「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が第1位!!
シリーズ6作品連続の初登場首位を達成!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。
第1位(初) 第2位 第3位 第4位 第5位
第1位「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(公開中)
$79,475,000-(4,325館)-$159,662,000
第2位「アイスエイジ3 ティラノのおとしもの」(今週末25日公開)
$17,700,000-(3,817館)-$152,005,000
第3位「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」(公開中)
$13,750,000-(3,857館)-$363,867,000
第4位「ブルーノ」(2010年公開)
$8,374,000-(2,759館)-$49,588,000
第5位「ザ・ハングオーバー」(今秋公開)
$8,315,000-(2,667館)-$235,882,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「あなたは私の婿になる」(10月16日公開)
$8,294,000-(3,043館)-$128,087,000
第7位「パブリック・エネミーズ」(12月12日公開)
$7,592,000-(3,118館)-$79,483,000
第8位「カールじいさんの空飛ぶ家」(12月5日公開)
$3,147,000-(1,706館)-$279,559,000
第9位「わたしの中のあなた」(10月公開)
$2,825,000-(1,967館)-$41,504,000
第10位「アイ・ラブ・ユー、ベス・クーパー」
$2,665,000-(1,872館)-$10,261,000
★各映画の解説はこちらです!! →
★さて、この週末の全米映画興行は、「バットマン/ダークナイト」が常識ハズレの大ヒットでオープニング興行を飾った(週末3日間で約1億5,841万ドル!!)、極めて異例だった前年同時期の実績から比べると、約4割ほども落ち込んだ成績…という言い方になってしまうものの、前回の先週末(10日~12日)との比較では約14%も売り上げをアップさせる好調持続でした。その大入り満員の立役者は本当ならば、昨2008年11月に登場する予定だった…、
★4,275館がおよそ1万スクリーンで封切ったシリーズ第6弾「ハリー・ポッターと謎のプリンス」です!!
今夏への公開延期が発表された昨秋には、怒った世界中のファンから“もう「ハリポタ」の映画はいらない…ッ!!”といった声があがり、J・K・ローリングの原作を食いものにしている傲慢なワーナー・ブラザースなんて無視しよう…ッ!!といった批判が相次ぎましたが、いざ、新作が封切られると、やはり観ずにはいられないのがファン心理で…、あらかじめ、ココでもお報せしたように封切り日の15日(水)に日付けが変わると同時にスタートした深夜興行で、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は約2,220万ドルという、「バットマン/ダークナイト」=約1,800万ドルをしのぐ大記録を樹立してしまいました…ッ!!、その勢いのすごさから本作は、これまでの興行記録を次々と書き変えてしまうのでは…?!と驚異を持って語られましたが…、約2,220万ドルの深夜興行売り上げに加えた初日の興収は約5,817万ドルで、前作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007年7月11日公開/4,285館)の記録=約4,423万ドルを上回わりはしたものの、今夏のライバル「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」が先月6月24日に達成した約6,201万ドルに及ばず、「謎のプリンス」は1日の売り上げ記録で史上第4位となっています(1日で最も稼いだ「バットマン/ダークナイト」の記録は約6,716万ドル、第2位は前述の「トランスフォーマー2」、第3位は「スパイダーマン3」=5,984万ドルです)。
しかしながら、世界の33の地域でほぼ同日に封切られた本作は、イギリス映画興行史上、かつてない動員を1,305スクリーンが水曜日に実現した760万ドルの大ヒットを筆頭に、海外市場で約4,585万ドルを叩きだし、国内売り上げと合わせたトータルが、初日の1日だけで興収1億ドル突破!!という、トンデモない大記録を達成してしまいました…ッ!!
その後、国内では以下のような数字の展開を見せた「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は…、
15日(水) 5,817万ドル(初日)
16日(木) 2,201万ドル(前日比:-62%)
17日(金) 2,683万ドル(前日比:+22%)
18日(土) 2,924万ドル(前日比:+9%)
19日(日) 2,340万ドル(前日比:-20%)
「バットマン/ダークナイト」(=2億377万ドル)、「トランスフォーマー2」(=2億7万ドル)に続き、5日間で興収2億ドルを超える3本めの映画になる可能性も…との見込みも果たせず、結果的に5日間で約1億5,966万ドルを記録して、オープニング5日間の歴代興行ランキングで、シリーズ第6作めらしく第6位に落ち着いています。ちなみに第5位は「スパイダーマン3」(=1億6,944万ドル)、第7位「スパイダーマン2」(=1億5,241万ドル)なので、その間に食い込んだ「謎のプリンス」はクモの巣を引き裂いてしまった格好ですね。
以上のように、これまでシリーズ史上、5日間で最も売り上げた稼ぎ頭の前作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」の記録=約1億3,939万ドルを大きく更新し、同前作を5日間売り上げランキングの第10位に後退させた本作は、ことオープニング・ダッシュの勢いに関してはシリーズ最高の大ヒット作だと言えそうですが、通常のオープニング成績となる週末3日間の興行成績に限定して眺めてみると、「謎のプリンス」は約7,947万ドルで、「不死鳥の騎士団」のオープニング成績=約7,710万ドルをそれほど大きく超えている訳でもありません…。
冒頭に記した公開延期で、その前作「不死鳥の騎士団」から2年間も待たされ、禁断症状?!に陥っていたファンが封切りと同時に映画館に詰め駆けたのが、どうやら、オープニング大ヒットの要因で、最終的な「謎のプリンス」の興行成績は、シリーズの平均的な国内売り上げ約3億ドル手前辺りで売り止めとなり、シリーズ史上際立った大ヒット作に…というのは少し難しいのかもしれません…?!
