************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************

春公開の映画では史上最大4,104館上映で

「モンスターVSエイリアン」が当然の第1位!!


モンスターVSエイリアン-トップ

*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル成績 の順です。

第1位モンスターVSエイリアン    第2位ホーンティング・イン・コネチカット     第3位ノウイング    第4位アイ・ラブ・ユー、マン     第5位
デュプリシティ

第1位モンスターVSエイリアン」(7月11日公開)
   $58,200,000-(4,104館)-$58,200,000
第2位ホーンティング・イン・コネチカット
   $23,010,000-(2,732館)-$23,010,000
第3位ノウイング」(今夏公開)
   $14,705,000-(3,337館)-$46,220,000
第4位アイ・ラブ・ユー、マン
   $12,600,000-(2,717館)-$37,007,000
第5位デュプリシティ」(5月1日公開)
   $7,556,000-(2,579館)-$25,639,000


第6位レース・トゥ・ウィッチマウンテン-星の国から来た仲間     第7位12ラウンド     第8位ウォッチメン     第9位テイクン     第10位
ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト-鮮血の美学

第6位レース・トゥ・ウィッチマウンテン」(7月公開)
   $5,637,00-(3,268館)-$53,295,000
第7位12ラウンド
   $5,300,000-(2,331館)-$5,300,000
第8位ウォッチメン」(公開中)
   $2,755,000-(2,010館)-$103,296,000
第9位テイクン
   $2,700,000-(1,961館)-$137,074,000
第10位ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト/鮮血の美学
   $2,611,000-(2,251館)-$28,459,000


各映画の解説はこちらです。→ 




今月3月は低空飛行状態だった全米映画興行ですが、最終週でついに今年2009年最大のオープニング・ヒットをかっ飛ばした作品が現れ、先週(20日~22日)から全体で一気に約43%も売り上げを伸ばしたほか、前年度同時期と比較しても約50%の大幅増を達成することが出来ました!!、そんなモンスター級の大当たりをしてくれたのは…

