「ハンナ・モンタナ」が復活祭の玉子を独占!!
「ドラゴンボール」は玉が見つからず悲惨!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル成績 の順です。
第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
第1位「ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー」
$34,000,000-(3,118館)-$34,000,000
第2位「ワイルドスピード4」
$28,783,000-(3,472館)-$118,042,000
第3位「モンスターVSエイリアン」(7月11日公開)
$22,617,000-(4,136館)-$141,009,000
第4位「オブザーブ・アンド・リポート」
$11,140,000-(2,727館)-$11,140,000
第5位「ノウイング」(7月公開)
$6,670,000-(2,925館)-$68,006,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「アイ・ラブ・ユー、マン」
$6,412,000-(2,643館)-$58,997,000
第7位「ホーンティング・イン・コネチカット」
$5,710,000-(2,721館)-$46,297,000
第8位「ドラゴンボール・エボリューション」(公開中)
$4,650,000-(2,181館)-$4,650,000
第9位「アドベンチャーランド」
$3,433,000-(1,876館)-$11,450,000
第10位「デュプリシティ」(5月1日公開)
$2,997,000-(1,965館)-$36,848,000
★各映画の解説はこちらです。→
★日ごろ、神さまと言えば、貧乏神や厄病神、あるいはトム・クルーズぐらいしか縁がないので気にしていませんでしたが、この週末はイエスの復活を祝うキリスト教の大事な行事の復活祭=イースターでした。アメリカでは先週末の金曜日10日が復活祭初日の、いわゆる、グッドフライデーとして学校などはお休みとなり、週末が3連休となったことで、映画館は家族連れのお客さんをふだんよりも多く集客できるチャンスを迎えました。しかしながら、前回、「ワイルドスピード4」がいきなりの荒稼ぎをしてくれたせいで、映画興行は概ね好調だったにも関わらず、全体で約13%近く売り上げをダウンさせてしまっています。
そうした復活祭興行で、子どもたちがよろこぶイースター・エッグ探しの競争で
1番多く玉子を集め、1等賞を獲るようにランキングの首位に立ったのは…
★3,118館の映画館が、約4,200スクリーンで封切った、マイリー・サイラス主演のディズニー・チャンネルの人気ティーン・ドラマの映画版「ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー」でした!!
これまでにリリースした2枚のアルバムをビルボード・チャートの№1で、それぞれ初登場させたほか、昨2008年2月1日に1週間だけしか上映しないという真っ赤なウソの宣伝で、ファンや子どもを騙して封切ったコンサート・フィルム「ハンナ・モンタナ/マイリー・サイラス:ベスト・オブ・ボース・ワールズ・コンサート・ツアー」(5月16日公開)を、たった687館だけの上映ながらオープニング成績3,111万ドル、国内最終興行成績6,528万ドルを達成した、恐らく史上最も成功したティーン・アイドル、マイリー・サイラスの看板ドラマの映画化なので、本作のヒットについて、その理由や根拠を、今さら言及する必要はないですね。
ディズニーの発表では、本作の観客の約79%が女性で、約60%が18歳以下ということですから、まさにマイリー・サイラスを支持するファン層のローティーンの女の子たちが映画館に詰めかけた光景が想像できますね。なお、家族連れの割合は約66%だったそうです。
