鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005年)に続けて、ヴィゴ・モーテンセンとコンビを組んだ傑作「イースタン・プロミス」(2007年)のオチを観て、あ、もしかして続編できるかな？！と思った方、予想通りに続編ができることになりそうです！！　(オチなどストーリーは書かないので、以下の文章にネタバレはありませんが、「イースタン・プロミス」をまだ観てない方は観てください！！)

デヴィッド・クローネンバーグ監督が、MTVの取材に応じて語ったところによれば、ロシアン・マフィアの恐ろしい実態を描いた「イースタン・プロミス」の続編製作に向けたミーティングを近日中に行うそうです。
ミーティングに集うのは、同映画のシナリオを執筆した脚本家のスティーヴ・ナイトと、プロデューサーのポール・ウェブスターですが、「みんな、続編を作ることに興奮しているんだ」と語るデヴィッド・クローネンバーグ監督の“みんな”には、主演のヴィゴ・モーテンセンもちゃんと含まれているとのことで、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたヴィゴ・モーテンセンのニコライが帰ってくることになります！！
前述のように、ニコライが秘めた謎からすれば、さらにストーリーを続けられる可能性はあった訳ですが、デヴィッド・クローネンバーグ監督は続編を作らない監督なので、ファンはあまり期待していなかったと思います(「スキャナーズ」、「ザ･フライ」の続編は無関係)。
しかし、デヴィッド・クローネンバーグ監督は「自分で観たいと思えるような続編のすごいアイディアがあるんだ」と語り、「これまで続編を作りたいと思ったことは一度もなかった。でも、『イースタン・プロミス』に関しては、まだ登場人物たちのストーリーを全部、描ききっていないと思ったんだ。特にヴィゴのニコライについては完結できていない」と、オチを優先したことで、その背景を描き切ることができず、やり残した感があるので初めて続編を作りたいと思ったといったような心境などを明かしています。
そうした発言から、続編ではヴィゴ・モーテンセンのニコライがどういう人物なのか？！により焦点が当てられそうな感じもしますが、デヴィッド・クローネンバーグ監督は「前作のリサーチで得られた資料は多すぎて、とても1本の映画にネタを詰め込むことはできなかった」と話しているので、ロシアン･マフィアの裏側もさらにえぐり込んで観せてくれそうな気配です。
デヴィッド・クローネンバーグ監督は近日中に行うミーティングについて、「自分がすごいと思うだけでなく、スティーヴや、ポールがどう思うか？！、彼らの意見を聞いてみたいんだ」と、続編製作への慎重な姿勢を見せつつ、ミーティングで賛同が得られれば、スティーヴ・ナイトがシナリオを執筆することになり、続編の製作がスタートするだろう…と、今後の展開を語っています。



デヴィッド･クローネンバーグ監督は現在、MGMが製作するロバート･ラドラム原作の「マタレーズ暗殺集団」(2010年公開予定)の映画化に取り組んでいますが、それに先がけ、ヴィゴ・モーテンセンが、デヴィッド・クローネンバーグ監督との新たなコラボのプランがあるとマスコミに明かしたことで、ファンはてっきり、そのデンゼル･ワシントンが主演する「マタレーズ暗殺集団」にヴィゴ・モーテンセンが出て、デンゼル･ワシントンと対決するものだとばかり期待していました。ところが、ヴィゴ・モーテンセンではなく、一枚落ちる格下のトム･クルーズが出るとわかり、ガッカリさせられた訳ですが、ヴィゴ・モーテンセンが語っていたのは、もしかすると、この「イースタン・プロミス2」のことだったのかもしれませんね。

とりあえず、デヴィッド・クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンのファンの方には、この「イースタン・プロミス2」は期待の持てる報せだと思います。「マタレーズ暗殺集団」はトム･クルーズなんかが出る以上、デヴィッド・クローネンバーグ監督の本領がすべて発揮されるとは思わないので、それなりにガンバッてもらい、「イースタン・プロミス2」の続報の方を楽しみにしましょう！！






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