モンスターVSエイリアン5月から8月のサマーシーズンに公開されるブロックバスター映画を除けば、史上最大規模のワイドなモンスター・リリースとなる4,104館で公開されたパラマウント/ドリームワークス・アニメの3-D/CGアニメ「モンスターVSエイリアン」でした!!
4,104館公開というのは、近代アメリカ映画の興行の歴史においても13番めとなる巨大な規模のもので、このオープニングの週末では、その4,104館がおよそ7,000スクリーンで本作を上映しましたが、そのうち、1,550館の3Dシアターが約2,000スクリーンで3-D上映を行い、2ドルから3.5ドル程度の3D割り増し料金を徴収しています。
そのような状況でかき集められたオープニング興行の売り上げ5,820万ドルは、歴代の3月公開映画の中で、「300」(2007年3月9日公開/3,280館/製作費6,500万ドル/オープニング成績7,088万ドル)、「アイス・エイジ2」(2006年3月31日公開/3,969館/製作費8千万ドル/オープニング成績6,803万ドル)に続く第3位に着ける好成績で、振り返ってみれば、期待に応えられず空振りした「ウォッチメン」ではなく、「モンスターVSエイリアン」が今春の全米映画興行の主役となってしまいました。また、3-D映画としても本作は、ロバート・ロドリゲス監督の「スパイキッズ 3-D/ゲームオーバー」(2003年7月25日公開/3,388館/製作費3,800万ドル/オープニング成績3,341万ドル)、「ベオウルフ/呪われし勇者」(2007年11月16日公開/3,249館/製作費1億5千万ドル/オープニング成績2,751万ドル)などを軽く抜いて、3-D映画史上歴代第1位のオープニング成績をマークし、ひとまず3-D映画のトップの座にも君臨しています。
共同で本作の監督をつとめた、「シャーク・テイル」(2004年)のロブ・レターマンと、「シュレック2」(2004年)のコンラッド・ヴァーノンによれば、この「モンスターVSエイリアン」のコンセプトは、“なつかしい50年代のモンスター映画や、SF映画のテイストをアニメで現代に復刻させよう!!”だそうで、ストーリーはモンスターの哀れな面をアニメらしく単純におもしろく描いています。
主人公となるのは、墜落してきた巨大な隕石に激突され、奇跡的に無事だったものの、隕石の秘めた未知の宇宙パワーのおかげで、結婚式の最中に15メートルの「ジャイアント・ウーマン」(1993年/ダリル・ハンナが巨大化)になってしまった巨大花嫁のスーザン。大女のモンスターになったスーザンは軍に捕らえられ、緊急時に備えて密かに組織されていたモンスター軍団のメンバーにされてしまいます…。ゼリーみたいなスライムのボブや、ゴキブリの博士、半魚人、体長100メートルの虫といった変な連中の仲間となったスーザンは、突如、地球を侵略しに来たエイリアンの巨大ロボットを撃破した功績で、家に帰ることを許されますが、夫になるはずだった婚約者のデレクは彼女を大女のバケモノとして拒否し、自分では当然そんな風に思っていないスーザンはショックを受けることに…。と、そんな彼女の前に倒したはずのエイリアンのUFOが再び現れ、スーザンは誘拐されてしまいます!!、果たして、モンスター軍団はスーザンを救出することが出来るのか?!、そして、スーザンと彼女の仲間のモンスターたちは、けしてバケモノなんかじゃない!!と世間は理解をしてくれるのか?!
「妖怪巨大女」(1958年)の現代版スーザンの声を担当しているのは、身長1m56cmの小柄なリース・ウィザースプーン。粘着質なスライムのボブは、最新作の「グリーンホーネット」のキャストにチャウ・シンチーを粘着させられず、去られてしまい、相棒を失った全米№1コメディアンのセス・ローゲン。半魚人のミッシング・リンクは、ウィル・フェレルの「俺たち…」シリーズに連続して出ていたウィル・アーネット。マッド・サイエンティストのコックローチ博士は、「スチュアート・リトル」シリーズのリトル家のお父さん、ヒュー・ローリーです。そして、モンスター軍団を指揮するモンガー将軍の声を担当したのは24時間闘っているジャック・バウアー。よく見ると軍服の右胸ポケットの上になぜか?!、「シュレック」のバッヂを着けています。敵のエイリアンの声は、「トランスフォーマー2」(6月公開)に出ている「ザ・ロッカー」(2008年)のレイン・ウィルソンです。大統領は、今年はアカデミー賞の予想を外してしまったスティーヴン・コルベア。スーザンのいい加減な婚約者デレクは、第4位の「アイ・ラブ・ユー、マン」ではラシダ・ジョーンズと結婚しようとしているポール・ラッドですね。また、レニー?、それともレネー?、名前の表記がバラバラなゼルウィガーも声優をつとめていますが、ブリジット・ジョーンズはロブ・レターマン監督の前作「シャーク・テイル」でも声優をつとめていたので、友情出演かもしれません。
理由は不明ですが製作中は非公開だった本作の脚本家は、パラマウント/ドリームワークス・アニメが昨2008年の夏に大ヒットさせた「カンフー・パンダ」のジョナサン・エイベルとグレン・バーガーのコンビに、「ザ・ロッカー」(2008年)のマヤ・フォーブスとウォーレス ウォロダースキーが加わり、監督コンビの考えたストーリーをシナリオ化したので、合計すればトータルで6人がかりで執筆しています。
本作の製作費は推定で約1億6,500万ドルですが、オープニング成績の5,820万ドルは、「カンフー・パンダ」の同成績6,023万ドルにかなり近い数字なので、「カンフー・パンダ」の国内売り上げ2億1,543万ドルを超えるのは厳しいとしても、2億ドルに迫る数字は上げられそうですし、「カンフー・パンダ」が全世界で6億3,190万ドルを稼いだ実績を踏まえると、この「モンスターVSエイリアン」も充分に採算は取れていけそうな感じですね。

モンスターVSエイリアン予告編




ホーンティング・イン・コネチカット2,732館が3,500スクリーンで上映し、初登場で予想よりも上のランキングの第2位でスタートを切ることができた「ホーンティング・イン・コネチカット」は…、
病気の息子の療養のため、コネチカットの穏やかな田舎に引っ越した家族が移り住んだ家は、かつて降霊会が行なわれていた呪われた家だったッ!!というゴーストハウスもののホラー映画です。
本来ならば期待以上の成績のヒットを讃えてあげたいところですが、この映画がヒットすると大きな迷惑を被る人たちがいるので、少し複雑なところです…。
と言うのも、この映画は実話ですよと宣伝されている本作の舞台となった幽霊屋敷には、現在も普通に人が暮らしていて、この映画のおかげで家族は新たな恐怖と直面しているからですッ!!

