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このブログをずっと読んでくださっている方は、もうおわかりだと思いますが、新しい才能が芽を吹くという意味において世界で最も重要な映画祭であるサンダンス・フィルム・フェスティバルが開催され、様々な映画賞レースの本選がたけなわとなる、この時期はもう“映画の墓場”のシーズンです…!!
映画メディアの関心はブラピとアンジーが離婚といったデマではなく、主にそうした話題に向けられ、庶民は年末年始のホリデイにゆるめすぎたサイフのヒモを引きしめるべく、映画鑑賞は二の次となり、映画館は活気を失っていきます…。
そのため映画スタジオ各社は、ここぞとばかりにつまらない失敗作や、オクラ入り映画を放出し、ラインナップを穴埋めすることになり、よって、先週末も3本の新作映画が全米公開されたというのに、興行成績の結果は全体で、先週の前回から約14%のマイナス実績となってしまっています。しかし、ジェームズ・キャメロン監督にとっては、そうした映画の墓場のタイミングこそが最大のビジネスチャンスのようで、12年前に自らが達成して、これまでどんな映画にも破れなかった大記録を、ついに自分で書き変えてしまいました…ッ!! → 





先の週末興行成績のBEST10ランキングでご覧いただいたように、ジェームズ・キャメロン監督が3部作として構想したSF超大作シリーズの第1弾の3D映画「アバター」が、1997年末から1998年にかけて全米映画興行史上最長の15週間連続で週末興行成績の首位をキープしたジェームズ・キャメロン監督自身の「タイタニック」以来となる6週連続第1位の偉業を達成し、第2位の「レジオン」のオープニング成績=約1,820万ドルのほぼ倍となる約3,600万ドルを荒稼ぎして、国内での売り上げトータルを約5億5,279万ドルに積み上げ、おととし2008年の歴史的大ヒット作「バットマン/ダークナイト」=約5億3,334万ドルを抜いて、「タイタニック」に次ぐ、全米映画史上2番めの大ヒット作となりました!!
また、昨日、予想を伝えたように「アバター」は、「タイタニック」の海外市場における興行記録=約12億4,209万ドルを破って、約12億8,334万ドルの未曾有の新記録を達成し、現時点で全世界でのトータルの売り上げを約18億3,614万ドルとして、「タイタニック」の映画史上最大ヒット記録=約18億4,287万ドルまで、わずか1,000万ドルを切ってしまいましたッ!!、よって、遅くとも今週半ばには「アバター」が「タイタニック」から映画史上最大ヒット作の栄冠を譲り受けることが決定的となり、ジェームズ・キャメロン監督は自らが浮上させた「タイタニック」を、自分でまた沈め、難破船に戻してしまうことになりました…ッ!!
もはや、キリがない「アバター」が新記録更新のトピックですが、映画の枠を超え、世界経済から、宗教、政治、環境問題など、幅広い分野に影響を与え始めた社会現象の「アバター」が、いったい、どこまで興行記録を延ばしていくのか?!、「アバター」の連続首位記録更新の可能性が引き続き、注目されます!!
なお、「アバター」=12月18日公開とほぼ同じ、12月19日に封切られた「タイタニック」が、その国内売り上げを5億5,000万ドル台にまで持っていったのは、4月第3週めのことでしたから、「アバター」の観客動員がどれだけメチャクチャか?!、驚異的なスピードの記録更新が自ずと物語っていますね…。

23分間もある見応え抜群のアバターメイキング・ビデオ!!





