで、第2位に下りましたが、公開から、わずか12日でトータルの売り上げを3億ドルに迫る約2億9,345万ドルとした本作は、アッと言う間に、年間チャートで首位に立ってしまいました…!!
しかも、先週、首位に着いたばかりの「カールじいさんの家」を押しのけて、国内興行ランキングの暫定年間チャンピオンになっただけでなく、ワールドワイドの世界興行ランキングでも「天使と悪魔」=約4億6,160万ドルを追いやり、6億ドル目前の約5億9,150万ドルの大きな差で完全制覇を果たしてしまいました…ッ!!
「トランスフォーマー2」の先週からの売り上げマイナス率は約61%で、前作(2007年)の同じ2週めのマイナス率、約47%よりも高くなっていますが、現時点で前作より約8,620万ドルも多く稼いでいるので、そのダウンの差は仕方ないでしょう。
とんでもない大ヒット作へと躍進を遂げ、本来、その映画界への貢献を称賛されなければならない「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」ですが、昨2008年に歴史的大ヒットを達成した「バットマン/ダークナイト」には内容が伴っていたのに対し、ロボットのプロレス映画?!は、まるで観る価値がない…、観ると頭が悪くなる…と、叩かれまくっています…。果たして、ミーガン・フォックスの出番が減り、ラモン・ロドリゲスが準主役に浮上する可能性が出てきたシリーズの次回作「トランスフォーマー3」は、これまで脚本を担当してきたロベルト・オーチー とアレックス・カーツマンのコンビがハズレることが決まっているようなので、後を継ぐ脚本家が、まともな映画にしてくれることに期待が寄せられています…。

トランスフォーマー2-ミーガン・フォックス

ま、ミーガン・フォックスは訳のわからないことを言って、ナンボのキャラなので、マイケル・ベイ監督とのケンカもジョークでしょうが、ちなみに、ミーガン・フォックスによれば、ジョシュ・ブローリンが主演するダークファンタジーのウエスタン活劇「ジョナ・ヘックス」(2010年8月全米公開)の出演は、カメオのチョイ役で、けして、準主役のヒロインではないそうです。ミーガン・フォックスの女バウンティ・ハンターの活躍を期待していたファンには残念ですね…。
で、下 ↓ の動画は、大変、不評な双子のオートボット、ザ・ツインズが登場のバーガーキングのCMです。黄色の車体に黒のストライプのカマロが止まっているので、バンブルビーにトランスフォームするかと思いきや…、ということですね。

トランスフォーマー2バーガーキングのCM





パブリック・エネミーズ-1ジョニー・デップが伝説のギャング、ジョン・デリンジャーを演じ、クリスチャン・ベールが、そのデリンジャーを捕まえるスゴ腕のFBI捜査官リトル・メルとして対決する「パブリック・エネミーズ」を、製作・配給のユニバーサル映画が3,334館で封切り、約4,900スクリーンで上映された結果、週末のオープニング成績として約2,617万ドルを売り上げ、第3位に初登場しました!!
ジョニー・デップは「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006年)で、クリスチャン・ベールは「バットマン/ダークナイト」(2008年)で、これまでにたった4本だけしか達成していない世界興行収入10億ドル突破を果たしたマネーメイキング・スターなので(残りの2本はもちろん、「タイタニック」と「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」)、それぞれの作品のオープニング成績が、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」が約1億3,563万ドル、「ダークナイト」が約1億5,841万ドルだったことも踏まえると、ふたりが共演の最新作のオープニング成績が約2,617万ドルというのは、少し心もとない印象ですが、こうした時代がかったギャング映画のオープニング成績としては、トム・ハンクスとジュード・ロウが出演した「ロード・トゥ・パーディション」(2002年6月12日公開/2,332館/製作費8,000万ドル/国内興行1億445万ドル/全世界計1億8,100万ドル)のオープニング成績約2,207万ドルに匹敵する素晴らしい成績で、公開から5日間のトータルが約4,104万ドルというのも悪くありません。