コネチカット州サジントンの田舎に今から約10年前に家を買い、家族と移り住んだスーザン・トロッタ=スミスが、AP通信の記者パット・イートン=ロブの取材に応じて語ったところによれば、「『ホーンティング・イン・コネチカット』のおかげで何もかもが変わってしまった…」とのことで、「のどかな環境で静かに暮らしていたのに、今では始終、家の前の通りにクルマが止まっていて、誰かが家の方を覗き込んでいるの…」と、彼女は困惑を隠せないでいます。
つまり、スーザンと家族が幸せに団欒を過ごしている家こそは、本作の心霊事件が起きたとされる幽霊屋敷であって、映画の封切りが近づき、話題が広まるにつれ、噂の屋敷をひと目見ようと、家を訪れる見物人が絶えなくなり、スーザンたちはプライバシーを侵害される恐怖に落ち着かない毎日を過ごしている訳です。
このホラー映画「ホーンティング・イン・コネチカット」は、衛星放送やケーブルTVに番組を配信しているディスカバリー・チャンネルが製作した心霊ドキュメンタリー「ホーンティング」シリーズが2002年に放送した番組を映画化したもので、同番組の内容は、80年代当時に、現在スーザンらが暮らす、元は葬儀社だった屋敷に住んでいたスネデカー家の家族が遭遇した恐ろしい心霊体験を紹介したものです。幽霊屋敷の怪現象に悩まされたスネデカー家は当時、やはり、ホラー映画「悪魔の棲む家」のモデルとなったロングアイランドのアミティヴィルの屋敷を調査したことで有名な心霊研究家のエドとロレインのウォーレン夫妻を家に招き、悪霊の存在を確認するなどしてもらっています。
その実話とされるディスカバリー・チャンネルの心霊番組を映画化することを思いついた本作のプロデューサー、アンドリュー・トラパーニは、映画を作るにあたり、実際に幽霊屋敷で悪霊に襲われたと証言しているスネデカー家の妻カーメンのコンサルティング協力を得ており、トラパーニは、「彼女は嘘をつかない信頼できる人物だ…」と述べ、「映画の内容は現実に起きた出来事をかなり忠実に再現できていると、カーメンからのお墨付きをもらった…」と、映画の出来栄えを誇っています。トラパーニは、この不吉な映画のせいで現在の住人であるスーザンたちに迷惑がかからないように配慮した…と、登場人物の名前や、呪われた家の場所などは架空のものにしていますが、本作の公式サイトでは、スネデカー家の心霊事件とサジントンの家について触れているため、ちょいとググるだけで容易にスーザンの家を探し出すことが誰にでも出来てしまったことから、今回のトラブルは端を発しています。
トラパーニは、見物客がスーザンの家に押しかけていることについて、「それは意図したものではなく、想像以上に、この映画の幽霊屋敷の話題が盛り上がってしまった…」と答えていますが、今後、不心得者が勝手にスーザンの家に上がりこむなどの事件に発展した場合の責任は取ることができるのでしょうか…?!
スーザンは、「多くの人は節度を守って、通りから家を見たり、写真を撮っているだけだけれど、中には玄関までやって来て、子どもらに、この家は呪われている、幽霊が出るなどの恐ろしい話をして怖がらせていく人がいる…」と不安を語っています。もちろん、前述のように、のどかな環境で静かに悠々と暮らしていたスーザンたちが悪霊に悩まされていないのは言うまでもなく、実話とされる本作の“実話”自体がフィクションだったと言うのが、真の“実話”のようです。
こうした一歩間違えば事件になりかねない状況に、警察はスーザンら家族と密に連絡を取り、パトロールを強化するなどの対応を講じてはいますが、スーザンは家の周囲に柵をめぐらせるのは性に合わず、嫌だ…と語っています。
しかし、このように本作が予想外にヒットしてしまうと、スーザンは自分と家族のプライバシーと身の危険を守るために、考えを変えざるを得ないかもしれません。
無責任な宣伝で、関係のない市民の生活に迷惑を及ぼしてしまうような映画はヒットしない方がいいように思います。