しかし、3,400万ドルという立派なオープニング成績を稼ぎ出したマイリー・ハンナ・モンタナ・サイラスですが、歴代のイースター興行での首位「最終絶叫計画4」(2006年4月14日公開/3,674館/製作費4,500万ドル/オープニング成績4,022万ドル/国内売上げ9,071万ドル/全世界トータル1億7,826万ドル)に及ばずに、常にトップを獲ってきたスマイリーがここでは第2位という順位に甘んじてしまいました。
また、この時期にこれだけのオープニング成績をあげた過去の作品は軒並み1億ドルを超える大ヒットになっているので、「ハンナ・モンタナ/ザ・ムービー」も大台を超え、スマイリーは女優としてマネーメイキング・スターの仲間入りを果たせそうな感じもしますが、同じディズニー・チャンネル発でオープニング成績4,200万ドルを達成した「ハイスクール・ミュージカル3/ザ・ムービー」(2008年)は意外に後が伸びず、1億ドルには届かない9,055万ドルで興行を終えているので、本作も元からいるファンが一巡して映画を観てしまえば、それでおしまい…という感じで、失速してしまう可能性は充分にありそうです。
なお、このオープニング首位を獲得するヒットのためにディズニーは、初日に映画の舞台である南部のテネシー州ノックスビルの映画館にマイリー・サイラスをサプライズで舞台あいさつに送り込み、歌を披露させたかと思えば、北米大陸をたぶんプライベート・ジェットで大移動し、同じ日に西部ユタ州ソルトレイクの映画館でもマイリー・サイラスが登場!!という、いつ、どこの映画館に生マイリーが出現するか?!わからないよッ!!というウワサをファンの間に口コミで広めさせるような宣伝プロモーションを行いました。運良くマイリー・サイラス、あるいはハンナ・モンタナに会えたファンはラッキーですけど、もしかして…ッ?!と期待してドキドキで映画を観に行ったのに、会えなかったファンはちょっとガッカリですね…。
「ハンナ・モンタナ」映画版の具体的な内容は、トップ・アイドルのハンナ・モンタナとしてスターダムにのし上がったものの、自分を見失いつつあるマイリーを、実の親父のビリー・レイ・サイラスが演じる親父のロビーが、これでは娘が道を踏み外してしまう…!!と危機を感じ、ふるさとのテネシーの牧場にマイリーを送り、そこで人生の現実の試練を味あわせ、生きることの意味を見出させようとする…といったものです。
テレビ・シリーズ同様、マイリー・サイラス自身を反映したようなリアリティ番組的なストーリーですが、15歳の娘が、股間モッコリのチンコのデカさで有名になった男性下着のモデルの恋人と自宅でSEXしまくるのはOKらしい現実のサイラス親子が、富と名声を追う以外に人生に大切なものがあるなどと、きれいごとを真面目に考えているとは、素直に受け取れない感じがします…。
本作の監督は、シャロン・ストーンが出演した不治の病いの少年の感動映画「マイ・フレンド・メモリー」(1998年)や、ウォーレン・ベイティとゴールディ・ホーンが主演の大傑作「バンクジャック」(1971年)ではなくて、名作「シャンプー」(1975年)でもなく、あまり知られていない「フォルテ」(2001年)で見事に最低映画賞のラジー賞監督賞を獲得した元俳優のイギリス人ピーター・チェルソムです。周防正行監督の傑作「Shall We ダンス?」(1996年)を、リチャード・ギアとジェニファー・ロペスでリメイク(2004年)してたのも、この人でしたね。よって、映画の内容に飛びぬけたものは期待はできず、本作はアイドル映画は、しょせんアイドル映画だよね…と思っておいていいのではないでしょうか。
★先週のビックリあ然のオープニング成績7,095万ドルを叩き出したセンセーショナルなデビューから、2週連続でポールポジションをキープすることがかなり期待されていた「ワイルドスピード4」ですが、残念ながら復活祭に家族でお出かけの観客を多く集めた「ハンナ・モンタナ」に首位をさらわれ、第2位にスローダウンしてしまいました。売り上げの低下率は約60%と大きな数字ですが、それでも基準となる元の数字が大きいので、2週めながら3,000万ドル近い2,878万ドルも稼いでしまっています。と、ここまでの大ヒットになれば当然、さらにレースを続けようか?!