パブリック・エネミーズ-2

男映画の巨匠である監督のマイケル・マン(↑)としては、前作の「マイアミ・バイス」(2006年7月28日公開/3,026館/製作費1億3,500万ドル/国内興行6,345万ドル/全世界計1億6,379万ドル)のオープニング成績2,572万ドルをわずかながらに上回ることができましたし、「パブリック・エネミーズ」に費やされた製作費の約1億ドルは、最終的にペイできそうな感じです。しかし、本作はジョニー・デップとマイケル・マン監督の不仲が囁かれるなど(ジョニデにそういうことはないと思うのですが…)、作品としては今ひとつ期待されたような評価は得られておらず、沈没映画「ターミネーター4/サルベーション」のツケを、ジョニー・デップとの名優コンビでチャラにしたかったクリスチャン・ベールとしては、少しアテがハズレてしまったかもしれません…。

パブリック・エネミーズTVスポット



下 ↓ のグラフィックは、リスクを恐れず、難しい役柄や、風変わりな作品に果敢に挑戦するがゆえ、キャリアの浮き沈みの激しいクリスチャン・ベールのフィルモグラフィーを、MOVIEFILL.Comが “クリスチャン・ベール・ローラーコースター” として、おもしろくまとめてみたものです(画像をクリックで拡大)。

クリスチャン・ベール-ローラー・コースター

多くの俳優が、キャリアが長引くにつれ段々と、役柄ではなく、自分自身を演じている?!だけのようなワンパターンの演技で、惰性的にキャラクター化していく傾向に、けして、そのようにはなるまい…として、常に演技の創造性を開拓し続けるジョニー・デップとクリスチャン・ベールが共演というだけで、この「パブリック・エネミーズ」は、映画ファンには見逃せない作品ではないでしょうか…?!
ジョニー・デップのジョン・デリンジャーの情婦として、「エディット・ピアフ~愛の讃歌~」(2007年)でアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞のマリオン・コティヤール(↓)が出ているのもいいですね。本作の予告編はココココです。

パブリック・エネミーズ-4


傲慢なヤリ手女上司のサンドラ・ブロックと、無能なダメ男の部下ライアン・レイノルズが偽装結婚をするハメになるパワーハラスメント・ラブコメディ「あなたは私の婿になる」は、先週の第2位から2ランク・ダウン。公開3週めで、売り上げを約31%落としていますが、好評な本作はスクリーン数を減らさず、逆に41館が追加上映を始めています。トータルの売り上げが9,423万ドルと、大台の1億ドル目前のスマッシュヒットの本作は、製作費の約4,000万ドル回収のメドが立ち、早くも黒字の計算に入っていると思いますが、実はこのたわいもないラブコメの製作総指揮は、今夏の大ヒット作で、共に今年2009年の映画興行ランキングのトップに立った「トランスフォーマー2」と、「スター・トレック」の両方のシナリオを執筆したロベルト・オーチー とアレックス・カーツマン。今や、押しも押されぬヒットメイカーのコンビですが、ツイてる時はまさに何をやっても当る!!といった感じで、ふたりにとっては畑違いな感のラブコメまで成功させてしまいました…。
とりあえず、配給のブエナビスタは、“「スター・トレック」と「トランスフォーマー2」のヒットメイカーが贈る…”などと、本作の宣伝文句に書くことが可能ですが、映画のタイプが違いすぎて、あまりピンときませんね…。

今夏の大化け映画として、大ヒットの二日酔いミステリーのハレンチ・コメディ「ザ・ハングオーバー」は、公開5週めで先週の第3位から第5位にまで後退。
455館が酔いから醒めて、約39%の収入マイナスとなりましたが、それでもまだ1,000万ドル台の週末成績を維持しているのですから立派です。
なお、製作費3,500万ドルの本作はついに超大台の2億ドルを突破し、年間興行ランキングの第4位に着けています!!、今夏のブロックバスター映画である「X-MEN/ウルヴァリン」は第6位で約1億7,835万ドル、「天使と悪魔」は第11位で約1億3,072万ドル、そして、沈没映画の「ターミネーター4」は第12位で約1億2,270万ドルですから、果たして、いったい誰が、二日酔いトリオの悪ふざけ映画が、それらのビッグ・タイトルすべてを抑える…ッ!!と予測できたでしょう…?!