この「ホーンティング・イン・コネチカット」の嘘の実話を、嘘の脚本にまとめたのは、ブラッド・ピットのシリアル・キラー映画「カリフォルニア」(1993年)を執筆したティム・メトカーフです。監督は新人のピーター・コーンウェルという人。
「サイドウェイ」(2004年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたヴァージニア・マドセンが主演し、スネデカー家の妻カーメンをモデルとした役を演じています。ヴァージニア・マドセンは、やはり、ホラー映画の「ホーンティング」(1999年)にも出ていたので、いずれ、映画ファンの記憶はこんがらがってしまいそうですね。
下 ↓ に本作の動画を3本あげておくので、スネデカー家の妻カーメンが“映画は現実をかなり忠実に再現できている”の言葉が本当か?!どうか?!、ちょっと考えてみてください。本来の予告編はココにあります。好評なんだか?!、不評なんだか?!、よくわからないけれど、とりあえずウケて、映画のヒットに貢献している気味の悪いモーション・ポスターはこちらです。

どうして鳥が…ッ!!



ポ、ポッ、ポルターガイストが…ッ!!



シャワールームで、春巻きにされるなんて…ッ!!




もし、オファーしてくれれば、よろこんで「ダークナイト」(2008年)の続編となる「バットマン3」で、ヒース・レジャーの後を継ぐ悪役を演りたい…などと、恐れ多いカン違い発言をしていたニコラス・ケイジが主演のSF大予言スリラー「ノウイング」は、先週の初登場首位から約4割の売り上げを落とし、第3位に後退してしまいました。モンスターとエイリアンは仕方ないにしても、悪霊にまでとり憑かれるのは想定外だったのでは?!、とは言え、製作費5,000万ドルに対して、2週で4,622万ドルですから、最終的な収支はちゃんと黒字が出そうで、この手の少しマニアックなスーパー・ナチュラルものとしては大いに健闘してると言えそうです。
で、下 ↓ の写真は、ディズニーの来年2010年のサマームービー「ソーサラー’ズ・アプレンティス」(The Sorcerer’s Apprentice=魔法使いの見習い)をニューヨークの地下鉄で、先週の木曜日(26日)に撮影していたニコラス・ケイジと、ジェイ・バルチェル(「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」2008年)の様子です。
この映画はディズニー・アニメの名作中の名作「ファンタジア」(1940年)の中で、ミッキーマウスが主演の“魔法使いの弟子”のパートを、現代のニューヨークを舞台に置きかえ、長編実写化するものです。そうしたコンセプトからしても、プリンセス・エイミー・アダムスの大傑作「魔法にかけられて」(2007年)に続く、ディズニーの名作アニメの実写化第2弾と言える作品なのですが…。ご覧のニコラス・ケイジの魔法使いぶりが、いかにもニコラス・ケイジらしい、ひとりよがりの自己陶酔が見え見えのバカみたい!!と、すでに物笑いのネタにされてしまっています…。果たして、どうなるのか?!、前途多難な「ソーサラー’ズ・アプレンティス」ですが、この変な魔法使いにバットマンからのお呼びがかかるとは到底、あり得そうもない話です。近年、おかしな言動をくり返し、変人化が進むニコラス・ケイジの頭の中では、1988年に主演した「バンパイア・キッス」の中で食ったゴキブリの卵が繁殖をしてるのか?!、なんて、ゴシップ誌に書かれていたようですが…、う~ん、「モンスターVSエイリアン」のゴキブリ博士よりもモンスターな感じです…!!

