2010年11月第2週の興行レポート - J・J・エイブラムスが最高のキャスティングで完成した レイチェル・マクアダムスの「モーニング・グローリー」が初登場第5位の残念すぎる結果!!
by
Billy
2010年11月15日月曜日
サンドラ・ブロックや、ジェニファー・アニストンといった、ちょっと観飽きた女優たちが主演するロマコメ映画を見かけるたびに、あぁ、この映画の主役が彼女だったら観てもいいのにな…と、まっとうな映画ファンの人が、ふと内心で思ったりすることを、やっぱり、そういう空気に敏感なメディアの天才プロデューサー、J・J・エイブラムスが察して、実現してくれた…、セリーナ・ゴメスも、私は将来、こういう女優になりたい…!!と願う、憧れの的の“理想の女性”レイチェル・マクアダムスの待望のロマコメ映画の主演作「モーニング・グローリー」に、朝が来ませんでした…!!
人気テレビシリーズ「LOST」や、謎のモンスター映画「クローバー・フィールド」(2008年)、新生「スター・トレック」(2009年)といった大ヒット作を次々とくり出す天才的な仕掛け人のJ・J・エイブラムスが、ロマコメ映画の枠を超えた傑作「プラダを着た悪魔」(2006年)の脚本家アライン・ブロッシュ・マッケンナをシナリオに起用し、ジュリア・ロバーツの代表作「ノッティングヒルの恋人」(1999年)を作ったロジャー・ミッシェル監督にメガホンを託して、今や、死に体のジャンルであるロマコメ映画の復権に挑んだ期待の女性映画「モーニング・グローリー」でしたが、製作・配給のパラマウント映画が全米2,518館の約2,800スクリーンで封切った週末のオープニング成績はわずかに約962万ドルで、先週木曜日(11月11日)のベテランズ・デー(退役軍人の日。役所や一部の企業がお休みになる)の動員を狙って、その前日の水曜日に封切った初日(11月10日)からの売り上げを足しても、現在までに約1,223万ドルしか集めることができていません…。
経済メディアのフォーブスが昨2009年秋に調べた、映画スタジオに純利益をもたらすことができる効率のよい稼ぎ頭の“あげまん女優”ランキングで、BEST3の第3位に着け、彼女に1ドルの出演料を投資すれば、30ドルにして返してくれるはずのレイチェル・マクアダムスは、愛嬌のある顔立ちながら、特に際立って印象を残す決め手の個性に欠けることからか、映画ファンの玄人からは高く、その演技と魅力を評価されているものの、ヒット作に恵まれた好実績に反して、彼女自身の存在感は今ひとつ、世間に認知されていないような感がありました。
なので、そうしたレイチェル・マクアダムスを今より一段上のスターダムに押し上げるべく、J・J・エイブラムスがプロデューサーをつとめて、脇の引きたて役に、ハリソン・フォードとダイアン・キートンの2大スターを配するという最高のキャスティングで、レイチェル・マクアダムスを完全開花させるはずの製作費=約4,000万ドルの「モーニング・グローリー」でしたが、下記のレイチェル・マクアダムスが主演した過去の恋愛映画の興行成績と比較すると…、
「タイムトラベラーズ・ワイフ」(2009年8月14日公開/製作費3,900万ドル)
オープニング成績/1,862万ドル(2,988館) 国内/6,341万ドル+海外3,792万ドル=1億0,134万ドル
「君に読む物語」(2004年6月25日公開/製作費2,900万ドル)
オープニング成績/1,346万ドル(2,303館) 国内/8,100万ドル+海外3,460万ドル=1億1,560万ドル
奇しくも共に時間を越えた物語だった、それらの2作品と比べて、待望の主演作の「モーニング・グローリー」は、都会で働く女性の恋も仕事も…といったベタな奮闘記のコンセプトにひねりが足りなかったのかもしれません…。
出演者が自分の役のキャラクターと映画のストーリーを解説してるプロモーション・ビデオ!!
