ヒロインのグウェン・ステーシーに大抜擢された新生「スパイダーマン」シリーズの第1弾「ジ・アメイジング・スパイダーマン」(2012年7月3日全米公開)よりも前に、地毛のブロンドの素顔にイメージチェンジ？！した新生エマ・ストーンの姿が観られる本作は今夏のサマームービーの女性映画なので、秋から本格的にスタートする映画賞レースには不出馬の娯楽作のように思われるかもしれません。けれど、メリル・ストリープは2009年8月7日全米公開のサマームービーの女性映画「ジュリーとジュリア」で、ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門で最優秀主演女優賞を受賞し、オスカーの最優秀主演女優賞にだってノミネートされました…！！、メリル・ストリープにできるなら、エマ・ストーンにだって出来ないはずがありません！！……よね？！









昨2010年9月に全米公開された「イージーA」が青春映画の新しい名作として絶賛され、ヒットした実績を買われて、冒頭のように新生「スパイダーマン」シリーズの重要なヒロインの大役をモノにした、飛ぶ鳥を落とす勢いのエマ・ストーン22歳の最新作「ザ・ヘルプ」の予告編を、ディズニー・ドリームワークスが初公開したので、ご覧ください…！！

昨年秋に写真を紹介した本作は、これまで「スーパーバッド」(2007年)や、「ザ・ハウス・バニー」(2008年)といった良質な学園コメディ映画や、ジャンル系映画の「ゾンビランド」(2009年)といったエンタメ作品で活躍してきた、お笑いマドンナのエマ・ストーンが初めて、公民権という社会問題をからめたドラマ系映画に主演した新境地の作品です。

女流作家キャスリン・ストケットが2009年に発表したデビュー作の同名ベストセラー小説を映画化した、1960年代が舞台の「ザ・ヘルプ」で、エマ・ストーンが演じている主人公は、都会の大学を卒業して、地元の南部ミシシッピ州ジャクソンに戻り、ローカル新聞で家事についてのコラムを書くことになった作家志望のスキーター。しかし、自宅には、生まれた時から黒人女性のメイドのヘルプさんがいて、ロクに家事などしたことがないスキーターは、コラムのネタを求め、友人や、当のメイドの話に耳を傾けるうち、実のところ、自分たちがまともな大人に成長できたのは、メイドのヘルプさんの献身的なお世話のおかげであり、言わば、育ての母にも近い存在なのに、そうした黒人女性の彼女たちを単に使用人として、ひとくくりに考え、個人としての素顔や、私生活については何も知らなかったことに思いおよぶ。そこで、黒人女性のメイドらの本音を聞き、本にまとめようと取材を始めるスキーターだったが、その当時、人種差別は当たり前のように思われていた南部で、彼女の行動は波紋を広げてしまうことに…。

…といった物語のおよその展開を、上 ↑ の予告編では紹介してしまっており、映画の取り扱いに慎重さの欠ける節が窺えなくもないので、本来は俳優であり、これが2本めの監督作品となるテイト・テイラーのメガホンには問題があるのかもしれませんが、女性映画として、基本的なテーマが人種差別という社会問題に置かれ、恋愛の要素を含まない作品としては、これぐらい軽く、いろんな要素を観せるのは、商業的に考えて、宣伝となれば、やむを得ないような気もします。
と、そのように映画自体の質や完成度については、疑問がなくはないものの、お笑いマドンナのエマ・ストーンが、そのコミカルなキャラで社会派に挑んだ？！といったミスマッチの注目度に加え、「イージーA」でゴールデングローブ賞コメディ・ミュージカル部門の最優秀主演女優賞にノミネートを果たした実績を踏まえると、再びそうした個人賞において、エマ・ストーンがこの「ザ・ヘルプ」で映画賞レースにからむ可能性は、けしてゼロではないと言えそうです。


新境地のエマ・ストーンを支える共演者として、映画のシリアスな側面を受け持ってくれているらしいメイドのヘルプ、エイビリーンを演じているのは、「ダウト」(2008年)のヴィオラ・デイヴィス。もうひとりのヘルプ、ミニーは「ハロウィンⅡ」(2009年)のオクタヴィア・スペンサー。「ジ・アメイジング・スパイダーマン」でエマ・ストーンが演じてるグウェン・ステイシーを、サミ・ライミ監督の「スパイダーマン3」(2007年)で演じたブライス・ダラス・ハワードも出演していますね。


エマ・ストーンがお笑いだけでなく、泣きもとりにかかったディズニー映画の感動作「ザ・ヘルプ」は今夏8月12日から全米公開！！、サマームービー・ウォーズに参戦する女性映画として、ヒットを果たすことができるでしょうか…？！

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