ソニー・ピクチャーズのジャンル映画レーベル、スクリーン・ジェムズが、まさに映画の墓場シーズン向きに、低予算の約2,600万ドルの製作費で完成させたダークファンタジーのホラー・アクション映画「レジオン」が、全米2,476館で封切られた結果のオープニング成績は、前述のとおり、約1,820万ドルで初登場第2位!!、映画の格付けサイト RottenTomatoes で21%、同様の metacritic では37ポイントの本作は、つまり、映画の内容に感銘などはほとんど期待できない…ということで、公開前に不評のレビューを書かれるのを嫌がったソニー・ピクチャーズは、本作のプレス試写を行っていませんが、そもそもテキトーに観ておもしろがるだけのジャンクフード・シネマなので、そういった固い話は抜きにして、ジャンル映画好きの人がDVDを借りて、家で観るのにはうってつけの作品として楽しめばいいのではないでしょうか…?!
そのDVDを借りて、家で観るのにはうってつけ…の意味は…、
この「レジオン」で映画監督デビューを飾ったスコット・スチュアートは、その名前だけ言われても、多くの映画ファンの方はピンとこないかもしれませんが、「スーパーマン・リターンズ」(2006年)や、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、また、「アイアンマン」(2008年)といった大作のSFXを担当しながら、惜しくも昨2009年5月に閉鎖されてしまったサンフランシスコのVFXスタジオ、オーファネッジを立ち上げたSFXのトップ・クリエイターの人です。
そのスコット・スチュアートが、この深刻な大不況もあって会社をたたむことになり、監督として心機一転のデビュー作ですから、SFXを使った映画が大好きな人には「レジオン」は観逃せない注目作かもしれませんよ…というのに加え、以下のような興味深いキャストがそろった作品なので、まぁ、新人監督の今ひとつの出来栄えの映画であったとしても、DVDを借りて観るぐらいのお小遣いの無駄使いは大目に見てもらえますよね…ということです。

という訳で、その興味深いキャストを紹介すると…、



アホな人間に愛想をつかし、世界を滅ぼすことにした神の使いとして、人類の救世主となる赤ん坊の誕生を阻止し、焼き殺すために下界に堕ちた大天使ミカエルは、自分で天使の羽を背中から切り落とす自虐的なあたりが様になる、「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)で自分を鞭打っていたポール・ベタニー!!

救世主をお腹に宿した妊婦のウエイトレスがいる荒野のダイナー?!という、ちょっとありえない所でメシを食っていたおかげで、最終戦争のハルマゲドンに巻き込まれていくのは、主演したスポーツ感動実話の映画化「エクスプレス」(2008年)が過去5年間の赤字映画ワースト2だったことがわかったデニス・クエイド!!

レジオンータイリース・ギブソン

そのニューメキシコのダイナーに居合わせたのは、サム・ライミがプロデュースしたホラー・ドラマ「アメリカン・ゴシック」で注目を集めた子役だったルーカス・ブラックと、メガヒット「トランスフォーマー」シリーズのタイリース・ギブソン!!

罠にはまり危機一髪の少女を救うタイ・リースのカイルですが…ッ!!






神から託された使命に背き、救世主の力で人類を助けることにした大天使ミカエルのポール・ベタニーを倒すため、神の刺客としてやってきた大天使ガブリエルは、「X-MEN/ウルヴァリン」(2009年)のミュータント、ブロブを演じていたケヴィン・デュランド!!、ケヴィン・デュランドは、ジェシカ・アルバの「ダーク・エンジェル」に出ていましたから、暗黒の大天使を演じて当然?!、でも、ドラマの中では“”でしたよね…!!

そして、「レジオン」の物語の核となる登場人物で、知らぬ間に救世主の種を宿してしまった妊婦ウエイトレスは、「スーパーナチュラル」で、ジャレッド・パダレッキが悪魔から守れなかった恋人ジェシカだったエイドリエン・パリッキーです!!、悪魔の次は神から狙われるなんて…、すごいぞ、エイドリエン・パリッキー!!

ガブリエルとミカエルの大天使同士がタイマン勝負!!



また、「グレイズ・アナトミー/恋の解剖学」で演じていたアディソン医師が人気となり、自分が主演のスピンオフ・ドラマ「プライベート・プラクティス/迷えるオトナたち」が出来てしまったケイト・ウォルシュと、あのケイトリン・クーパーも登場!!



ケイトリン・クーパー!!とだけ書いて、また放置すると、誤解を招くので、本名も書いておくと、ウィラ・ホランド!!、人気青春ドラマ「The O.C.」で、マリッサのミーシャ・バートン(家賃が払えなくて、自宅マンションを立ち退く落ち目ぶり…)の妹だった人ですね!!