失業してしまったレイチェル・マクアダムスの演じるヒロインのベッキーが、ようやくありついた仕事である、朝のテレビのワイドショーのプロデューサーとして、番組が打ち切られないように奮闘する様をコミカルに描いた本作の映画の格付けサイト RottenTomatoes での評価の支持率は56%のちょうど中間で、好評とも不評ともつかず、Metacritic では全36件のレビューのうち、18件がよかった!!、17件がまあまあ、そして、けなしている不評はたったの1件だったことから、トータルスコアを57ポイントと割り出し、やはり、良くも悪くもない中間地点に置いています。
そこで、ザッと実際のレビューを見渡しても、まぁ、確かにそういう中間的な評価のBランクに置かれている本作は、大女優のダイアン・キートンを起用していながら、笑いをとらせるだけで、その力量をフルに活用していない…とか、ハリソン・フォードのダークナイトのモノマネのような低い声で話す演技がシラジラしい…といった欠点の指摘はあるものの、チャーミングなレイチェル・マクアダムスを観ているだけで楽しくて飽きることがなく、可も不可もない他愛のない映画ながら、どちらかと言うと、お薦めしたい…と、作品そのものはかなり愛されているようです。
つまり、それは、この映画が奇をてらった物語の仕掛けのプロットではなく、優れた俳優たちによるキャラクターの魅力で展開していくんですよ…といったことを言いたいわけですから、前述のように、都会で働く女性の恋も仕事も…といったベタな奮闘記の外側のコンセプトにだけ着目すれば、単にジェネリック・ムービー(※)に過ぎない本作が、実際に観れば、案の定、レイチェル・マクアダムスの映画なんだから、おもしろい…!!ということになるようですね!!
て言うか、そもそも、J・J・エイブラムスの仕事なんだから、無視していいわけがありません!!
ハリソン・フォードとダイアン・キートンが、番組のシメに視聴者に向かって語りかける“ごきげんよう、さようなら”を、どっちが言うかといった些細な事…、じゃなくて、大事な事?!で意地を張るシーン!!
ハリソン・フォードが割り込んで、“さようなら”とフライングして言うから、番組が時間通りキッチリ終わらず、変な間が
デキちゃいます…!!
なお、配給のパラマウント映画の調べによれば、この「モーニング・グローリー」のオープニング興行の観客の約7割が…、当たり前ですが女性で、およそ9割が25歳以上のアダルト層だったそうです。映画のヒロインと同じような世代の女性が、ひとまず興味と共感を抱いてくれた…ということのようです。
この「モーニング・グローリー」は、ぼくは絶対に書かない、← こういう邦題で日本では今週末から前売り券発売開始で、特典付きだそうです。
レイチェル・マクアダムス、もしくは、シャーロック・ホームズの永遠の恋人なのに、続編には出ないかもしれないアイリーン・アドラーの好きな人は応援してあげてください!!
で、下↓の写真は、先週の日曜日(11月7日)に、ニューヨークのジーグフェルド・シアターで行われた本作のプレミア上映に、当然やって来たレイチェル・マクアダムスです。
着ているセクシーなドレスはLANVIN(ランバン)です。
(※)ジェネリック・ムービーは、昔あった映画を現代のキャストで焼き直した遠まわしなリメイク…といった意味です。
この映画の場合は、ハリソン・フォードが出ていることからも、メラニー・グリフィスをスターダムに押し上げた出世作「ワーキング・ガール」(1988年)が主に原典にあたるわけですが…、でも、同名作に感動した人にとっては、うれしい映画の伝説の焼き直しとなりますね…!!
ところで、最後におまけで…、「モーニング・グローリー」の予告編を盛り上げている、映画のイメージにピッタリのナイスな選曲のあの歌はなに…?!と思っている方もいるかもしれないので、念のため、付け加えておくと、あれはこの ↓ ナターシャ・ベディングフィールドの“Strip Me”です…!!
≪関連記事≫
J・J・エイブラムスが都会で働く女性たちに贈る賛歌の、とても素敵なロマンチック・コメディ「モーニング・グローリー」が予告編を初公開!!(10.5.27)
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