となる訳ですが、先週金曜日(10日)にラジオのヴァレンタイン・イン・ザ・モーニングにゲスト出演した主演のポール・ウォーカーが明かしたところによれば、すでに次回作の第5弾の脚本もほぼ完成に近づいているそうで、新たなレースの舞台は南米のブラジルになるとのことです。しかしながら、ポール・ウォーカーは先月3に別のインタビューで、次回作の舞台はヨーロッパになる…と言っていたはずなので、おいッ、ポール、ヨーロッパなのか?!、ブラジルなのか?!、ハッキリしろよッ!!という感じです。スーパーカー発祥の地ヨーロッパが舞台なら、ストリート・レースの場面としてはスゴイ車同士の対決が期待できそうですが、映画のベースとなるストーリーとしては、南米ブラジルの方が危険に満ちたスリリングな展開を期待できそうな気もします。ま、先週、お伝えした本作のマーケティング・データによれば、観客の半数はヒスパニック系ですから、そうした支持層に合わせ、舞台をヨーロッパからブラジルに変えることにしたのかもしれませんね。
なお、次の第5弾も当然、ヴィン・ディーゼルは主演し、引き続きポール・ウォーカーとコンビを組むそうです。中身はともあれ、様々な媒体が製作のユニバーサル映画を取材し、第5弾を作ることを確認しているみたいなので、とりあえず、「ワイルドスピード5」が製作予定のラインナップに置かれたのは事実のようです。
★顔面完全防御のプロテクターを装着してキャッチボールをしているのは…、政府が銀行に投入した公的資金をうまいこと横取りに成功した、今週第3位のドリームワークス・アニメの「モンスターVSエイリアン」で、モンスターの巨大女スーザンの声を担当しているリース・ウィザースプーンです。
先週からワンランク下がった本作ですが、公開から17日めでトータルの売り上げは早くも1億4,100万ドルを突破しています。
このペースはドリームワークス・アニメのドル箱の「シュレック」シリーズ3本と、昨2008年夏の大ヒット作「カンフー・パンダ」に次ぐ、同社史上第5位となるハイピッチです。「シュレック」シリーズは5月公開で、「カンフー・パンダ」は6月公開という、それぞれサマームービーでしたから、この春アニメの「モンスターVSエイリアン」の追い上げは凄まじいものがあり、2005年5月公開で同社のサマームービーだった「マダガスカル」の17日めの記録1億2,840万ドルをも上回っています。その「マダガスカル」の最終興行成績は1億9,359万ドルで、「カンフー・パンダ」は2億1,543万ドルでしたから、この「モンスターVSエイリアン」も2億ドル前後の数字をマークするのはまず間違いなさそうですね。
で、リース・ウィザースプーンがそうまでして顔面を守らなければならないほどの球を放るキャッチボールの相手はと言うと、彼女の9歳の娘エヴァちゃんと5歳の息子ディーコンくんです。写真は先週の金曜日(10日)に、UCLAで撮影されたもので、ボールは子どもたちがケガをしないようにソフトボールを使っていたようです。つまりは復活祭初日で学校がお休みのグッドフライデーに子どもたちと遊んであげていた訳ですが、さすがは女優!!というべきか、5歳の子どもとボール遊びをするだけなのに、完璧にすぎるほど念には念を入れた商売道具の顔への気の使いようです!!、しかし、人情としては、せっかく遊んでいるのに、子どもたちにお母さんの笑顔が見えないのはさびしい感じがしないでもありません…。
娘:「お母ちゃんな、そこまでせんでえぇと思うで…」
母:「あんたもお母ちゃんの仕事わかるやろ、女優は顔が命やねん」
娘:「でも、新しい映画はアニメで声優やんか…」
……とか語らっていたら、おもしろいですね…!!
★イースターにつきものなのは、繁殖が盛んで子だくさんなウサギの豊かさのイメージにあやかったシンボルのイースター・バニーですが、バニーと言えば、昨2008年の夏に、ちょっとエッチなコメディ映画の小品
「ハウス・バニー」(邦題「キューティ・バニー」7月3日DVDリリース)をヒットさせ、主演女優として躍進を遂げ、魅力を再評価されたアンナ・ファリスこそは、マイリー・サイラスでも破れなかったイースター・ホリデイの週末興行記録歴代第1位「最終絶叫計画4」(2006年)の主演女優です!!
