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ゾンビ初日の戸惑いを描いたコメディ・ホラー「ザ・クラウン」や、「スター・ウォーズ」に登場した四つ足で歩く帝国軍の兵器 AT-AT を犬のようなペットにしてしまったユーモア・スケッチなど、思わず笑ってしまうショートフィルムをこれまでにも紹介していることから…


CIAリーダーのみなさんには、すっかりお馴染みであるはずの元漫画家のフランス系カナダ人のフィルム・メイカー、パトリック・ボルヴィンさんが真冬の時期にふさわしい極寒の終末世界を舞台にして、シリアスに描いた残酷にして美しい物語の最新作を届けてくれました…!!

たどたどしい少女のナレーションで物語られる、この「ホワイト」の内容は…

Short Film : WHITE


どういった理由でかはさておき、再び極寒の氷河期に見舞われ、人類が死に絶えた終末世界で共に生き残ることができた愛犬だけを唯一、頼りの相棒として放浪の旅を続けている主人公の女性は「生きてこそ」(1993年)のように死肉を貪ることで、命だけは長らえていたものの、孤独さゆえから生きる希望はすっかり見失っていた…。

しかし、ついにある日、自分以外の生存者の男性と巡りあった女性は、その弱りきった男性を介抱することに生き甲斐を見い出すのだったが、口にできる食料が尽きたことから、旅の相棒を殺めてしまう…。

そして、自分の恐ろしい行為への後悔に囚われた女性は、失意だけを抱いて、再び行くアテもなく、男性を後に残して旅立つのだったが…、彼女は自分がもう孤独ではないと知ることに…。


…というわけで、物語の語り手の少女が誰なのかは言わずもがなですね。

疲弊した男性のために生死を共にしてきた親友である愛犬に自ら手を下すことになったり、食料を入手するには、それを求めて旅をし、移動し続けるしかない状況についていけない男性を置き去りにするなど、過酷な側面のある物語ですが、最後に女性がどうやら定住可能な、言わば “ 約束の地 ” にたどり着いて、生きる希望を宿したことで、途中の残酷さは終末世界をサバイバルし、生命をつなぐためにやむを得ず、すべては語り手の少女のためだった…と納得のいく結末となっています。たったの7分間の作品ですが、長編映画を観たように手応えのある、大変によく出来た作品です。


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