************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


どちらかと言うと男性志向と言われるピクサー・アニメーション・スタジオが、初めて女性を主人公にした最新作「ブレイブ」を、約2,790館の3Dシアターを含む全米4,164館の超拡大公開で、ディズニーが封切ったオープニング成績は約6,673万9千ドルで、ライバルのドリームワークス・アニメが先々週に公開した「マダガスカル3」の同成績=約6,031万ドルを超えて、弓の名手のヒロイン、メリダが一矢を報いることに成功しました…!!









どちらかと言うと男性志向らしいピクサーで、最初の女流監督となるはずが、どちらかと言うと男の世界のピクサーなので?!途中降板してしまった気の毒なブレンダ・チャップマン監督(「プリンス・オブ・エジプト」1998年)の後を受け、新人のマーク・アンドリュース監督が完成させた「ブレイブ」が封切りで稼いだ約6,673万9千ドルというのは、おととし2010年6月公開の「トイ・ストーリー3」がいきなり叩きだした約1億1,030万ドルのオープニング成績(4,028館/製作費2億ドル)には、とうてい及んでいませんが、その他の近年のピクサー作品と比較すると…、

Wall-E」 (2008年6月公開/製作費1億8,000万ドル) =約6,308万ドル(3,992館)

Up/カールじいさんの空飛ぶ家」 (2009年5月公開/製作費1億7,500万ドル) =約6,810万ドル(3,766館)

カーズ2」 (2011) (2011年6月公開/製作費2億ドル) =約6,613万ドル(4,115館)



ブレイブ予告編



マーク・アンドリュース監督は、おおむね6,000万ドル台というノルマを存分に果たしたことになりますが、残念ながら、ユニバーサル映画が今春3月に封切ったイリューミネイション作品「ドクター・スースのザ・ローラックス」は、より少ない上映館数の3,729スクリーンで約7,021万ドルのオープニング成績をあげていますから、オリジナル・ストーリーで勝負するピクサーは、人気の原作をアニメ化したイリューミネイションには敗北してしまっています…。
なので、「ブレイブ」がこの先、「ザ・ローラックス」の国内売り上げ=約2億1,290万ドルをしのげるか?!に期待がかかることになりますが、ピクサーの前作「カーズ2」は最終的に2億ドル目前の約1億9,145万ドルで集金がストップしてしまっています…。


しかし、その「カーズ2」が映画の格付けサイト Rotten Tomatoes で、支持率38%で腐敗映画に認定と絶不評だったのに対して、母と娘の対立を描き、親の心子知らずといった古いテーマの「ブレイブ」は今のところ、74%の支持率を集めています。なので、超大台の2億ドル超えは果たせそうな気がしますが、過去のピクサーアニメが軒並み90%台の満点に近い高支持率だったことを振りかえると、ブランドの権威が徐々に失墜しつつあるらしいことは不安視されて否めないかもしれません…。


勝気なプリンセス、メリダの声を担当したのは、「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ」(2005年)のケリー・マクドナルド。おてんばなメリダに女性らしくなってほしい…と望むがあまり、娘との間に不協和音を抱えてしまい、メリダが自分の運命を変えたい…と魔女に願ったことで、熊に変えられてしまうお母さんの王妃エリノアは、「ナニー・マクフィー」シリーズのナニー・マクフィー。その他に、ビリー・コノリー、ケヴィン・マクキッド、ロビー・コルトレーン、ジュリー・ウォルターズといった人たちが声優をつとめています。




マイケル・セラAKAスコット・ピルグリムとカット・デニングス(「ソー」2011年)が共演した「ニックとノラの無限大プレイリスト」(2008年)の脚本を執筆したローリーン・スカファリアが、自作のシナリオで監督デビューを果たしたドラメディ「シーキング・ア・フレンド・フォー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」を、配給のフォーカス・ピクチャーズが1,625館の順拡大公開で封切ったオープニング成績は約383万6千ドルで、ギリギリどうにか第10位…という期待ハズレの結果に終わってしまいました…。


シーキング・ア・フレンド・フォー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド予告編




期待ハズレ…というのは、公開館数が少ないため、そもそも大きな数字は望めないわけですが、1館あたりの平均売り上げをチェックすると、「シーキング・ア・フレンド・フォー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」は低予算の小品とは言え、曲がりなりにも新作なのに、先週の初公開で大コケした「ロック・オブ・エイジス」の2週めのアベレージ成績=2,305ドルと同等の約2,361ドルしか集められていません…。よって、人気コメディ俳優のスティーヴ・カレル(「The Office」)と、キーラ・ナイトレイの2大スターが共演したにしては、まったく物足りない…との誹りを免れないことになりますが、失敗の原因としては、3週間後に隕石が地球に衝突して、世界の終わりを迎える…という、素直には笑えそうにない結末の見えたベタな設定が、ハナから観客に受け入れられなかったらしいのに加え、ローリーン・スカファリア監督がそうした人類絶滅の終末思想と、恋愛映画のドラメディの要素をうまく絡めてミックスさせ、ブラック・コメディの体裁にまとめきれなかった力量不足がレビューで指摘されています。


世界の終わりがやって来たとわかるなり、妻に去られたスティーヴ・カレルの主人公ドッジが、死を迎える前に、自分が本当に愛していた高校時代の恋人と再会しようとするのを助けるのと引き換えに、イギリスの家族のもとへ帰る段取りをキーラ・ナイトレイが得ようとするはずが、いつしか、ふたりの間に絆が…といった「シーキング・ア・フレンド・フォー・ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」の映画の格付けサイト Rotten Tomatoes での支持率は53%で腐敗映画に認定…。世界の終り…という奇をてらった暗い要素を廃して、フツーの世界観で作っていたなら、少なくとも、もう少し集客はできたかもしれませんね…。


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