ソーサラーズ・アプレンティス-ニコラス・ケイジ


結婚式で花嫁が巨大化し、モンスターになってしまったポール・ラッドが、お次はラシダ・ジョーンズとの婚約にこぎつけたものの、結婚式で付添い人を頼める男の友だちがいないことから、いい歳こいて、親友探しを始めるコメディ映画「アイ・ラブ・ユー、マン」が、巨大女に押しつぶされて先週の初登場第2位から第4位にへこんでしまいました。しかしながら、すこぶる好評な本作は映画の格付けサイト、RottenTomatoes で、一般からは90%もの高い支持を得ており、売り上げの縮小は約29%と少なめになっています。
アイ・ラブ・ユー、マン-ラシダ・ジョーンズ本作でポール・ラッドの婚約者となる素敵な女性ゾーイを演じている、本当に素敵な女性のラシダ・ジョーンズ(←)は、なんと脚本家としてデビューすることが決まりましたッ!!、「シリアナ」(2005年)などに出演していたウィル・マコーマックと共同で書き上げたロマンチック・ドラメディのシナリオ「セレステ・アンド・ジェシー・フォーエバー」が、20世紀FOX傘下のFOXアトミックで映画化されることになり、ラシダ・ジョーンズは自分で主人公のセレステを演じて主演する予定です。
同映画の内容は、離婚してしまったセレステとジェシーの元若夫婦が仲たがいするのではなく、お互いに新たな理想の相手を追い求める過程で支えあう親友になっていくという、男女の関係を新しい切り口から描いた作品だそうです。ラシダ・ジョーンズらしい雰囲気のいい作品になりそうですね。ちなみに、ご存知ない方のために付け加えておきますが、ラシダ・ジョーンズのジョーンズは、大島渚監督の「愛のコリーダ」(1976年)にインスパイアされた同名の歌のヒットで知られるブラック・ミュージックの大家クインシー・ジョーンズのジョーンズです。お母さんは「ツイン・ピークス」に出てた女優のペギー・リプトンです。親友はレオナルド・ディカプリオで、お笑いの相方は、この間、ショーン・ペンとデートして、ホテルの部屋でヤッてしまったのがマスコミにバレたのが痛いナタリー・ポートマンですね。ナタリー・ポートマンとショーン・ペンが本気でエッチしてるところなんて、あまり想像したくありませんが、ナタリー・ポートマンは根っからゲテモノ好きなんだと思います…。

ジュリア・ロバーツ演じる元CIAの女エージェントと、クライヴ・オーウェンの元英国諜報部員という、お互い嘘には長けたカップルが詐欺師として共謀し、企業秘密を盗んで、ひとやま当てようとする、おしゃれなロマンチック・ミステリー「デュプリシティ」も、モンスター、エイリアン、怨霊に襲いかかられ、先週の第3位からキッチリと新作2本ぶんの2ランク・ダウンで第5位に後退してしまっています。
単に新作に押されての後退ならば仕方ないのですが、本作は先週からの売り上げのダウン率が約46%と予想外に高く、その数字では口コミが効いていないのは明らかで、どうやら早くも期待されたような息の長いロング・ヒットにはなれなさそうな気配が濃厚となってきました…。ジョージ・クルーニーの社会派サスペンスの傑作「フィクサー」(2007年)のトニー・ギルロイ監督の第2作めとなる本作は、前作同様にクオリティの高さが絶賛されており、映画の格付けサイト、 RottenTomatoes では評論家からは71%の支持を得られていますが、一般からは57%しか賛同を得られていません。「フィクサー」もそうであったように、トニー・ギルロイ監督の作品は玄人ウケで、映画通にしか良さを見抜いてもらえないのかもしれませんね。後はジュリア・ロバーツのスター・バリュー頼みで海外市場での飛躍を期待したいところです。