レジオン5分間もある長い予告編





「アバター」の快進撃がとまらない20世紀FOXが、「アバター」の現在の上映館数3,141館よりも多い3,344館で封切った、くだらないのにもほどがあるガキ映画「トゥース・フェアリー」がオープニング成績で約1,450万ドルを稼いだものの、2週めのデンゼル・ワシントン主演の宗教アクション映画「ブック・オブ・イーライ」に負けてしまい、BEST3に入れず初登場第4位!!
ディズニーの大ヒット・ガキ映画「ゲーム・プラン」(2007年/国内成績9,064万ドル/世界トータル1億4,788万ドル)では、いけすかないアメリカン・フットボールのプロ選手だった、ホントはプロレスラーのザ・ロックことドウェイン・ジョンソンが、いけすかないアイスホッケーのプロ選手という設定からして、二番煎じ…どころか、やはり、ディズニーが作ったドウェイン・ジョンソンの前作のガキ映画「ウィッチマウンテン」(2009年/国内成績6,717万ドル/世界トータル1億638万ドル)まで含めれば、三番煎じとなる出がらしの本作は…、ドウェイン“ザ・ロック”ジョンソンが演じる、対戦チームの選手の歯をへし折ることなど何とも思わないラフなプレイから“トゥース・フェアリー”の異名をとるホッケー選手デレクの傍若無人な、子どもたちの夢をこわす言動に天罰が下り、歯の妖精として働くことを妖精界から命じられてしまう…!!といった、ありえない展開から、最初は歯の妖精なんて…とバカにしていたデレクが、子どもたちに夢を与えることの価値に目覚め、かつて、プロのホッケー選手を目指していた頃の自分の夢を思い出し、人生を見直すことに…ッ!!

トゥース・フェアリー予告編



前述のように三番煎じで旨みの風味も出尽くした本作のオープニング成績=約1,450万ドルというのは、「ゲーム・プラン」の同成績=約2,295万ドル、また、「ウィッチマウンテン」の約2,440万ドルと比較しても、低迷なのは明らか…。
ド素人のオタクがあり合わせのものを身に着けたコスプレよりも、まだダサいドウェイン・ジョンソンの歯の妖精を見て、素直な子どもたちが“すげーッ!!、かっけーッ!!”と思うなどと、まさか、この映画の作り手たちは本当に思ったんでしょうか…?!、そんな疑問をぶつけてみたい監督は、俳優からテレビ監督に転進し、ティム・アレンが主演のディズニーのクリスマス映画「サンタクローズ」シリーズを「2」(2002年/「3」は2006年)から担当しているマイケル・レンベックです。



ヒューマン・コメディの名作「シティ・スリッカーズ」(1991年)のシナリオを執筆した脚本家コンビ、ローウェル・ガンツとババルー・マンデルの作品なので?!、同映画に主演したビリー・クリスタル(名作「恋人たちの予感」の人)が、ドウェイン“ザ・ロック”ジョンソンに歯の妖精の秘密兵器を提供する、言わば、007シリーズのQにあたる役として登場するのもビックリですが、それ以上に呆れてしまうのは、007シリーズのMにあたる役?!として、ミュージカル映画の名作「サウンド・オブ・ミュージック」(1964年)で伝説の大女優ジュリー・アンドリュース(↑)が、こんな映画に出てしまっています…!!、「メリー・ポピンズ」(1964年)の彼女は、背中にバカげた羽などつけずとも、空を飛べるはずなのに…ッ!!
「レジオン」のポール・ベタニーの堕ちた大天使ミカエルは、自分の羽を切断して悦楽にひたる前に、このカン違いしてしまった名優たちから、歯の妖精の羽を引きちぎるべきでした…ッ!!



また、モーガン・フリーマンと共演したスリラー映画の「コレクター」(1997年)と「ハイ・クライムズ」(2002年)、ナタリー・ポートマンと共演した「あなたのために」(2000年)などで知られる、「ノーマ・ジーンとマリリン」(1996年)のマリリン・モンローではなく、その実像のノーマ・ジーンを演じたアシュレイ・ジャッド(↑)が、ザ・ロックの恋人を演じ、2006年の「恋愛依存症」以来となる主演女優の座を得ていますが、このガキ映画では、“返り咲いた…!!”とは表現できませんね…。
ま、以上の素晴らしいキャスティングをふまえれば、映画マニアの方は、ちょっと目を通しておきたい作品かもしれませんが、映画の墓場に公開の作品なので、やっぱり、DVDレンタルで観る程度の無駄使いにしておいた方がよさそうです。

アシュレイ・ジャッドとディナー中に、羽が生えて、歯の妖精になったザ・ロック
が困ってしまうシラジラしい芝居がバカなコントにしか見えない場面!!



歯の妖精として、歯を集めに来たザ・ロックが家宅侵入の異常者にしか
見えない場面!!





