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アメリカ映画界を代表する伝説的な名監督であり、ほとんどの作品を自身の育ったニューヨークで撮影し、人と街を描いたことから、ニューヨーク派と呼ばれたシドニー・ルメット監督が、ニューヨークでは今朝となる4月9日のその土曜日の朝に、マンハッタンの自宅で、リンパ腫のため、お亡くなりになられたことを、義理の孫娘レスリーさんが明らかとし、ニューヨーク・タイムズがしめやかに訃報を報じました…。




映画史上のまさにクラシックの名画と呼ぶにふさわしい傑作「十二人の怒れる男」で、1957年にデビューを果たしたシドニー・ルメット監督は、遺作となったサスペンス映画の名作「悪魔にあなたの死を知られる前に」を発表した2007年までのちょうど半世紀の間に、45本の映画を監督し、その他にテレビドラマの演出も手がけましたから、主な作品の舞台としたニューヨークの街そのままに勢力的な人だったことが、あらためて、その業績から偲ばれます。
50年間という長い映画監督人生で、最も活躍した時期は、「セルピコ」(1973年)や、「オリエント急行殺人事件」(1974年)のほか、後述のオスカー候補作を発表した70年代と言えるのかもしれませんが、実のところ、シドニー・ルメット監督は各時代ごとに傑作をモノにしており、そのキャリアにおいて、まんべんなく質を保ったことでも、傑出した映画監督だったと言うことができそうです。
そうしたシドニー・ルメット監督は、アカデミー賞に計5回のノミネート…、「十二人の怒れる男」、「狼たちの午後」(1975年)、「ネットワーク」(1976年)、「評決」(1982年)では最優秀監督賞、「プリンス・オブ・ザ・シティ」(1981年)では最優秀脚色賞、…を果たすも、一度も受賞にはいたらず、2005年に行われた第77回アカデミー賞授賞式で名誉賞を贈られていますが、賞の栄誉よりも、映画ファンにしっかりと覚えられている作品の数の多さが、シドニー・ルメット監督にとって、文字通りに自ら勝ちとった勲章ではなかったかと思います。
80歳を過ぎて発表した「悪魔にあなたの死を知られる前に」が、過去の代表作と同様に人間の内奥のモラルを問い詰めた、クールでカッコいい映画だったことは、期せずして、シドニー・ルメット監督の映画人生にふさわしい幕切れとなりましたが、どうか、その死を悪魔に知られることなく、安らかに天国に召されたことを祈り、追悼と感謝を捧げたいと思います。本当にありがとうございました。

十二人の怒れる男予告編



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