今週の月曜日(5月23日)から、カナダのトロントで撮影が始まった、デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作「コズモポリス」の写真を、女流フォトグラファーとして、有名映画監督の父とは無関係に活躍している娘のケイトリン・クローネンバーグが初公開してくれました！！、コリン・ファレルが降板したあとを受け、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2007年)以来、出演作に恵まれず、俳優としての力量が未知数のロバート・パティンソンが主演をつとめることから、映画の出来栄えが懸念されている本作は、現代のアメリカ文学界を代表する作家ドン・デリーロが2003年に発表した同名小説(新潮社)を映画化するものです。ロバート・パティンソンが演じている主人公のエリック・パッカーは、マネーゲームに勝利したあぶく銭で、28歳にして億万長者となり、思い上がっている人物で…、





そうした小憎らしい人となりは、「トワイライト・サーガ」で労せず富を築いたR・パット本人とイメージが重ねられているようにも解釈でき、クローネンバーグ監督のキャスティングの意図は興味深く、ロバート・パティンソンは自分をうまく風刺して、カリカチュアすることができれば、ついに代表作の映画をモノにできる可能性もありそうです。

R・パットの隣りに座っている女優は、未だ未公開ながら、クローネンバーグ監督にとっては、すでに前作となる「ア・デンジャラス・メソッド」に続けて、起用されたカナダ人のサラ・ガドンで、主人公エリックと結婚して22日めの新妻エリーゼを演じています。R・パットの主人公は、このような美人妻がいながら、己の欲望のまま、ほかの女性と次々に関係を持ち、ついにはビジネスにも失敗して、人生を破綻させていく姿が、本作では、ある日の24時間を通して描かれ、物語は主にエリックが移動に使用している豪華なリムジンを舞台として展開されていくことになります。

共演者として、この「コズモポリス」で、R・パットに様々な形でかかわる多数の登場人物を演じているのは、「ソーサラーズ・アプレンティス」(2010年)でニコラス・ケイジの弟子だったジェイ・バルチェル、「レギオン」(2010年)のケヴィン・デュランド、「こわれゆく世界の中で」(2006年)のジュリエット・ビノシュ、「サイドウェイ」(2004年)のポール・ジアマッティ、「潜水服は蝶の夢を見る」(2007年)のマチュー・アマルリック、「シネクドキ、ニューヨーク」(2008年)のサマンサ・モートン…といった観応えのある顔が揃えられているので、現時点では公開未定の本作ですが、じきに配給会社は決まることになると思われます。

なお、前述のデヴィッド・クローネンバーグ監督の前作の最新作？！「ア・デンジャラス・メソッド」は、今夏8月末の31日から9月10日にかけて開催される第68回ベネチア国際映画祭でプレミア上映される予定です。同映画の主演は、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005年)や、「イースタン・プロミス」(2007年)でコンビを組んだヴィゴ・モーテンセン、シリーズ最高傑作「X-MEN/ファーストクラス」(来週末6月3日全米公開)のミヒャエル・ファスベンダー、そして、「つぐない」(2007年)のキーラ・ナイトレイですから、安心して映画の完成度に期待することができますね！！

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