「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」が墜落 ! !
「カーンの逆襲」のリメイク ? ! が前作に及ばない
期待を大きく下回った成績で、初登場第1位 ! !
*各数字は、週末成績-(公開館数/平均売上げ)-トータル成績。題名の後の()は概算の製作費です。
映画の鑑賞価値を推し測る参考の RT/MC の数値は、このBEST10にランクインした時点での値です。
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第1位(初) 「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」(1億9,000万ドル)
$70,555,000-(3,868館/$18,241)-$84,091,000
★第2位以下は続きを読むの後です…!!
★ 映画の格付けサイト Rotten Tomatoes での評論家の支持率 87 % に対し、観客の支持率は 89 %
★ レビューのとりまとめサイト Metacritic でのスコアは 73 /100ポイント
J・J・エイブラムス監督の新生シリーズ第2弾「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」を、製作・配給のパラマウント映画が、336館の IMAX シアターを含む3,868館で封切ったオープニング成績の週末3日間の売り上げは約7,055万ドルで、2009年公開の前作(3,849館)の同成績=約7,520万ドルに及ばなかったばかりか、実質的な初日となる15日(水)の前夜祭興業からの約4日半の上映で、1億ドルは突破するものと思われていたトータルの売り上げも、約8,409万ドルに留まる結果となってしまいました…。
約4日半で約8,409万ドルを売り上げた事実は、依然として大ヒットであり、それをガッカリや、残念…とは言うのは、いささか不適切な感じがしないでもありませんが、それでも続編は、前述の IMAX シアターや、3D 鑑賞料金といった割高な入場料を取り立てておきながら、前作に及ばなかったわけですから、諸手をあげて大ヒットの成功!!と称賛するのはためらわれることになります。単館の売り上げで比べても、前作の第1弾は約1万9,539ドルを集めていたのに対して、続編はチケット代が高い傾向にあるのに、約1万8,241ドルですから、どうやら、動員の規模が縮小したらしい…というのは明らかです…。
この「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」の客足が期待されたほどではなかった理由となる失敗の要因としては…、まず第1に、この続編公開までに4年間もかかってしまったことで、好意的に迎えられた前作の印象が世間一般で薄れ、新生シリーズの存在感を風化させてしまったこと…、そして、主人公のクリス・パインのカーク船長や、ザカリー・クイントのスポックといった人気キャラクターではなく、けして、稼ぎ頭のドル箱スターでもないベネディクト・カンバーバッチを起用した謎の悪役ジョン・ハリソンに焦点を絞り、ひたすら、ベネディクト・カンバーバッチをアピールした宣伝が、大衆の関心を集められず、まったくピント外れだったのに加え、エンタープライズ号墜落の衝撃の展開を訴えたイメージも、若々しいフレッシュさが売りだったはずの新生シリーズの本来の魅力に反して、ネガティブすぎたかもしれません…。
「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」 テレビスポット
また、ベネディクト・カンバーバッチの悪役の正体は、明らかに「スター・トレック」シリーズを代表する悪役のカーンだ…と、すぐにわかることからして、特にネタバレにもあたらないのに、ジョン・ハリソンという平凡な名前の人物ですよと、正体を隠し通そうとしたことも、陳腐でバカバカしかったでしょうし、「スター・トレック」を一部の熱狂的なマニアのモノから、広く一般の観客が気楽に楽しめる娯楽作に仕立て直そうという新生シリーズの主旨からすれば、早いうちにベネディクト・カンバーバッチはカーンだ…!!と公表して、カーンとは何者か…?!という悪役のプロフィールを知らしめる努力をするべきではなかったか…?!とも思われます。
以上のような、鉄は熱いうちに打てのことわざ通りに、素早く続編を製作し、新生シリーズの人気を確たるものにできなかったことや、市場を外した宣伝のつまづきを思うと、謎のモンスター映画「クローバーフィールド」(2008年)などの巧みなヴァイラル・マーケティングで、メディアの天才と言われたJ・J・エイブラムス監督の神話が崩れてきた…といった感じがしないでもありませんから、ジェダイの騎士のみなさんとしては、フォースの力が弱まったかもしれないJ・J・エイブラムスが新生シリーズ第1弾「スター・ウォーズ: エピソード7」を作るのか…と、少し不安がよぎってしたかもしれません…?!
1982年に公開された元祖映画シリーズの第2弾「スタートレックII: カーンの逆襲」を、言わば下敷きとして、様々な人気アクション映画の見せ場を再利用して寄せ集めた?!「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」のオープニング興業の観客の約64%が男性で、25歳以下の若年層は27%でした。つまり、主な観客は従来から「スター・トレック」ファンの中高年の男性か…といったイメージの分析が成り立ちそうなので、新生シリーズが本来は掘り起こすべきはずの新しいファンの若い観客層を、続編は集められなかったことになりますね…。
ですから、やっぱり、カーンは何者で、カーンが出てくることで、どう面白くなるのか…?!、また、J・J・エイブラムス監督は、そのカーンをどのように独自にアップデートしたのか?!、といった映画の見どころを、特に「スター・トレック」を知らない人に向けて、事前にキチンとアピールすべきだったかもしれません…。
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