先週、ついに全米映画興行ランキングの年間チャンピオンの座に着いた!!とよろこんだのも、ホントにつかの間だけで、アッという間の1週間足らずでオートボットたちに王座に奪われたディズニー・ピクサーのアニメ「カールじいさんの家」が、公開6週めで831館が撤退し、売り上げ半減の約50%マイナスで、先週の第4位から2ランクダウンで、第6位にまで下ってしまいました…。
しかしながら、本作は先週、予告したように、トータル成績を約2億6,487万ドルとして、「Mr.インクレディブル」(2004年/国内興行2億6,144万ドル)を抜き、「ファインディング・ニモ」(2003年/国内興行3億3,971万ドル)に続く、ピクサー史上2番めの大ヒット作になっています。

第7位は、先週初登場で第5位というボチボチの出だしだった、キャメロン・ディアスと天才子役のアビゲイル・ブレスリンが共演した感動映画「わたしのなかのあなた」ですが、2週めの成績のマイナス率が約58%と大きいのは、観客に見放された証拠…というしかありません。それを裏付けるように、映画の格付けサイト RottenTomatoes で、低い44%の支持率しか得られていない本作は、評論家からの41%の支持に対し、一般の映画ファンからは、たった33%しか好意的に受け止められていません…。お涙ちょうだいの難病もの映画としては、大衆層の観客にウケないことには身もフタもありません…。

公開4週めで、一気に1,087館がそっぽを向き、約54%の売り上げマイナスで、先週の第7位からワンランク・ダウンで第8位に着けたトニー・スコット監督の「サブウェイ123」は、1億ドルもの多額の製作費を興行だけでは回収できそうになく、デンゼル・ワシントンとジョン・トラボルタという2大スターを配し、それなりにアクションを観せれば、後の内容はDVDスルー映画のように薄っぺらでもかまわない…といったスター依存型の映画製作システムの限界をモロに示してしまった作品…として、例に上げられてしまっています。
この本作の大失敗を受けて、トニー・スコット監督とデンゼル・ワシントンのコンビが、次回作として今秋から撮影を予定していた、暴走列車を止めるパニック映画「アンストッパブル」の企画は見直しが計られ、暗礁に乗り上げてしまいました…。その次回作では、デンゼル・ワシントンは新たな対戦相手のライバルとして、大ヒット「スター・トレック」のカーク船長に抜擢され、昇り調子のクリス・パインを迎え、また“2大スター激突!!”路線で売るつもりでしたが、どうやら、アンストッパブルな暴走列車は走り出す前に止められてしまうようです…。
ハリウッドの映画スタジオは、今週第5位の大化け映画「ハングオーバー」のように、高額な出演料のコストがかかるスターを必要としない、アイディアのコンセプト重視の映画を適正な予算で作る方針に、不況時の活路を見出したいようです。
ま、結局、何かが大ヒットすれば、その作品に追随する…という意味においては、ハリウッドの考え方はいつもと変わらない訳ですが…。

