************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


これまで業務提携していたパラマウント映画が、自社で独自にアニメ映画を製作する方針に転換し、“パラマウント・アニメーション” を立ち上げる運びとなったため、来年2012年末で配給契約終了となり、新作のアニメ映画を作っても、それを映画館で公開する手立てを失ってしまったドリームワークス・アニメが、他社に頼らず、自社で封切りをまかなう配給事業に乗り出す可能性を、経済メディアのブルームバーグが報じました…!!






パラマウント映画がドリームワークス・アニメをお払い箱にしてしまった?!という、今夏7月初めにお伝えしたニュースの中でも記したように、ドリームワークス・アニメのライバルのピクサーを抱えるディズニーは、そもそもアニメ映画の供給元をまったく必要としませんし、20世紀FOX、ソニー・ピクチャーズ、ユニバーサル映画も、それぞれにアニメ映画を製作するパートナーを、すでに持ち合わせています。そのため、ドリームワークス・アニメがもし、大手の映画スタジオと組むのであれば、ワーナー・ブラザースしか選択肢は残されていませんでした。

しかしながら、ブルームバーグが状況に詳しい消息筋からの情報として伝えた記事によれば、映画のデジタル化が進み、かつてのように大量にフィルムを焼き増しするプリント代のコストを負う必要がなくなりつつあることなど、映画配給事業のリスクが軽減してきたことを考慮して、ドリームワークス・アニメがこの機会に、自分たちのアニメ映画を自分たちで封切る自社配給の可能性を模索し始めた…!!とのことです。

配給事業が様変わりしてきたことで、これまでのように他社に配給を委託して、権利を販売し、興行成績の歩合を取得することで得られる利益と、いっそ自社で独自に公開することの損得を天秤にかけた場合、もはや後者の方に旨みがありそうだ…という判断の見方なわけですが、ブルームバーグでは自主配給により、公開日を自由に設定できる、宣伝マーケティングをコントロールできるなどのメリットも掲げています。

同様に映画の自主配給に乗り出した実例としては、映画スタジオの顔色を窺いながら、映画を作った挙げ句、公開にあたっては、「チOコ2本」という素晴らしい題名を、「コップ・アウト」(2010年)なんて退屈なタイトルに変えられ、宣伝に伴う様々な制約のため、映画の中身の方を改変する…といった本末転倒の事態にも陥るなど、従来の映画製作・配給の抱える矛盾に嫌気が差していた、漫画本屋のおっちゃんのケヴィン・スミス監督が、新境地に挑んだカルト・スリラーの「レッド・ステイト」(2011年)を巡回上映の格好で、自分で封切り、立派に黒字の収益をあげるという新しいビジネスモデルを作ることに成功しています。


ただし、それはインディーズ映画の「レッド・ステイト」の製作費が、わずかに約400万ドルと安価だったことや、映画館ではなく、一般のホールを利用するなど、既存の映画配給網から完全に逸脱していた特殊な事情だったことから成り立った節があり、ドリームワークス・アニメのアニメ映画のような多額の製作費を必要とする作品が、果たして、大手の映画スタジオを相手に、充分に利益をあげられるだけの上映館数を本当に初日に確保できるのか?!、公開日を自由に設定できる…といったブルームバーグの記事は、CBSテレビが映画配給に乗り出し、四苦八苦を強いられ続けていることを思うと、いささか楽観すぎる感じがしないでもありません。また、近年のアニメ映画はおおむね3D映画ですが、観客が鑑賞に用いる 3Dグラスのコストをドリームワークス・アニメが全額負担するのか?!、それともソニー・ピクチャーズが打ち出した、映画スタジオはもう、3Dグラスのコストを負担しない…という方針に倣うのか?!といった視点からも、ドリームワークス・アニメが独自配給に乗り出す前に解決しなければならない問題を指摘することができそうです。

最終的に、ドリームワークス・アニメのCEOのジェフリー・カッツェンバーグは、会社の進むべき道をまだ決めかねている…と、ブルームバーグは記事を結んでいますが、果たして、将来的にドリームワークス・アニメはどういったルートで公開されることになるのか?!、ジェフリー・カッツェンバーグの決断が注目されそうですね。
なお、未だに一部のニュース・メディアが、“スピルバーグ監督のドリームワークス・アニメ” とカン違いした報道を行っているので、くり返しておきますが、スピルバーグ監督とドリームワークス・アニメは何の関係もありません。

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