そのイースターの女王アンナ・ファリスが全米№1コメディアンのセス・ローゲンと共演したブラック・コメディ「オブザーブ・アンド・リポート」は、男女のお笑いのトップが組んだ割りには少しダークすぎたせいか?!、初登場で第4位と大したことのないスタートとなってしまいました。
ただし、本作の製作費はわずかに約1,800万ドルなので、この頼りないオープニング成績でも最終的な興行の収支をオブザーブした結果は、確実に黒字としてリポートされそうです。また、セス・ローゲンはひとつ上の第3位の「モンスターVSエイリアン」の声優もつとめているので、BEST10ランキングに自分の作品を2本連続の順位で並べるという活躍を果たしています。
この「オブザーブ・アンド・リポート」は、セス・ローゲン演じる主人公が警察官志望のショッピング・モールの警備員という設定が、今年2009年初めから特大ヒットを記録したケヴィン・ジェームズのコメディ映画「ポール・ブラート/モール・コップ」と同じことから、何かと比較をされてしまっていますが、本作はむしろ、ロバート・デ・ニーロの「タクシードライバー」(1976年)を、現代風のコメディに仕立て直し、パロッた感がなきにしもあらず…といった作品です。
物語は、セス・ローゲン扮するロニーが警備主任をつとめるショッピング・モールに、コートの前をはだけてチンコをさらす変態の露出狂オヤジが出没し、かねてからロニーが思いを寄せていたアンナ・ファリスの化粧品販売員ブランディが正面からまともにオヤジのチンコを見るという被害に遭ってしまいます。このバカな出来事をチャンスと見たロニーは、あえて事件を大げさにし、ブランディに接近の口実にすると同時に、事件を解決して自分の優秀さを世間にアピールし、本物の警察官へ転進の踏み台にしようと試みます。しかし、ひとりよがりで誇大妄想のロニーの言動はエスカレートし、次第に現実離れをして、止まるところを知らず…。
と、ここでとりあえず、本作の予告編をご覧いただきたいと思います。
予告編の最後で、セス・ローゲンがアンナ・ファリスとエッチをしていましたが、お酒と薬物で意識を失ってしまった女性との性交渉は合意にもとづいておらず、よってセス・ローゲンのロニーの行いは強姦である!!と、本作はフェミニストの団体や、一部の識者から批判の突き上げを食らってしまい、現実のレイプ被害者の心理を逆なでする反社会的映画とレッテルづけられてしまいました…。
この倫理的な問題の勃発が、本作のオープニング成績が今ひとつ振るわなかったことに大きく影響したとはそれほど考えられませんが、セス・ローゲンは前作の「ザックとミリのポルノ作り」(2008年)でも、題名に“ポルノ”という単語が入っていたことが大きな障害となり、映画の内容を誤解されて、ヒットを導けなかったので、またエロネタの揚げ足をとられてしまったような格好です…。
しかし、このレイプ?!と言われる場面はよく観ると、セス・ローゲンがアンナ・ファリスに向かって、アレッ?!といった感じで驚いたように「ブランディ?!」と名前を呼んで声をかけ、腰の動きを止めているので、アンナ・ファリスのブランディはハナから意識を失っていたのではなく、セックスの途中にも関わらず寝ちゃった…ッ?!と、軽いお笑いとして考えることもできそうですよね。また、映画の設定では、ロニーはブランディの体目当てではなく、彼女に本気で恋をしていますし、アンナ・ファリスは腰の動きを止めたセス・ローゲンに向かって「なんで、やめんだよッ?!」と催促しています!!、とまぁ、多少のハレンチを売りにした大人向けのコメディ映画に対して、レイプだッ!!と目くじら上げて声高に叫んでも仕方がないような気がしなくもないのですが、アメリカではこうした映画の些細な描写が社会問題として、すぐに取り上げられてしまいがちです。それだけ真剣に映画を観てくれているということなのかもしれませんが、それにしては、この映画がマッチョな男らしさのバカバカしさを揶揄している側面は指摘してくれていないので、単にヒステリックだとも言えそうです…。とりあえず、この一件は覚えておいて、本作が追って日本公開された時には、セス・ローゲンのしていることはレイプなのか?!、ご自分のものさしで判断してみてください。
評価が個人により極端に大きく分かれ過ぎていて、何とも言えない…、つまりは好き嫌いがハッキリわかれてしまった本作の監督は、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年)の爆破のプロ、コディを演じていたダニー・マクブライドが主演した変なテコンドーのコメディ映画「ザ・フット・フィスト・ウェイ」(2006年)で注目されたジョディ・ヒルです。セス・ローゲンが脚本を執筆し、脇役で出演した、近年のアメリカ映画の最高傑作の1本である「スーパーバッド」(2007年)にジョディ・ヒル監督も出演していました。