ちなみに「ハリポタ」史上最高のオープニング成績はシリーズ第4弾「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005年11月18日/3,858館)が記録した1億2,68万ドルですが、水曜日公開に切り変わった「不死鳥の騎士団」より以前の作品は通常の金曜日初日公開だったので、あまり比較の対象にはなりません。
「ハリー・ポッター」シリーズ歴代興行収入(全世界トータル)
グラフ引用/ Slashfilm
「賢者の石」(2001年) 9億7,473万ドル(国内3億1,757万ドル)
「秘密の部屋」(2002年) 8億7,864万ドル(国内2億6,198万ドル)
「アズカバンの囚人」(2004年) 7億9,563万ドル(国内2億4,954万ドル)
「炎のゴブレット」(2005年) 8億9,592万ドル(国内2億9,001万ドル)
「不死鳥の騎士団」(2007年) 9億3,721万ドル(国内2億9,200万ドル)
↑ 「ハリポタ」シリーズ中、最も高い評価を得た「アズカバンの囚人」(監督はアルフォンソ・キュアロン)が、実は興行的には最も弱かった反比例の結果が一目瞭然となっています。その「アズカバンの囚人」よりもデキがよいと好評の「謎のプリンス」は果たして…?!
この「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の大成功を受けて、製作・配給のワーナー・ブラザースは、イチローのMLBオールスター9年連続出場の記録に並ぶ?!、9年連続で興行収入10億ドル突破の大記録を達成した唯一の映画スタジオになったことを、同社の配給部門の代表ダン・フェルマン氏が発表しています。
今年2009年は「スター・トレック」、「トランスフォーマー2」で、2者連続ホームランを放ったパラマウント映画に10億ドル突破の1番のりを果たされてしまっていたワーナー・ブラザースですが、その現在、映画会社別ランキングで首位に立つパラマウント=11億2,900万ドルに対し、わずか30万ドル差しかない11億2,870万ドルで第2位に着けているので、間もなくワーナー・ブラザースが首位を奪い返し、ハリウッド・メジャーの中の真のメジャーの立場を見せつけることは確実でしょう。ただし、ワーナー・ブラザースの歴代ヒット映画ランキング10本中の5本は、この「ハリー・ポッター」シリーズですから、「ハリポタ」終了後、それに代わる作品シリーズを見い出せなければ、ワーナー・ブラザースはハリウッドの王座から転落してしまうかもしれません…。シリーズ最終作「ハリー・ポッターと死の秘宝」を2分割して前後編に分け、延命治療を計った訳がよくわかりますね。
ということで、結果的には当初の期待ほどには大きく数字が伸びていない「ハリー・ポッターと謎のプリンス」ですが、いずれにせよ、前作「不死鳥の騎士団」の記録を更新する猛烈な大ヒット作であることは紛れもない事実で、映画史上最強のメガ・ブロックバスター・シリーズの実力をあらためて証明してくれました…ッ!!
↑ ハーマイオニーはホグワーツからアイヴィー・リーグのブラウン大学に進むそうです!!、秘密にしてたのに、ダニエル・ラドクリフにバラされてしまいました!!
★第2位の「アイスエイジ3」と、第3位「トランスフォーマー2」は、共に先週から動かず、同じ順位のままです。
公開3週めで285館が上映を終了した「アイスエイジ3」は、約36%の売り上げマイナス。「トランスフォーマー2」は公開4週めで、436館が他の映画にトランスフォームし、約43%のマイナスとなっていますが、共に今だ、下手すると、ちょっとショボい映画のオープニング成績並の数字を上げているのは、さすがですね!!