第6位と第7位にプロレスラーが主演の映画が並ぶという、ちょっとおかしな珍現象が起きています。第6位は、プロレスラーのザ・ロックことドウェイン・ジョンソンと、「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)でジョニー・デップと共演してた、かわいいアナ・ソフィアロブちゃんが主演する、公開3週めのディズニーの家族向けSFアドベンチャー「レース・トゥ・ウィッチマウンテン」ですが、明らかに観客層がダブっている「モンスターVSエイリアン」にゴッソリと集客をさらわれ、81館が追加上映を始めた効果もなく、いきなり56%も売り上げをダウンさせられ、先週の第4位から2つ順位を落としています。
12ラウンドその「レース・トゥ・ウィッチマウンテン」よりも、さらにひとつ下の第7位での初登場という不甲斐ないデビューで、いきなりザ・ロックにピンフォール負けしてしまったのは、同じWWEの人気プロレスラー、ジョン・シナが主演したアクション映画「12ラウンド」です。オープニング成績で、たったの530万ドルしか稼げていません。「レース・トゥ・ウィッチマウンテン」のオープニング成績は2,440万ドルでしたから、「12ラウンド」はその5分の1ぐらいの成績ということになり、まぁ、ハナからディズニー映画と、畑違いのプロレス団体WWE傘下の映画製作プロダクション、WWEスタジオの映画では格が違いすぎて、比べようもないと言われてしまいそうです。
しかし、このマイナーなアクション映画「12ラウンド」の監督は、フィンランド人のレニー・ハーリンです。レニー・ハーリンは共に大作の「カットスロート・アイランンド」(1995年)、「ロング・キス・グッドナイト」(1996年)を2本連続失敗して干される以前は、「ダイ・ハード2」(1990年)や、「クリフハンガー」(1993年)といったブロックバスター映画のヒットメイカーとして活躍し、近年も「マインドハンター」(2004年)や、「ザ・クリーナー/消された殺人」(2007年)など、それなりにおもしろい映画は作っているので、この「12ラウンド」もしっかりと楽しめそうな感じがなくもありません。
物語は、下 ↓ の予告編を観てもらえば一目瞭然なのですが、ジョン・シナ演じる警察官のダニーが手配中のテロリスト、マイルスを追い詰め、捕らえようとしたところ、逃げ出したマイルスの恋人が事故で亡くなってしまいます。その1年後、逆恨みされたダニーは、マイルスに恋人モリーを誘拐されてしまい、大切な彼女を返してほしければ、12の危険なゲームをクリアしろと要求されることに…ッ!!
恋人モリーを演じているのは、テレビ・シリーズ「ダーク・エンジェル」で共演してたジェシカ・アルバと、「イントゥ・ザ・ブルー」(2005年)でも共演し、水着姿を張り合っていたアシュレイ・スコットです。「キングダム/見えざる敵」(2007年)にも出演していました。
悪役のマイルスを演じているのは、「シャンハイ・ナイト」(2003年)ではジャッキー・チェンと対決していたイギリス人のアイダン・ギレンです。
脚本を執筆したのは、これがデビューとなる新人のダニエル・クンカです。
ジョン・シナの前作「ネバー・サレンダー/肉弾凶器」(2006年10月13日公開/2,545館/製作費2,300万ドル)は、オープニング成績が713万ドルの興行ランキング初登場第3位で、国内での最終的な興行成績は1,884万ドル。それを含めた全世界での売り上げは2,216万ドルでした。その低調だった前作にさえ及ばないスタートを切った、この「12ラウンド」は、来週にはサッサとBEST10圏外に消えているのは間違いなさそうですが、前作の興行も明らかに大赤字だったと思われるのに、主演第2弾が作られるというのは、DVDや、各テレビでの放送権料などを含めたトータルで何とか帳尻が合えばよいという考え方なんでしょうね。要はDVDスルー映画をリリース前に劇場公開してるようなものかもしれません。
ジョン・シナはマーベルが予定しているヒーロー映画「キャプテン・アメリカ」の主人公である、タイトル・ロールのキャプテン・アメリカの有力候補だいうウワサがずっとありますが、こんなに主演作がヒットしない以上、それはウワサ以外の何ものでもなさそうです。
ジョン・シナは映画とプロレスの二束のわらじについて、もはやプロレスを辞めて映画スターに転向したも同然のザ・ロックと違い、自分はプロレスのファンを裏切るつもりはなく、あくまでもリングで闘うのが自分の使命だと言っているので、副業の映画は、まぁ、これぐらいのテキトーなマイナー作品がいいのかもしれません。