ところで、セス・ローゲンは、ジェームズ・フランコとコンビを組み、昨年の夏に大ヒットさせた人気のアクション・コメディ「パイナップル・エクスプレス」の続編を製作する方向で話し合いを進めてることを、本作のプロモーション中に明らかにしています。その続編についてジェームズ・フランコは以前、前述の必見映画「スーパーバッド」の続編とミックスするプラン?!を考えているとして、両方の映画のキャラクターが入り乱れることになるだろう…などと言っていました。そして、それぞれの映画に当然、異なる役で登場したセス・ローゲンの扱いについては、どっちかの映画のキャラを殺せばいいよ!!なんて、ジェームズ・フランコはテキトーな発言をしています。セス・ローゲンもまた、今年のアカデミー賞授賞式で上映した「パイナップル・エクスプレス」をフィーチャーしたショート・フィルムで共演した、スピルバーグ映画の撮影監督ヤヌス・カミンスキーが続編では悪役で登場する!!などとバカなことを言っています…。本当にそれらが全部、実現すれば、ハチャメチャでおもしろそうですが、「パイナップル・エクスプレス」の続編の話題は冗談のジョークですよ…と思っておく方が、今のところはまともな感じですね。
32歳になって、ようやく女性としての美しさが世間に認められたアンナ・ファリスも、セルフ・プロデュースした「ハウス・バニー」の続編を検討中だそうです。
続編では、お払い箱になったバニーガールのシェリーが歌手デビューを目指す物語にしたいそうですが、果たして、アンナ・ファリスの歌を聴きたがる人が世の中にいるのか?!は疑問で、思案の最中だそうです…。
★第5位のニコラス・ケイジ主演の大予言SFスリラー「ノウイング」と、第6位の男が主役のラブコメ「アイ・ラブ・ユー、マン」は順位の並びを保ったまま、先週の第4位と第5位から、それぞれワンランク・ダウンです。
共に公開4週めとなる両作ですが、「ノウイング」は398館が、この週末に撤退したのに対して、「アイ・ラブ・ユー、マン」は186館が終了と、坂を下るペースに微妙な差がついています。実際のところ、単館での売り上げを比較すると、「ノウイング」が2,280ドル稼ぐ間に、「アイ・ラブ・ユー、マン」は2,426ドルを売り上げているので、順位は逆転してしまいます。しかし、どちらの作品も「ノウイング」=マイナス18%、「アイ・ラブ・ユー、マン」=マイナス17%と、売り上げの目減りが小さく、ジャンルの異なる作品同士がそれぞれの観客を集め、共存しているようです。
★実話と称する映画のモデルになった幽霊屋敷に幽霊が出たことはなく、現実は普通に人が暮らしているだけの嘘つきホラー「ホーンティング・イン・コネチカット」は、先週の第3位から約40%の売り上げを落として、第7位に転落しました。
本作で悪霊と戦う一家の母を演じた主演のヴァージニア・マドセンは、オリンピック競技の中で、今だ唯一、女性選手の参加が認められていないスキージャンプの運営方針を改め、女性にもジャンプさせろ!!とIOCに抗議するドキュメンタリー映画「ファイティング・グラヴィティ」の製作に協力するそうです。
ヴァージニア・マドセンは、昨2008年3月に“タイトル9”という、1972年に制定された男女の機会平等を保障する連邦法を名前にした自身の製作プロダクションを立ち上げ、女性の高齢者の生き様を追ったドキュメンタリー映画の製作も進めています。そんなフェミニストのヴァージニア・マドセンが、第4位の「オブザーブ・アンド・リポート」で意識喪失中?!のアンナ・ファリスにエッチなことをしたセス・ローゲンのことをどう思うのか?!、ちょっと意見を窺ってみたいですね。
★鳥山明の原作コミックを“進化”=“Evolution”させたと言い張ってきた「ドラゴンボール・エボリューション」は、その進化の成果を多くの観客に観届けてもらえず、オープニング興行の売り上げがたったの465万ドルだけ…という無様な結果を晒した初登場第8位となってしまいました…。
日本ですでに封切り済みの本作は内容の説明を省きますが、先週、お伝えしたように、本作の実際の製作費は世間で言われている1億ドル超の半分以下の約4,500万ドルだと明らかになっています。もし、本当に1億ドルだったなら、この全米オープニング成績ではプロデューサーは自分で首を吊るか?!、あるいは暗殺されかねない?!、最悪の状況ですが、4,500万ドルでも、本作が大失敗作のムービー・ボムであることには変わりありません。アメリカでそこそこヒットすれば利益の出る可能性のあった本作の現在までの全世界での売り上げトータルは2,996万ドルなので、アメリカがダメとなった以上、数字がそこから大きく伸びる見通しはなく、興行では赤字確定と言い切って、もう差し支えないかもしれません。
この週末の単館アベレージの売り上げも2,132ドルに本作はとどまり、ひとつ上の公開3週めで失速中のホラー映画「ホーンティング・イン・コネチカット」の同売り上げ2,098ドルとそんなに変わらない水準です。
ネット上でとにかく話題にされた「ドラゴンボール・エボリューション」ですが、その露出度の高さにまったく反比例した結果が出たことで、ネットでの盛り上がりと興行の集客は別ものというセオリーがまた証明されてしまいましたね。
来週にはランキングから消えていなくなりそうな本作ですが、このつまずきで、しきりにアピールされてきた続編の話は潰えてしまうのではないでしょうか?!