あのインディ・ジョーンズと、「ハムナプトラ」シリーズのリック・オコーネルという、アドベンチャー映画の2大ヒーローが夢の顔合わせを果たした「エクストラオーディナリー・メジャーズ」が、全米拡大公開映画として、それなりの上映館数の2,549館で封切られたのにもかかわらず、オープニング成績がたったの約700万ドルで、初登場第7位の救命しようがない不治の結果…!!
いわゆる3大ネットワークのTV局のひとつ、CBSのドラマ部門にあたるCBSフィルムズが製作し、配給した本作は、まさにテレビの2時間枠のスペシャルドラマ並の平板な出来栄えと、まったく内容を評価されておらず、そうしたお涙ちょうだい映画の悪評がモロに興行成績に現われてしまった格好です…。
ただし、本作のモデルとなった実在のポンペ病を患った子どもらは現在も闘病中ですし、自分たちの子どもを救う…すなわち、同じ病気の人たちを救うために献身的な努力を働いた両親や、医師たちが偉大であることはまちがいありません。そうした当事者の事情を考えると、映画ジャーナリストや、評論家も容易に本作をダメ映画とか、クソ映画と、バッサリけなして斬り捨てるわけにもいかず、言葉の選び方に配慮するなど、人道的な苦労を強いられているようです…。
映画は否定できても、奇跡の感動実話自体は否定できないだけに、こうした実話映画の評価のあり方を、一度、考えてみる必要があるのかもしれませんが、それより作り手たちが単純なお涙ちょうだい映画を作らない工夫をしてくれる方が、本当はもっと必要なわけですよね…。



ブレンダン・フレイザーが演じているのは、3人の子どものうち、2人が難病のポンペ病と診断されたことから、その子どもたちを救うため、仕事と私財を投げ打ち、多額の借金を背負って、新薬の開発につとめたジョン・クロウリー。
ハリソン・フォードはその新薬を実際に研究して開発に臨んだ医学者。
「ウェイトレス/おいしい人生のつくりかた」(2006年)のケリー・ラッセル(↓)が、夫のジョンを支えた妻のアイリーンを演じています。

ブレンダン・フレイザー-ケリー・ラッセル-1

映画スターが特別主演のスペシャルドラマとしてテレビで放送した方がよかった本作を監督したのは、「ベガスの恋に勝つルール」(2008年)は、まぁまぁ楽しめたトム・ヴォーンです。本職はテレビ監督の人ですから、テレビドラマみたいなデキに仕上がるのは当たり前ですね。

エクストラオーディナリー・メジャーズ予告編




モデルになった実在のジョンとアイリーンのクロウリー夫婦が、自分たちの
体験を語り、ポンペ病の子どもたちと映画の撮影現場を訪れている動画。



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さて、今週末の全米公開映画の新作は2本だけ!!、ベン・アフレックの「デアデビル」(2003年)に、ニック・ケイジの「ゴーストライダー」(2007年)という、共にパッとしないコミックヒーロー映画を作ったマーク・スティーヴン・ジョンソン監督が、女子高生探偵ヴェロニカ・マーズを主演に起用した、ディズニーのロマンチック・コメディ「ホウェン・イン・ローマ」と、メル・ギブソンが6年ぶりに主演俳優に復帰した、ワーナー・ブラザースのサスペンス映画「エッジ・オブ・ダークネス」!!
クリステン・ベルの「When in Rome」は…、When in Rome, do as the Romans do.=ローマにいるなら、ローマ人のようにふるまいなさい、つまり、郷に入っては郷に従えという、ことわざが題名になっています。クリステン・ベルにまさか、「アバター」の連続第1位記録を止められるとは、とうてい、誰も思わないので、メル・ギブソンにそのブレーキをかける役割りが期待されることになりますが、メル・ギブソンは監督として発表した「パッション」(2004年/製作費3,000万ドルで国内成績3億7.078万ドル)が、R指定映画に限ったランキングでは全米映画史上最大ヒットの第1位と、ある意味、ジェームズ・キャメロン監督と肩を並べた存在なので、果たして、俳優としてジェームズ・キャメロン監督にひと泡吹かすことができるのか?!、ジェームズ・キャメロンVSメル・ギブソンの対決の結果に注目です!!、それでは次回のランキングをお楽しみに…!!



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