************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


1981年に公開されたオリジナル映画の「ミスター・アーサー」は、その当時に活躍したコメディアンで、ミュージシャンの故ダドリー・ムーアが主演をつとめ、名優のやはり故人であるサー・ジョン・ギールガッドがオスカーの最優秀助演男優賞に輝いたコメディ映画の名作で、クリストファー・クロスの主題歌「ベスト・ザット・ユー・キャン・ドゥ」が大好き!!という映画ファンの方は、とても、とても、とても大勢いらっしゃると思います。その傑作を公開したワーナー・ブラザースが、イギリスの人気コメディアン、ラッセル・ブランドを主演に起用し、オリジナル映画から30年の時を経て、リメイクした新しい「ミスター・アーサー」の予告編を初公開してくれたのですが…、予告編は大きな間違いを仕出かしていて、ワーナー・ブラザースはすぐにでも、これを回収し、新しく作り直すべきです…!!









テレビの人気コメディ・ドラマ・シリーズ「モダン・ファミリー」の演出家として、昨2010年にエミー賞と監督協会賞で、共に最優秀監督に選ばれ、注目を集めたジェイソン・ワイナー監督が、「ボラット」(2006年)や、「ブルーノ」(2009年)といった、サシャ・バロン・コーエンの作品で知られるライターのピーター・ベイナムが現代版にあらためたシナリオを映画化したリメイク版最新作「アーサー」の予告編です…!!
まずカンタンにあらすじを紹介しておくと…、私生活ではケイティ・ペリーのダンナのラッセル・ブランドが扮する主人公のアーサーは億万長者の道楽息子として、大人になってもロクに仕事もせず、ただ酔っ払っては遊びほうける自堕落な毎日を過ごしていたが、厳しい乳母のお目付け役ホブソン夫人がそばにいてくれることで、いい加減なりにもどうにか、まともな人間として人生を送ってこられた。しかし、そんなアーサーが偶然に出会った女性ナオミを好きになり、初めて自分の中に愛情を実感できた矢先、両親から政略結婚を押しつけられてしまう…。
両親の命令に背けば、莫大なお小遣いの支給をストップされ、今までのように呑気な暮らしはおくれない…、けれど、ナオミを愛しているのに、好きじゃない金持ちの娘スーザンとなんか一緒にはなれない…。
愛情をとるか、お金をとるか?!の瀬戸際で、アーサーはリスクを背負った大人へと成長することを迫られる…。


…というわけで、オリジナル映画ではサー・ジョン・ギールガッドがつとめたアーサーのお目付け役の執事を、女性の乳母に変え、年甲斐もなく?!エロいキャラクターを演じることが好きな大女優のヘレン・ミレンを起用したのは絶妙なセンスですし、アーサーが結婚をお断りしたいスーザンに、ジェニファー・ガーナーを配したのも、予告編を観る限り、悪くないように思います。では、オリジナル映画で、大スターのライザ・ミネリが演じ、「ミスター・アーサー」の物語の核となる中心人物のヒロイン、ナオミは…と言うと、上 ↑ の予告編では、どこに出てきたのか?!、一見しただけでは、まるでわからないですよね?!、で、もう一度、よく予告編を観返してもらうと…、冒頭に2、3秒だけ、“ナオミ”という名札をつけた女性が登場しています!!、そう、その何のために出てきたのか?!、よくわからない女性が、この映画で、主人公のアーサーに重大な決心をさせる動機となり、ストーリーの展開をうながすヒロインです!!
なのに、ワーナー・ブラザースは、その本来であれば主演女優にあたる人物を予告編でほとんど紹介せず、この映画をラブストーリーではなく、ハレンチ映画のように見せかけてしまっています。なので、記事の見出しのタイトルのように、観客にミスリーディングを促す、この予告編は間違っている…!!といった見方が成立することになるわけですが…、ワーナー・ブラザースの考えは容易に理解できます。


限られた短い時間の予告編で、ナオミに起用したグレタ・ゲルウィグのような無名の女優を紹介するよりも、脇役でも有名なジェニファー・ガーナーをたくさん露出させたり、「スター・ウォーズ」や、「バットマン」のパロディの要素もありますよ…!!と、コメディに重点を置いて宣伝するほうが、大衆の興味につながる…ということですよね?!、ならば、なぜ、オリジナルの「ミスター・アーサー」がそうしたように、ヒロインに有名な女優を素直に起用しなかったのか?!
その理由は、昨2010年夏にココで紹介したように、映画監督兼女優のグレタ・ゲルウィグの才能が際立っていると称賛されているからに他ならず、だったら、その実力で大役を得た無名のグレタ・ゲルウィグを新星として、もっとアピールしてあげてもよかったように思いますし、映画ファンの人が、この「アーサー」を観たい…と思う根拠は、主演のラッセル・ブランドよりも、ヘレン・ミレンとグレタ・ゲルウィグの方にあるかもしれません。


果たして、ワーナー・ブラザースは、この「アーサー」の第2弾の予告編を、どのようにカッティングしてくるのか?!、ちっとも笑えないギャグの連発で、ハレンチなコメディ映画として宣伝するよりも、オリジナル映画に倣って、都会の大人のおとぎ話のラブストーリーとして売り込むほうがよいようには思えませんか…?!
コメディ映画としては、かなりスベッているとしか思えない「アーサー」は、今春4月8日から全米公開です!!




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