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わらの犬-ジェームズ・マースデン

目から光線を出しさえすれば、野蛮な田舎者なんてイチコロですが、暴力反対主義なので、そんな皆殺しはできません…!!





ソニー・ピクチャーズ傘下のジャンル映画のレーベル、スクリーン・ジェムズがロッド・ルーリー監督を起用し、約2年前から企画開発を進めていた「わらの犬」のリメイク映画の主演俳優がジェームズ・マースデンに決定し、今夏8月から撮影を開始することになりました。
スコットランド人の作家ゴードン・M・ウィリアムズが1969年に発表した「トレンチャー農場の包囲」を原作とする「わらの犬」は、バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督の代表作の1本で、ダスティン・ホフマンが主演し、1971年に公開されたカルト作品です。予告編をご覧ください。



物語は、反戦運動の盛んだった当事のアメリカが粗野に変貌していくことに嫌気のさしたダスティン・ホフマン演じる数学者のインテリ野郎ディヴィッドが、スーザン・ジョージ扮する美しい妻エイミーと、のどかなスローライフを求め、イギリスの田舎に移り住みますが、期待に反して、野蛮な田舎者の村人たちからイジメに遭うことに…。平和主義者として、嫌がらせに穏便に耐え忍ぶディヴィッドでしたが、友人が殺され、妻がレイプされるにいたり、ついに彼の中の男の闘争本能に火がつき、狂気が爆発する…ッ!!、といった内容で、暴力と無縁でいられない人間の性を、ペキンパー監督が底意地悪くあぶり出した「わらの犬」は、そこいらのホラー映画よりも、よっぽど背筋がゾッとさせられる大傑作でした。


その「わらの犬」のキレるダスティン・ホフマン役を、リメイク版で演じることになったジェームズ・マースデンは、「X-MEN」シリーズの目から光線を出すサイクロプスや、「スーパーマン・リターンズ」(2006年)で、スーパーマンの恋人ロイス・レインの内縁の夫におさまり、恋敵となっていた人ですが、そうした大作に多く出ている割りには印象の薄い俳優です。しかしながら、歌って踊れる才能を魅せつけた「ヘアスプレー」(2007年)や、変テコな王子さまを絶妙のバランス感覚でコミカルに演じきったディズニー映画の大傑作「魔法にかけられて」(2007年)など、引き出しの奥が深い、類まれなる俳優です。そうしたジェームズ・マースデンにとっては、演技派の代表格とも言える名優ダスティン・ホフマンの足跡を引き継ぐのは、自分の実力を誇示し、存在感を増す絶好のチャンスとなり、果たして、ジェームズ・マースデンがどういったパフォーマンスを観せるのか?!という視点から、本来は不必要な、このリメイク映画への興味がかきたてられます。
リメイク版「わらの犬」の企画開発を当初から手がけ、製作もつとめる監督のロッド・ルーリーは、ジョーン・アレンが主演したポリティカル映画「ザ・コンテンダー」(2000年)で知られる人ですが、いわゆるプレイムゲート事件~ブッシュ政権の情報操作を告発した元外交官ジョセフ・ウィルソンの妻バレリー・プレイムがCIA秘密工作員であることを政府がマスコミにリークした~の余波で逮捕されたジャーナリストの実話を元に、ケイト・ベッキンセールを主演にしたサスペンス「ナッシング・バット・ザ・トゥルース(Nothing But the Truth)」(2008年)で、近年、評価が上がっているので、少し期待してもいいのかもしれません。
なお、リメイク版「わらの犬」では、イギリスの田舎者は野蛮で下品で強姦魔だッ!!というのは、さすがにちょっと問題なので、アメリカの南部の田舎者は野蛮で下品で、どうしようもない人間のクズだッ!!と、自分たちの国の中だけで物語を完結させるようです。
ジェームズ・マースデン以外のキャストの発表が楽しみな「新・わらの犬」は、2010年8月13日全米公開の予定です。

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