★第9位の“A”から始まる青春アルバイト映画「アドベンチャーランド」は、先週の初登場第6位から、スリーランク・ダウンで、売り上げを約40%落としています。
爆発的大ヒットのヴァンパイア映画「トワイライト・サーガ」(公開中)のヒロイン、
クリステン・スチュワートが主演しても、吸血鬼が出ないとダメなようですね…。
★ Cinemablend.Com のヘッド・ハンチョ、ジョシュ・タイラーに、ダニエル・クレイグが主演する次の007映画第23作めの監督の候補に上げられている…などとテキトーなウワサ?!をデッチ上げられたトニー・ギルロイ監督の「デュプリシティ」は、ジュリア・ロバーツの本格主演作として期待されましたが、結局、盛り上がりを見せないまま、公開4週めで557館が撤退し、先週の第7位から売り上げを約28%ダウンさせ、崖っぷちの第10位となってしまいました…。
同日公開だった「ノウイング」と「アイ・ラブ・ユー、マン」が手を取り合うように並んで好調を持続してるのに対し、仲間はずれに遭ってしまったような感じです。
007映画の監督にトニー・ギルロイを…というデマの発想は、トニー・ギルロイがマット・デイモンの「ボーン」シリーズのシナリオを担当している脚本家だから…という、スパイつながりの連想からだと推察できそうです。
トニー・ギルロイは、必ず美女のボンドガールと絡む、絶対にマティーニを飲む、スパイなのにいつもダンディでお洒落、王様のアイディアみたいな秘密兵器を使う…といった、古典芸能のようにお約束事をたくさん抱えた007シリーズへのアンチテーゼとして、リアリズムを前に押し出した「ボーン」シリーズを執筆したので、そんなアンチ・ジェームズ・ボンド派のトニー・ギルロイが007映画を監督するというのはユニークなアイディアです。しかし、「ボーン」シリーズと比較され、その影響を大きく受け入れた結果、007シリーズは現代的によくなった反面、本来のシリーズらしさを失った…という賛否両論の意見が対立しているので、トニー・ギルロイのような立場の人にメガホンを持たせるのは、仮りにそういう動きがあるとするなら慎重な決断が求められるでしょう…。ま、007映画の新作第23弾は2011年公開予定なので、監督の人選などの進展はもう少し先になるように思われます。
★この週末はイースターのお休みということで、家族向け映画にお客さんが集中し、地味な映画の出番はないということか?!、限定公開の封切り作品は少なく、特に紹介したい映画はないのでパスです。
さて、今週末の全米公開ですが…、前作では毒を盛られ、常にアドレナリン全開でないと死んでしまう絶対絶命の危機に追いつめられたジェイソン・ステイサムの殺し屋シェヴ・チェリオスが、今度はすぐにバッテリーが切れそうになる中国製のパチもの人口心臓を埋め込まれてしまい、充電をくり返しながら闘う第2弾「アドレナリン2/ハイボルテージ」がついにフルチャージで登場するほか、「フレンズ」のマシュー・ペリー演じるダメおやじの身に奇跡が起きて若返り、人生をやり直そうとするのはいいけれど、若返ったら「ハイスクール・ミュージカル」の超男前ザック・エフロンになりましたよ!!という、ざけんなよッ!!、オッサン!!と言いたくなるファンタジー映画「セブンティーン・アゲイン」が公開!!、また、今週第10位の「デュプリシティ」の監督トニー・ギルロイがイギリスのテレビ・ドラマ「ステート・オブ・プレイ/陰謀の構図」を映画用に書き直し、ラッセル・クロウとベン・アフレックが主演した社会派サスペンス「ステート・オブ・プレイ」(邦題「消されたヘッドライン」)も封切られます!!、そして限定公開では、昨2008年のサンダンス映画祭で大絶賛された本格派の近未来SF「スリープ・ディーラー」が、ついに一般公開される予定です!!、ザック・エフロンが、ジェイソン・ステイサム、ラッセル・クロウといったオッサンたちを抑えて、初登場首位をゲットするのか?!、乞うご期待です!!
という訳で、オマケの動画は「アドレナリン2/ハイボルテージ」から、豪快にコリー・ハイムを投げ飛ばすエイミー・スマートで今週の気合いを充電してください!!
では来週もお楽しみにッ!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
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