12ラウンド予告編




先週の第5位から、ついに第8位にまで下がってしまった公開4週めの「ウォッチメン」はトータルの興行収入が1億ドルを突破できたものの、下り坂の角度は相変わらず大きく、今週もまた6割も一気に売り上げを落としています。
1億ドルを超えれば、大ヒットと称賛されて然るべきですが、製作費が1億5,000万ドルぐらい費やされている本作は、それだけの国内売り上げを持ってしても、やっと元手の3分の1程度を回収できたか?!どうか?!といったところでしょう。
しかし、本作は海外市場ですでに6,063万ドルを売り上げており、その数字は興行収入全体の約4割を占めています。当初、アメリカ以外の原作コミックがまるで知られていない国ではウケないと思われていた「ウォッチメン」ですが、映画の質自体は高いことからか、意外に諸外国でもヒットをしているようです。
国内では1,500館もの映画館に打ち切られ、三下り半状態なので、今後は海外市場で、残りの3分の2の製作費を少しでも取り返していければ…と望みを賭けるしかなさそうですね。来週はまだBEST10に残っていそうな気がしますが、いつ圏外に消えてしまっても仕方がない状態です…。

第9位のリーアム・ニーソン主演のアクション・サスペンス「テイクン」は公開9週めで700館が撤退し、先週の第7位から2ランクのダウンです。しかし、売り上げの下げ幅は、それだけ多数のスクリーンを失ったのなら、4~5割の減収を示してもよさそうなのに、相変わらず約33%と平均的な目安よりも低い数字に収められ、この映画の変わらない人気の高さを表しています。
第10位の「鮮血の美学」(1972年)のリメイク版「ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト」は、新たなホラー映画「ホーンティング・イン・コネチカット」の登場が影響したと見られ、売り上げを約55%と半分以上も落としてしまい、先週の第6位から、いきなり崖っぷちに追いつめられてしまいました。まだ公開3週めで、トータルの売り上げも3,000万ドルに届いていないので、失速のペースは思われていたよりも早く、もう観客に飽きられてしまったようですね…。

この週末は首位の「モンスターVSエイリアン」のモンスターな公開規模による
1人勝ちが予想されていたせいか?!、限定公開の映画もこれといった新作の封切りは控えられたようで、今回の圏外の注目作はパスです。
という訳で、この週末は、いよいよ4月に突入で暖かさも増し、ドライブにはいい陽気になるでしょう…?!と天気予報ではないですが、クルマ映画の「ワイルド・スピード」シリーズの最新第4弾がついに公開!!、ヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーのオリジナル・キャストの両雄そろい踏みでポール・ポジションを獲れるのか?!、乞うご期待です!!、昨日、紹介したアディクティヴTVのリミックスによる「ワイルド・スピード4」の予告編をまだ観ていない方はぜひ、ご覧になってください!!、加えて、近年のアメリカ映画の必見の大傑作「スーパーバッド」(2007年)を作ったグレッグ・モットーラ監督が、やっぱり必見の「イカとクジラ」(2005年)に出ていた若き演技派のジェシー・アイゼンバーグと、ヴァンパイア映画「トワイライト・サーガ」(4月4日公開)で大ブレイクしたクリステン・スチュワートを主演に迎え、大人へと成長するほろ苦さをコミカルに描いた青春映画のラブ・ストーリー「アドベンチャーランド」が封切られるほか、こちらも若手の演技派として将来が楽しみな「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007年)の教祖ポール・ダノと、ジム・キャリーと共演した「イエスマン "YES"は人生のパスワード」(2008年)が日本公開中のズーイー・デシャネルが恋に落ちる、ちょっと変わったラブ・ストーリーの「ジャイガンティック」が限定公開されます。それぞれの恋愛映画は満開の花を咲かすことができるのか?!、お楽しみにッ!!
おまけで、ヴィン・ディーゼルがヘリウムガス吸って、かん高いアヒル声で喋ってる動画をつけておきます。「オースティン・パワーズ」シリーズのDr.イーブルと同じスキンヘッドなので、声が高いとミニー・ミーみたいで、マヌケです!!





【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!


Search in CIA