「アイスエイジ3」はオープニング興行で上映された1万1,652スクリーンのうち、約18%の2,126スクリーンだけが3D上映だったにも関わらず、オープニング成績の約34%の売り上げが、その3Dシアターで賄われていたそうです。
すでに飽きられ始めた…?!といった声も聞かれる3D映画ですが、そうした数字の実績を示されると、観客はやはり、多少の追加料金を払っても、3D上映の方を選ぶ傾向にあることがわかり、映画館・配給会社にとっては、3D料金の徴収効果が小さくないことが察せられます。よって、3D映画は飽きられだしたどころか、これからさらに増える可能性の方が高く、本当の3D映画ブームはこれから到来するのかもしれません…。
★先週初登場で首位を獲得したサシャ・バロン・コーエンのモッキュメンタリー・コメディ「ブルーノ」がいきなり第4位にまで転落しました…。
先週、前作「ボラット」(2006年)ほどにはもう大ヒットはしないだろう…と予測した本作ですが、「ボラット」の3週めの売り上げマイナス率が約48%(1週めが限定公開だったので、3週めが拡大興行の2週めにあたる)だったのに対し、「ブルーノ」は73%という、トンデモない急降下で、早くも週末の興行成績のトータルが1,000万ドルを切ってしまいました…。
結局、サシャ・バロン・コーエンは平凡な一般人を見下し、小バカにしているだけで、連発されるブラックなギャグの根底に世の中に対する何の批判も、メッセージもない、タダの悪ふざけ…という解釈の不快な見方の方が強くなってしまっているだけに、もう、まとまな人は興味本位でも「ブルーノ」を観ることはないだろう…といった読みがそのまま数字に出てしまったような感じです。
「ボラット」に続いて、「ブルーノ」もこれ1作で封印するサシャ・バロン・コーエンですが、次のお笑いの手は何か、考えているんでしょうか…?!
★第5位の二日酔いミステリーのハレンチ映画「ハングオーバー」と、第6位の「あなたは私の婿になる」は、先週の第6位と第5位が順位を入れ替えた結果となっています。
人気の高い「ハングオーバー」は公開7週めで、先週から約16%のマイナス。
気づくとアレヨアレヨと言う間に大ヒットになってしまったサンドラ・ブロックとライアン・レイノルズのラブコメ「あなたは私の婿になる」は公開5週めで約22%のマイナスです。単館のアベレージでは、「ハングオーバー」が約3,118ドルを稼いで、ひとつ上の第4位「ブルーノ」の平均売り上げ=3,035ドルを凌いでいるので、やはり、今夏のコメディ映画の覇者は「ハングオーバー」!!ということですね。
「あなたは私の婿になる」の1館あたりの成績は約2,726ドルでした。
★ジョニー・デップ主演のギャング映画「パブリック・エネミーズ」は、先週の第4位から約45%の売り上げダウンで、第7位に転落してしまいました…。なぜ今、ギャング映画なのか?!というのが、今ひとつ観客にはピンとこなかったようですね。
★ディズニー・ピクサーのアニメ「カールじいさんの空飛ぶ家」は先週と同じ第8位をキープ。公開8週めで495館が上映を終了し、約33%のマイナスです。
★ニック・カサヴェテス監督の感動映画「わたしの中のあなた」も、先週と同じ第9位ですが、こちらは公開4週め…。約34%の売り上げマイナスで、477館が打ち切りました…。興行の峠はすでに越えてしまっている本作ですが、現時点でのトータル成績、約4,150万ドルに、その越えたピークの痕跡などはどこにも見られません…。
★先週初登場第7位で、ダメなスタートを切った、「HEROES/ヒーローズ」の不死身のチアリーダー、ヘイデン・パネッティーアが主演する、クリス・コロンバス監督の青春コメディ「アイ・ラブ・ユー、ベス・クーパー」は14館が追加上映を始めてくれたものの、もはや手遅れの焼け石に水といった感じで、約46%の売り上げを落として、早くもギリギリの第10位…。DVDスルーにしとけば、フィルムのプリント代など、ムダなお金?!を使わずに済んだのに…、といった感じですね。
★今週末の全米公開映画は…、モルモットのマウスや、モグラ、ハエといった小動物?!がスパイとして訓練され、特殊部隊のGフォースを結成して世界の平和を守る、ディズニーとジェリー・ブラッカイマー製作によるCGと実写をハイブリッドしたガキ映画「Gフォース」が封切られるほか、プレス・ジャンケットを行なっていたビバリーヒルズのフォーシーズンズ・ホテルに“爆弾を仕掛けた!!”という脅迫電話が入り、急遽、主演のキャサリン・ハイグル、ジェラルド・バトラーをはじめ関係者一同と、大勢のプレスが近くのレストラン、イル・チエロに避難する騒ぎに見舞われたソニー・ピクチャーズのラブコメ「男と女の不都合な真実」(9月18日公開)が公開!!、また、孤児院から引き取った少女が恐ろしい素顔を隠し持っていた…ッ!!という、ダークキャッスル製作/ワーナー・ブラザース配給のチャイルド・ホラー「オーファン/みなしご少女エスターの戦慄」(副題はボクが冗談でつけているので、真に受けないでください)が登場します!!
「男と女の不都合な真実」の爆弾騒ぎは、“ソニピの宣伝部が話題作りに仕込んだやらせに決まってんじゃん!!”ということで大きなニュースにはなっておらず、レオナルド・ディカプリオがプロデューサーのホラー映画「オーファン」は、親がいないことで、タダでさえ厳しい状況に追い込まれている子どもたちがさらに迫害される差別の環境を作る反社会映画として、一部から批判されています…。
「Gフォース」はどうしようもないガキ映画ですし、何だか次回はダメダメな映画ばかりになってしまいそう?!といった感じですが、でも、まぁ、ハリー・ポッターも孤児で魔法使いなんですけど…ッ!!(笑)
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
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