第9位の20世紀FOXの「ナイトミュージアム2/バトル・オブ・スミソニアン」と、第10位のジャック・ブラック主演のソニー・ピクチャーズ作品「イヤー・ワン」も、約210万ドルの同額で並ぶというトップの「アイスエイジ3」と「トランスフォーマー2」と同じ珍現象が起きていますが、こちらもそれぞれの映画の条件を見渡せば、先週も第9位の「ナイトミュージアム2」はもう7週めなのに対し、先週第6位だった「イヤー・ワン」はまだ3週め…。「ナイトミュージアム2」は831館が打ち切って、1,419館上映なのに対し、「イヤー・ワン」は784館の館主が怒って?!見捨てたものの、今だ2,240館が上映…。てことは、当然、1館あたりの平均の売り上げは「ナイトミュージアム2」の方が大きい訳で…、同映画は先週から約42%のマイナスで、約1,480ドル、一方、「イヤー・ワン」は65%も売り上げを落として、約938ドルです。
よって、ここでもまた20世紀FOXが判定勝ちを収め、ヒットメイカー、ジャド・アパトーの失敗作「イヤー・ワン」が、どう見ても負けですね。
しかし、このジャック・ブラックのギャグがマンネリで、もう誰も笑えない…という厳しい結果を、来年2010年のサマームービーのコメディ映画として、ジャック・ブラックを主演に起用した現代版の新作「ガリバー旅行記」を用意している20世紀FOXは、他人事と笑ってはいられません…。

さて、今週末10日(金曜日)の全米公開映画ですが、まず1本めは、「グレムリン」(1984年)の脚本をスピルバーグ監督に気に入られたことから映画界入りし、監督として、あの「ホーム・アローン」シリーズを大ヒットさせたほか、再来週15日(水曜日)から、いよいよ第6弾「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が日米で同時公開される映画「ハリポタ」シリーズの生みの親でもある、今や伝説的な存在のクリス・コロンバス監督がメガホンをとった青春コメディ「アイ・ラブ・ユー、ベス・クーパー」が登場!!、本作は、ウィル・フェレルの「俺たちダンクシューター」(2008年)に出ていたほか、クエンティン・タランティーノ監督の最新作の戦争映画「イングロリアス・バスターズ」にも出演している、コメディアンのポール・ラストが演じる、頭はいいけど屁タレのデニスが高校の卒業式で、総代に選ばれ、スピーチの途中で突然、在学中に口をきいたこともなかった学園のアイドルのチアリーダー、ベス・クーパーへの片思いの愛を告げたことから、ふたりが急接近し、嫉妬に狂ったベスの元カレを巻き込んで、騒動が起きる…という内容です。ムチムチのチアリーダーを演じているのは、チアリーダーと言えば、すぐに思いつくのは彼女しかいない…ッ!!、チアリーダーを救って、世界を救う!!の「HEROES/ヒーローズ」の不死身のチアリーダー、クレア・ベネットことヘイデン・パネッティーアです。
ヘイデン・パネッティーアとしては、前述のようなクリス・コロンバス監督の作品で“映画女優”として注目を浴びたいところですが、本作を製作・配給の20世紀FOXの期待は薄く、2,000館に満たない公開規模での封切り予定なので、上位ランキングでの初登場は少し難しいでしょう…。
そして、もう1本は、「ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」(2006年)の、一般人を巻き込んだ不謹慎なギャグが、世間のひんしゅくを買いながらも爆笑を誘い、大成功を収めたサシャ・バロン・コーエンの最新作「ブルーノ」です。サシャ・バロン・コーエンが、ボラットとは、また別の持ちキャラであるオーストリアのゲイのファッション・ジャーナリスト、ブルーノに扮し、同性愛をめぐるテーマだけでなく、様々な社会のモラルに挑戦するギャグを連発する、おなじみのモッキュメンタリー形式の作品です。MTVムービー・アワードでの、エミネムとリハーサルを重ねて仕組んだ、シラジラしいやらせのハプニングでブルーノを知った方も多いのでは?!、ま、これも初登場第1位になるような作品ではないので、トップはまた「アイスエイジ3」と、「トランスフォーマー2」の戦いとなりそうですね!!、では次回もお楽しみに…ッ!!、最近、書くのが遅くて、すみません!!

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